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【徒然なるままに・・・】

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「きのふの是はけふの非なるわが瞬間の感触を、筆に写してたれにか見せん」(森鴎外『舞姫』) HNは”Excalibur(エクスカリバー)”

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e0033570_22523842.jpg今朝はモンキー・パンチの訃報で目が覚めた。
そこで追悼の意味も込めて、原作・監督としてクレジットされたこちらの作品を再観賞。

国王とパニッシュ王子を殺害した首狩り将軍が独裁政権を敷くズフ国。その漂流島と呼ばれる場所に国王が隠した財宝が眠っているという。
首狩り将軍はじめ財宝を狙う者は後を絶たないが、その島を護る防御システムの前に成功した者はいない。ルパン、次元、五ェ門も敢え無く撤退を余儀なくされた。

その島の防御システムの鍵を握っているという将軍の娘エメラに接触するルパンだったが、実はそれは秘密工作員オーリエンダーが化けた偽者だった。
ルパンを追ってズフ国にやってきた銭形の計略に嵌り、アジトを急襲されてしまうが辛くも脱出する。

ルパンから死んだ筈のパニッシュを見かけたと聞かされたオーリエンダーは、彼を探して街を彷徨う。
一方のルパンたちには懸賞金がかけられ、銭形、首狩り将軍、それに賞金稼ぎたちからも命を狙われる羽目に――!

モンキー・パンチ初監督作品!がウリだが、出来上がりはかなりお寒い。脚本や演出よりもトータルの仕上がり面が、である。
特に作画の荒れ具合は、大スクリーンで見せるにはあまりにお粗末。スケジュールはかなりきつかったらしいが。

救いはルパン三世役の栗田貫一が大部慣れてきたこと。やっと物真似から芝居になりつつある。
但し山田康雄のイメージを大切にしたい製作側の意向もわからないではないが、将来を考えれば物真似ではない栗田貫一としてのルパンを演じさせるべきだろう。石田太郎がコロンボ役を自分のものにしていったように。

去年の「くたばれ!ノストラダムス」は仕方ないにしても、レギュラー・メンバーの年齢がかなり上がってきた今となっては第二、第三の山田康雄がいつ現れないとも限らない。
全員物真似させるのか?ここらあたりでレギュラー・メンバーを一新するくらいの思い切りが必要ではないのか?

――劇場で鑑賞した当時のメモを引用。
で、今回23年ぶりに見直して見たものの、うーん、やっぱり面白くない。
それ以前に、全くお話覚えてなかったが。

とあるキーパーソンの正体については多くは語らないが、「いつから気付いていたのか」「いつからそうなっていたのか」「何故それが成立しうるのか」等々を考えて行くと矛盾だらけ。
これ、最初から「わかって」見ていても納得しがたいのではないか。

また当時のメモ読むとクリカンにかなり寛容だったが、改めて聞いているとうすら寒い。
なまじっか”山田康雄の幻影”を背負って聞いてしまうだけに、素人演技の稚拙さが際立って感じられてしまう。

また他のヴォイスキャストも総じて聞いていて辛いものがある。
例えばこの作品の銭形は、従来作品のように「ルパンにしてやられるだけの三枚目」路線ではなく、それなりの実力者として描かれてはいるのだが、これが全盛時の納谷悟朗ヴォイスであったならば…。

峰不二子も然り。
そういえばこの作品、1時間半強の上映時間の、残り30分を切る辺りまでルパンと不二子は顔を合わせないというのも珍しい。

そして「ルパン三世のテーマ」は流れるが、音楽担当が大野雄二ではないのも違和感。
当時の興行成績がどうだったのかわからないが、少なくても大ヒットではなかったはず。「ルパン」は2作で打ち切られ、翌年から東宝のGW戦線には「名探偵コナン」が登板。以後20年以上に亘りヒットを続けているのはご承知の通り。

ということで希少価値と思ってこの作品をセレクトしてはみたものの、色々と不満だらけになってしまって失敗。自分にはとことん合わなかったのだなあ。
今週の「金曜ロードショー」では急遽予定を変更して「ルパンVS複製人間」を放送するようだが、その方が無難だったかも(「カリオストロの城」を持ってくるかと思ったが、さすがにヘビーローテーション気味か)。



by odin2099 | 2019-04-17 23:02 |  映画感想<ラ行> | Trackback | Comments(0)
アメリカの眼前に突如出現したソ連の最新鋭潜水艦レッド・オクトーバー。米政府はその目的をアメリカ攻撃だと判断するが、CIA分析官(アナリスト)ジャック・ライアンは只一人、亡命の可能性を示唆する。
一方、ソ連軍は総力を挙げてレッド・オクトーバーを追跡している。攻撃か亡命か、決断に要する時間は残り少ない。
かくして大西洋は、米ソ入り乱れての戦場の場と化してゆく――というこのハイテク・サスペンスは、トム・クランシーのベストセラー小説の映画化。

e0033570_20340679.jpg膨大な情報量をディティールの積み重ねで描写していくクランシーの小説は、実は映画化には適さないと思うのだが、本作は大胆な集約と独自の解釈によって骨太なドラマとなった。
それでも原作を知らないと辛い部分があるのは、原作の長さ(文庫本にして2冊分)からして致し方ないだろう。

原作との相違点(ライアンがラミウス艦長と面識があることや、重要な役回りであるイギリス海軍が登場しないことなど)はいくつかあるものの、そのいづれもストーリー運びをスムーズにさせているので、改悪とも言い切れない。

この作品を骨太に見せている要素は、勿論ジョン・マクティアナンの演出力もあるのだが、ここでは二人の漢(おとこ)の名を挙げておこう。

先ずはレッド・オクトーバー艦長マルコ・ラミウスを演じるショーン・コネリー。年齢を重ね渋くなってからのコネリーは実に魅力的だ。
ロシア人役としては無理があるが(ロシア語も喋らない)、原作以上に魅力的な人物像を創り出している。
当初クラウス・マリア・ブランダウアーでクランク・インしたものの変更。正確な理由はわからないが、これは正解だった。

一方、コネリー絶賛の陰でやや損をしてしまった感のあるのが、ジャック・ライアン役のアレック・ボールドウィン
ハリソン・フォードも候補に挙がっていたライアン役だが、CIAのアナリストという知的な役柄、家庭を大事にする一般人というイメージにはボールドウィンの方が適役だ。
せっかくのシリーズ・キャラクターでありながらも、これ一作で降板してしまったのが惜しまれる。

更にサム・ニールやスコット・グレン、ジェームズ・アール・ジョーンズらが脇を固め、ベイジル・ポールドゥーリスの重厚な音楽がこれを盛り立てる。
殆ど女性の登場しない映画だけに華やかさとは無縁に思われるが、この漢たちのアンサンブル。これこそ紛れもない「華」なのである。

以上が「しねま宝島」からの転載部分。
テレビで放送する度についつい見てしまう作品だが、最近は地上波もさることながら衛星放送でもなかなかお呼びがかからないようで、見直すのもちょっと久しぶり。

現在公開中の「ハンターキラー/潜航せよ」も潜水艦を巡っての米露のポリティカルサスペンスだが、その元祖格といえるのがこの作品。こちらはクーデターではなく亡命だが(クーデター絡みなのは「クリムゾン・タイド」の方だ)、虚々実々の駆け引きが愉しめる緊迫感溢れるアクション作品になっている点は同じだ。

ジャック・ライアンはシリーズキャラクターとして5本の映画が作られ、今もネット配信ドラマが製作されているが、その映像化作品群は一貫性に乏しいのが残念だ。

<過去記事>



by odin2099 | 2019-04-16 20:50 |  映画感想<ラ行> | Trackback | Comments(2)
とうとうエピソード9の正式タイトルが発表されました。
”The Rise Of Skywalker”、邦題はどうなるのでしょう?
「スカイウォーカーの台頭」、「スカイウォーカーの誕生」、「スカイウォーカーの復活」…
それとも単純にカタカナ化した「ライズ・オブ・スカイウォーカー」も考えられますね。
一応自分ならちょっと捻って「スカイウォーカーの継承」とか「スカイウォーカーの伝説」、「スカイウォーカーの系譜」なんて付けるかも。
まあ近々アナウンスされるものと思われますが。

e0033570_19164013.jpgその”スカイウォーカーの血筋”の物語の重要なパートになるのがこのエピソード2です。
前作でアナキン・スカイウォーカーは運命の女パドメ・アミダラと出会いますが、その時の二人は9歳と14歳。これでは恋愛は進展しません。
その十年後、19歳と24歳になったアナキンとパドメは再会し、そこから二人の間に愛が芽生え、ラストシーンでは遂に結ばれます。

この流れ、何度も書いてるのですが、ちょっと不自然というか無理矢理というか。
前作でアナキンはパドメに一目惚れ。その後もずっと淡い想いを抱き続け、再会を機に一気にその想いが噴出し暴走することになります。
でもパドメはどうだったんでしょう?
いきなり年下のイケメンに告白され、悪い気はしないなあと思ったかもしれませんけれど、アナキンの強引さに負けてというわけでもないようなので、その決め手はなんだったのか。

まあいずれにせよこの結果、次回作のラストで二人の間にルークとレイアの双子が生まれ、更に”スカイウォーカーの血筋”は続いて行くのですから、重ねて書きますけれど重要なパートです。それを受け継いだのが例え中二病のカイロ・レンことベン・ソロ君だったとしても。

それともエピソード8で否定されたものの、やっぱりレイもスカイウォーカーの血筋なんでしょうか。だとしてもルークにしろレイアにしろ、エピソード7でも8でもレイとの関係性を感じさせる反応は何もなかったので、どちらかの子供というのも今更な感がありますがね。
あるいはどうやらエピソード9で復活してきそうなパルパティーン絡み?
そういやアナキンは、パルパティーンがフォースを操って(?)誕生させた子供だという設定もあるようですが。

ともあれアナキンとパドメ、この二人の再会が「悲劇の始まり」であり、かつ「希望の誕生」でもある訳です。ここから<スター・ウォーズ>の物語は大きくうねってゆくのです。

【ひとりごと】
アナキンに対し、「いつかお前に殺される気がする」というオビ=ワン。これはジョークや皮肉なのか、それとも未来予知なんでしょうか。
そういやアナキンに対するオビ=ワンの皮肉と言えば、「グッジョブ!」という表現を知ったのはこの作品だったっけ。

<過去記事>



by odin2099 | 2019-04-15 19:23 |  映画感想<サ行> | Trackback | Comments(0)
上映終了が近付いてきたので2回目を鑑賞。
それは同時に「アベンジャーズ/エンドゲーム」の公開が近付いてきた証拠でもあるのだが――。

物語の舞台は1995年。その発端は6年前の1989年。
この前後は<MCU>にとっては何かと忙しい時期でもある。

e0033570_11014900.jpg初代ワスプことジャネット・ヴァン・ダインが量子世界に消え、ハンク・ピムがシールドと袂を分ち、母のメレディスが亡くなった直後にピーター・クイルがヨンドゥ・ウドンタに拉致され、ウィンターソルジャー(バッキー)によってトニーの両親――ハワードとマリアのハワード夫妻が暗殺され、トニーがスターク・インタストリーズのCEOに就任、そしてワカンダのティ・チャカ国王が謀反を企てた弟ウンジョブを粛清、といった具合。

そんな頃にフィル・コールソンはシールドに配属され、一介の捜査官だったニック・フューリーはキャロル・ダンヴァースと出会い、地球が置かれている危機的状況とヒーローの必要性を痛感、アベンジャーズ・プロジェクトを立案したという訳だ。

<MCU>お馴染みのアイテムでは今回、四次元キューブが密かに(?)活躍。
これ、元々はアスガルドにあったようだけれども、いつの間にか北欧に。それをレッドスカルが手に入れ悪事に使っていたものをキャプテン・アメリカが奪取。しかしキャプテンと共に北極海に消え、それをハワード・スタークが回収してシールドが保管、とここまでは合ってる?

その後シールドではセルヴィグ博士が中心になって研究を続けていたが、サノスの命を受けたロキが奪い取りチタウリの軍団を招き寄せたが、最終的にはアベンジャーズが取り戻し今度はアスガルドで保管。
ところがアスガルド崩壊のドサクサでロキが持ち出し、その結果サノスがまんまと手に入れ、指パッチン!

…というのが経緯だけど、ハワードが回収しセルヴィグが研究を始めるまでの間、どうやらキューブは行方不明になってたことがあったことが今回判明。

ウェンディ・ローソン博士ことマー=ベルが、シールドの許可を得てかシールドに依頼されたかで研究してたが、博士の死により研究施設共々行方不明に。それを狙ってきたクリーと、真実に目覚めたキャプテン・マーベルとの奪い合いになったが猫のグースが飲み込み、そして後日吐き出して再びシールドが保管、ということでOK? 紆余曲折だなあ、ちょっと辻褄合わない気もしないでもないけど。

そのグースを文字通り猫可愛がりするニック・フューリーは、今回で従来のキャラクターイメージがガラガラと音を立てて崩壊。しかも以前は格好良いことを言ってた割に、実は片目を失ったのが猫(の姿をしたエイリアンだが)に引っ掛かれた所為だったというのは何ともしまらない。
またイメージ違いと言えば、今回の出演陣の中ではベン・メンデルスゾーンとジュード・ロゥはイメージを逆手に取ったミスリードを誘う面白いキャスティングだったと思う。

キャプテンはキャプテンでも、スティーブ・ロジャースのような謙虚さはまるで持ち合わせてないキャロル・ダンヴァース。
終始上から目線で怖い女か、というとそうは見えないのが不思議。女性キャラ特有の弱さを見せるというシーンもこれといってないのだが、有無を言わせないパワーの持ち主ってことが観客に自然に伝わるからだろうか。
さて、アベンジャーズ合流後、リーダーシップを発揮するのは誰だ?

<過去記事>



by odin2099 | 2019-04-14 11:06 |  映画感想<カ行> | Trackback | Comments(0)
ロシアのコラ半島沖で、ロシアの原潜を追跡中だった米原潜タンパ・ベイが消息を絶った。米海軍は原潜アーカンソーを捜索に派遣する。しかしそこにあるポリャルヌイ海軍基地には現在、ロシアのザカリン大統領がいることがわかり米国防総省に緊張が走り、現地での情報収集のためビーマン隊長以下のネイビーシールズのメンバーに出動命令が下る。

タンパ・ベイ遭難海域に到着したアーカンソーは突如ロシア原潜からの攻撃を受けるが、新任の艦長グラスの機転もあってこれを撃沈。更に沈没していた別のロシア原潜を発見し、その艦長アンドロポフを救出する。その原潜は外部からの攻撃ではなく、明らかに内部からの破壊工作によって沈められていた。
一方ポリャルヌイ海軍基地へ潜入した特殊部隊は、ザカリン大統領がドゥーロフ国防相に拘束される現場を目撃、直ちに米国防総省へ報告が行われた。

e0033570_08421051.jpgホワイトハウスでは緊急会議が開かれ直ちに応戦すべきとの主張がなされたが、応戦準備は進めるものの同時にドゥーロフのクーデターを阻止し大統領を救出する作戦も立案される。かくしてシールズと原潜の共同作戦が開始された。

ジョージ・ウォーレスとドン・キースの共著を原作とし、ドノヴァン・マーシュが監督。
出演はジェラルド・バトラー、ゲイリー・オールドマン、コモン、リンダ・カーデリーニ、トビー・スティーヴンス、ミカエル・ニクヴィストら。

潜水艦モノと特殊部隊モノの幸福な融合。
潜水艦VS潜水艦あり、潜水艦VS駆逐艦あり、それに加えて少数精鋭のコマンド部隊による要人救出作戦あり、と一粒で二度も三度も美味しいアクション映画である。

原作者の一人は元原潜の艦長だったということでリアルな描写が売りではあるものの、その一方では荒唐無稽な場面があったり、ご都合主義的解決が持ち込まれていたりもするのだが、全編に漂う適度な緊張感のお陰で見ている間は気にならない。
キーパーソンとなるキャラクターに女性が当てられているのは現代的?



by odin2099 | 2019-04-13 08:44 |  映画感想<ハ行> | Trackback | Comments(0)
e0033570_22064917.jpg原始時代を舞台にしたハマープロ製作のアクション映画。

しかしお話がとんと頭に入ってこない。
とある部族の族長の座を双子の青年が争い、それに他の部族の美女が絡んできての取り合いになり…というメインストーリーというか後半部分の展開は何となくわかるのだが、そこに至る前半部分がどうしてそうなったのか理解できなかった。
この映画、20年ぐらい前に一度見てる筈だけれど、その記憶もサッパリ。

ハマー製作の原始時代ものとしては、「紀元前百万年(One Million Years B.C.)」のリメイクが「恐竜100万年(One Million Years B.C.)」で、そのリメイクが「恐竜時代(When Dinosaurs Ruled the Earth)」で、そのまたリメイクが「原始人100万年(Creatures The World Forgot)」…なんだと以前聞いたような気がするのだが、「恐竜時代」は随分と違うお話だし、この「原始人100万年」に至っては恐竜さんが出てこない。

その分、半裸のビキニ姿のお姉ちゃんどころかトップレスのお姉ちゃんも出てくるのだけれど、じっくり観賞している余裕もないくらい争ってばかりだ。
これならば「恐竜時代」を輸入盤のBlu-rayで見ている方が遥かにマシ。
日本公開版ではカットされたモザイクなしの全裸のラブシーンがそのまんま収録されているので、知らないで見た人はビックリするだろう。

恐竜さんが出てこないので大掛りな特撮シーンもなし。
火山が噴火してのスペクタクルシーンも用意されてはいるものの、目玉というほど力も入れられていないし、台詞もなくゼスチャーのみで進行するという点も併せて極めて地味な仕上がり。
見どころはミス・ノルウェイに選ばれたジュリー・エーゲの肢体のみというのはちょっと寂しい。



by odin2099 | 2019-04-11 22:12 |  映画感想<カ行> | Trackback | Comments(0)
e0033570_22200285.jpg
超常現象を題材にした作品を撮り続けているM・ナイト・シャマラン監督の最新作。

タイトルバックにバーナード・ハーマン調のテーマ曲が流れることが’50~’60年代のSFやサスペンス映画風であることを示す一つの「サイン」となっているが、B級テイスト溢れる題材を格調高く見せる手腕は今回も評価出来る。
だが万人受けした「シックス・センス」に比べ続く「アンブレイカブル」はかなり観客を限定する作品となっていたが、そのマニアックな傾向は今回益々強まっている。

ミステリー・サークルとくれば宇宙人、そう連想する人は決して少数派ではないだろう。ただそのB級っぽさに惹かれて見に行くと、今度はフラストレーションがたまるに違いない。
e0033570_22201291.jpgそもそもミステリー・サークルを前面に押し出した宣伝展開からして観客はそれに対する何らかの答えを求めて劇場へ足を運ぶはずだが、それ自体は一つのきっかけ(=「サイン」)に過ぎず物語はどんどん違った方向へと流れて行く。

物語の趣旨としては「偶然に起こることは何もなく、全ては何らかの「サイン」なのだ」ということが言いたいわけで、そのきっかけ(=「サイン」)がミステリー・サークルである必然性は皆無。結局は「神を捨てた男が再び神と出会う」という新手の宗教映画として完結するのだ。

ある意味では観客の予想を裏切る見事なストーリー・テラーぶりと言えなくもないのだが、納得出来るものではない。

以上、「しねま宝島」から転載。

友好的な出会いになるか、それとも侵略者との攻防を描いたものになるかは兎も角として、何らかの知的好奇心を満たしてくれるファースト・コンタクト物になっているだろうと期待して足を運んだものの、なんだか狐につままれたような気分で劇場を後にしたのを覚えている。

e0033570_22202467.jpg最終的には宇宙人はバッチリと姿を見せてはくれるのだが、どうやら友好的存在では到底あり得ず、ただの侵略者ではなくどうやら地球人を捕食しているのでは?との推測が語られるのみで、結局彼らが何者で、どこから来て何を目的にしていたのかはわからず仕舞い。
作品全体がコケ脅かしとハッタリで成り立っているのだから、宇宙人に関しても大法螺吹いても良かったのでは、と今でも思う。

妻を事故で失い信仰を無くした元牧師のメル・ギブソンと、その子供(ローリー・カルキンとアビゲイル・ブレスリンの兄妹)、それにメルの弟ホアキン・フェニックスが同居しているという四人家族が主人公なのだが、この一家の子供たちには不思議な能力があるのか、それとも精神的に不安定なだけなのか、それに家族間で何やら隠し事があるのか、となかなか感情移入しづらい。
それもこれも皆どうやら思わせぶりなだけ、で片付いてしまうのもどうにもフラストレーションが溜まってしまう。
久しぶりに見直してはみたものの、違った意味で色々と考えさせられる作品だった。



by odin2099 | 2019-04-10 22:27 |  映画感想<サ行> | Trackback | Comments(0)
e0033570_22040143.jpgロシアで反乱が勃発。反乱軍は核兵器をも手中に収め、米国と日本を攻撃すると脅迫してきた。
この事態に米軍は、叩き上げのラムジー艦長が指揮する原潜アラバマを出動させる。
やがてアラバマは本国からの指令を受けるが、受信中に敵原潜の攻撃を受け通信が途絶えてしまう。その通信を巡って攻撃準備を進めるラムジーだったが、新任のエリート副長のハンターは指令の確認を求め、激しく対立する。

もう四半世紀近く前の作品だが、相変わらずハンス・ジマーの音楽は格好良い。劇場で見て気に入り、すぐにサントラCDを買ったことを思い出す。
テレビ放送の際などにも何度か見直したつもりでいたのだが、きちんと見るのは実は劇場公開時以来だということに鑑賞メモを見ていて気が付いた。

正式な手順を踏んだ命令に対しては、同様に正規の手順を踏んだ中止命令がなければそのまま遂行するべきとするラムジーの判断が正しい。ただそれが不完全な状態での受信だったならば、先ずは確認すべしとするハンターの判断も正しい。

ということで単純に両者を一方が善で一方が悪と判断してはいないが、叩き上げとエリート、白人と黒人という具合に二人の対立要素をわかりやすく増やし、またハンターがラムジーの指揮権を剥奪すれば、ラムジーも腹心の部下を集めハンターを封じ込めようとするなど双方の行動がエスカレートするので、どちらにも感情移入がしにくい。

e0033570_22041422.jpgまた結果的に中断されたのは中止命令だったことでハンターの正当性が認められ、悪役ポジションとなったラムジーは早期退役(でお咎めなし)という温情処分を受け、一方でラムジーの強い推薦でハンターがアラバマの次期艦長に就任するという流れは一見するとハッピーエンドに思えるが、これはたまたまそうなっただけで米海軍の持つ本質的な問題の解決には至ってないという点では些かモヤモヤが残る。

もし中断されたのが攻撃命令で、それを実行しなかったがためにアラバマだけでなく日米両国が深刻なダメージを被っていたとするならば、ハンターは取り返しのつかない行動を取ったことになるからだ。

だがこの作品はポリティカル・サスペンス風味ではあっても堂々たるエンターテインメント大作であり、デンゼル・ワシントンとジーン・ハックマンが双方共に引かず、堂々たる演技合戦を繰り広げているので純粋にそれを愉しむべきだろう。
今でも十二分に見応えのある、”静かなる”アクションドラマである。

【ひとこと】
キーとなるキャラクターを演じているのはヴィゴ・モーテンセン。当時は全然印象に残っていなかった。
彼が気になりだしたのは「ダイヤルM」あたりからで、その後「ロード・オブ・ザ・リング」三部作でブレイクしたのはご存知の通り。



by odin2099 | 2019-04-09 22:10 |  映画感想<カ行> | Trackback | Comments(0)
e0033570_09151212.jpgタイトルになっている「バイス」とは「バイス・プレジデント」=「副大統領」のこと。
ただ「バイス」だけだと「欠陥」とか「悪徳」、「悪玉」というような意味を持つらしい。
ジョージ・W・ブッシュ政権下で副大統領を務めたディック・チェイニーの伝記映画である。

通常「副大統領」というのはお飾りで「大統領の死を待つだけの存在」などと言われているらしい。
大統領に万が一のことがあれば、代わって大統領職に就くことになるからだが、チェイニーは上手く立ち回って副大統領の権限を強化、ブッシュ大統領を巧みに操り”影の大統領”と呼ぶほどの権限を手に入れていたのだ。

素行不良で大学を退学になった問題児が、交際していた恋人のリンの叱咤激励で一念発起して政治の世界へ。
型破りの政治家ラムズフェルドの元で学び、結婚後は妻となったリンと二人三脚でめきめきと頭角を現し、紆余曲折を経ながらも頂点に立つ姿を、第三者(でありながら実は密接な関係を持つことになる)の名もなき市民のナレーションでシニカルに描くブラックコメディ。

e0033570_09153280.jpgある意味ではサクセスストーリーで、途中に挟み込まれるフェイクのエンドロールのところまでならばそう言い切っても良いのかもしれないが、その後の展開が酷い。
あの世界同時多発テロからのイラク進攻への流れ。
法を都合よく解釈し、国民へ与える情報をコントロールし、意のままに政治を転がし楽しんでいく様を徹底的に追いかけて行く。

主演のクリスチャン・ベールをはじめとしたキャストたちのソックリぶりにも驚かされるが、たかだか十数年前の事件で、しかも当事者が存命の中でこれだけ茶化した映画を作るなんて、例えフィクションという体裁を整えたとしても日本じゃまず無理だろう。その点アメリカの方が日本よりも自浄作用に長けていると言えるのかもしれない。

誤算と言えば役者陣が好演しすぎたため、本来は糾弾すべき人物が魅力的に見えてしまっていることだろうか。



by odin2099 | 2019-04-07 09:18 |  映画感想<ハ行> | Trackback | Comments(0)
情報誌からピックアップしていた公演に、当日券狙いで行ってきました。

e0033570_20083154.jpg青山シンフォニーオーケストラは青山学院管弦楽団のOB・OGを中心に結成されたアマオケで、30年以上の歴史があるとのこと。
結成当初から指導してきた常任指揮者・汐澤安彦が今回を持って勇退という記念公演のようで、当日券も残り僅かという状況でした。
東京芸術劇場が一杯になるなんて大した集客力です。

コンサートは前半がワーグナーのジークフリート牧歌「タンホイザー」序曲、後半がベートーヴェンの交響曲第5番 ハ短調「運命」というプログラム。
更にアンコールは、ヘンデルの「ラールゴ」とワーグナー歌劇「ローエングリーン」より第三幕への前奏曲で、トータル2時間弱とコンパクト。

音が濁って汚らしく聞こえてしまったり、突出して外れてるように聞こえたり…というのはアマオケでは仕方ないところだと思いますが、全体的には厚みがあって聴き応えのある演奏でした。

次回の演奏会は一年後、ドヴォルザークの「新世界より」を取り上げるようなので気になりますねえ。



by odin2099 | 2019-04-06 20:11 | 音楽 | Trackback | Comments(0)
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