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【徒然なるままに・・・】

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「きのふの是はけふの非なるわが瞬間の感触を、筆に写してたれにか見せん」(森鴎外『舞姫』) HNは”Excalibur(エクスカリバー)”

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前作「レッド・オクトーバーを追え!」で、米ソ一触即発の危機を回避させたジャック・ライアン。
今度はたまたま英国王室の一員ホームズ卿をIRAのテロリストから救ったばかりに、そのメンバーから逆恨みされるというお話で、世界の危機から個人的な危機へとスケールの落差が実に激しい。

e0033570_21460949.jpgジャック・ライアン役がアレック・ボールドウィンからハリソン・フォードに交代し、前作から続投しているのはライアンの上司役のジェームズ・アール・ジョーンズのみ。しかも前作のライアンの活躍について言及されるシーンもないので、シリーズ物だと気付いてない人もいそうだ。

クライマックスも大掛りな潜水艦の戦闘シーンを描いた前作と違い、ライアンとテロリストの一対一の対決。
弟をライアンに殺され個人的な復讐に燃えるテロリストにはもはやIRAという組織は眼中になく、一方のライアンも家族を守るためとはいえCIAを私的に利用するという、二人共に組織に所属しながら組織をはみ出しての対決となるのである。

トム・クランシーの原作だけにハイテクが見せ場になっているが、凄いなと感心したのは衛星からの画像だけで様々な展開を見せていく件。
例えばテロリストが潜伏していそうな地域の衛星写真を拡大していくと、そこに写っていたのは女テロリスト役ポリー・ウォーカーのおっぱい。これだけで彼女が探している手掛かりだと判断しちゃうライアンは凄い。

そして結果的に米軍はこれを決め手として特殊部隊をこの地域に送り込むのだが、そのシーンも衛星からのサーモグラフィーのライヴ映像のみで表現。これだけ現実感のないアクションシーン、そして人の生き死にというのはこれまでになかった表現手段かもしれない。

ライアンの妻にアン・アーチャー、IRA側の人物としてショーン・ビーン、パトリック・バーギン、リチャード・ハリス、ライアンの友人としてサミュエル・L・ジャクソン、ホームズ卿にジェームズ・フォックスらが出演。
ショーン・ビーンやサミュエル・ジャクソンはまだブレイク前だが、早くもハリソン・フォードは食われ気味…。

<過去記事>



by odin2099 | 2019-08-31 07:17 |  映画感想<ハ行> | Trackback | Comments(0)
2015年だったかに「銀英伝」再アニメ化の話を知った時は「なんで作り直す必要があるの?」と思ったし、新しいキャラクターデザインを見た時は「誰だ、お前は?」と思ったし、キャストが発表されても「うーん、誰がどんな声やらわからん」と常にマイナスな思考しか浮かんでこなかった。

e0033570_21581965.jpg昨春「銀河英雄伝説 Die Neue These 邂逅」と題してテレビシリーズの第1シーズン(全12話)が放送されたが、旧作と比較して失望するのが怖くてスルーしてしまっていた。
しかし今年は第2シーズン「銀河英雄伝説 Die Neue These 星乱」も公開されるとあって、ようやく重い腰を上げることに。

まずはDVD第1巻、収録されているのは第1話「永遠の夜の中で」と第2話「アスターテ会戦」

リ・デザインされた登場人物たちは俗っぽいイケメン揃いだし、メインキャラに配されたヴォイスキャストも当代の人気声優たちなのだろうが、総じて没個性。
知ったお話だから、流れの中でこの人は〇〇、この人物は△□だろうという見当は付くものの、イマドキのアニメファンは初見でそれぞれのキャラが認識出来るのだろうか。 だとしたら大したものだ。

そして物語の展開も淡々としたもので、旧作との差別化は色々と図られてはいるのだろうが、動きにしろ音楽にしろ、新作アニメーションとしての面白さは感じられなかった。
今後「銀英伝の再アニメ化は(商売上の理由だけでなく)意義があるものだった」と良い意味で期待を裏切って欲しいものだが、さて――?




by odin2099 | 2019-08-30 06:02 | テレビ | Trackback | Comments(0)
e0033570_21580108.jpgバツイチで無職の賢治は、従妹の直子の結婚式に呼ばれ故郷の秋田へ帰省した。そんな賢治の元を十日後に挙式を控えた直子が訪れ、新居への引越しの手伝いを頼む。
片付けていた荷物の中から一冊のアルバムを取り出す直子。そこには一糸纏わぬ二人の写真が収められていた。二人はかつて同棲生活を送っていたのだ。
直子は賢治に「今夜だけあの頃に戻ってみない?」と囁く。初めは拒絶していた賢治だったが、やがて導かれるままに彼女を抱くのだった。
だがかっての記憶を呼び覚まし、溺れたのは賢治の方だった。「一晩だけ」と拒む彼女を強引に求め、遂には婚約者が帰ってくるまでの五日間だけという約束で快楽の日々を送ることに。
そして”朝”が来た――。

綺麗さっぱり別れるのか、それとも泥沼の関係に陥ってしまうのか。
さて物語の舵はどちらに切られるのかと思っていると、まさかの超展開。結果的に二人にとっては一応のハッピーエンドと呼べる結末に。
しかし実際は、この後の二人に待っているのは平坦な道程ではないのだろう。

脚本・監督は荒井晴彦、原作は白石一文の小説。
そして出演は柄本佑と瀧内公美の二人(電話のむこうの賢治の父親役として、実父の柄本明が声で出演している)で、全編の半分近くがこの二人の濡れ場。
ギリギリのカメラワークの中で二人が全裸で熱演しており、時折画面が暑苦しくさえ感じることがあるが、見終った後は不思議と爽快感が残る。それは二人がギラギラした熱情を前面に押し出すタイプではなく、どこか醒めた、クールな視点をも併せ持った俳優だからだろう。



by odin2099 | 2019-08-29 06:20 |  映画感想<カ行> | Trackback | Comments(0)
「アナと雪の女王」の続編となる短編映画。

e0033570_19484881.jpgアナの誕生日をサプライズでお祝いしようと大張り切りのエルサ、クリストフ、スヴェン、オラフとお馴染みのメンバーが揃い、最後にはハンスとマシュマロウ(氷の城の番人であるモンスター)まで顔を見せるという豪華版。

それに風邪を引いたエルサのくしゃみから生まれた、スノーギーズというミニ雪だるまも登場。これがまた可愛いんだ。
グッズ展開がされてないようなのがちょっと勿体ない。というか、僕が知らないだけ?

実写版「シンデレラ」のオマケとして上映され、そのまんまBlu-rayやDVDにもボーナスコンテンツとして収録されているのだが、どうやら現行版のソフトには収録されていないらしい。

このまま”幻の作品”になったりはしないと思うので、別商品としてリリース(「アナ雪コンプリートBOX」とか)されるのかも知れないけど、まさか”中の人”の不祥事で日本国内盤だけカットされた、なんてことはないよね?

<過去記事>




by odin2099 | 2019-08-28 06:47 |  映画感想<ア行> | Trackback | Comments(0)
e0033570_19001564.jpg彼と別れて半年。ようやく傷心も癒えてきた詩織だったが、何故か毎晩のように謎の男に抱かれる夢を見、その夢に陶酔するようになっていた。
だがある夜、謎の男は突如怪物と化して襲い掛かり、やがて昼夜を問わず彼女をレイプするようになる。
これは現実なのか、それとも彼女の妄想なのか、その狭間で恐怖に慄く詩織だったが、その一方で自ら身体を開いて行くようになる…。

とある映画のオーディションの際に、霊的な存在との性的体験があることを複数の女性タレントが告白したことに着想を得た作品で、<第6回夏のホラー秘宝まつり2019>で上映された一本。
出演は松川千紘、古谷蓮、辻凪子、武田一馬、宇田川さや香、脚本・監督は佐藤周。
なお松川千紘は今回の<ホラー秘宝まつり>のイメージガールも務めている。

霊にレイプされるというと実話ベースの「エンティティー/霊体」を思い出すが、監督もその存在は意識したそうで、あちらとの差別化でこちらには”依存症”というテーマを持ち込んだとのこと。

霊との性体験を告白したタレントによれば、霊とのセックスは快感だったという。
そこで「エンティティー」は一方的に霊が主人公を襲うが、こちらの作品では詩織は恐怖に怯え拒絶しながらも、その一方で”それ”を待ち望んでいるという形になっている。
タイトルが「詩織の淫夢」となっているのも、それが理由だろう。

e0033570_19003231.jpg予算の都合上か”霊”はずっと見えない存在ではなく、時に人の姿を取り、時に得体のしれない怪物の姿で現れるが、絡む相手がいない一人芝居のシーンも含め松川千紘が”霊”とのセックスシーンを熱演。
筋肉痛になったとは本人のコメントだが、無理な姿勢や動きを要求されたのだから然もありなん。
公開前の舞台挨拶及び上映終了後のロビーで本人を直接見たが、劇中で見るよりは実物の方が可愛らしく感じられた。

舞台挨拶と言えば更にそれに先駆けて「ホラー秘宝まつり」の開幕式が行われ、新作邦画5作品の監督・キャストが登壇し、ホラー総選挙に向けてそれぞれの作品を猛アピール。

登壇者は「VAMP」の小中和哉監督、中丸シオン、高橋真悠、「シオリノインム」の佐藤周監督、松川千紘、古谷蓮、辻凪子、武田一馬、「残念なアイドルはゾンビメイクがよく似合う」の森川圭監督、森田亜紀、酒井健太郎、藤井奈々、階戸瑠李、「星に願いを」の佐々木勝己監督、正田貴美佳、畠山勇樹、尾関俊和、「怪談新耳袋Gメン/孤島編」の谷口恒平監督、後藤剛、木原浩勝、山口幸彦の面々。
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「VAMP」の高橋真悠も映画で見るより本人の方が可愛いタイプ。中丸シオンは芸能人オーラというか、貫録があった。
他作品で気になったのは藤井奈々と階戸瑠李。
藤井奈々は二年ほど前に芸能界を引退。この作品は引退前に撮影したものとのことなので難産だったのだなあ。
階戸瑠李は最近ヌードの写真集を発売したりと各方面で活躍が目立ち、気になってるヒト。笑顔は可愛いけれど、時折見せる妖艶な表情に”女優”だなあと感じさせられた。



by odin2099 | 2019-08-27 19:09 |  映画感想<サ行> | Trackback(1) | Comments(2)
e0033570_19451311.jpgフランス人とカナック(ニューカレドニア人)のハーフである少女ディリリは、たった一人で船に密航しパリへとやって来た。
博覧会へ出演中に配達人の青年オレルと知り合いになり、彼によってパリに住む多くの有名人と知り合いになる。
その頃の街の話題は、少女を次々と誘拐していく<男性支配団>と名乗る謎の集団のこと。そしてディリリもまた彼らのターゲットにされてしまう。
持ち前の好奇心と行動力で遂にディリリとオレルは<男性支配団>の一味を捕まえることに成功するが、今度はディリリが誘拐されてしまう。

予告編を見た時から気になっていた作品です。
ベル・エポック時代のパリを舞台にした少女の冒険物語…と呼んでも良いでしょうか。
もっと長閑なお話なのかなと思いきや、意外にもハラハラドキドキの大活劇で、ミステリー物というか探偵小説的な愉しみも出来ます。

そして作品に登場し、ディリリと知り合う数多くの人々。
エマ・カルヴェ、サラ・ベルナール、オスカー・ワイルド、アンリ・ド・トゥールーズ=ロートレック、クロード・モネ、パブロ・ピカソ、エドモン・ロスタン、マリ・キュリー、クロード・ドビュッシー、マルセル・プルースト、モーリス・メーテルリンク、ギュスターヴ・エッフェル、ガブリエル・フォーレ、オーギュスト・ロダン、カミーユ・クローデル、エドワード7世、モーリス・ラヴェル、アンリ・マティス、ルイ・パスツール、アンリ・ルソー、ピエールーオーギュスト・ルノワール、アメデオ・モディリアーニ…と枚挙に暇がありません。

実のところ物語に大きく絡んでくるのはこの内の数人だけだし、また大半がオレルの知り合いで、しかも同時期にパリに滞在していたというのは出来過ぎですが、それを言うのはヤボというもの。
実際のパリの写真を背景に使うなど、アニメーションの作り方もユニークで、美しい色彩、美しい音楽に囲まれたひと時の極上体験を是非にも。



by odin2099 | 2019-08-26 19:47 |  映画感想<タ行> | Trackback | Comments(0)
e0033570_18092891.jpg夏休み明けと思しき学校の教室に、一人また一人と生徒が登校してくる。
彼女たちは昨日あったおかしな出来事、姉に子供が生まれたこと、それに課題図書に何を選んだのか等々、好き勝手に喋っている。
始業時間になったが、どうやら担任は休みのようだ。そして転校生がやってくることに。
しかし自己紹介を求められた彼女は、「今朝目覚めたらこの学校の生徒になっていた」と不思議なことを語りだした…。

舞台の上には机と椅子が並べられ、教室に見立てられている。
そして場面は、授業の合間の休み時間と昼休みへと変わってゆく。
相変わらず他愛のない彼女たちの話は続く。
授業のこと、部活のこと、進路のこと、友達の恋愛話etcetc。

中でも繰り返し話題に上るのが、一つは課題図書の件。
朝起きたら主人公が虫になっていたというカフカの「変身」や、不思議な転校生が現れる宮沢賢治の「風の又三郎」は再三話題になるが、もちろんこの作品の中心になる不思議な転校生に絡めてだろう。

もう一つは文化祭でのグループ発表のこと。
世界の高校生をテーマにニュースを集めているグループがいるのだが、そこでぶち当たるのが人種、性別、宗教などによる差別問題。ただ問題提起はされるものの、それを掘り下げることはしない。

そして放課後。
「明日も学校来れるかな」「朝起きたら元の学校の生徒だったら悲しい」という少女に、どうやら転校してしまうかもしれない一人の生徒が、一つ一つの席を「ここは〇〇の席」「ここは△△の席」、そして「ここがあなたの席」「ここが私の席」と噛みしめるように呟く。

平田オリザの戯曲を、「踊る大捜査線」などで知られる本広克行が演出。この二人の組み合わせというとももいろクローバーZが主演した「幕が上がる」が思い浮かぶが、前回公演はこの映画の公開や舞台版と前後して本広克行が担当している。

出演は「21世紀に羽ばたく21人の女優たち」としてオーディションで選ばれた愛わなび、天野はな、上野鈴華、小熊綸、金井美樹、川﨑珠莉、川嶋由莉、齋藤かなこ、榊原有那、指出瑞貴、里内伽奈、澤田美紀、田中真由、西村美紗、根矢涼香、羽瀬川なぎ、廣瀬詩映莉、藤谷理子、星野梨華、増澤璃凜子、桃月なしこ。
2019年8月17日~8月27日まで紀伊國屋ホールにて上演。

舞台上では同時多発的に生徒たちが喋りだし(座る位置によっては台詞が完全に重なって、会話の内容が殆ど聞き取れない場合もある)、誰か一人が中心に座り続けることはない。また会話だけで進行していくので劇的なことは何も起こらず、最後は「明日も学校に来れるよ、きっと」という締めくくり。彼女が転校に至った経緯も何も説明されない。

休憩なしの75分というタイトな作品で、正直言うと初見では不完全燃焼というか、狐につままれたようなモヤモヤ感が残ったのだが、何か麻薬のように引き付けられるものがあり、結局3回も足を運ぶことになった。今日もまたあの空間――”教室”に身を委ねたいという切望に憑りつかれている。

開場は開演時間の30分前。
出演者から「早めに会場入りして席についていた方が良い」という事前のアナウンスがあったが、これは入り口でチラシを渡す者が2名、そして物販コーナーに2名とそれぞれ出演者が配されるので(公演ごとに交代するシフト制らしい)、直接キャストに会えるという意味なのかと思っていたのだが、そうではなかった。

開演10分前には客席を通って生徒役の女優が舞台に上がり、やがてもう一人も上がり(”登校”し)、そこから既に芝居が始まっているのだった。
客入れの時点から演者が演技を始める「0場」というのが平田作品の特徴なのだそうだ。

ところが2回、3回と足を運ぶとそれだけではなかったことに気付く。
開場してすぐにロビーから客席へと何人かの生徒たちがウロウロ。客席内をうろつき廻ったり、ドアの影で読書をしていたり、客席に腰かけたり、通路の隅でスマホをいじっていたりと、各人が登校風景を演じているのだ。
観客も「彼女たちに声をかけない」というのが暗黙のお約束になっているのだが、中には話しかける輩もチラホラ。

それどころか会場内に留まらず、実は会場の外から芝居は始まっていた。
紀伊國屋ホールは紀伊國屋書店の4階奥にあるが、その手前は美術書のコーナー。階段を上ってきた彼女たちは普通に書店内を歩き回り、そして会場へと入っていくのだった。

開場の60分くらい前には発声練習をしたり、気合を入れてる彼女たちの掛け声がホールの外にも聞こえてくるのだが、一体彼女たちはいつから準備をしているのだろう。
1回目は最前列で見たこともあって、舞台と客席の一体感というか、現実と虚構世界の垣根をあまり感じずに作品世界へ入り込めるという不思議な体験だった。

今回の舞台、所謂”推し”であるところの、現役ナースにしてコスプレイヤーという二足の草鞋アイドル桃月なしこの初舞台というのが観賞動機。
正直言うとポジション的には彼女はセンターにいるものの、物語の進行上では大きな扱いとも言えず、また出番というか見せ場も多くはない。

また前述の通り物語としても消化不良気味で納得は出来はしなかったものの、彼女の頑張り、いや”彼女たち”の頑張りをもっと見守って行きたくなって、二度三度の観賞と相成った次第。
彼女以外にも気になる存在が何人か出来た。数年後、この21人の中から何人がブレイクしているだろうか。

”推し”のなしこたそには1回目2回目は物品コーナーで会え、3回目の観賞時は客席ですれ違った。
勝手にイメージしていたのとはちょっと違ったものの、やはり本物は可愛い。
そういえば3回目の時は、開演直前に客席に入ってきた人たちがいて、可愛らしいなと思っていたのだが、どうやら同じ事務所の川崎あや十味の二人だったそうで。やっぱり芸能人は違うな。また1回目2回目の時も何人かタレントさんがいた模様。
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  本人が書いた座席表(Twitterより)

【ひとりごと】
今回は初演となる<男子校版>と交互の上演。
こちらも気になったものの、種々の事情で断念。ライヴDVDなどが出ると嬉しいのだが、ないのだろうな。
(8/19、22、24に観賞)



by odin2099 | 2019-08-25 18:25 | 演劇 | Trackback | Comments(0)
父親から性的虐待を受け続けている女子高生の美以那は、自暴自棄になって見知らぬ男を誘って殺そうとするが、力及ばず逆にレイプされそうになっていたところを謎の美女に助けられる。
翌日学校から指定されたカウンセリング先へ向かった美以那を出迎えたのは、あの謎の女性だった。
苓と名乗った彼女は自らを”ヘマトフィリア(血液耽溺者)”と称し、彼女が許せないと感じる極悪非道な男だけを殺し、その血を啜って生きてきたのだ。苓は美以那を導き、そして美以那は苓に惹かれてゆく。
そんな折、無差別に人が襲われ生き血が吸われるという事件が連続して発生していた。警察は過去にも類似の事件があったことから、苓に疑いの目を向ける。

e0033570_23120874.jpg<夏のホラー秘宝まつり2019>上映作品の一本。

原作・脚本:小中千昭、監督:小中和哉、の小中兄弟作品で、出演は中丸シオン、高橋真悠、田中真琴、渡邊翔、俊藤光利、加藤厚成、松沢蓮、早坂季花、北岡龍貴、木之元亮、石田信之、大浦龍宇一、堀内正美と円谷プロ所縁の顔が並んでいる。
なお「ミラーマン」鏡京太郎役で知られる石田信之は、惜しくも本作が遺作となった。

タイトルの「VAMP」は勿論ヴァンパイア(吸血鬼)のことだが、物語序盤でヒロインがこれを否定。定期的に血を欲する身体ではあるものの、自分は吸血鬼ではないと説明する。
だが中盤から苓の出生に絡む”秘密”が明らかになると、一転してヴァンパイア物へと変貌。血しぶきは飛び交うもののさほどの残酷描写はなく、特に終盤は更にアクション物と化すのでホラーが苦手な自分でも大丈夫だった。

またヴァンパイア物といえば、直接間接問わずエロティシズムを醸し出している作品が少なくないが、むしろ本作の売りはこちらにある。ヘアこそ見えないものの、中丸シオンと高橋真悠の全裸の絡みは美しく、見ていて陶酔してしまう。

ただ物語上、二人が肉体的に結びつくシーンが必要だったのかはやや疑問。幼い頃に母親を亡くし、以来父親から虐待を受け続けた少女が男性恐怖症になり、結果同性の庇護者に安らぎを見出すに至った、という解釈で良いのだろうか。

ラストは少女から大人への脱皮、そして自立を描いているのだろうと思うが、大きな世界に放り出すだけでなくもう少しだけ”希望”を持たせられる展開があればなあとは感じた。
また父親の問題がまだ解決していないだけに、まだ彼女の行く手は険しい筈だ。



by odin2099 | 2019-08-24 23:13 |  映画感想<ハ行> | Trackback | Comments(0)
e0033570_22234644.jpg訪問看護師の白川市子は訪問看護師として大石家に出入りし、その家族からも大きな信頼を寄せられていた。
ある日次女のサキが行方不明となる。数日後無事に保護されたものの、その犯人は市子の甥だった。家族にそのことを打ち明けようとする市子だったが、真相を知った長女の基子から固く止められる。
だがやがて市子と犯人の関係がマスコミの知るところとなり、市子にあらぬ疑いがかけられる。そして追い打ちをかけるようにある人物しか知らない筈の彼女の秘密が漏れ、その結果彼女は職を失い、恋人との結婚も破談になる。
数年後、裏切り者への復讐を誓った市子は”リサ”と名乗り、ある人物へと近づいて行く。

主演は筒井真理子、共演は市川実日子、池松壮亮、須藤蓮、小川未祐、吹越満。
脚本・監督は深田晃司。
物語は”市子”のパートと”リサ”のパートが並行して描かれるので、最初のうちは戸惑うものの、やがてその仕掛けが意味するものに気付いたころにはグイグイ引き込まれていく。

それにしても本来は事件とは直接関係なかったはずの市子が、マスコミや興味本位の一般大衆によって”加害者”の側に仕立てられ、一転”被害者”となった彼女が復讐を決意するという流れが、誰にでも起こりうるのだという点で怖ろしい。
そしてそれが実はたった一人の人間の、”憧憬”や”愛”と形容すべき行き過ぎた感情の発露、その結果の”歪み”から生じているというのも二重の怖さだ。善良なだけでは、人は幸せにはなれないのだろうか。

筒井真理子の”市子”と”リサ”の演じ分けというか、温度差は見事。
ただ、ヘアヌードも見せる熱演ではあるものの、正直そのシーンはいらなかったかな。
そして市川実日子。色々な意味での”怖さ”を感じさせる女優だ。



by odin2099 | 2019-08-23 22:24 |  映画感想<ヤ行> | Trackback | Comments(0)
アートとお金の問題を真正面から取り上げたドキュメンタリー映画で、多くのアーティスト、オークショニア、コンサルタント、批評家、キュレーター、コレクター、ギャラリストたちがインタビューに答えている。

e0033570_09173066.jpgどんな高値で取引されても、それはモチベーションにはならない。美術館で展示される方が良い、というアーティスト。
良い作品とは高値であるべきだ、美術館はまるで墓場のようだ、というオークショニア。
アートの商品化を憂える批評家。
オークションは投資目的の資産売買の場になっている、とこれからの市場に不安を感じるギャラリスト。
値段を知っていても価値を知る人は少ないというコレクター。
今がバブル期で、これからも勢いは続くと見るキュレーター。

結局オークションでどれだけ高値が付こうが、アーティストには一銭も入ってこないのだし、個人が所有することで不特定多数の目に触れる機会は失われる。
不動産同様の投機目的で購入する、作品の価値を知らない者も多く、彼らの目的は安く買って高く売ること。
美術館が所有していても展示されるのは一握りの作品で、その多くは眠ったまま。だがその一方で50年後、100年後、150年後に再び日の目を見ることがあるかもしれない。

――現代アートにはとんと疎いもので登場しているのは著名であろう人たちだが、その彼ら彼女らが立場の違いから様々な意見を様々な意見を寄せ、そして映画としての結論めいたものを提示しなかったのは面白い。色々と考えさせられる作品だった。



by odin2099 | 2019-08-22 09:19 |  映画感想<ア行> | Trackback(1) | Comments(2)
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