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「きのふの是はけふの非なるわが瞬間の感触を、筆に写してたれにか見せん」(森鴎外『舞姫』) HNは”Excalibur(エクスカリバー)”

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<平成ガメラ>三部作の第二作。
e0033570_21571985.jpgSF映画としてもさることながら、ミリタリー映画としても秀作。
それを危険視したり危惧する人も少なからず存在するが、映画というフィクション世界をそこまで規制するのは如何なものか。
単純に格好良いものに憧れ、迫力ある場面に高揚感を覚えることは罪なのだろうか。

序盤から畳みかける展開は、何度見ても熱くなる。
実のところ後半の一大攻防戦では、音楽の盛り上げ方が今一つだなと感じる場面や、自衛隊の戦闘状況が指揮所での会話で進められるという、リアルではあっても些か地味な表現に物足りなさを感じはするものの、やはりこの作品は単に怪獣映画のみならず、邦画界にあっての一つの到達点と言えそうだ。

嫌味がなくかつ個性的な演技陣も適材適所だ。

<過去記事>



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by odin2099 | 2018-11-06 22:00 |  映画感想<タ行> | Trackback | Comments(0)
俗に<平成ガメラ三部作>と呼ばれる作品の一作目。
限りなく総集編に近い新作「宇宙怪獣ガメラ」を除けば、昭和期最終作「ガメラ対深海怪獣ジグラ」から四半世紀近く経ってからの復活となります。

e0033570_22304198.jpg冒頭から何かが起ってるという雰囲気作りが見事で、その後は事件が小出しにされ、それに合わせてメインとなるキャラクターたちも無理なく紹介され、そして物語世界に誘われます。

とにかく無駄なシーンがなく、あれよあれよという間に物語世界へドンドンと引き込まれていきますが、謎また謎で引っ張っていくのではなく、情報は逐次提示されていきますので観客が置いてけぼりになる心配は少ないです。

主人公サイドにとって物語を進める上での障壁になる人物も特に見当たらず(立場や意見の相違程度)、余計な寄り道や脇筋もなく、1時間半はあっという間。とにかく無駄のない作品ですね。
怪獣映画、特撮映画ファンのみならず、一般の観客にも技術面だけでなく作品内容そのものが評価されたのも頷ける話です。

<過去記事>



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by odin2099 | 2018-10-31 22:41 |  映画感想<タ行> | Trackback | Comments(0)
「ガメラ」シリーズの7作目で、昭和期のガメラ最終作。
この後に「宇宙怪獣ガメラ」という作品が作られているけれど、限りなく総集編に近い新作映画なので、ここで一区切りというワケで。

e0033570_22034514.jpg月面基地が謎の宇宙船に襲われるオープニングはなかなか期待させてくれるものの、以後の舞台は地球は日本、しかも鴨川シーワールド周辺に限定されてしまうので、せっかくのスケール感が尻つぼみ。
そしてシリーズのお約束だけど、うるさくて鬱陶しいガキどもが主人公になり、更にスケールダウン。こいつら、本当に救いようがないんだよな。せっかく面白くなりそうな要素があっても全てぶち壊し。

その一方、拉致して洗脳した日本人女性たった一人を尖兵に地球を我が物にしようというのだから、ジグラ星人もどうかしてる。
そしてそのジグラ星人は海中で突然変異を遂げ巨大怪獣化してしまうのだが、それで「宇宙怪獣」ならぬ「深海怪獣」を名乗るとは完全にアイデンティティを見失っている気がする。

ジグラ星人の手下となる女性を演じているのは八並映子で、この人は<大映ハレンチ青春路線>を担っていた女優さん。そのせいかボディラインがハッキリ出るスーツやミニスカート、それにビキニ姿を披露。
これ、お子様向けじゃなく引率のお父さん向けのサービスですね。東宝の「ゴジラ」ではそこまでやってくれないから、一応の差別化は図れていると言えるのかも。

【ひとこと】
マグニチュード12なんて地震を東京で起こしたら、鴨川が無傷なワケがない。というか地球が真っ二つになりかねないんだけど、ジグラ星人は何を考えているのやら。
ちなみにこれまでで最大なのはチリ地震のM9.5で、地球上で起こり得る最大のものはM10なんだとか。

<過去記事>



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by odin2099 | 2018-10-01 22:09 |  映画感想<タ行> | Trackback | Comments(0)

e0033570_21090075.jpg『1』は怪獣映画ファン向け、『2』は戦争映画ファン向け、そして『3』は…なんだろう?
押井守とか庵野秀明の世界観に興味を抱きつつも、今一歩踏み込めない層向け、と言ったら違うだろうか。
『パトレイバー』や『エヴァンゲリオン』には乗り損ねた、或はアニメにはハマれない人たち向け……いや、違うか。


ただ『1』や『2』の時と違ってSFファンには受けが悪いだろう。
伝奇モノ好きには理解しやすい世界感か。


<平成ガメラ>三部作は、物語は繋がっているものの、作品ごとに見せる”貌”は随分と異なる。その多様さが好きという人もいれば、その多面性に付いて行けないという人もいるだろう。
特に『3』は飛躍し過ぎと感じた人が多かったようで、前2作に比べると評価は多種多様。


e0033570_21085498.jpgしかしながら3作通して描かれたものも多く、どれもこれも「ガメラ」だったのだなあ、と思ふ。そしてそれは次回作『小さき勇者たち/ガメラ』の、あまりにもかけ離れた世界観への違和感となって表れてしまう。


【ひとりごと】
公開から15年、斬新だったニュー京都駅も、今では当時と微妙に違う姿を見せ始めている。
しかし変わらないのは、絵になる空間であるということ。そして京都を舞台にしながら、駅とその周辺(東寺辺り)を除いて描写がないことが逆に珍しい。
「ゴジラ」「ガメラ」両シリーズ共に、観光地ムービーの側面を持っているのはもはや伝統と呼べるだけに。

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by odin2099 | 2014-11-11 21:11 |  映画感想<タ行> | Trackback(1) | Comments(0)
e0033570_22420732.jpgアクション映画とか怪獣映画と呼ぶよりも、これは戦争映画と呼ぶ方が相応しい。そして勿論SF映画でもある。

ミリタリー色の強さに懸念を表明する方もいらっしゃるが、フィクションの世界に賢しらに口出しするのは如何なものか。
現実世界で起きて欲しくないからこそ、フィクションの世界で十分に遊びたいものだ。

また、どちらかというと”強い女”のイメージがある水野美紀が、なんとまあ可憐であることよ。

色々な意味で奇跡的な一本。

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by odin2099 | 2014-11-06 21:19 |  映画感想<タ行> | Trackback(1) | Comments(0)
e0033570_22202130.jpg今夏公開されたレジェンダリー・ピクチャーズ版『GODZILLA』は、何故かこの作品と結構比較されたりしましたが(ギャレス・エドワーズ監督自身は「観たことない」とコメント)、実のところこっちの方が遥かに面白い、と断言します。
俗に<平成ガメラ三部作>と称される作品群、『3』は評価がかなり割れてますけど(自分は好き)、この『1』と続く『2』は「怪獣映画」としてはほぼ完璧と言っても良いんじゃないか、それぐらいに思っております。

ディティールを積み重ねてリアリティを高め、その中に壮大な絵空事を持ち込みながらも作品世界を破綻させず、主要キャラ以外の脇役もきちんと立てているという構成、これはある意味で奇跡でしょうな。

そんなに作品数観てませんが、おそらく金子修介監督作品としても上位の娯楽作。それだけに最新作『少女は異世界で戦った』が本当に残念で残念で…。
女の子を活き活きとして描く、それが監督の持ち味の一つだろうに本領発揮とは行かなかったのは、予算とかスケジュールの問題じゃあないですよね…。

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by odin2099 | 2014-10-07 22:23 |  映画感想<タ行> | Trackback(1) | Comments(0)
世界各地でギャオスが異常発生。そしてそれを追うガメラも暴走気味で、両者の激闘の際に大きな被害が出ていた。最早ガメラは人類の味方ではないのか?
そんな時、4年前のガメラ出現の際に両親を失った少女・比良坂綾奈は、奈良のとある祠で不思議な生物を発見する。それはギャオスの変異体と呼ぶべき存在だった。綾奈はそれに亡き飼い猫イリスの名を与え、ガメラを倒す思いを込めて育て、一方のイリスも綾奈と同化してより進化しようとしていた。

平成ガメラ三部作の完結編。
e0033570_2227676.jpg前二作は高い評価を得ていたのでそのまますんなり作られるのかと思いきや、トータルの興行成績が微妙だったことや、製作サイドに若干のゴタゴタがあったため、やや間を空けての製作となった。
もう少し早く作られていたらシリーズにもっと勢いが出ていたかも知れないが、当初より完結編として位置付けられていたとはいうものの、本作を持って正式にシリーズは打ち止めとなってしまった。

さて、本作で一番驚かされるのが、実質的なヒロインである綾奈がガメラを憎んでいるという設定。
今までの怪獣映画でも犠牲となった人々の描写はあったが、それはあくまでも”悪役”のポジションにある怪獣によってもたらされたもの。ところが彼女は、”正義の味方”であるところのガメラによって両親と愛猫を奪われたという過去を持つのだ。

その彼女と一体化することで更なる力を得ようとするイリスは、設定上ではギャオスの変異体として扱われているが、そのデザインや能力にギャオスに似る部分は殆どないという新怪獣。
勾玉を通じて綾奈とリンクするというのは、1作目のヒロイン・草薙浅黄とガメラとの関係との相似形だ。つまりシリーズそのものを一旦否定するところから物語作りが始まるという、かなりの野心作なのである。
また浅黄とガメラの関係を一歩進め、綾奈とイリスの描写はかなりエロティック。
綾奈を演じた前田愛がどこまで意識して演じていたかはわからないが、監督は意図的に、狙って演出しているのは明白である。

1作目でもルーン文字がどうこう、アトランティス大陸が云々といっている傍から勾玉が重要なアイテムとして登場したりと”和”のテイストを伴ってはいたが、今回は舞台が奈良や京都というだけでなく、ガメラを玄武、イリスを朱雀に准えたり、”現代の巫女”朝倉美都というキャラクターを登場させたりと、怪獣映画というよりも伝奇物の側面を強く押し出し独自性を強調はしたのだが、その反面、前2作のSF映画や戦争映画の要素を気に入っていた層からは、多少なりとも拒絶反応が起こってしまったようである。
上手く活用すれば、『新世紀エヴァンゲリオン』のようなムーヴメントを巻き起こすことも可能だったのではないかと睨んでいるのだが惜しいところである。

結局のところ、メイン格の登場人物が多すぎたところに問題があったのではないだろうか。
実質的なヒロインの綾奈、キーパーソンとして設定されていたはずの朝倉美都、公式な主人公として物語を引っ張って行く長峰真弓、シリーズの顔・浅黄、美都のブレーンである倉田真也、そして今一人のシリーズの顔・大迫力、更に本来ならばヒーロー的役割を担うはずだった守部龍成、という具合にそれぞれ主人公たり得るキャラクターがこれだけいる。

長峰は狂言回しに徹して彼女自身の成長や葛藤は殆ど見られず、美都も倉田も思わせぶりな台詞を吐いて掻き回すだけで何もせず、大迫は途中で退場してしまい、守部には見せ場がない。そしてシリーズを通してのヒロインであるはずの浅黄も、既にガメラとの繋がりが断ち切られた後とあっては存在意義すら見出せない。
唯一綾奈だけはその変説の過程が描かれて行くが、それでも内面描写が(意図的にか)外されている為、その葛藤が伝わりきらない。
映像表現含めてクオリティは高く、スタッフやキャストの熱意は伝わってくるのだが、それが負の揺らぎとして表出してしまっているのが残念でならない。

しかしながら、この三部作が20世紀の怪獣映画の掉尾を飾る意欲作、大胆な野心作であることは疑いようがない。
この作品の延長線上に、『ウルトラマンティガ』、『ウルトラマンダイナ』、『ウルトラマンガイア』といった平成<ウルトラシリーズ>の傑作群が作られ、それを意識した『仮面ライダークウガ』、『仮面ライダーアギト』といった新たな<仮面ライダー>の流れも生まれ、更に「ゴジラ」も、多分にこの”気分”を意識した<ミレニアムシリーズ>を開始することになる。
もう、平成ガメラ三部作がなかった頃には戻れないのだ。
その上でこの平成ガメラ三部作を、”傑作”と呼ぶことに異論はない。

 
 『ガメラ/大怪獣空中決戦
 『ガメラ2/レギオン襲来
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by odin2099 | 2011-03-31 22:27 |  映画感想<タ行> | Trackback(3) | Comments(0)
e0033570_1942384.jpg世界各地で流星雨が観測され、その一つが北海道に落下。だが巨大なクレーターを残し、隕石は姿を消してしまう。
その後札幌市内で怪現象が次々と起こり、遂に地下鉄構内に怪生物が出現。程なくしてビル街に巨大な植物が現れた。
怪生物と巨大な植物には何らかの繋がりがあると判断した自衛隊は植物の爆破を決定するが、そこにガメラが飛来。一方、それを阻止せんと怪生物は群れをなしてガメラに襲いかかった・・・!

地球外からの侵略に対して、徹底抗戦の構えを見せる人類。これは紛れもない戦争映画だ。
BGMの使い方に若干の疑問点があり、そのせいで多少弛れる場面はあるものの、冒頭から一気に畳みかける展開には前作からのスケールダウンは全く感じさせない。
惜しむらくは、人類が徹頭徹尾頑張るが故にガメラの存在が霞んでしまい、怪獣映画らしくない感じを与える点だが、そのことでかえって”怪獣映画”に抵抗ある層にも受け入れられる要因になっているように思う。

従来の怪獣映画とは大きく異なるのは自衛隊の描き方だろう。
前作でもより現実に即した形での自衛隊の行動に重点が置かれていたが、今回は特異な職業に従事している者ということよりも、与えられた仕事を黙々とこなすプロフェッショナルの集団としての描写が顕著である。
当然のように映画ならではのフィクションの部分もあるのだろうが、彼らの姿が画面を引き締めているのは確かだ。

e0033570_1942413.jpgその作戦指揮も、実戦とはかくや、と思わせるもの。
最前線で怪獣と対峙し、大声で命令を下す指揮官というものはこの作品に存在しない。
これまでの怪獣映画を見慣れてきた目には非常に地味、かつ迫力不足に映るものだが、これがリアリティというものなのだろう。
もっとも、いざという時にこういう体制で不測の事態に対処出来るのか、という点では些か不安を覚えるのも確かだが。

主役は無論のこと、脇役端役にも適材適所が目立ち、無駄というものが感じられない構成。
怪獣映画としてのみならず、日本のエンターテインメント作品として最高峰に位置する作品だと言っても過言ではあるまい。
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by odin2099 | 2009-09-09 19:43 |  映画感想<タ行> | Trackback(8) | Comments(8)
80年代から90年代にかけて何度か噂には上がっていた「ガメラ」が、<平成ゴジラ>シリーズのヒットの影響を受けてか遂に復活。先行して「大魔神」復活プロジェクトが動いていたが、結局「大魔神」よりは「ガメラ」ということになったようだ。

プルトニウムの輸送船が太平洋上で”動く環礁”に遭遇、一方九州のとある島では島民が消息を絶ち、人を食う巨大な怪鳥が目撃される、という導入部からハラハラドキドキ。やがて環礁から謎の碑文や勾玉が発見されるや、失われた超古代文明への興味を引き、更に環礁が巨大な生物であったことが判明。怪鳥と巨大生物には何らかの因果関係があることが碑文から推測され、それぞれギャオスとガメラと名付けられたあたりから、物語は一気に対決ムードへ。
これに、最初に環礁に遭遇したことから一連の事件に首を突っ込むことになるヒーローと、怪鳥調査を依頼されたことから巻き込まれてしまうヒロインとの仄かな交流が描かれ、勾玉を通して”巫女”に選ばれてしまった少女が絡むなど、最初から最後まで弛れ場が殆どない傑作。

e0033570_637165.jpg巨大なカメという基本デザイン、口から火を吐き回転ジェットで空を飛ぶ能力を持つこと、それにアトランティス大陸との因縁があるらしいことなどは旧作から踏襲しているものの、世界観はまるで別。通算ではシリーズ9作目になるが、新シリーズの1作目と呼ぶ方が相応しい。
過去の柵を断ち切り、良くも悪くも馬鹿馬鹿しさに満ちていた旧作に対して、かなりリアルな世界観を構築していて、リメイクとも呼べないぐらい旧シリーズとは色合いが異なっている。

もし現実社会に巨大怪獣なるものが出現したら、という状況下でのリアルなシュミレーションを行い、初めて本格的に組織としての自衛隊を描いたことが、本来の怪獣映画ファン以外にもアピールし、怪獣ファンは怪獣ファンで、<平成ゴジラ>にない要素に過剰に反応し、かなりの盛り上がりを見せていたのは記憶に新しい。

時には必要以上に<平成ゴジラ>を貶めて評価する姿勢には疑問を感じるが、マニア心を擽る出来であったのは事実。かれこれ15年ほど前の作品になるが全く古びておらず、後の世には”新古典”という扱いをされるのではなかろうか。
そういった高評価が直接興行成績に結び付かないあたり、眼前には悲しい現実が横たわっているが、それでも後に三部作としてまとめられたのは僥倖。
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by odin2099 | 2009-07-28 06:37 |  映画感想<タ行> | Trackback(8) | Comments(8)
e0033570_237798.jpgなんで「宇宙怪獣」なのか、というギモンはさておき、ゴジラの休眠中にちゃっかり甦っちゃったガメラくんです。
通算で8作目、徳間書店がバックについた”新生”大映としては1本目ということになりますが、実は人間側のドラマは新撮ですけど、怪獣が暴れまわる特撮シーンは全て旧作からの使いまわしという、低予算の再編集映画だったりします。
自分が劇場で観た初めての「ガメラ」映画でして、併映は『鉄腕アトム/地球防衛隊の巻』
春休みの映画館は結構ガラガラだったっけ・・・。

宇宙海賊船ザノン号が地球に接近、地球を征服するために次々と怪獣を送り込んできます。平和星M88から派遣されて来ているスーパーウーマンたちは、何とかザノン号の侵略から地球を守ろうとするのですが、武器を持たない彼女たちはあまりに無力。
そんな時カメ好きの圭一少年の、「自分のカメがガメラになって怪獣をやっつけてくれればいいのに」という言葉をヒントに、超能力を使ってガメラを誕生させ、怪獣たちに立ち向かわせることにするのでした。

ということでザノン号はギャオスを筆頭に、ジグラ、バイラス、ジャイガー、ギロン、バルゴンの順に怪獣を繰り出し、ガメラが次々とそれをやっつける、というのが主筋。
これに、圭一くんとスーパーウーマンたちとの交流、そしてザノン号からスーパーウーマン抹殺の命を受けた女刺客の暗躍が絡んでくる、というのがお話の流れです。
まんざらフィルム使いまわしの、お手軽再生産映画だとバカにしたもんじゃない、というくらいは楽しめます。
マッハ文朱も、ポージング、立ち姿が綺麗で、「正義のヒーローにして近所のお姉さん」として様になってますし、怪獣映画という感じはあまりしませんが、ヒーロー物の王道を行ってる菊池俊輔サウンドもカッコイイ。

ガメラに関しては、一応”二代目ガメラ”ということになるのでしょうか。
圭一くんがガメラのファンなのですが、このガメラ、この世界では本当にいたのか、それとも我々の世界同様、架空の存在なのかはイマイチ不明です。ただ多少は周囲に認知されてる雰囲気もありますので(ムック本が出ていたりするし)、同じように映画やTVで活躍したヒーローなのかも知れませんね。

e0033570_2373266.jpgさて、この作品の大きな特徴は、あちらこちらに散りばめられたパロディ要素。
海賊船ザノン号のデザインはあからさまに『スター・ウォーズ』のスター・デストロイヤーを真似たもので、ご丁寧に画面の上方から三角のフォルムを見せながら登場しますし、平和星M88は勿論ウルトラマンの故郷M78星雲からのネーミングでしょうし、スーパーウーマンのデザインは「白地に赤」の日の丸カラーのタイツ姿で、これは星条旗をあしらったスーパーマンを模したものです(余談ですけど、当時のスチール写真の中にはこの白のタイツの下が透けちゃってるものが何点かありましたっけ・・・)。

また「四角くって食べやすい」で御馴染み(古すぎ!)桂小益(9代目桂文楽)が演じる亀有公園前派出所のお巡りさんが出てきたり(少なくても香取慎吾よりは似てる。そして せんだみつお よりも!)、圭一くんの夢の中では宇宙戦艦ヤマトとガメラがすれ違ったりしますし(ちゃんとテーマ曲も流れます)、ラストシーンはモロに『さらば宇宙戦艦ヤマト』です。おまけにザノン号キャプテンの声は、ズォーダー大帝の小林修だったりするのは狙い?偶然?
あ、ちなみに銀河超特急999号も出てきますが、こちらはガメラとすれ違うなどの合成処理は施されず、単にフィルムを流用してるだけなので面白みも何もありません。

思えばこの頃は、再評価やらリバイバルやら、色々と動いている時でした。
1977年の『宇宙戦艦ヤマト』公開に端を発したアニメブームは、他にも『海のトリトン』や『科学忍者隊ガッチャマン』、『ルパン三世』、『サイボーグ009』といった旧作にも目を向けさせ、再編集版が劇場公開されたり、新作や続編が作られるようになりました。
その勢いはアニメーション作品だけじゃなく、「ウルトラマン」や「仮面ライダー」、それに「ゴジラ」といった特撮主体のヒーロー物にも飛び火し、再放送で盛り上がり、翌78年公開の『未知との遭遇』、『スター・ウォーズ』に始まるSFブームと合体し、79年を中心に同じように再編集の劇場用作品が作られたり、シリーズが復活を遂げたりしましたが、そんな流れの中での今回の「ガメラ」復活という訳です。
「ゴジラ」は・・・ちょっとタイミングを外しましたね。この時期に復活していれば、今よりももっとパワーを持ったキャラクターになっていたかも知れません。それを考えるとちょっぴり残念な気もしますが、ブームの渦中に復活を遂げ、その結果他の作品群の中に埋没、という結果にならなかったのはかえって良かったのかも知れませんが。
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by odin2099 | 2009-06-25 23:15 |  映画感想<タ行> | Trackback(1) | Comments(4)

by Excalibur
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