<劇場公開版>よりも20分以上長くなった<ディレクターズカット版>です。
細かーいキャラクター描写が増えていたり、アクションシークエンスが丸々復活したりで、<公開版>では舌足らずに感じていた部分もこれならわかりやすくなっていますね。
それ以外では当然のように女の子のショットが増えていたり、ノーマルだったものがハイスピードになっていたり、この監督はぶれません。
オーディオコメンタリーも独壇場で、この人は本当に楽しみながら映画を撮ってるんだな、現場もみんな楽しそうだな、というのも伝わってきます。

元々の作品そのものにも若干引っ掛かりを感じていましたので、そのせいもあるのかも知れませんが。
ところで幼い三郎を演じた渋谷樹生は、坂本監督がパイロット版の監督を務めた『獣電戦隊キョウリュウジャー』で幼いダイゴも演じているが、オーディオコメンタリーで他の作品でも一緒に仕事をしたと発言している。で、フィルモグラフィーを見ると実写版『009ノ1』の題名が。
その『009ノ1』は未だ詳細不明で今秋公開予定とだけアナウンスされているが、主演か助演かわからないが長澤奈央の出演は発表されている。
……ということは、『009ノ1』は坂本監督作品?!
こちらは東京藝術大学大学美術館という所で、恥ずかしながら初めて知りました。もちろん、中に入るのも初めてです。
こちらは……なんと言いますか、落ち着いて見られましたね。

また展示の内容も非常に興味深いものでした。
夏目漱石の作品に出てくる美術作品、漱石が影響を受けたり愛でていた作品、また漱石作品の挿絵や、漱石自身と親交のあった作家の作品など国内外問わずバラエティに富んでいます。
ターナーやウォーターハウスといった近年ちょいと気になりだした作家のものや、横山大観、黒田清輝、青木繁、ミレーなどが一堂に会した良くも悪くもごった煮の魅力で、「夏目漱石」という作家を多面的に捉える試みも面白いと思います。
3つ回った中では一番満足度が高かったですね。期待値は正直、一番低かったのですが。

いいじゃん、これは夢、というか目標の一つなんだから、その日の為にイメージトレーニングっつーことで。
ただ今のところ体力面ではそれほど心配はしていないものの(過信するほど体力自慢も出来ないケド……)、気になるのはやっぱり「高山病」だなあ。絶対なりそうな気がする~。
とりあえず富士登山の気分を味わい、最低限の体力が果してあるのかどうかを確認するために、この本にも載っている北口本宮富士浅間神社から五合目まで登ってみようかな。
これならへばっても、バスで駅まで帰って来られるだろうし。
…邪道?

今回は006の中国での活躍から始まり、004と008がイスタンブールへ行く話、009とギルモア博士や001との再会(もちろん003との例のラブシーンもあり)、そして消息を絶った米軍機の調査に飛んだ002が撃墜されるあたりまで。
この分だと映画を全部消化するまで何巻かかるかな。
一応のボリュームとしては半分くらいだろうから、全4巻か5巻というのが妥当なところだろうが、連載となるとあと1年か1年半。そこまでやらせてもらえるかな。
今度は東京都美術館、こういう時に上野公園は便利ですね。
こちらはアンブロジアーナ図書館・絵画館の所蔵品が、これまた日本初公開とのこと。レオナルド・ダ・ヴィンチの作品だけでなく、ベルナルディーノ・ルイーニやジャンピエトリーノら”後継者”たちの作品もまとめて展示です。
……スイマセン、誰それ?とは言いませんが、良く知らない方々でした。

で、こちらはどうかなあと思ったのですが、やはり会場内は混雑。
これが入場制限がされたり待ち時間が○時間とかいう大混雑ならば、おそらく場内で係員が誘導したりするのでしょうが、そこまでではなかったので相変わらずの自然渋滞。
おまけに展示されている作品のサイズが比較的小さいものですから、もう2列目3列目からは全然見えません。
根負けしました……。

いつもなら、じっくり見られなかった作品のために図版とか目録の類を買って帰るのですが、大きいし重たいし高いしぃ…なんて考えていたらどんどん興味を失い、どちらも未購入。ま、ポストカードくらいは買いましたけどね。
上野の森の受難は続きます。

例年だと<劇場公開版>が発売された後、何ヶ月か置いて<ディレクターズカット版>が発売されるというパターンでしたが、今回は同時発売、しかもセット品もあるので当然そちらをチョイス。メイキングや舞台挨拶なども入った特典ディスクも付いてるヤツです。
で、まずは<劇場公開版>からおさらい。
坂本監督といえばまずはアクションですが、今回ものっけから突っ走ります。
最初の見せ場は朔田流星とインガ・ブリンク。夏映画から原幹恵がスライドで出演していますが、彼女の動き、そして表情は実に良いですね。加えてあのスタイルですから、もっともっとアクション作品に出演して欲しいところ。そしてコンビを組む吉沢亮もJKDが様になってますし、更に力強さがプラスされた感じです。インガの出番が序盤のみなのも惜しまれます。
『フォーゼ』編での次なる見せ場が如月弦太郎と風田三郎の追いかけっこ。パルクールっていうんですか、あれを取り入れた凄まじいものになっていて、さすがに須賀健太はスタントを使っていると思いますけど、福士蒼汰は大半を自分でこなしているようです。
この直前にはゲスト出演の長澤奈央のワイヤーアクションなどという、ファンサービスというより監督自身の好みとしか言いようのないシーンもありますが。
クライマックスシーンではライダー部のメンバーもアクションを披露。歌星賢吾役の高橋龍輝、JK役の土屋シオンがそれぞれ力強さや身の軽さを見せてくれますし、風城美羽役の坂田梨香子とゲストキャラ小牧瑠美役の山谷花純が、これはアクションと言って良いのかわかりませんが、スカートをヒラヒラさせながら敵と戦う、などいう場面も。
『ウィザード』編に入ると、TVシリーズではあまり生身のアクションシーンのない操真晴人の白石隼也や大門凜子役の高山侑子も容赦なく動かされます。本人の身体能力の高さもあるのでしょうが、見せ方そしてスタントマンの使い方も上手いのでしょうね。TV版よりも数段格好良く映っています。
そして何といっても白眉は美少女仮面ポワトリンこと上村優。演じている入来茉里は新体操の元選手ということもあって、その身体の柔軟性、バランスの良さを活かした実に流麗なアクションを見せてくれます。ノンスタントだそうですが、彼女もまた逸材ですねえ。この”特技”を活かす場は……日本映画界にはないのかなあ。
最後の『MOVIE大戦』編では撫子こと真野恵里菜までアクション参戦。アクションするイメージのあまりない彼女ですが、足がかなり上がったりでそれなりに様になってます。もちろん吹替を使ってるカットも多いのですが、ポージングが堂に入っているのはアイドルならでは、なのでしょう。
監督ならではのもう一つの持ち味は、ローアングルが多いことと、女性の足を美しく撮っていること。
舞台挨拶で入来茉里も、それに宇宙仮面ライダー部唯一の現役部員である『フォーゼ』編ヒロイン大木美代子を演じた足立梨花も異口同音で語ってましたけど、監督が「太もも」と「絶対領域」に相当な拘りを見せていた由。
絶対領域からナメてのメテオのショットとか、顔の前ではなくわざわざ太ももの前まで下げて操るポワトリンのバトンだとか、言われたい放題になってましたが、普通ならセクハラになってしまいそうなことも笑い話で済まされてしまうのが監督の人徳、なんでしょうかね。
ちなみにこの二人、共演するシーンはないものの、同じ事務所の所属で仲が良いみたいです。バーターではないんでしょうが。
斯様に華やかで楽しい内容になっている今回の映画ですが、まとまり具合としては今一歩かなあ。前作ほど”燃える”要素は少ないですし、イナズマン、ポワトリン、それにアクマイザー3と、過去の石ノ森ヒーローの大量消費もちょっと気になります。

名前だけは知っているものの、ラファエロ・サンツィオの作品って今回”日本初公開”を謳っている≪大公の聖母≫の他には数点くらいしか知らないのですが、それらの作品の色遣いが何となく好きだったりで愉しみにしてました。
しかし平日の朝っぱらだというのに、館内が混雑していること!
入場するまで数十分とか数時間待ちとかいうことはなかったのですが、会場内の列が全然進まない……。
まあ鑑賞している人たちの年齢層が高いということもあるでしょうし、他人のことは言えませんけどミーハー一点張り、つまり何となく有名らしいから見ておこうかな程度の人が多かったということもあるのでしょう。
しかし毎度のことながら思うのが、「音声ガイダンス」の弊害ってやっぱりあるんじゃなかろうか、ということです。
作品の前に行くとガイダンスを聞き始め、それが終わるまでその場に滞在。もっと自分のペースで回れば渋滞も多少は改善されるんじゃないのかなあ???

それだけが理由じゃないですが、結果的にかなり駈け足で会場内を回る羽目になりまして、何時間もいた訳ではないのに疲労感が。
もう一度のんびりと回りたいところですが、平日の午前中でこれじゃあもう無理だろうなあ…。


確かに影響は受けてるんじゃないかと思います、キャラクターの配置など。個性豊かな姉たちの下で育った唯一の”男子”、純朴で素直な宗孝と、何をやらせても様になる名門貴族の御曹司、ちょいと底意地の悪いイケメン宣能の組み合わせには既視感が漂いますし。
でももっとライトでコミカルなものになっていました。
思いっきりネタバレしてしまうと、この本には四つの短編が収められていますが、”ホンモノ”の怪異は一つもありません。物の怪ではなく人の仕業なのです。しかしその背後にはなかなか複雑な人間模様、いわゆる政争というものが隠されていて、この部分はかなり読み応えがあります。しかも”鬼の仕業”でないことに毎度落胆しながらも、それを見抜く宣能の鋭い観察力は、かえって物語の構造がファンタジーに逃げていないだけに光るものがあります。ホームズ・ワトソンコンビのヴァリエーションとしては上々の部類でしょう。
となると、シリーズ化を望みたいところですね。
宗孝の強烈な姉たちの何人かは物語の中に出てきましたが、まだまだ語られていない人は大勢いますし、不思議な能力を持った宣能の妹、何やら企む(?)宣能の叔母やら曲者も揃っています。
はたして宣能は本当の怪異に遭遇出来るのか、あるいは宗孝は嫌々ながら直面してしまうのか、続きが読みたくなりますねえ。

だからといってこのお話が詰まらないというわけではなく、むしろわかりやすさ、素朴な愉しさという点では前作より上だと思っています。なのでなおさらハウル抜きでも、あるいはハウル抜きの方がより完成度が高くなったんじゃないのかなあと思ったりもするのですがねえ。
さて、このあとにはシリーズ完結編と謳われている待望の第3巻が待っているのですが、はたして完結編に相応しい内容になっているのか、それとも単なる3冊目でしかないのか、どちらなんでしょうね。
前回の感想はこちら。

こんな内閣が本当にあれば、と思わせてくれた『史上最強の内閣』の続編。
今回は国際情勢が舞台だった前作と違い、大阪府の改革がテーマ。ということでスケールダウンしているのかと思いきや、その内包する問題はより大きく深くなっている。
マスコミのあり方も含めて今回も色々と考えさせられる内容で、前作に比べるとコメディ色はかなり薄められているけれども読みごたえは十分。今回が「完結編?」という触れ込みではあるが、まだまだこの内閣には再登板して欲しいものである。