
群れからも孤立し、日に日に衰弱していくオスカー。ところがここで奇跡が起こり、なんと群れのボスがオスカーを自分の子供として育て始めます。これは極めて珍しいことなのだそうです。
他の群れの再度の襲撃を今度は撃退し、過酷な環境の中でもオスカーが逞しく育って行くであろうことを期待させつつ、映画は幕を閉じます。
人間に近い存在だけに、他のネイチャードキュメンタリーよりも動物たちに感情移入しながら見ることが出来る一篇。
ただ可愛いだけの描写だけでなく、過酷な現実も容赦なく映し出されるのがキツイ、という人もいるだろうとは思います。
特に驚いたのが、木の実を食べるイメージはあるのですが実はチンパンジーは結構雑食で、当然のようにヒトのように肉も食べるのですが、その肉というのが…。
ディズニー印の映画ですが、甘いものではありませんでした。
オリジナル版のナレーションはティム・アレンですが、日本語版は谷原章介。
ナレーター・タイプの俳優さんではないと思いますが、聴きやすい声質なので悪くはないですね。
監督はアラステア・フォザーギルとマーク・リンフィールド。
エンドロールがメイキング映像になっていますが、撮影そのものもかなり過酷だった様子が窺えます。
Disc4は「第四章 帝国の提案」、Disc5は「第五章 旧住民VS新住民」、Disc6は「第六章 捕虜交換式」、それに特典として「ローゼンリッター日報」を収録しています。

で、懐かしくも愉しく拝聴した訳ですが…
気になるのはオリジナルキャストの「老い」。
当時のイメージそのまま、という人は正直言って数えるほど。
聴いていて一瞬「誰?」と思ってしまうことが多いのは淋しい限り……。
特にこの4作目なんか、お話全然覚えてなかった…。
いや、全然じゃないけれど、かなり断片的。
ジャックの偽者が出てくるのが導入部だったっけ?
結構気に入ってるシリーズのつもりだったんですが、楽しんだのは1作目だけだったのだな、多分。

この4作目はなんか番外編みたいな印象が残ってたんですけど、きちんと3作目ラストの続きになってたんですな。
ジャックとギブス、バルボッサ以外にレギュラーが出てこないのと、前作ラストがいきなり10年後だったので、時系列的に混乱してたというのもあるんですが。
ただ、それで本作が凄く面白いのかというと、やはり微妙。
以前にも書きましたけど、ジャックは主役ではあっても主人公には適さないキャラ。
本筋を進めるキャラクターが別にいて、それにちょっかい出したりして結果的にお話を引っ張る、というのならいいのですが、初めっからジャックありきで進めようとすると色々と制約もありそう。
宣教師と人魚のカップルもバッサリ切ってしまってもお話の進行上は問題ないし、むしろその分をバルボッサと黒ひげの因縁話に費やした方が「海賊映画」らしさが出て骨太な映画になったかも。
あとはアンジェリカを、黒ひげとジャック、どちらともつかず離れずにしておけば、「ルパン三世」における峰不二子みたいに描けたのかなあ?
なんて考えてしまいました。
さて、最新作「パイレーツ・オブ・カリビアン/最後の海賊」の日本公開はもうすぐ。今のところ評判は悪くなさそう。
しかし今回で完結なワケじゃなく既に次の作品の話も聞こえてきてるというのに「最後」と付ける邦題や、「さらばジャック」みたいなコピーを使うのは、誇大広告を通り越して詐欺だと思うんですがねえ。
<過去記事>
http://odin2099.exblog.jp/15030251/

豪華なブックレットもついた、全15枚組のCD完全版BOXです。
その中でまずはBOX1を聴いてみました。
Disc1は「第一章 偶数年のできごと」、Disc2は「第二章 はじめての給料」、Disc3には「第三章 全員集合」を収録。
あわせて特典として「堀川りょうインタビュー」や、二次創作ドラマの「くたばれ!カイザーに対するラインハルトの返事」、「再会」、「あざといフェザーン商人の要求」も収められています。
ドラマではないので基本はユリアン・ミンツ役佐々木望の朗読で進みます。ユリアンの書いた日記、という形式の小説なので違和感はありません。
その中で引用されている台詞部分、例えばアレックス・キャゼルヌの台詞であればキートン山田が、ワルター・フォン・シェーンコップであれば羽佐間道夫、ダスティ・アッテンボローなら井上和彦、オリビエ・ポプランは古川登志夫、フレデリカ・グリーンヒルは榊原良子が読み上げる、という構成になっているのです。

音楽や効果音がないのは残念ですが(オープニングでマーラーの3番、流して欲しかったり…)、原作の中では一番明るくて楽しいパートなだけに、朗読でも実に良い雰囲気です。
実は部分的にはアニメ化されてはいるのですが、何らかの形で映像版も見たかったなあ。今ならネット配信の短編アニメ、なんていうのも良いんじゃないかと思いますが。

映像特典として千秋楽のアフタートークと、公演別エンディング、それに千穐楽カーテンコールの模様が収録されているけれど、これ見るとエンディングは毎回殆どアドリブの嵐だったようで、そうなると本編もかなりラフな感じで演じられていた様子。
こういうのってリピーターにはたまらないよねえ。
ボーナスディスクには残りのアフタートーク全公演分も収録。相変わらずの自由な空気、良いなあ。
<スーパー戦隊>の絆もあるけれど、若手注目株が揃ってキャスティングされてるだけあって、他の現場でも一緒になったりで元々縦も横も繋がりは密みたい。そういった素の顔が愉しめるのも、こういった公演ならでは。
自由すぎる冨田翔、それにツッコミを入れる林剛史、ヒーローの面影はもはや無いわな。
しかしながら肝心の本編ストーリーは、ちょっとキャラクター増やし過ぎな感があるのと、それに伴って主役が劇団バズーカじゃなくなってるのがちょっと物足りない。
それもあって、今後の予定はまだ発表されていないけれど、「俺たち賞金稼ぎ団」の続編になるかどうかはともかく、次の<TOEI HERO NEXTステージ>も是非やって欲しい。
<過去記事>
http://odin2099.exblog.jp/25398748/

ピアノの藤満健さんはわかりますけれど、まさかまさかの「村治佳織」の名前。
そもそもソプラノ歌手とギタリストという組み合わせ自体が珍しいと思いますが、これは想像もしなかった”夢の共演”!
ということで紀尾井ホールへ行ってきました。
ここは座席数が800席くらいらしいですが、SOLDOUTで当日券も出ておりませんでした。
流石に人気者同士の競演だけのことはあります。
プログラムの第1部は
◆モンテヴェルディ:オペラ 『オルフェオ』より“私は音楽”(ソプラノ+ピアノ)
◆ヘンデル:オペラ 『ジュリアス シーザー』より
“2つの瞳よ”/“それにしてもこう、1日のうちに~わが運命を嘆こう”(ソプラノ+ピアノ)
◆J.S.バッハ/グノー:「アヴェ・マリア」(ソプラノ+ギター)
◆J.S.バッハ:プレリュードとフーガ BWV 998より(ギター)
◆J.S.バッハ:カンタータ第51番『すべての地にて歓呼して神を迎えよ』より
第1曲アリア”全地よ、神に向かいて歓呼せよ”(ソプラノ+ピアノ)
第2部は
◆マンシーニ(編曲:藤満健):ムーンリバー(ソプラノ+ピアノ+ギター)
◆E.クラプトン&W.ジェニングス:ティアーズ・イン・ヘヴン(ギター)
◆ハーライン (編曲:藤満健):星に願いを(ソプラノ+ピアノ)
◆R.ロジャース(編曲:藤満 健):『サウンド・オブ・ミュージック』よりメドレー(ソプラノ+ピアノ+ギター)
でした。
ギターの音色と幸田さんの声の相性はなかなかのもの。そしてこれにピアノが加わると無敵です。
最初にこのコラボが実現したのは第2部冒頭の「ムーンリバー」でしたが(これ、最初は藤満さんだけステージに登場してピアノを弾きはじめ、途中から幸田さん村治さんが参加する、という構成でした)、藤満さんのアレンジも素晴らしく、しばらくぼーっと聴き惚れてしまいました。最後の「サウンド・オブ・ミュージック」も圧巻でしたね。
アンコールはドヴォルザークの「家路」。
今回が初コラボだそうですが、次にも期待したいところですね。
なんといっても美女二人のステージは華やかですし。
繁栄に酔い痴れる司令部は、これをまともに取り合おうとはしない。
宇宙の危機に対し、反逆者の汚名を着ても飛び立つヤマト。
追撃の命令を受け、ヤマトの前に立ちはだかる新鋭戦艦アンドロメダ。
一触即発!
だがヤマトは己が道を突き進んでゆく――

もちろんそれだけではなく「2199」を踏まえた「2202」独自の展開も用意されています。
早すぎる地球の復興、そのからくり。そこにはガミラスの思惑が密接に絡み合っていますし、旧作以上に膨らんだレギュラーキャラクターたちにはそれぞれのドラマが用意されています。
しかし技巧派の躱すピッチングで行くのかと思いきや、時折変化球は交えるものの、基本はストレートでグイグイ押すスタイルなので、すんなりと物語世界に入り込むことが出来ました。
次なる第三章は「純愛篇」と銘打たれ、先が読めません。
普通に考えれば古代進と森雪の関係にスポットが当たるのかなと考えられますが、それならわざわざこんなサブタイトルにはしないでしょうから、もっと色々な意味が込められているのでしょう。
公開は10月14日。
この日は「宇宙戦艦ヤマト2」の放送が始まった日なのですが、意図的に合わせたのでしょうか?
それにしても本作でのガミラスは地球やヤマトに対し、妙に卑屈に振舞っています。
「2199」の時はイスカンダルに対して畏怖と崇拝を示していましたが、もしかするとガミラス人というのは、ある種絶対的な存在に対しては盲従する気質の持ち主なのかもしれませんね。

アニメが「子供のもの」から「若者のもの」へと移り変わっていったことの象徴みたいなものですね。既に2時間クラスの大作として、一般映画枠でヒットを飛ばしているのですから。
それを考えるとブームの末期に放送され打ち切りの憂き目を見た「無限軌道SSX」などは、逆に<まんがまつり>で劇場版を公開し、新たなファン層獲得を目指しても良かったのかも。

元々のお話が良く出来た小品ということもありますが、これがよく効いています。
初期「999」の雰囲気を上手く伝える作品になっているのではないかなあと思います。
大作は大作として、それとは別に<まんがまつり>として小品のリメイクもシリーズとして続けていくのも面白かったかもしれませんね。テレビは反対に「君は戦士のように生きられるか!!」とか「永遠の旅人エメラルダス」みたいなスペシャル版志向に変わって行ってましたから、それらとは棲み分けが出来たらメディアミックスの先駆けになれたように思います。
その際には「蛍の街」なんかどうですか?
<過去記事>
http://odin2099.exblog.jp/22779305/

輸出して資金を確保するのも大切でしょうが、その前にその戦力を持ってシャイダー抹殺に振り向けるとか、地球侵略に使うとか、そっちの方が先じゃないの?
と色々突っ込みたくもなりますが、この時期の子供番組にそこら辺は期待しちゃいけませんね。
窮地の若き宇宙刑事コンビが、如何にこの危難を乗り越えるか、がこの映画の主題。
で、二代目シャイダーこと烏丸舟とタミーのコンビも良いけれど、やっぱり初代シャイダー・沢村大とアニーのコンビの方がいいなあ、と改めて感じた今回の再観賞。
生真面目とか爽やかとか、健気とか可憐とか儚げとか、そんな言葉が浮かぶ初代コンビに対して、軽薄とか凶暴とか凡そ真逆な言葉しか浮かんでこない二代目。
ここまで極端に違うからこそ、まあまあ許せるというところだなあ。

しかも今回のお相手はウメコ!
……なんだかどんどんネタキャラにされていく。
そんなこんなでオリジナルの「宇宙刑事」、きちんと最初から見直したくなってきた。
<過去記事>
http://odin2099.exblog.jp/23314184/
今回はシリーズ3作目の「ワールド・エンド」、最初から三部作構想ではなかったと思いますが、結果的に三部作完結編となりました。
「スター・ウォーズ」のように2作目が「次へ続く」で終わっているので、さてどうなるんだろう?と公開を楽しみにしていたんですが、ちょっと、というよりかなーり期待外れでしたね。

中身は誰が誰やらで、何かあると右往左往するだけの烏合の衆。
その中の一人、サオ・フェンはチョウ・ユンファが演じるということで注目を集めてましたが、正直言ってどうってことないポジションです。
ジャック・スパロウのお父さん役でキース・リチャーズも出てきますけど、これも「悪ノリ」してるだけですねえ。まあ、こちらは大物のお遊び出演ということで許せるところではありますが。
そしてお話がもう何が何やら…。
これは登場人物が多過ぎることも原因ですが、誰が何を考え誰と手を組み、そして真の目的は何なのか?
裏切りに次ぐ裏切りで、落ち着いて大冒険を楽しむゆとりがありません。
それにエリザベスのお父さんとか、ノリントンさんとか、1作目からのレギュラーメンバーがあっけなく退場してしまいます。
それに最後のウィルとエリザベスの運命は…あれで良かったんですかねえ。
今度の5作目となる最新作にはウィルとエリザベスの息子が登場し、この二人も重要な役どころで出演する、と伝えられてますが、そうなると次の4作目はどういう扱いになっているのでしょうか?
まあ期待せずに見に行きます(^^;
<過去記事>
http://odin2099.exblog.jp/6260606/