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【徒然なるままに・・・】

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「きのふの是はけふの非なるわが瞬間の感触を、筆に写してたれにか見せん」(森鴎外『舞姫』) HNは”Excalibur(エクスカリバー)”

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このプログラムの公開が1973年の7月18日だということを知り、1984年夏に続いてこちらも見返してみることに。

マジンガーZ対デビルマン」、「仮面ライダーV3対デストロン怪人」の2本の新作映画をメインに、「ロボット刑事」、「キカイダー01」、「バビル2世/赤ちゃんは超能力者」、「魔法使いサリー」の豪華6本立て。TVエピソードそのままでも、こりゃ当時の子どもたちを黙らせるだけのキラーコンテンツですね。

e0033570_20390533.jpg「ロボット刑事」は実はTVエピソードそのまんまじゃなく、再編集のダイジェスト。野田圭一の軽快なナレーションにのせて、作品世界を端的に紹介していきます。
千葉治郎(矢吹二郎)扮する新條刑事の兄を演じているのは、その実兄の千葉真一、なんていうマメ知識まで盛り込まれてますね。千葉真一と千葉治郎が兄弟というのは、現役視聴者世代にも割と浸透してたように記憶してますけど。

「魔法使いサリー」は女の子向け作品をラインナップに加えようという判断でしょうが、放送が終わって4年近く経ってる作品が何故選ばれたのでしょうか(そしてこの回、徹底的にすみれちゃんがギャグ要員になってます。美少女なのに可哀想)。

丁度”魔法少女”モノは小休止の時期だったので、直近の「魔法使いチャッピー」終了からも半年以上経ってるし、72年夏の<まんがまつり>で上映してるからというのもあったのかも知れませんが、「サリー」が劇場にかかるのは4作品目なんですがねえ。
今だ衰えていなかった人気と知名度、なのかしらん? 

ちなみに73年春は5回目の登板となる「ひみつのアッコちゃん」が選ばれてますので、作品選定の苦労がしのばれます。
その前年、前々年は順当に(?)「魔法のマコちゃん」や「さるとびエッちゃん」が劇場に掛りました。

「キカイダー01」は第1話。お話は発端だけで終ってしまい”次へ続く”なので、見てるとフラストレーションが溜まります。
おまけにエンディング映像には3話から登場するキカイダーも映ってますから、ダブルキカイダーを見せろ!という気分にもなっちゃいます。

「バビル2世」は2本目の劇場公開版なのでサブタイトル付。
浩一と同等の超能力を持つ赤ん坊が登場。その能力をヨミに悪用され、浩一が重傷を負ったタイミングで操られたロプロスとポセイドンがバビルの塔を襲撃する、という娯楽編です。
この「バビル2世」こそ「魔法使いチャッピー」の後番組で、その「バビル」の後番組が「ミラクル少女リミットちゃん」、「魔女っ子メグちゃん」と続いていきますので、”魔法少女”不在はバビルのせい?

リアルタイム視聴世代で、このタイトルにワクワクしない子供なんていないんじゃないの?というぐらいにインパクトある作品が、しかも2本!これはズルい。

同時期公開のライバル番組<東宝チャンピオンまつり>はというと、「怪獣島の決戦 ゴジラの息子」、「
レインボーマン」、「ウルトラマンタロウ」、「科学忍者隊ガッチャマン」、「おもちゃ屋ケンちゃん」、「山ねずみロッキーチャック」という番組構成だったので、自分なら迷いながらも<まんがまつり>を選ぶでしょうなあ。
あ、上映期間は微妙にずれているので、映画館で激突したわけではなさそうです。また自分はどっちも見に行けませんでした。

従来の<まんがまつり>は”世界名作物”的な新作の長尺アニメ作品がメインで、これにTV番組を数本加えるというパターンが多く、「仮面ライダー」が登場して以降はTVヒーローの新作映画も作られるようになってきましたが、所謂”名作物”抜きでTVヒーローの新作(しかも長尺!)2本がメインとなるのは<まんがまつり>史上初めて。
この”名作物”を邪魔に感じる子どもたちも少なくなかったと思われますので、東映としても賭けだったと思いますが、まずは成功と言えそうです。80年代に入ると”名作物”は激減し、やがてなくなります。

「Z対デビルマン」は何度見てもワイドスクリーンを大胆に活用した演出に唸らされますし、「V3」はアクションの派手さ…は今の方が上かもしれませんが、独特の間や外連味は魅力的です。
大言壮語してるだけのデビルマンが弱すぎるとか、四国へ急ぐんなら20時間もかけてのんびり「さんふらわ」号なんかに乗ってないで、飛行機で行けば3時間ぐらいで着くんじゃないのとかツッコミたいところは多々ありますが、日本のヒーロー映画史上、欠くべからざる傑作と断言します。

しかしこの6本を見ると3時間近く。途中で2回くらい休憩が入ったと思いますが、昔の子どもたちは今よりも我慢強かったというか、画面に集中出来たのかなあ。
ま、走り出すやつが一人か二人はいたものですが。

<過去記事>



by odin2099 | 2019-07-18 20:45 |  映画感想<タ行> | Trackback | Comments(0)
e0033570_22025794.jpg人類は核戦争で自滅し、生き残った人たちは月面のナチス基地で細々と生き延びていた。そして30年の歳月が流れ、今やエネルギーは枯渇し、彼らは滅亡の瞬間を迎えていた。そんな時、死んだ筈の月面総統により恐るべき事実が語られる。

彼らは太古の昔に地球へ辿り着いた宇宙人で、遺伝子操作で人類の誕生に関与し、その歴史に裏から干渉していたというのだ。そして地球は空洞であり、地下都市アガルタに彼らは今なお君臨している。

そのアガルタにあるエネルギーを確保できれば、人類は生き延びることが出来るかもしれない。
人類の存亡をかけて極秘のミッションが開始された。

主人公は前作のヒロインであるレナーテ・リヒターと、彼女と結ばれたジェームズ・ワシントンの娘オビで、前作からはレナーテ役のユリア・ディーツェと、米国大統領役のステファニー・ポール、コーツフライシュ総統役のウド・キア(その兄であるアドルフ・ヒトラーとの二役)が続投。

それにしても今回は大風呂敷広げ過ぎ。
前作のナチスの総統もアメリカ大統領もレプタリアンで、アミンもスターリンもサッチャーもプーチンも毛沢東も金正恩もカリグラもオサマ・ビンラディンもスティーブ・ジョブズもみーんなみんなレプタリアンというのはチトやり過ぎ。

宣伝文句には「ナチスが恐竜に乗って攻めて来たッ!!」とあるが、もはやナチスなんてどうでも良いレベルになっている。まあ地下王国には恐竜さんがウジャウジャいるので、その点は間違ってないですが。

そして人類創世の頃にレプタリアンが、というのもスケールでっかくて悪くはないのだが、前作にあったカルチャーギャップをネタにしたバカバカしい笑い、政治批判やブラックジョーク、呆れるようなくだらなさというものが影を潜めてしまった。
コメディというよりもただの”トンデモSF”になってしまい、前作ほど愉しめなかったなあというのが率直な感想だ。

何やら3作目は中国がフィーチャーされるという話もあるし、今回のラストシーンからすると火星でひと悶着ありそうな感じだが。



by odin2099 | 2019-07-16 22:06 |  映画感想<ア行> | Trackback | Comments(0)
1984年の今日、7月14日が公開日だったというTweetを見かけ、何故か義務感にかられて引っ張り出してきました。
1984年夏の<東映まんがまつり>を丸ごとパッケージした1枚です。

e0033570_23183061.jpg収録されているのは「超電子バイオマン」、「Theかぼちゃワイン」、「宇宙刑事シャイダー」、「キン肉マン」の4本。
70年代の5本立て6本立てが当たり前だった時代を知っていると物足りなくも感じますが、いずれも劇場用新作でテレビ本編と同様かそれ以上の尺を貰っていますので、一本一本のボリュームは増えていると言っても良いでしょう。
ちなみに当時、「シャイダー」にはちょっと興味があったんですが、劇場には見に行ってません。

「超電子バイオマン」は25分枠で放送されていた番組ですが、上映時間は45分。テレビシリーズの優に2話分です。
新帝国ギア側のメンバーに増員があり、劇場版ならではの工夫を凝らした新怪人(メカジャイガン)が出てきたり、テレビ以上にバイオマンたちも素面の状態で派手なアクションやらされたりと気合の入り方が違いますね。
ただ時間の使い方をスタッフがよく理解していなかったのか、それとも予算やスケジュールの都合なのか、せっかくの長尺を持て余し気味でもあります。ライブフィルムも大量に流用され、水増しされてる感もあるのがちょっと残念です。

そういえば先日、Japan Expo2019にバイオマンのメンバーが参加したとのリポートが。
今でもフランスで大人気とは凄いもんです。

「The♥かぼちゃワイン」「ニタの愛情物語」というサブタイトル付。この作品のみ今回初見です。
約2年間放送されたテレビアニメも、そろそろ終了という時期に作られた新作映画で、おそらく番外編的なエピソードなのでしょう。
チビの男の子とLサイズの女の子のラブコメディ、ということぐらいしか知らないのですが、えー、二人って中学生なの?! 不良高校生に捕まってエルちゃんがあわや貞操の危機!なんてシチュエーション、今じゃ地上波のゴールデンでは放送出来ないかもですなあ。

「宇宙刑事シャイダー」はここのところ毎年のように見直してますが、意外と飽きません。
”流れ星のガンマン”オメガはかつてギャバンとシャリバンに挑戦して敗れ、今度は標的をシャイダーに変更。いちいち「アレがなかった」「コレを装備してなかった」と負けた言い訳ばかりなので、デザインは強そうでもちっとも強敵に見えないのが玉に瑕です。
シャイダーの前にギャバンやシャリバンにリターンマッチを挑めよ、てなもんです。

それにしても当時の人気は「シャイダー>バイオマン」だったように思うのですが、それなら「バイオマン」ではなく「シャイダー」を長尺にしてメイン扱いにしても良かったんじゃないのかなあと思うのですが…。

80年代の<まんがまつり>を支えることになる「キン肉マン」はこれが劇場版第一作。「奪われたチャンピオンベルト」というサブタイトルがあるようですが、劇中には出てきません。
強大な敵、絶対的な危機に主人公と”真の友情”で結ばれた仲間の戦士たちが集まり、困難に対処する際にわが身を犠牲にし、一人一人と消えていく、というパターンは後の「聖闘士星矢」などでも踏襲した黄金パターンで、それが既に確立されています。
個人的には、キン肉マンというキャラクターがどうしても好きになれないので、せっかくの盛り上がるシーンにも付いて行けないのですが、ギャグシーンが多すぎるもののヒーロー物としては王道の物語で、ファンは愉しめたんじゃないかなあと思います。

それにしても、もっともっとソフト化して欲しい<まんがまつり>はあるんですが、やはり権利関係と売り上げがネックなんですかねえ。



by odin2099 | 2019-07-14 23:22 |  映画感想<タ行> | Trackback | Comments(0)
月面の裏側にナチス残党の秘密基地があり、地球侵攻を着々と企てているというおバカ映画、続編がやってきたのでその前に予習復習。

e0033570_22195626.jpg第二次大戦末期に地球を脱出して月へ移住できるだけの軍事力とテクノロジーがあれば、むざむざとナチスは敗北しなかったんじゃないかと思うけど、まあそれは言わないお約束。
そして全編に亘ってワーグナーの音楽をアレンジしたものが流れるが、ナチスといえばワーグナー、というのがわかりやすいのだろう。

大統領が女性だったり、宇宙飛行士が黒人のモデル出身だったり、宇宙戦艦の名前が”ジョージ・W・ブッシュ”だったり、国連じゃ北朝鮮が笑いものにされてたり、時代設定は2018年だけど、結構ヤバげ。
今ならトランプさんあたりがコケにされるかな。イラン、イラクも絡んで来たりして。

出演者は知らない人ばかりだけれど、なかなか雰囲気を持ってる俳優さんが多い。それが大真面目に演じてるから映画として成り立つのだ。
それにメインとなる女性キャラもセクシー美人が多いのも嬉しい。

さて、続編はどうなっているのやら。

【ひとこと】
これ、ディズニー配給だったんだ?!

<過去記事>



by odin2099 | 2019-07-13 22:22 |  映画感想<ア行> | Trackback | Comments(0)
♪夏がく~れば思い出す~ のは「宇宙戦艦ヤマト」。
旧作の劇場版の直撃世代としては「ヤマト」は夏の風物詩なのだ。

e0033570_21152616.jpgてなワケで見直すことにした「ヤマト」は、オリジナル版の「宇宙戦艦ヤマト」ではなく、リメイク版「宇宙戦艦ヤマト2199」。
いずれ旧作も見直す気でいるけれど、「2199」を見始めてからは旧作は古すぎるという心理的ブロックがかかってしまっているのでやや抵抗感が…。

その「2199」も、どうも続編シリーズ「宇宙戦艦ヤマト2202/愛の戦士たち」が始まってからはかなり熱が冷めてしまっていたのだけれど、改めて見ると面白えや。

目指す方向性が違ったのだろうから、単純に「2199」と「2202」を比較しても意味はないと思うけど、どれだけ旧作の「ヤマト」に近づけるか、そして距離を保てるか。
「2199」はドップリ浸り過ぎな気もするが、逆に「2202」は距離の取り方が微妙だったのかなあ。

<過去記事>




by odin2099 | 2019-07-12 21:18 |  映画感想<ア行> | Trackback | Comments(0)
e0033570_21360534.jpg二代将軍秀忠の世、府月藩に幕府に対する謀反の疑いが持ち上がった。潜入していた幕府の隠密・青山凛ノ介は、その証拠となる書状が筆頭家老である神谷眞三郎の屋敷にあるとの情報を入手する。
そんなある日、祭りに出かけた凛ノ介は八重という美しい娘と出会い、互いに惹かれ合う。だが彼女は神谷の娘だった。
一方家康の血を引く藩主・望月甲斐正は、選りすぐりの武芸者を集めた御前試合の開催を決める。だがそれは藩内に潜入した隠密たちを炙り出すための罠だった。
凛ノ介の素性を怪しむ藩士・寺脇甚八郎は神谷と結託して八重との縁談を進め、御前試合で自分と勝負するよう凛ノ介を挑発するのだが…。

映画(MOVIE)と舞台(STAGE)をコラボさせる「東映ムビ×ステ」の第一弾。
従来あった<TOEI HERO NEXT>と<TOEI HERO NEXT ステージ>の発展形ということだろう。
主演の犬飼貴丈、優希美青をはじめ、武田航平、小野塚勇人、町井祥真、前山剛久、松村龍之介、大島蓉子、冨家規政、元木聖也、井澤勇貴、松本寛也、井俣太良、菊地美香、福本清三、矢崎広、久保田悠来、波岡一喜と<スーパー戦隊><平成仮面ライダー>所縁の名前がズラリと並ぶ出演陣。
そして脚本は谷慶子、監督は”巨匠”こと石田秀範。

東映製作の時代劇とはいえ、時代劇を知るベテランが福本清三くらいしか見当たらないのは淋しいが、時代考証や所作といったものに重きを置く作品ではないので、経験に乏しい若手中心のキャストでもそれなりに見られる”時代アクション劇”にはなっていた。こういった作品で経験を積み、次代の時代劇を担うスタッフや俳優が育ってくれれば良いのだが。
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物語は凛ノ介と八重、甚八郎、それに町医者として暮らしている隠密の真咲一馬が中心で、大きく扱われながらも出番が少なく、中にはあっけなく退場してしまうキャラクターも少なくないが、そのうちの何人かは連動する舞台版の主役、もしくは中心的存在となるらしい。
そうなると是非とも舞台版を見たいものだが、さて、無事にチケットが取れるだろうか。




by odin2099 | 2019-07-10 21:42 |  映画感想<カ行> | Trackback | Comments(0)
時系列的にシリーズを見直している「スター・ウォーズ」、今回はスピンオフ第1弾の「ローグ・ワン」。
製作途中での監督交代劇や、それに伴う撮り直しなど負の情報も色々と流れてきたものの、出来上がった作品はかなり好評をもって迎えられた。中にはシリーズ中の最高傑作という声も。「ハン・ソロ/スター・ウォーズ・ストーリー」とはえらい違いだ。

似ても似つかぬハンやランドが登場する「ハン・ソロ」と違い、こちらに出てくるターキンもレイアも本物ソックリ。まあ本人に似せるべくCG処理しているワケで、少々”不気味の谷”を越えかけてやり過ぎの嫌いも無きにしも非ずだが、エピソード4「新たなる希望」の”前編”の役割も担っているだけに、よりトーンをすり合わせる必要もあったのだろうから、これはこれで良いと思う。

e0033570_21071592.jpgお話も、”一つの結末”に向けて困難なミッションに挑む精鋭チームを描いているだけに、ごくごく普通に戦争映画好きにもアピールしたっぽい。ミッションに成功したものの全員玉砕というのも、いかにも第二次大戦あたりを舞台にしたアクション物にありそう。
元々は色々な娯楽映画の要素を詰め込んで、SFでありながら「どこかで見たような世界」を描いてきた「スター・ウォーズ」だけに、これはある意味で原点回帰とも言える。煩型のファンも黙らせたのは納得。

とはいうものの、自分にとってはやはり”外伝”、「スター・ウォーズ」世界のお話ではあっても、「スター・ウォーズ」と認めるには些か、いやかなりの抵抗が。
そこは割り切って愉しんでいるものの、スピンオフ作品が正編と常に交互で製作されたりと幅を利かせるようになると、それは違うんじゃないの?という気持ちにもなってくる。贅沢な悩みなんだろうけどなあ。

それにしてもソウ・ゲレラ、なんであんなに拗らせキャラになっちゃった?
この人に決死の覚悟で極秘情報渡したり、味方に引き入れようと必死になって出かけていったのに、結局何の役にも立ってない。結果オーライでお話が進んでいくから、何か如何にも凄いことやった大物っぽくも思えるが、どっちかというと周囲に迷惑かけただけだよね。

<過去記事>



by odin2099 | 2019-07-09 22:18 |  映画感想<サ行> | Trackback | Comments(0)
石ノ森章太郎の「マンガ家入門」にはじまり、後年の藤子不二雄Aの「トキワ荘青春日記」など”トキワ荘”について書かれたものはかなり読んでいて、主に新漫画党の面々に関するエピソードの大半は知っているつもりでいたのだが、この本を読んではたと気付いたことがある。
これまで読んだものは、エッセイであれ日記であれ漫画であれインタビューや座談会の記事であれ、何れも当事者の視点で語られたものばかりだったことを。

e0033570_19290006.jpg手塚治虫、寺田ヒロオ、藤子・F・不二雄、藤子不二雄A、赤塚不二夫、石ノ森章太郎、永田竹丸、つのだじろう、森安なおや、鈴木伸一、水野英子、長谷邦夫、横田徳雄…といった当事者たちの記録は、その内容の多様性や信憑性は兎も角として、量としてはかなり残されている。
その中からファンたちの共同幻想だったり、自分なりに咀嚼した形で”トキワ荘伝説”のようなものを作り上げていたのだが、客観的な立場で記されたものは(少なくてもこれだけのボリュームで)これまで皆無だった。

ということで、トキワ荘グループに興味を持つ漫画ファンなら誰もが知っているような有名なエピソードも、別の視点から語られ、あるいは知られざる逸話も追加されると新たな驚きを持って受け止めることになる。
また横山光輝や松本零士、ちばてつやといった、同時期に活躍した同世代の非”トキワ荘グループ”の面々のエピソードも挟まれることで、戦後の日本漫画史も点描されるという二重三重の愉しみもある。
本書を機に、もっと様々な”トキワ荘グループ”に関する研究書が続いて欲しいと願っている。

【ひとりごと】
終盤に駆け足で語られるその後の”トキワ荘グループ”メンバーの活躍ぶりだが、虫プロやスタジオゼロでのアニメーションに対する奮闘ぶりも、いつか別の形で読みたいものだ。

by odin2099 | 2019-07-06 19:30 | | Trackback | Comments(0)
**** ネタバレ注意! ****

トニー・スタークのいない喪失感、ポスト”アイアンマン”を望む声と、何よりもトニーが残した”期待”と”遺産”の大きさに疲れたピーター・パーカーは、普通の高校生らしい生活を欲していた。
目下の彼の目標は、夏休みの学校主催のヨーロッパ旅行に参加し、気になる存在のMJに告白すること。ところがそんなピーターの前にニック・フューリーが現れた。フューリーの話によればサノスの一件以来、別次元の地球とこの世界が繋がってしまい、そこからエメレンタルズと呼ばれる恐るべき怪物が侵攻してくるというのだ。そして別次元からやってきたヒーロー、ミステリオことクリスティン・ベックに紹介され、共に戦うよう要請される。
旅先であるヨーロッパ各地に現れたエレメンタルズから友達を守るべくピーターは、スパイダーマンとしての活動を余儀なくされるが、その戦いの最中、親身になって相談にのってくれる”ヒーローの先輩”ベックに少しずつ心を開き、彼こそ”トニーの遺産”を託すに足る人物であるとの判断を下すのだったが…。

e0033570_19303499.jpg<MCU>23作目で<フェイズ3>のトリ、それに<インフィニティ・サーガ>の大トリとなる作品。
長く<フェイズ4>の開幕作品だと言われていたが、最近になって<フェイズ3>の最後とのコメントが出た。
「アベンジャーズ/エンドゲーム」が綺麗に終わっているだけに、あの余韻を楽しみたい人には蛇足に感じられるかもしれないが、「エンドゲーム」後の世界がどうなっているのか、指パッチン事件の裏側や後始末の話が気になる人、何よりも「エンドゲーム」ロスに悩んでいる人にはお勧めの一篇。

原作コミックを読んでる人なら「ミステリオがヒーローなワケがない」と端から思ってるんだろうけど、劇中での登場の仕方はかなりドラマティック。
ピーターのみならず、ニック・フューリーやマリア・ヒルもあっさり騙される。

その正体は元スターク・インダストリーズの技術者で、「シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ」冒頭でトニーがプレゼンしていたバーチャル・リアリティシステム”B.A.R.F.”の開発者。そのシステムを使って存在しない怪物を登場させ、それと戦うヒーローの姿を演出して見せていたのだ。
あの本編と絡まない短いシーンが、この映画の伏線になっていようとは?! 
そしてベックは同じくトニーに反発している元社員たちとチームを組み、一連の事件を引き起こす。

そのメンバーの中には「アイアンマン」の1作目で、アークリアクターの縮小化に失敗し、オバディア・ステインから罵倒された研究者の姿もある(そのために「アイアンマン」と「シビル・ウォー」からフッテージが流用されている)。
どこまでリンクを張るのだ、<MCU>?

それに前作にも登場したピーターの学校の先生であるロジャー・ハリントンは、実は「インクレディブル・ハルク」で、ピザの配達を装って大学に潜入したブルース・バナーに、そのピザを奢られていた学生と同一人物とのこと(演じている役者が同じというお遊びかと思ったら、こちらは公式設定らしい)。
他にも後付けだが「アイアンマン2」で、スタークエキスポの会場でドローン軍団に襲われたアイアンマンのマスクを被った少年が、幼少期のピーターだったというのもある(こちらはファンの推測を容認した形で、今のところ公式な設定ではないが)。

で、トニーの”遺産”も首尾よく手に入れ、バーチャル・リアリティ装置を使ってやりたい放題のベックは、これによってフューリーやMJ、ゾンビと化したアイアンマンの幻も生み出してピーターを苦しめるが、ピーターは孤軍奮闘(フューリーの説明によればソーは地球におらず、キャプテン・マーベルやドクター・ストレンジの助力もアテにできない、ということらしい)。

前作「スパイダーマン/ホームカミング」のヴィランもトニーに恨みを持つ者だったし、ピーターはトニーの”負の遺産”まで受け継がされてるの不憫すぎる。
またトニーもトニーで、あんな強力な防衛システムを搭載したA.Iを、あっさりと一介の高校生に託しちゃうのもなあ。

e0033570_19301625.jpgそれでもすっかりシリーズ物として定着した感のある「スパイダーマン」。
と同時に「アイアンマン4」「アイアンマン5」の役割も担っているようだ。
「ロッキー」シリーズが見事に「クリード」シリーズにシフトしたように、「アベンジャーズ」シリーズを挟みながらだが、この作品も紛れもない「アイアンマン」の”続編”。
直接トニー・スタークこそ出てこないものの、この世界の中には大きな存在感が残っている。

今回大活躍のハッピー・ホーガンとメイおばさんが良い雰囲気になっていたり、ネッドが美少女ベティ(アンガーリー・ライスちゃん、要注目ですぞ!)とラブラブになってたり、そもそもいつからピーターはリズからMJに乗り換えたのかとか色々驚かされる展開の多い本作だが、最後の最後まで色々かましてくれる。

悪意に満ちたスパイダーマンの報道をするニュースサイトのトップが、あのJ・ジョナ・ジェイムソン(JJJ)で、しかも演じているのがまさかまさかのJ・K・シモンズ! 
サム・ライミ版「スパイダーマン」三部作からスライドしてのJJJ役。
これは単なるお遊び?
それとも次回作でトビー・マグワイヤやアンドリュー・ガーフィールドが出てくる伏線?

そしてこのニュースの内容というのが、ミステリオの大暴露映像。
即ち「スパイダーマンの正体はピーター・パーカーだ!」って言っちゃったんだけど、随分と酷なことするもんだ。
次でどう回収するのか、それともあっさり「ミステリオの戯言」レベルで収拾図っちゃうのか。

で、この映画的に大きなどんでん返しは、実はニック・フューリーもマリア・ヒルも偽物でした、ってことだろう。
フューリー本人は宇宙船だか宇宙に建設されたステーションだかにいて、地球にいてあれやこれやの指示を出していたのはスクラル人のタロス夫婦の変身だったということ。
<フェイズ4>は宇宙が舞台になるという噂があり、どうやらこれを裏付ける結果になったが、しかし「キャプテン・マーベル」見てない人は誰それ?状態だろう。

ともあれこれだけ”次”への布石を打ったのだから、一時は今回で完結と言われていた「スパイダーマン」の3作目の実現は間違いなさそう。
そして新生アベンジャーズの登場も含めての<MCU>の<フェイズ4>以降にも益々期待は高まるのであった。

【ひとりごと】
スパイダーマン・スーツをカスタマイズするピーターを見つめるハッピーが優しい。
しかもそのバックに流れるのがアノ曲だもんな。



by odin2099 | 2019-07-03 19:33 |  映画感想<サ行> | Trackback | Comments(0)
e0033570_20574801.jpg医療系大学新設計画に関する極秘情報が、東都新聞に匿名FAXで届く。
その書類は日本人の父と韓国人の母を持つ記者・吉岡エリカに託され、彼女は真相を突き止めるべく取材を開始する。
彼女はかつて優秀な記者でありながら、時の政権の暗部に迫った挙句に誤報を出したとして責められ、自ら命を絶ったという父に近づきたいという強い意志で、自らも報道の世界に飛び込んだのだ。

一方、外務省から内閣情報調査室へ出向してきているエリート官僚の杉原拓海は、国民のために安定した政権運営を維持するいう名目の元、不都合なニュースをコントロールする任務にジレンマを抱えていた。
そんなある日、尊敬する外務省時代の上司である神崎と久々に再会するが、神崎はその数日後に杉原に謎めいたメッセージを残し自殺してしまう。

e0033570_20575840.jpg神崎の葬儀の席上、吉岡は偶然杉原と出会う。
吉岡は調査の結果、神崎の存在に突き当たり、匿名の情報源は神崎ではないかと思い至ったのだ。
杉原も内調が神崎をマークしていたこと、そして自分がその仕事から外されていたことを知り、大きな陰謀が隠されていることを確信し、吉原にコンタクトを取る。

東京新聞記者・望月衣塑子の同名ベストセラーを原案にしたポリティカル・サスペンス。
出演はシム・ウンギョン、松坂桃李、本田翼、岡山天音、郭智博、長田成哉、宮野陽名、高橋努、西田尚美、高橋和也、北村有起哉、田中哲司。
監督は藤井道人。

e0033570_20580920.jpg劇中には、首相にベッタリの御用作家が起こした女性ジャーナリストのレイプ事件が逮捕寸前にもみ消され、更に被害者女性が行った顔出しの記者会見をハニートラップだったと否定する筋書きに変えられる過程が出てきたり、全体的に「森友学園問題」「加計学園問題」を彷彿とさせる描写が多かったりと、よくやったと思う部分が多い。
これを機に日本でも”政治”を題材にした作品が増えて欲しいものである。

ただ惜しむらくはあのラストシーン。
色々含みを持たせたかったのだろうとは思うのだが、その選択肢の中には結局のところ官邸の圧力に屈する小市民の姿というのもあるのだろうか。
何か日本におけるフィクションの、政治批判の限界というものを感じてしまった。
「これが良い」「絶妙な匙加減だ」という意見もあるだろうが、個人的には腰砕けにしか思えず、ここまで描くならそのまま突き抜けて欲しかったという思いの方が強く残る。



by odin2099 | 2019-07-02 21:03 |  映画感想<サ行> | Trackback | Comments(0)
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