【徒然なるままに・・・】

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「きのふの是はけふの非なるわが瞬間の感触を、筆に写してたれにか見せん」(森鴎外『舞姫』) HNは”Excalibur(エクスカリバー)”

クリスマスどころか、ちっとも年末気分ですらないんですが、コンビニやファーストフード店の前にはサンタさんの恰好をしたバイトの女の子が並び、一生懸命ケーキやフライドチキンを売っている光景が目立つので、「そうかー、クリスマスだったのかー」と気付く次第です。
街を歩いていると、警察官の姿が増えてることでもね。
# by odin2099 | 2004-12-25 08:23 | 雑感 | Trackback | Comments(0)
南極の氷の下に最古のピラミッドが発見され、探検隊が調査に赴く。しかしそれは太古より、プレデターの成人の儀式に使われていた場所だったのだ。プレデターの成人の儀式、それはエイリアン狩り。今探検隊にエイリアンとプレデター、双方の恐怖が襲い掛かる。

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『エイリアン』『プレデター』両シリーズのコミック権を入手し、映画のコミカライズに飽き足らずオリジナルのストーリーを展開させていた新興のコミック会社ダークホース・コミック社が、両シリーズのジョイントを企画し大ヒットを飛ばした『エイリアンVSプレデター』(その発想の原典は『キングコング対ゴジラ』にあるという)、そしてその映画化企画が浮上してからも早10年以上。遂にというか、ようやっとスクリーン上で両者の対決が実現した。
遠い未来を舞台にしたコミックそのものの映画化ではなく時代設定は現代になっているが、主人公が両者の激突の中で戦いに目覚めるヒロインであること、そして共闘することになったプレデターの戦士によってハンターの印を授かり、やがて他のプレデターからも一人前の闘士として認められるというラストまで共通点は多い。

物語自体は一応シリーズの番外編扱いだが(題名は「エイリアン」VS「プレデター」だが、比重からすると「プレデター」VS「エイリアン」という感じ。また現代が舞台ということで、ストレートに『プレデター3』とも受け取れそう)、『エイリアン2』『3』にビショップ役で出演したランス・ヘンリクセンを同キャラクターに関連ある人物の役に振るなど、現代を舞台にしてきた『プレデター』シリーズ、未来を舞台にした『エイリアン』シリーズ双方のミッシング・リンクとしても立派に機能している。惜しむらくは既知の存在であるはずのプレデターに関する言及が全くないことで、一時はアーノルド・シュワルツェネッガーが『プレデター』と同じダッチ・シェーファー役でカメオ出演することも想定されていたようなので、もしこれが実現していればよりシリーズとの密接な結び付きが描かれていただろう(なお『エイリアン』シリーズの顔シガニー・ウィーバーは、当初から出演の予定はなかったそうである)。

e0033570_8202332.jpg壮大なスケールを期待して、意外にこじんまりした内容にガッカリしたファンは多いようだが、序盤から来るぞ来るぞと思わせながら、エイリアン、プレデター共になかなか姿を見せずに引っ張り(色々な描写は小出しにしている)、いざゴングが鳴り響くと後は一直線にバトルが展開されるという手口はシリーズのお約束だし、何気ないショットにシリーズ諸作品へのオマージュが散りばめられていたり、とファンを蔑ろにしない制作体制は御立派。そしてラストにはファンなら「ああ、やっぱり」と思う展開が待ち構え、続編への期待を掻き立てる。『エイリアン5』『プレデター3』のみならず、『エイリアンVSプレデター2』もプランニングしても良いのではなかろうか。

しかし『フレディVSジェイソン』『エイリアンVSプレデター』と来れば、次は何だろう? ダークホース社には『ロボコップVSターミネーター』とか色々心躍らせる(頭の痛くなる?)タイトルも数多いし、つい最近には『スーパーマンVSバットマン』などという企画も動いていた。国内に目を転じると・・・やっぱり『ゴジラVSガメラ』かなぁ、究極は。
# by odin2099 | 2004-12-23 23:09 |  映画感想<ア行> | Trackback(10) | Comments(4)
めっきり寒くなってきて、それに比例して体調も下降気味。
例年だと12月上旬に最初の風邪のピークが来るのだけれども、今年は今頃になって怪しくなってきた。これから年末進行で忙しくなるっていう時に・・・。

そんな中、今日はコンサートへ。
まさか今頃になって本田美奈子のコンサートへ行くようになるとは思いもしなかった。

e0033570_23225454.jpgというのも、デビュー当時「は」彼女のファン。
レコード買ったりTVをチェックしたりしていたけれども(コンサートには行かなかった)、そのうちイメージ・チェンジを重ねるうちに興味の範疇を外れ、疎遠になっていたものだから妙に照れくさいというかなんというか。
最近クラシックを歌うようになってまた自分のアンテナに引っ掛かるようになり、思いきって今回コンサートへ足を運んだわけだが、行って良かった!

詳細はまた後日サイトの方にupするけれども、改めてファンになった次第。
来年はデビュー20周年ということで、演歌からクラシック、それに勿論アイドル時代の楽曲も取り混ぜたコンサートが企画されてる由。そちらも興味津々。

  ×  ×  ×  ×

以下、「ボクのわたしの 見て歩る記」より転載。
新宿文化センター大ホールは、収容人員1800名を誇る文字通りの大ホール。二階席の様子はわからなかったけれども、少なくても一階席はほぼ満席だったみたいで大したもんだ(当日券売り場にだいぶ人が並んでいたけれど・・・。前売り捌けなかったのかなぁ)。
で、客席を見回すと年齢層は様々で、デビュー当時の彼女を知る僕らのような30代よりも、50代や60代が多いのが意外。それに昔の彼女を知る由もない10代20代も多く(家族連れなども)、クラシックのコンサートという体裁を取っている以上こういう構成になるのはある程度当たり前なのかも知れないが、改めて今の彼女の人気は本物なのだなあと感じさせられた。

コンサートはプログラムにない「パッフェルベルのカノン」が流れて始まった。この曲に合せて、伴奏を務めるピアノ五重奏のメンバーが次々にステージに現れてスタンバイ。本人は姿を見せなかったことを考えると、これは生ではなくCDをそのまま会場に流しただけなのかもしれない?
そしてサン=サーンスの「白鳥」で正式に幕開けとなったが、これは歌なしのピアノ五重奏のみ。しっかりした演奏だったので、これはこれで違った意味でお得な感じ。
コンサート・タイトルにもなっているカッチーニの「アヴェ・マリア」からようやく本人が登場するのだが、やはり生で聴く唄は格別でありました。特に「アリア」や「タイム・トゥ・セイ・グッバイ」は圧巻。「アリア」はスキャットというかヴォカリーズの部分が長いのだけれども、『パッセンジャー』で彼女を主演に映画を作った西崎プロデューサーがこれを聴いたら、新作『宇宙戦艦ヤマト』の音楽製作に彼女を起用したがるのでは、なんてことをふと思ったりして。ちょっと聴いてみたくありません?あの『ヤマト』のスキャットを彼女で。閑話休題。
でもエコーをビンビンに効かせたマイクの使い方、たどたどしいというか甘ったるい喋り方(「私のお歌を聴いていただいて・・・」とか)、クラシックらしからぬ振付け等々にはやや閉口。昔とキャラがかなり違っちゃってる彼女には、若干の物足りなさも(本人も「昔はイケイケゴーゴーだったんですけど」と言ってましたっけ)。

e0033570_1455476.jpg後半はやはりピアノ五重奏で幕開け。「クリスマス・メドレー」と題されてますが、演奏されたのは「サンタが街にやってきた」「ホワイト・クリスマス」「ウィ・ウィッシュ・ユー・ア・メリー・クリスマス」「ハッピー・クリスマス」。これはこれで良かったんだけど、歌付きだとどんなになるのかもちょっと聴いてみたかったなあ。
2曲目「メモリー」から前半同様本人が登場。続く「踊り明かそう」共々アルバム未収録曲なので、ここらへんが聴きどころになるのかな。クラシック中心の前半と違って、後半はミュージカルあり映画音楽ありというバラエティに富んだ選曲なのも特色です。
「ニュー・シネマ・パラダイス愛のテーマ」「エデンの東」「人知れぬ涙」「グリーン・スリーブス」ときて、ラストは「ジュピター」。最近では平原綾香が歌って大ヒットしているが、本田美奈子ヴァージョンもなかなかいける。本来こういった二番煎じは好かないのだが、結果オーライというところだ(歌詞など全くの別物だけど)。

鳴り止まぬ拍手の中でアンコールが始まる。
先ずはドヴォルザークの「新世界」。シングル・カットまでされているのにメニューになかったので、アンコールは絶対にこの曲だろうと見当つけていたら案の定そうだった。お馴染みの「遠き山に日は落ちて・・・」とは違った歌詞を本人がつけているので最初は違和感があったが、今は普通に聴くことが出来る。
アンコール2曲目は「きよしこの夜」。「1番は私が歌います、2番は皆さんが歌ってください、そして3番は一緒に歌いましょう。でも・・・2番の歌詞は皆さんご存知じゃないと思うので・・・1番の歌詞を3回繰り返して歌うということでどうでしょう?」というわけで会場一体となっての大合唱。こういう時は普通なかなか歌わない(歌えない)ものだろうけど、皆さんノリがいいのか、一生懸命歌っておりました。僕も小声で・・・なかにはハモってるヤツまでいましたけどね。
さて、これでてっきりコンサートもお開きかと思いきや、アンコールがもう一曲。「ベラ・ノッテ」を、なんとマイクなしで歌ってくれたのだ!これには感動しましたね~。反響が良いとはいえ、あれだけの大ホール。ただのアイドル上がり(?)には出来ない芸当です。お見逸れしました。これなら最初ッからマイクにあんなエコーをビンビンにかけたりしなきゃ良いのに、と思ったりして。かえって下手に聞えてしまうし。

というわけで最初はどうかなぁと思っていたのに、結果的には大満足のコンサート。次の機会があれば、また是非足を運びたいもんである。

# by odin2099 | 2004-12-23 21:55 | 音楽 | Trackback | Comments(1)
うちらのサイトが使っているサーバーが、いきなりメンテナンス。
今日の昼12時から、明朝4時まで16時間も停止状態だそうで。
サーバー・ダウンとかのトラブル発生というならわかりけど、単なるメンテナンス(設置場所の移転だそうな)なら利用者に事前に告知するくらいは義務じゃないのか?
サーバーの提供というのも、立派なサービス業だと思うんだけど。
こちとら無料で使わせて頂いている身なんで、そういうことはあんまり言いたくないんだけど、ね。ライブドアさん?

 × × ×
旧ブログコメント:

>ねぇ(笑)

カキコネタあったのにサーバーメンテナンスとは。。。
私の出来立ての個人サイトもいずれそんなこんなで
落ちることもあるのでしょうねぇ。。。

私はサイト初心者なのでパニックになるかも。。。

 by TANK   Wednesday, 22, Dec 01:13

# by odin2099 | 2004-12-21 22:00 | 雑感 | Trackback | Comments(0)
e0033570_22475246.jpg前作同様に、こちらもジャンル・クロスオーヴァーな作品である。前半は麻薬犯罪に対するダニー・グローバーの奮闘ぶりが中心で、後半は再び襲来したプレデターとの対決がメインとなる。

アーノルド・シュワルツェネッガーの後任がダニー・グローバーでは些か心もとないというか力不足かなぁというイメージが強いが、これがどうしてなかなかのタフネスぶりを発揮。メル・ギブソン抜きの一人『リーサル・ウェポン』という感じで頑張っている。その理解者なんだか敵対してるんだかわからない上司がロバート・ダビ(出番少ないぞ)、新たに配属されたお調子者の部下(実は結構優秀?)が『エイリアン2』でエイリアンとも戦ったビル・パクストン、そして全てを知るCIAの男がゲイリー・ビジーと脇も曲者が揃っており、変わり映えしないジャングルよりも大都会でのアクションの方が見せ場も派手に作れる、ってんで実は前作よりも単純には面白く見られる。

続編を匂わせるラストだったが、『プレデター3』の企画は頓挫。ただ最近また企画が動き出した、との情報も。

e0033570_821862.jpgところでラストバトルではプレデターのマスクを脱がし、「なんて醜いんだ」と言わせるのがシリーズのお約束になっているが、シュワルツェネッガーやダニー・グローバーの顔を見たプレデターたちも同じことを思ってたりして
# by odin2099 | 2004-12-20 23:55 |  映画感想<ハ行> | Trackback(3) | Comments(0)
e0033570_22464134.jpg宇宙船オーリガ号の船内では、エイリアンの幼生を体内に宿したまま生命を断ったリプリーのクローンが開発されていた。彼女の体内からエイリアンを取りだし、生物兵器として軍事利用しようとしていたのだ。しかし成長したエイリアンたちは軍部のコントロールを離れ、暴走を始める。

リプリーが死んで完結したはずのシリーズが復活。今度のリプリーはクローン人間であり、尚且つ遺伝子レベルで体内のエイリアンと融合している彼女は、最早リプリーであってリプリーではない。例え駄作でもシリーズの続編には寛容なつもりだが、ここまで来るとちょいとハズしたんじゃあるまいか。リプリー抜き、あるいはもっと違った形での再登場という選択肢もあろうに(勿論主人公でなくても構わない)。

e0033570_17323591.jpg時代設定は前作から200年後ということになってるらしく、単純計算で第一作からは400年近く経過しているわけだが、テクノロジーの進歩が殆ど見られないのも不思議。ひたすらリプリーのみ加齢していってる印象だ(失礼!)。
それに恐怖感を煽ることはあっても、生理的に嫌悪感を与えることの少なかったシリーズだが、今回は少々グロテスクさが目につく。特にクライマックスで登場するニュー・ボーンは、エイリアンと人間の合の子という設定だが、これが実に醜悪。ただそれがかえって哀れさを誘うのだから、わからないものである。

ラストは遂に地球に降り立つリプリーの姿。当然のように『5』の企画も進んでいるようだが、今度は地球を舞台にしたエイリアンとのバトル勃発か。
# by odin2099 | 2004-12-20 23:05 |  映画感想<ア行> | Trackback(5) | Comments(2)
南米のジャングルで行方不明となった大臣の救出に、CIAの命を受けて特殊コマンド部隊が出動する。だが彼らを待ちうけていたのはゲリラだけでなく、宇宙から来訪した恐るべきハンターだった。

e0033570_8215340.jpgオープニングは地球に飛来する謎の宇宙船の映像で、SF映画らしい開巻だなと思っていると、タイトル後は荒くれ男たちによるゲリラ掃討作戦が始まり、一体何の映画なんだろうと狐につままれたような気分になる。『コマンドー』『ゴリラ』に続くシュワルツェネッガーの主演作でその延長線上の雰囲気を漂わせているのだが、やがて真の相手である宇宙人が全面に出だすと一転してモンスター・ムービーのムードが高まるというジャンル・クロスオーヴァーな、一粒で二度美味しい作品

透明に偽装して襲いかかる宇宙狩人と、追いつめられ一人また一人と狩られていく特殊部隊員との知力体力駆使しての息詰まる対決を描いている・・・はずだが、結局最後にはシュワちゃんと宇宙怪人が素手で殴り合いをおっぱじめるという、知能指数の低い体育会系映画になってしまった。これがシュワちゃんの持ち味といえばその通りで、変身も特殊装備の強化服も纏わずに怪物に立ち向かえるのはこの人ぐらいなものだろう。もっとも当初は、先ごろ亡くなった『スーパーマン』ことクリストファー・リーヴ主演で用意されていた企画だったそうなので、完成作品とはかなりイメージが違うものだったのだろう。

プレデターのアイディア、アクション・シーンの演出など見るべき点は多いのだが、今一つ盛りあがらない。カール・ウェザースがシュワちゃんのかつての相棒で、部隊を結果的に死地に送ることになるCIAのエージェント役で出ており、よくある裏切り者的キャラクターになっているが、それも実は大臣が行方不明ではなくて機密書類が持ち出されそうになっていた、という程度の可愛いもの(?)で、プレデターの存在を知っていて隠蔽していたとかいうヒネリもないのでかえってまだるっこしい。

プレデターのアイディアといえば、彼らは生体の熱反応を感知して襲ってくるという設定らしいが、途中でシュワちゃんは相手に感知されなくなる。てっきりその直前に水に落ちたので体温が下がったのが原因なのかと思っていたのだが、どうやら偶然身体に付着した泥のおかげらしい(?)というのはちょっとヘン。

尚このプレデター、着ぐるみの中に無名時代のジャン=クロード・ヴァンダムが入っているというのは広く知られているようだが、関係者の証言によればそれはテスト撮影の段階のみで、本編撮影時には解雇されていたということだそうである。また、このデザインの元ネタは、やはりファンからの指摘通り『電撃戦隊チェンジマン』に出てくる大星団帝国ゴズマの副官ブーマだそうだ。
# by odin2099 | 2004-12-19 23:30 |  映画感想<ハ行> | Trackback(6) | Comments(2)
惑星アチェロンを脱出したスラコ号だったが、航行中に事故が発生し、脱出船は惑星フィオリーナ161へと不時着する。そこは男ばかり25人の囚人が服役している監獄惑星であり、唯一生き残ったリプリーは犯罪者矯正施設へと収容される。しかしスラコ号の事故の原因は、実は船内に潜んでいたエイリアンの仕業であり、既にその魔の手はこの星にも及んでいたのだった・・・。

e0033570_22454089.jpg「3人の監督(レニー・ハーリン、ヴィンセント・ウォード、デイビッド・フィンチャー)、8人の脚本家(ウィリアム・ギブスン、エリック・レッド、ヴィンセント・ウォード、ジョン・ファサノ、デビッド・N・トウーイ、グレッグ・プレス、ラリー・ファーガソン、レックス・ピケット)、そして無数のシナリオ草稿をリプリーの登場するものと登場しないものの両方揃えた」と報じられたほど、大混乱のうちに作られた完結編(のハズだった)。
公式には前作から約130年後という設定らしいが、ビショップの設計者という博士(実は同型のアンドロイドなのでは?という疑惑も残る)が登場するなど不自然な点も多く、実は時間経過はそれほどないというファンの解釈もあるようだ。
前作前々作とはまた違ったシチュエーション(宗教色の強さなど)を産み出した点は多いに評価されるべきだろうが、出来あがった作品は製作時の混乱をそのまま反映してしまったかのようで、エイリアンの一人称(見た目)でのカメラワークなど新機軸を盛り込みながらも、せっかくのシチュエーションを上手く活かしきれず、キャラクターも差別化が計られていないのが惜しい。兎に角作品を完成させたこと自体が、ある意味奇跡のようなものなのかも知れないが、それだけでは寂し過ぎる。といって決して見られない、という作品ではないのだが。ラストも少々『ターミネーター2』を連想させるものの、それなりに荘厳な、と表現して良いほどのシークエンスに仕上ってはいる。

e0033570_17334264.jpgところで1作目の『エイリアン』には半ば意図的に性的な隠喩が多用されているが、今回のリプリーの置かれた状況は元犯罪者集団の中の紅一点。ということでもっと直接的なエロティックなシチュエーションであり、収容所の所長をはじめ所内の平安が乱れると危惧する者がいて、実際に一部の囚人たちに襲われるというシーンもあるのだが、何故か作品内からはそういった香りが皆無に近い。勿論ファミリー向け映画だからというエクスキューズもあるわけだが、それよりも偏にシガニー・ウィーバーという女優にそういった要素が感じられないからだと思うが、如何なものだろう。
# by odin2099 | 2004-12-18 23:55 |  映画感想<ア行> | Trackback(5) | Comments(2)
e0033570_17342854.jpg前作から57年後、ノストロモ号唯一の生存者リプリーは漂流中を救助され、地球圏へと帰還を果す。エイリアンの恐怖を訴えるリプリーだったがその訴えは退けられ、あろうことか卵の発見されたあの惑星が植民地となっている事実を知らされる。半ば狂人扱いされたリプリーだったが、彼女の危惧は現実のものとなった。植民地との連絡が途絶えたのだ。救助に向かう海兵隊の宇宙船、その船内には請われてアドバイザーとなったリプリーの姿もあった。

前作のホラー・テイストから一転して、今度は原題(”ALIENS”)通り登場する複数のエイリアンと海兵隊員による戦争アクション映画へ。その発想の転換がまず素晴らしい。続編に名作なしとは良く言われるが、なまじ同工異曲でパターンを踏襲しようとすると様々な壁にぶち当たるのだ。
監督は『ターミネーター』を当てたばっかりの、新進ジェームズ・キャメロン。このプロジェクトに参加する前に『ランボー/怒りの脱出』に関っていたせいか、どちらも強いアメリカ万歳!のイケイケドンドン映画になっているのはご愛嬌。

まるで蟻か蜂のような生態系とされたエイリアンの設定は、世界観の統一性という観点からはどうなのかとか、パワーローダーの登場はやりすぎだとか(『機動戦士ガンダム』との類似性は指摘されるが、むしろ本家『宇宙の戦士』のパワードスーツに近い。もっとも日本のロボットアニメからインスパイアされたと監督自身もコメントしている)、要するに続編としては邪道だと言う意見にも頷けるのだが、少なくても既製品の殻を破り突抜けた作品になっていることは素直に認めたい。それにホラー嫌いな僕でも、この作品は大丈夫だ。

最後が、ニュートと擬似親子関係が芽生えたリプリーとエイリアン・クイーンとの母親同士の一騎打ちになることも色々批判されてはいるが、自分的には納得である。
ただ2時間半近い上映時間は些か長すぎる。と思っていたら、現在は3時間近い<完全版>がリリースされ、この公開版は半ば封印状態になってしまった。

キャメロンの監督作品には『アビス』や『ターミネーター2』など別ヴァージョンの<完全版>が多く(『トゥルー・ライズ』や『タイタニック』にもその存在が噂されている)、それらは所謂<ディレクターズ・カット版>でもあるのだが、面白いことに本作に関しては監督自身が認めているのは公開版のみなんだそうである。
# by odin2099 | 2004-12-18 23:50 |  映画感想<ア行> | Trackback(3) | Comments(2)
宇宙貨物船ノストロモ号は、知的生命体からと思われる発進信号を受けて未知の惑星に降り立つ。そこには異星人の宇宙船があり、調査に向かった乗組員たちは船内で無数の卵を発見するが、乗員の一人が卵から飛び出した奇怪な生物に襲われ、顔面にそれが付着した状態で回収される。やがてその生物は死んだかに思われたが、実は体内に幼体が産み付けられており、成長した生物は乗員を一人一人襲っていく・・・。

e0033570_2244363.jpg公開は1979年の夏。20世紀フォックス社が『スター・ウォーズ』に続いて放ったSF超大作で、下手に亜流作品を作ることなく、ベクトルを思いっきり違う方向へ振ったのが成功の秘訣でしょう。といっても怖いのが苦手なのでその当時は見に行く勇気がなく、その夏は対抗馬(?)の『スーパーマン』しか見てません。TVで放映された時も気になりながら見ることが出来ず、結局見たのは三年後に名画座で二本立てになった時でした(シリーズ4作中劇場で見ているのはこの1作目のみ。ちなみに併映は『007/ユア・アイズ・オンリー』)。その時の印象は、SFXシーンは良かったけれどやっぱり怖いの嫌い!というもので、「まだ30分か」とか「あと1時間もあるよ」と時計と睨めっこしながら耐えていたものです。

今回久々に見なおしてみたんですが、ストーリーが判っていることと、家でビデオを見ているという安心感からか、案外面白く見られました。
まず展開が非常にゆったりしているのに驚き。2時間弱の映画ですが、エイリアンの卵が発見されるまでが30分、そしてエイリアンが誕生して暴れ出すまでには1時間、約半分近くかかっています。それまではノストロモ号船内の日常がきっちりと描かれているのです。これといって大物スターが出ているわけでもなく、美男美女揃いでもないので、誰が助かり誰が犠牲になるのか先が読めないハラハラドキドキというタイプの作品ですが、このテンポのおかげでじわじわと恐怖が忍び寄ってくるという感じになっています。当時はこの展開にダルさを覚えたんですが、昨今のハイテンポな映画に慣れるとかえって新鮮ですね。そしてこの日常空間として宇宙船を捉えた雰囲気は、『スター・ウォーズ』よりも『2001年宇宙の旅』をより強く連想させます。あれも宇宙船という密室を舞台に、登場人物が生命の危険に晒されるというホラー物の要素がありますし。

e0033570_17351414.jpgまたこのゆったりした展開で改めて気付いたのは、美術の素晴らしさ。異星人の宇宙船内部など、本当に「絵」になっています。そして、硬質でメタリックな外観でメカニカルなものを感じさせながらも、それでいながらしっかりと生物感をも盛り込まれたエイリアンのデザイン並びに造型の見事さ。その傑作デザインを、敢えて「見せない」ことにこだわった演出の冴えもありますし。元々宇宙を舞台にしながらゴシック・ホラーの系譜に連なる作品と位置付けられていますが、ある意味で”芸術映画”と呼んでも差し支えないでしょう。

それと意外だったのは、戦うヒロインの代名詞のように言われているリプリーですが、本作品では集団の一人という扱いなので思ったほど活躍しないことでしょうか。ラスト・シークエンスに至るまで直接エイリアンと遭遇することはなく、その際にもどちらかというと”か弱い女の子”の面が強調されているように思えます。
# by odin2099 | 2004-12-18 23:40 |  映画感想<ア行> | Trackback(9) | Comments(2)
昨日はとうとうコートを出してしまいました。
といっても平年より三週間近く遅いんですがね。どうも調子が狂います。

さて書店で「仮面ライダー響鬼Preview Issue」というグラフ誌を見つけました。
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1/30よりスタート
する”平成仮面ライダー”六作目のガイドブックなわけですが、例年にない試みなのは意欲の現れなんでしょうか。
そのデザインは賛否あると思いますが、それはさておきスタッフに目を転じるとプロデューサー・高寺成紀をはじめ、初作『仮面ライダークウガ』に関った人たちが戻ってきているようです。
そのことだけでもちょっと注目に値するように思います。
# by odin2099 | 2004-12-18 23:25 | ヒーロー | Trackback | Comments(0)
相方さんが「料理は得意?」という内容で日記をしたためておりましたが、これって難しいですね。
一流シェフも真っ青、という高級料理を作れる人は確かに「料理は得意」といえると思うんですが、有り合せの材料でちょこちょこっと作れる人も「料理は得意」だと思います。
勿論両方を兼ね備えている人もいるでしょうし、その人は文句無しに「料理は得意」な人でしょう。

ただ個人的には、高級な食材を使って手間暇かけて凝った料理を作れる人よりは、ちょっとした工夫でおいしいものを作れる人の方を、より尊敬しますね。
世界的な名演奏を奏でるアーティストは確かに素晴らしいですが、ヘタウマなんだけどチャチャっと即興演奏で場を盛り上げてくれる、そんな友人の方が楽しいなぁという感じかな。

そんなことを考えてる自分は、単に「一流」に縁がないだけなのかも。
# by odin2099 | 2004-12-17 22:10 | 雑感 | Trackback | Comments(0)
良く行くカレーのチェーン店があるんですが、ここ数年毎月のように期間限定の新メニューを提供しています。
今出ているのは「カキフライカレー」で、これは季節モノなのでわかりますし、毎年冬になるとメニューに加わりますが、その殆どには二度とお目にかかれません。
最初は、新しく開発したメニューをテストとして出しているのかな、とも思っていたんですが、どうもそうではなさそうです。
一向にレギュラー・メニューに加わるものもありませんし。単に目先を変えて集客アップを狙ったサービスなんでしょうかね。
元々メニューが少ないというわけでもないんですが。
# by odin2099 | 2004-12-15 22:53 | 雑感 | Trackback | Comments(0)
先日も書きましたが、今日TV情報誌の年末年始特大号が発売になりました。
なんとなーく手にとって一冊購入(『ザ・テレビジョン』です。理由は一番掲載期間が長かったから)、さっきから「この番組とこの番組、どっちを見ようかな」とか、「なんだァ、仕事終んないからこの時間じゃ見られないよ~!」とか思いながらパラパラめくっております。
どうせ今立てた計画の大半は実行せずにあっという間に年末年始は終っちゃうんですが、こうやってあれこれ考えている時間が一番楽しいですね。
しかし最近はどちらかというと、「あ~あ、この日は見たい番組が全然ないなぁ」という方が多くなってきているのが寂しい限り。
# by odin2099 | 2004-12-14 22:16 | 雑感 | Trackback | Comments(0)
週末、友人夫婦に子供が生まれました。どうせココ見るだろうから(笑)、ここでもおめでとうを言っておきます。
しかし予定日は年明けということだったので、その前祝いを兼ねて今週末に久々に集まろうかと言ってた矢先のこと。さて、困ったな(苦笑)。

ちなみに今日はまた気温が上がりました。でも明日はまた下がるんだとか。ヘンな感じ。
# by odin2099 | 2004-12-13 21:51 | 雑感 | Trackback | Comments(0)
昨日はシャツの上にトレーナー着ただけで夜出歩いたりしていたんですが、今日は雨も降ったりで寒いです。おそらく平年並みなんでしょうが、日頃暖かかっただけに余計寒く感じました。
そろそろヒーター付けたり、コートを羽織ったりしなきゃダメかなぁ。
# by odin2099 | 2004-12-12 21:33 | 雑感 | Trackback | Comments(0)
Jクラシックのニュー・アルバムを買うついでに、旧譜だけれどもこれも買ってみた。何枚か彼女のシングルは持っているんだけど、久しぶりに昔の歌声が聴きたくなったからだ。

e0033570_22253762.jpgこのアルバムは去年の6月に出たシングルのA面コレクション。全曲集じゃないと思うけど、デビュー曲からMINAKO with WILD CATS時代のものまで収められているので、その変遷が楽しめる。ロックバンド時代は低迷というか色々模索していた頃だと思うが、デビュー時からアーティスト志向の強かった彼女のこと、ある意味では必然だったのかも。同じ頃に菊池桃子がラ・ムーというバンドに参加していたけれども、その動機付けは随分違うのだろう。でもそもそもは彼女、確か演歌歌手としてデビューする予定だったはずだけど・・・(長山洋子も同じだった)。

しかしここ10年以上は聴いていない曲ばかりだったので、懐かしい懐かしい。後半にはハッキリ言って知らない曲もあるけれど(デビュー当時はファンだったけど、2~3年で離れたもので)、それを割り引いても新鮮に感じられた。またデビュー当時から歌唱力には定評のあった彼女、個人的には単に声量があるだけじゃないかと思っていたのだが、改めて聴きなおしても同じ印象。彼女が今あるのは、やはりミュージカルで鍛えられたからなんだろうな。

それにしてもCDで「モーニング美奈子ール」が聴けるなんてー!
これ、限定版シングル「青い週末」のB面に入っていた、所謂アイドル・チックなウィスパー・カードと呼ばれるもの。ブリブリのアイドルが嫌いだった本人は多分嫌がってやったんじゃないかなと思うのだが、案外バカにしながらも楽しんでやっていたのかも。

<収録曲>
 1.殺意のバカンス  2.好きと言いなさい
 3.青い週末  4.Temptation(誘惑)
 5.1986年のマリリン  6.Sosotte
 7.HELP  8.the Cross―愛の十字架―
 9.Oneway Generation  10.CRAZY NIGHTS
 11.HEART BREAK  12.孤独なハリケーン
 13.悲しみSWING  14.あなたと、熱帯
 15.STAND UP―Full Metal Armor―
 16.勝手にさせて  17.7th Bird “愛に恋”
 18.モーニング 美奈子ール(ナレーション)
# by odin2099 | 2004-12-12 16:04 | 音楽 | Trackback | Comments(0)
e0033570_21383114.jpgタイトルだけ見て「へぇー、ホルストのピアノ曲?」と思って手に取ったら、なんとあの「惑星」のピアノ版だった。しかも作曲者自身の編曲版だとのこと。

当然のことながら合唱まで加わるオーケストラ版の迫力は味わうべくもないが、原曲を知らなければ結構楽しめる。やはり優れたメロディは、どんなアレンジでも光るということか。
このピアノ編曲版、どの程度知名度があるのかわからないが、珍品として一聴の価値はあり。

演奏しているのはレン・ヴォースターとロバート・チェンバーレインの二人。
歌劇「どこまでも馬鹿な男」よりオマケあり。
# by odin2099 | 2004-12-12 16:02 | 音楽 | Trackback | Comments(0)
e0033570_22235876.jpg『AVE MARIA』に続くソプラノ・ヴォイスによるアルバム第2弾。
前作は自分にとって本当に衝撃的だったけれども、今回は少々インパクトの面では欠ける印象。楽曲の知名度の問題もあるのかもしれないが。

この中でお薦めは、シングル・カットもされた「新世界」。それとサン=サーンスの「白鳥」やパッヘルベルの「カノン」、レスピーギの「イタリアーナ」も面白い感じに仕上っている。反対に「ゴッドファーザー愛のテーマ」のような曲は今更感が漂う。

因みに彼女、「本田美奈子」から「本田美奈子.」に改名してます。名前の後ろに「.(ドット)」が付くことによって画数が31になり開運だそうで。
それにしても「モーニング娘。」以降「藤岡弘、」とか妙なことが流行り出しましたな。

<収録曲>
 1.すべての輝く朝に(井上鑑)
 2.白鳥(サン=サーンス)
 3.誰も寝てはならぬ ~オペラ「トゥーランドット」より(プッチーニ)
 4.If I Loved You~ミュージカル「回転木馬」より(リチャード・ロジャース)
 5.エデンの東(ローゼンマン)
 6.ゴッドファーザー愛のテーマ(ロータ)
 7.風のくちづけ[イタリアーナ~「リュートのための古代舞曲とアリア」より](レスピーギ)
 8.新世界~ 「交響曲第9番『新世界より』第2楽章」より(ドヴォルザーク)
 9.パッヘルベルのカノン(パッヘルベル)
 10.人知れぬ涙~オペラ「愛の妙薬」より(ドニゼッティ)
 11.アリア ~「ブラジル風バッハ第5番」より(ヴィラ=ロボス)
 12.ソルヴェイグの歌(グリーグ)
 13.時―forever for ever―(井上鑑)
 14.この素晴らしき世界(ジョージ・ダグラス)

 × × × ×

【追記】
「開運」のはずだったのに。早すぎるよ・・・。
   (2005/11/07)
# by odin2099 | 2004-12-12 15:59 | 音楽 | Trackback | Comments(0)
e0033570_12553383.jpgロンドンで起こった奇妙な連続殺人事件を追う、ヴァン・ヘルシングの活躍を描いた33分の短編アニメーション。
その犯人はヴィクトリア女王への邪恋を抱き、科学の力でその欲望を満たそうとしていたジキル博士だった・・・!

劇場版『ヴァン・ヘルシング』のプロローグ編で、本編冒頭でヴァン・ヘルシングと対峙しているハイド(ジキル博士)との因縁がこの作品で明らかにされている。
「ジキル博士とハイド氏」といえば二重人格の典型として捉えられ、ジキル博士は予期せぬハイドの存在に苦悩するキャラクターというのがパターンなのだが、この作品では自らの意思でハイドに「変身」する完全な悪役になっているのが目新しい点か。

アニメーション作品としては取りたてて優れた作品というわけではないが、ヴァン・ヘルシング役のヒュー・ジャックマン、カールのデヴィッド・ウェンハム、ハイドのロビー・コルトレーンらオリジナル・キャストが声を担当しているので、ファンならば押えておいて損はないだろう(キャラクター・デザインは今一つ演技者に似ていない)。

音楽がアラン・シルベストリではないこと、それにカールのキャラが映画と若干異なる印象を与えるのが残念ではあるが、実写とアニメ、映画とビデオという媒体の違いを考えれば許容範囲である。
凄腕のモンスター・ハンターであるヴァン・ヘルシングは、映画本編以前にも数々の怪物相手に活躍していたという設定のはず。ならばその活躍ぶりを、1クール乃至2クール程度の30分TVアニメ・シリーズにしても面白いかも。

DVDには映画本編のメイキング(インタビュー中心)と、ゲームの予告編&メイキングなどの特典映像(約30分)が付いている。
# by odin2099 | 2004-12-12 15:57 | ビデオ | Trackback | Comments(0)
読書好きの友人たちは当然のように学生時代に読んでいたが、僕は映画を見た後で興味を持ちながらも、結局長い間手に取ることはなかった。
そして不思議に思ったものだ。何故映画は原作の半分までしか描いていないと言われているのか。ファンタージェンから少しだけ成長して戻ってきたバスチアン、これはこれできちんと完結しているのではないか(その後続編が作られるが)。
それに物語を充分に楽しめたという思いもある。その答えを知るには読むしかない。というわけで文庫化を機にようやっと手に取る気になった(実はハードカバーも持っている・・・)。
e0033570_0131497.jpg
で、読んで納得。何のことはない、映画は原作の前半部分に独自の結末を付けただけだったのだ。これでは作者がクレームを付けたくなるのもわかる。むしろ映画では省かれた後半部分こそ、作者が訴えたかったことではなかったのか(残念ながらその後映画化された後半部分は、大筋をなぞるだけに終始してしまっていたのだが)。

しかし映画を楽しんでしまった僕には、これを持って映画を「否」とは出来ない。例え原作信奉者には許し難い出来映えだったとしても、作品の認知度の上昇と新たなファンの獲得は果されたという「功」の部分もあると思うからだ。そして映画を気に入った人には、次なるステップとして原作小説を手にとってもらえば良い。現に自分がそうだったし、結果的にはどちらも楽しめたのだから。

ちなみに原作で描写されるバスチアンは「十か十一くらいの背の低い太った少年」。そのままでは流石に映画化は難しかったのだろうが、原作ファンはこの時点で拒絶反応があるのだろう。
# by odin2099 | 2004-12-12 15:54 | | Trackback | Comments(0)
映画を見てから改めて読みなおしてみたのだが、最初は大して面白くもないと思われたこの小説が、なんだか凄く面白く感じられるようになっていた。それだけ映画が魅力薄だということだろう。

まず魔法で老婆に姿を変えられたソフィー。
長女だから何をやってもダメだと諦めていた彼女だったが、立場が変わればモノの見方も変わってくる、自分で作ってしまった殻を自ら破ることで大きく成長していき、秘められた自分の力(魔法が使える!)にも目覚めていくというキャラクターなわけだが、映画版では外見のみ変わっても内面の変化は殆どなし
老婆に変わったままの原作とは違い、映画では少女と老婆を行ったり来たりしているので尚更だ。
多少引っ込み思案なところはあるものの、最初から芯の強さを持った典型的な宮崎ヒロインに堕しているので、その「変身」が全く活きてこない。原作では妹が二人おり(末妹は後妻の子だが仲は良い)、この二人との対比でキャラが成り立っている面が多分にあるが、映画では一人だけ、それもその他大勢扱いなのでソフィーに与える影響も皆無に近い。

e0033570_1651559.jpg荒地の魔女の設定も酷い。本来は徹頭徹尾怖い悪役だが、映画では最初こそ恐ろしげではあるものの途中からコメディ・リリーフと化し、最後はこれまた宮崎作品に顕著な、敵側から味方側へと転じるキャラ、頑固だけど憎めない老人のパターンを踏襲してしまう。
原作ではハウルもソフィーも最終的な目的は荒地の魔女との対決で、共通の目的があるからこそ二人は接近していくのだが、映画ではその部分が欠落しているのでただ何となく一緒にいるだけなので不自然だ。

そしてハウル。自惚れ屋でお調子者、我侭でいい加減、見栄っ張りで女好き、このまんまキムタクにやらせりゃ良かったんだろうが、映画では何やら内なる使命を秘め、表面上はC調を装っているだけの2枚目キャラという、非常につまらない存在になっている。
つまり、極端なことを言えば原作の良さを全て殺ぎ落としたのが映画版ということになる。映画の出来には満足している、というおざなりな原作者のコメントが紹介されていたが、本心だろうか?
ちなみに映画と原作との相違点は数知れないが、キャラクターに関していくつか挙げると、王室付魔法使いのサリマンは原作では男性で、しかもハウルとは面識がない。後にソフィーの妹と結婚する。ハウルの先生はペンテスモン夫人で、彼女は途中で魔女の毒牙にかかって生命を落す。映画では唐突に描かれる案山子の正体だが、原作ではもっと複雑で、しかもそれにはソフィーの妹たちが密接に絡んでくる。ハウルの弟子マイクルは、原作では15歳の少年で名前はマイケル、といった具合。原作にはない戦時下などという設定を施すより、もっと原作の面白さを引き出すような映画作りは出来なかったものだろうか。
# by odin2099 | 2004-12-12 15:51 | | Trackback | Comments(0)
東京国際フォーラムでのコンサートへ出掛けた。8月にやったコンサートの再演。

行って驚いたのは「2階のB、C席のチケットをお持ちの方はこちらへ」と入場前に呼止められ、何事かと思っていると「1階席がご用意できましたので」とチケットを取りかえられちゃったこと。
こちらは2階のB席、真ん中最後尾を持っていたのが、何と1階席真ん中の後ろの方、S席へとグレードアップ。
あまりの客入りの悪さに主催者側が慌てたんだろうな。

どうやら2階席は完全に閉鎖してしまったようだったが、それでも1階席はガラガラと言っても差し支えないだろう。
普通のコンサート会場ならかなり埋まる人数だろうが、何せキャパがでか過ぎる。他の回の公演がどうだったのかも非常に気になる。
演奏内容はサイトの方で後刻改めて。
ただ、手放しで褒められたものではなかったことだけは一言添えておく。

それにしても何で演奏会当日にTVで『二つの塔』を放送するんだろう(フジテレビ系「プレミアムステージ」)。
これじゃ夜の回に参加したファンは見られないじゃないか。
まぁ前回はフジテレビ主催だったが今回はテレビ朝日。ライバル潰しか?

   ×  ×  ×  ×

下記「ボクのわたしの 見て歩る記」より転載
ジョン・マウチェリーの指揮の下、ソロヴォーカルにノルウェーの歌姫シセル迎え、インターナショナルLOTRオーケストラの演奏で8月末に行われた『ロード・オブ・ザ・リング ザ・コンサート~オーケストラ、コーラス、ソリストによる交響曲6楽章~』の再演です。
映画『ロード・オブ・ザ・リング』三部作の音楽はかなりのお気に入りでして、その為に作られた音楽の中から、作曲したハワード・ショアが直接選曲して夫々の作品を二楽章ずつ、計六楽章形式で編んだ交響曲となれば興味が湧かないわけがありません。前回は平日のみ(しかも月末!)の公演だったので行きたくても行かれませんでしたが、今回は土日、しかもショア自身が来日して直接指揮するとあって喜んで出掛けてきました。
オーケストラと混成合唱団、少年合唱団合せて200名以上がステージに立つ姿は正に圧巻。そして第一部(第一楽章と第二楽章)、第二部(第三楽章から第六楽章まで)それぞれが一時間程度で、間に休憩を挟んでトータル三時間弱と、かなりハイ・ボリュームの演奏会となりました。

さてこの交響曲版、映画が大好きで繰り返し繰り返し見たという人は、演奏を聴きながら夫々のシーンを思い浮かべて涙する、ということもあるでしょう。
しかし普通に映画を楽しみました程度の人、クラシックなどの演奏会に不慣れな人には些か辛い構成かと思います。元々ショアのメロディーは、誰もが口ずさめるような強烈な個性には乏しく、どちらかというと観客を作品世界に埋没させる手助けをしてくれるような存在でしょう。そうなると細切れに流れてくる色々なテーマ(メロディー)の断片、音楽的色合いの違いは楽しめるかもしれませんが、それが直接具体的な映画のシーンを思い起こさせてくれるかというと、なかなか難しいのではないかと思います。つまり、ただボーっと聴いているだけ→眠気を誘う、という状態になります。
僕のようにある程度サントラ盤を聴き込んでいる人間にとっては、各楽章の副題(基本的にメロディーを引用した箇所のあるサントラの曲名になっています)を見るだけで「ああ、あの曲か」という判断は付きますが、一般のファンではそこまでいかないでしょうし。
では独立した音楽作品として楽しめるのかというと、前述したように強烈なインパクトには欠けるために広くアピールするまでには至りそうもありません。あくまでもサントラのダイジェスト、映画版を追体験するためのツールでしかないのです。またサントラ・マニアの立場からしても、交響曲としての独自性を出すために改変されたスコアには違和感を覚えることは必至です(テンポやタイミングの違い、演奏者の解釈の違いなどなど、結構気になるものなんです、これが)。となると、残念ながらかなりコアなファン限定のイベントとしてしか成立し得ないのが今回のコンサートなのかなぁ、とちょっと寂しい気持ちにもなります。勿論そんな難しいことは考えずに、素直に楽しんじゃったよ、という人の方が大多数だとは思いますが(というか、そう願います)。

そして演奏。前回夏の公演の時はオーケストラについての酷評が目立ちましたが、色々覗いてみると今回は比較的好意的意見が多いみたいです。しかし僕には、音響面では決して褒められた会場ではないことを差し引いても、かなり厳しいものに感じられました(特に前半)。これで「良かった」と言うことは、前回はどれほど酷かったのでしょうか。前回参加された観客の方に同情してしまいそうです。
コーラスもまた然りでして、特にソリストを含めた少年合唱団には終始ハラハラさせられっぱなしでした。小学生に多くを求めるのは酷だとはわかってはいるのですが、これは学芸会ではないのです。決して安いとは言えない料金を取るコンサートなのですから。

ということで、期待していたのに全体的にはかなり寒いコンサートになってしまいました。
寒いといえば観客席もガラガラ。前回はこのキャパ5000人という会場が満席になったそうですが、今回はどれくらいいたんでしょうか。何せ二階席の中央最後尾、B席のチケットを持っていた僕らが入場前の受付けで呼び止められ、その場で一階席の真ん中後方のS席チケットへ差替えられたくらいです(こんなことならC席買っておけば良かったです。そうなれば半額だったのに・・・!)。二階席は全面的に閉鎖していたみたいですが、それでも一階席は2/3埋まっていたかどうかという有様。せっかく来日してくれたショア氏が気の毒になってしまいました。もう二度と来日してはくれないかもしれませんね。最後には取って付けたようなスタンディング・オベレーションもありましたが(前のほうからバラバラと立ちあがったが中央辺りでストップ。僕らは立ちませんでした)、気を悪くしていないことを祈ります。気を悪くといえば、マナーの悪い観客も目立ちましたね。演奏会慣れしていないのかもしれませんが、演奏中に私語するとは言語道断。非常識も甚だしいです。それに一部二部通してずーっと咳き込んでいる人。貴方が苦しいのはわかりますが、廻りの人が迷惑です。

ところで前回は主催者にフジテレビの名前があったのですが、今回はテレビ朝日になっています。そのせいなんでしょうかね、演奏会夜の部にぶつけるように『ロード・オブ・ザ・リング/二つの塔』の地上派初のオンエアーを持ってきたのは。前後どちらかの週にずらせば相乗効果も望めたかもしれませんが、これでは厭味以外の何物でもありません。

# by odin2099 | 2004-12-11 22:58 | 音楽 | Trackback | Comments(0)
今季は暖かいです。
流石にスーツとワイシャツの間にはチョッキを着込んではいますが、例年ならとっくに着用しているはずのコートにもまだ袖を通していません。
寒いのは苦手なのでこれは有り難いのですが、その一方で冬は寒くなくちゃ、という矛盾した気持ちも持っています。
そして打撃を受けているのが各地のスキー場。雪不足の影響でオープン延期が相次ぎ、またオープンしたものの一時閉鎖に追い込まれるなど散々。
やはりどこかで何かが狂っているとしか思えません・・・。
# by odin2099 | 2004-12-08 21:15 | 雑感 | Trackback | Comments(0)
1939年、ニューヨークを突如謎の巨大ロボット軍団が襲った。その危機に立ちあがったのは、スカイキャプテン! おりしも科学者の連続失踪事件を追っていた元恋人の新聞記者と再会した彼は、両事件に関連ありと睨み調査を開始する。はたして”敵”の目的は何か?その正体は?!

古めかしくも新しい、レトロ・フューチャー感覚に溢れた快作で、主演二人の端正な、どちらかというと古風な顔立ちも作品にマッチしている。

e0033570_19373165.jpgこの作品の特徴はセットを作ったりロケを行わず、役者にはスタジオのブルースクリーンの前で演技させ、それを最新テクノロジーを駆使してコンピューターの絵と合成しているということ。『スター・ウォーズ』の<新三部作>でも同様のテクニックは使われているが、全篇これで押し通したのは初めてだろう。その分撮影日数は短くて済み、予算もかなり抑えられてたようだ。聞けばこの監督は、たった一人で一台のパソコンを使い、4年もの歳月をかけてコツコツと作り上げた6分間の映像が認められ今回メジャー・デビューを果したというから、筋金入りの”ヲタク”。こういう作品を見せられると、遠からずたった一人で長編大作映画を作ってしまう才能が必ず現れるだろう、と確信してしまう。

ハイテクといえば、故ローレンス・オリビエの若き日の映像を、遺族の許可を得て大胆に使用しているのにも驚く。

この監督の次回作はエドガー・ライス・バローズの『火星のプリンセス』に決まったようだが、その次には是非ともこの作品の続編を望みたい。
# by odin2099 | 2004-12-07 21:20 |  映画感想<サ行> | Trackback(3) | Comments(4)
e0033570_10471412.jpg引退を余儀なくされ、一般市民の暮しを送っている元スーパーヒーローのお父さんが、ある事件をきっかけに悶々とした日々から解放される、というお話。
・・・ではあるのだが、それだけではない。
同じくスーパーレディだった奥さんは、過去の栄光を忘れられない夫と、やはりスーパーパワーを持ってしまった子供たちのことでフラストレーションを抱え、子供たちは子供たちで自分たちの力に戸惑いを覚えている。そんな家族がこの一件で危機を乗り越え、また人間的にも大きく成長するというお話でもあるのだ。

監督のブラッド・バードは、『アイアン・ジャイアント』でも子供向けといいつつ、実は子供の心を残した大人向けの秀作ドラマを描いて見せたが、今回もそれと同じで、よりエンターテインメントに徹した娯楽作品に昇華せしめた。これを見ると、家族って良いものだなァと思わずにはいられなくなるだろう。

e0033570_10473385.jpg最後に見事家族の絆を取り戻し、ヒーローとしても復権した一家の次なる活躍も見たいが、もし作るとなると契約の関係上ピクサー社抜きとなりそうなので、変に紛い物を見せられそうなのが不安・・・。

それにしても、『アイアン・ジャイアント』でも主人公のお母さんがチャーミングだったが、今回も元イラスティガールだったヘレンが魅力的
どちらも他に正ヒロインと呼べる存在がいないということもあるのだが、これも監督の持ち味なのだろうか。
# by odin2099 | 2004-12-07 21:16 |  映画感想<マ行> | Trackback(5) | Comments(4)
映画版の『ポーラー・エクスプレス』も公開中なので、その原作本(絵本)をご紹介。
映画を見た後でこの本を読み返すと物語があっさりしすぎていて物足りなくも思うが、映画を見たときはシンプルな物語をうす~く引き伸ばして、さらにゴテゴテと思いっきりデコレーションを施した印象が強かった。
e0033570_1523784.jpg
また映画版の主人公はサンタクロースを信じられなくなっている少年だが、原作版では「サンタなんかいない」と友達が言ってもそれを信じられない、つまりサンタを信じている少年だという違いがある。夢をなくしかけた少年が、再び夢を取り戻す。クリスマスの奇跡が起こる、という映画版の展開の方がよりドラマティック、即ちハリウッド的になってはいるのだが、個人的には原作のシンプルさの方が好みかな。
翻訳は村上春樹で、現在出ているのはその改訳版。
# by odin2099 | 2004-12-07 21:13 | | Trackback(1) | Comments(0)
12月に台風上陸か?と騒がれた27号は昨日温帯低気圧に変わったが、ヘンな天気が続いてますね。
昨晩から今朝にかけては台風並みの大雨と強風。
その後は気温が上がり、都心で24.8度!
あわや「夏日」になるところで、これは12月としては観測史上最高の気温だそうな。
この時期にシャツ一枚で町中を歩けるとは思わなかった。
しかし一方で北海道では大雪や猛吹雪に警戒が必要だというんだから、ホントにおかしいよ。
# by odin2099 | 2004-12-05 20:51 | 雑感 | Trackback | Comments(0)
e0033570_8231429.jpg『デビルマン』級とか『デビルマン』を凌ぐと言われている最新作にして最終作
さっそく初日に見て参りました。

詳しくはサイト内の「しねま宝島」にコメントしてありますが、結果的には『ゴジラ』>『ハウルの動く城』だと思います。
バカバカしくも楽しめました。ただ、万人向けじゃあないけど(苦笑)。

『ハウル』といえば今原作を読み返しているんですが、見事にキャラクターが違っちゃってますなあ。
どっちが良い、とも言えないんだけどね・・・。


以下、「しねま宝島」から転載
”これが最後”という触込みの、シリーズ通算28作目にして誕生50周年の記念作
ということで早くからファンの注目を集めたが、灰汁の強い監督起用に喧喧諤諤。それでも『デビルマン』よりマシだろうというのが大方の意見(希望的観測ともいう)だったが、いざ試写会が始ってみると”『デビルマン』級”だとか”『デビルマン』より酷い!”と非難囂々。不安だらけで劇場へ足を運んだのだが、結果的には充分楽しめた(それにしても既に基準値となっている『デビルマン』の存在って・・・? もう一つ、『CASSHERN』という基準もあるのだが)。
「こんなゴジラが見たかった!」とは思わないが、「こんなゴジラもありだよな」という肯定派。
冒頭の東宝マークに往年の”TOHO SCOPE”のものを使っているのが「この映画は総集編的セルフパロディ映画なんですよ」という一つのサインで、これを素直に受け止めさえすれば二時間だれずに(人によっては大笑いしながら)楽しむことが出来るのだ。

登場する怪獣はゴジラ以外にモスラ、ラドン、アンギラス、ミニラ、マンダ、キングシーサー、クモンガ、エビラ、カマキラス、ヘドラ、ジラ(ハリウッド版『GODZILLA』モドキ)、ガイガン、モンスターX、そしてモンスターXの実体であるカイザーギドラ(キングギドラより凄い?!新怪獣)と錚々たる顔触れ。それに加えて地球防衛軍の主力戦艦はあの『海底軍艦』轟天号だし、攻めてくる宇宙人はX星人、地球に接近する天体は妖星ゴラス、と東宝特撮映画のアイテムてんこ盛り。もう最初から最後まで見せ場の連続で見終わった後はどっしりとした疲労感。でも不思議とゴジラ映画を見た、という気にはならないんだよなあ・・・。

というのも結局は人間ドラマというか人間アクションに主眼が置かれているからで、松岡昌宏とケイン・コスギのぶつかり合いとか、松岡昌宏と北村一輝の激突とか殆ど『マトリックス』状態のアクション・シーンばっか印象に残ってるからだ。
出てくる怪獣にしたってごく一部を除けば秒殺・瞬殺の嵐だし・・・って、これはギャグなんでしょうね、きっと。
また人間の出番が多いからといって人間ドラマがきちんと描けているってこともなく、表情に乏しい菊川怜や脚線美を見せるだけの水野真紀などなどキャラの掘り下げも殆どなし。まあヘンに説教臭いドラマをやらかされるよりは、テンション下がんない分遥かにマシなんですがね。

そんな中で出色なのは、X星人北村一輝の怪演。完全にイっちゃってて実に頼もしい
そして轟天号の艦長ダグラス・ゴードン大佐を演じた総合格闘技のドン・フライ。そんじょそこらの俳優さんよりも演技が上手いというか、存在感があるというか。あ、でも声を吹き替えた玄田哲章の巧さでもあるのかな。実質的にはこの二人が主役といっても過言ではなく、だからメチャクチャ強いはずのゴジラの存在感が霞んでるんだなあ。

e0033570_17363231.jpg
ただこの映画、音楽だけはまるでダメ!なんで今更キース・エマーソンなんか引っ張り出したのかわからないけど、全篇に渡って流れっぱなしのロック・サウンドは、耳に残るメロディーは皆無で五月蝿いだけ。
別に御大・伊福部昭を呼んで来いとは言わないけど、これだけ色んなキャラが出てくる作品なら伊福部メロディーが必要でしょ。せめて轟天出撃シーンくらいは。
その代り(?)劇中曲扱いなのか、佐藤勝版”メカゴジラのテーマ”が唐突に流れてきたりするのはなんなんだか。

そしてもう一つ、ラスト・シーン。ここまでお祭り騒ぎやらかしといて、これはないんじゃないの?
個人的にミニラが大っ嫌いってこともあるけど、最後の最後で緊張感の糸がぷっつり切れたかのような虚脱感に襲われました、ハイ。
この二点がなけりゃ、冒険作として結構な点を付けても良かったのになあ。もっともシリーズの最後でこうまで弾けた作品作っちゃうと、なんか勿体無いね。どうせ数年後か十数年後には甦ってくるんだろうけど、とりあえずの大トリを飾る作品としては許せない部分もあるなあ。というか、これで最後の『ゴジラ』です、とは認めたくないというか。

追伸。
エンドクレジットには、本編では使われなかったカットが随分使われてるので、最後まで席を立たないこと。

   ×  ×  ×

興行的にはかなり厳しいという話なので、もう一回見に行ってしまいました。これで当分スクリーンで『ゴジラ』とおさらばかと思うと、感慨深いものがあります。

それにしても、のっけから見せ場満載、ツッコミどころ満載の映画はなかなかないですねえ。
冒頭のゴジラ対海底軍艦の一戦、金子監督が『GMK』のクライマックスで実現出来なかったことをあっさりとやってのけてしまったわけですが、この初代轟天号の指揮を執っているのが中尾彬・上田耕一コンビなのが<平成シリーズ>をずっと見ている人にはニヤリだし、続いて新・轟天号が戦う相手がマンダなのは必然? 
しかもこの新・轟天のデザインが、二代目海底軍艦とでも呼ぶべき『惑星大戦争』版の轟天号のイメージに近いのも遊び心が出ています。

回想シーンで暴れている過去の怪獣たちが、バラン、バラゴン、ガイラ、ゲゾラ、それにチタノザウルスというセレクトなのも渋いです。でもどうせならメガロとかゴロザウルスとか他にもバンバン映して欲しかった怪獣はいますし、一体も選ばれていない平成怪獣群の中からも、例えばビオランテとかデスギドラとかダガーラとかオルガとか出して欲しかった気もしますね(あれ、メガギラスはいたんでしたっけ?)。

ゴジラ対GODZILLA実現!のジラ戦、あっけなくやられちゃうジラは拍手もので、「やっぱマグロ食ってるヤツはダメだな」という北村一輝の台詞も大笑いだし、アンギラス・ラドン・キングシーサーとの変則マッチが何故かサッカー映画風演出なのも子供には受けていたようです。
あっという間に出てきて消えるヘドラや、エビラに止めを刺す際の「悪いな、エビは嫌いなんだ」というケイン・コスギの台詞などは評判悪いようですが、まぁそんなに目くじら立てるほどのことではないでしょう(そんなことよりもドン・フライ同様、ケインの台詞も吹き替えにした方が・・・)。

そうそう、「これでも昔は”百発百中”と呼ばれた男だよ」という宝田明の台詞に、場内でただ一人反応してクスクス笑っていたのは私です(知らんだろうなぁ、その昔の宝田明の主演映画に『100発100中』というのがあって・・・・・・といっても見たことありませんが)。
南極にあるエリアGの隊員さんコンビの名前がニックとグレンだってことに反応したのも私だけだったかなぁ(これは、『怪獣大戦争』にニック・アダムスが出演した時の役名が、”グレン”だったことに引っ掛けたお遊びですな)。

かように古くからのファンはお遊びにニヤリ、これまで『ゴジラ』なんか見たことない!と仰る新参者にも敷居は低いのが本作の特徴でしょうね。その分、マニア、フリークの皆様方の中には強烈に拒絶反応を示していらっしゃる方もおりますが、これは仕方ないでしょうね。いわばこれまでのシリーズ全作品を、ある意味否定しまくっているわけですから。

しかしこうなると、次に『ゴジラ』を復活させる時は大変そうです(”最終作”と銘打ってはいますが、数年、十数年後にはまず間違いなく甦ってくるでしょうから)。これほど破天荒で能天気なオールスター映画を作られてしまうと、単純な対決モノでは小粒過ぎますし、かといってその対戦相手がリバイバル怪獣では新鮮味に乏し過ぎます。さりとて一作目に倣った単独の”恐怖ゴジラ”が上手く行くかというと難しいでしょうねえ。
禁じ手としてはその一作目のリメイクという選択肢もありますが、それはやらないでしょうし、うーん。ここはやっぱりガメラと対決させるしかないんじゃありませんか?

# by odin2099 | 2004-12-04 22:05 |  映画感想<カ行> | Trackback(3) | Comments(4)
<ナルニア国ものがたり>の3作目。
今回はお馴染みペベンシー家の四兄弟のうち、年少組(?)のエドマンドとルーシィのみが登場し、更にニューフェイスとしてその従兄弟のユースチスが加わる。
このユースチスというにはかなりの嫌な奴として現れるが、冒険の中で段々と人間的に成長していくというのが一方のテーマ。丁度1作目『ライオンの魔女』でエドマンドが辿ったのと同じような道だ。e0033570_9595595.jpg

現実世界(ペベンシー兄弟にとっての)とナルニア国では時間の流れ方が違うが、この物語では前作『カスピアン王子のつのぶえ』からエドマンドとルーシィにとっては一年後、ナルニアでは三年後という設定で、前作同様カスピアン王子が中心になっている。
数百年の開きがあった1作目と2作目に比べるとストレートな続編と言って良く、物語世界にはより入り込みやすい。ただカスピアン王はあれから色々あったのか、ユースチスが更正していくのと反比例して(?)徐々に傲慢になっていくのが対照的で面白い。
# by odin2099 | 2004-12-03 22:50 | | Trackback(1) | Comments(0)
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