といってもホームズ繋がりにするつもりは全くなく、たまたまですが。

割と重たいテーマに全編貫かれた「ナウシカ」と違い、こちらは肩ひじ張らずに楽しめるドタバタ活劇。
宮崎監督の作品はどんどんメッセージ性の強いものばかりになっていきますが、本当はもっとこういう”漫画映画”を作って欲しいんですけどねえ。
「ホームズ」のTV版は、後に宮崎監督が離脱した後で製作が再開。
そしてこの2つのエピソードも含めて放送されたが、その際にはキャラクター名が改められ、新キャストによる再アフレコや別の作曲家による音楽が付けられているので、結局2ヴァージョンあるということ。
見比べてみるのも一興ですね。
ちなみに予告編のナレーションは広川太一郎。
ダジャレかましまくりのお馴染み広川節が堪能できますが、後にTV版のホームズ役にキャスティングされてるのも不思議な縁です(この劇場版は柴田侊彦)。
併映の「ナウシカ」はしっとりした池田昌子のナレーションなので、その落差が激しいですなあ。
【ひとりごと】
権利関係でゴタゴタがあったようで、
「この映画は コナン・ドイル
の著作物に 基づくものでは
ありません。」
というテロップが最後に出てきます。
なのでハドソン夫人がエリソン夫人に、モリアーティ教授がモロアッチ教授に、レストレード警部がレストラント警部になったりしてますが、TV版ではコナン・ドイルの原作クレジットが入り、名前も原作準拠になってます。
<過去記事>
今夜はこの「シャーロック・ホームズ」を吹替版で見なおしました。
病気療養ということで病名を伏せたまま休業されていたことがありましたが、その頃には既にステージが進んでいたいたのでしょうね。
「アベンジャーズ/エンドゲーム」でアイアンマンことトニー・スターク役を全うされましたが、まだ<MCU>でトニーが何らかの形で復活する可能性が囁かれてます。
その時はトニーの声、どうなってしまうのでしょうか。

まあホームズにはちっとも見えませんし、もっと面白くなりそうなのに今一つ、という気はするのですが、これまで数多作られてきたホームズ映画の中に、こんな作品があっても良いのでは、と思います。
いや、ホームズというよりルパン、…じゃないそのお孫さんの方か。
ダウニーJr.のルパン三世に、ロウの次元大介ってなんかいけそうな気もするのですがね。
さて、ひとまずアイアンマンを卒業したダウニーJr.は予てより伝えられている通り、現在来年公開予定の「ホームズ」第三弾を準備中。
公開された暁には当然藤原さんの吹替で楽しめると思っていたのに…。
遺作は公開が延期になってしまった「ドクター・ドリトル」でしょうか。
藤原さんじゃないダウニーJr.は想像も出来ません。
後任はどなたになるのでしょう???
<過去記事>
https://odin2099.exblog.jp/13280156/

ベイカー街不正規隊や犬のトービーが出てきたり、と一応は原作をトレースしているが、テムズ河でのボートチェイスなどは時間と予算の関係からか割愛。
また「四つの署名」に関する因縁話を、コンパクトにまとめたつもりなのだろうがちょっとわかり辛いのは残念。
それにしても今回のホームズは、自信満々で立ち回ってる割に想定外のことが起こって戸惑ったり、推理というか人間観察の部分でワトソンに引けを取ったり、感情的になって声を荒げたり、とあまり良いところがない。
まあ人間臭い面が強調されているのが、このシリーズのホームズ像の特色なのかも知れないが。
監督は勿論前作に引き続いての登板となったガイ・リッチー。
前作では声だけの登場だった”犯罪界のナポレオン”モリアーティ教授が、今回はその片腕のモラン大佐を伴い堂々と登場。ホームズとモリアーティの対決色を強めたことで、お話の流れは追いやすくなった。
またホームズサイドでも兄マイクロフトが参加したことによって、より厚みが出てきたように思う。
ホームズもワトソンも、これまで何度も映像化されたイメージを裏切る配役だが、流石に二作目ともなると納得はしないまでも、これはこれでOK。吹替版を見たが、藤原啓治と森川智之のコンビネーションもしっくり行っていて、バディムービーの側面も盛り上げている。

メアリー役のケリー・ライリー、アイリーン役のレイチェル・マクアダムス、それに今回のヒロインとなるシムを演じたノオミ・ラパス何れも”美人”と形容するにはワンクッション入れたくなってしまうのだが。
結婚式を目前に控え、あるいは挙式直後にも関わらず巻き込まれてしまうワトソン先生は哀れだし、ホームズは明らかにワトソンに嫉妬? その弟に負けず劣らずの奇人変人ぶりを発揮するマイクロフト・・・。
何やら原典を大幅に脚色した珍妙なオリジナル・ストーリーが繰り広げられていると思われがちだが、意外にも原典から引用された台詞やシチュエーションもかなりあって、スタッフはコナン・ドイルをしっかり読みこんでいるなあと感じさせてくれるのは、底の浅いホームズ・ファンでも嬉しい限り。
クライマックスのライヘンバッハの滝での死闘など、「こう来たか!」と驚かされた。
それでも前作同様、突き抜けた面白さという点では今一歩。もうちょっと面白くなったはずなのに、という物足りなさ、喰い足らなさを今回も感じてしまった。
ただこれであの人やこの人が終わりとも思えないし、ラストシーンを見る限りでは第3弾の構想もおそらくあるのだろう。そちらに期待したい。

昔は公開「前」に放送するパターンが多かったですが、最近は公開「後」も珍しくないですね。TVの映画放送枠自体が少なくなってきてますし、プログラム編成も思うように行かないのかな。
お気に入りの作品、気になる作品は、DVDを買ったり借りたりしてるケースが殆どなのでTV放送を見ることは殆どないんですが、今回は吹替版を新規作成しているようなのでチェックしてみました。
ちなみに時間枠を拡大していた今回のオンエアーですが、それでも30分くらいはカットされていたようで。
その反面、枝葉を刈り込んだせいか、案外分かりやすくなっていたような気もします。
少なくてもつまんないとは感じませんでしたね。
で、気になるキャストを対比してみると(劇場公開及びDVD版→日曜洋画劇場版)
ロバート・ダウニーJr.(ホームズ)/藤原啓治→大塚芳忠
ジュード・ロウ(ワトソン)/森川智之→堀内賢雄
レイチェル・マクアダムス(アイリーン)/佐古真弓→沢城みゆき
マーク・ストロング(ブラックウッド卿)/加藤亮夫→大塚明夫
エディ・サーリン(レストレード警部)/後藤哲夫→樋浦勉
ケリー・ライリー(メアリー)/園崎未恵→田中敦子
ジェームズ・フォックス(ロザラム)/小林修→大塚周夫
ハンス・マシソン(カワード卿)/咲野俊介→小山力也
?(モリアーティ教授)/土師孝也→石塚運昇
という具合になります。これは甲乙付け難いメンバーですね。
大塚芳忠のダウニーJr、これはなかなかの雰囲気でした。もし最初にこの組み合わせで見ていたら、すんなりと受け入れたと思います。
ところが先に『アイアンマン』で藤原啓治に出会い、すっかりそちらが刷り込まれてしまったもので、どうしても違和感が先に立ってしまいますね。『アイアンマン2』も、この『ホームズ』も藤原啓治版で先に見てますし。
そういえば「日曜洋画劇場」では、昨年『アイアンマン』を放送した際にも池田秀一による新録版を作ってましたが、これはちょっと・・・。

彼はかつて高名なオペラ歌手と関係を持ったことがあったが、その際に写真を撮られてしまっていた。もしその写真が世に出れば、ドイツは一大スキャンダルに見舞われてしまう。そこで何とかしてその写真を取り返して欲しいというのである。
ホームズは鍵を握るその元オペラ歌手の調査を開始しようとするが、彼女=アイリーン・アドラーとホームズには過去に因縁があったのだ・・・。
えーと、「ボヘミアの艶聞」ってこんなお話だったっけ?
・・・というくらいゴチャゴチャした展開。
原作は短編だから、ストレートに映像化すれば1時間半の尺には足りなくなるからだろうけれど、ホームズの兄マイクロフトやウィギンズはじめベイカー街不正規隊を出したり、軍事機密の流出問題を絡めたり、とかなりの水増し。
マイクロフトを演じたのはR・H・トムソンだが、ともすればホームズの方が上に見えてしまうし、国家の為なら弟さえ駒の一つとして利用する冷酷さが際立つ、物語上の悪役的位置付けなのもどうかと思う。
また、一般的に女性とは無縁のホームズが、アイリーン嬢の色香に惑わされ、犯罪の片棒を担がされるなど、シャーロッキアンからすれば許し難い冒涜ではなかろうか。
おまけに演じるリリアナ・コモロウスカに今一つ魅力を感じないとなればなおのこと。
ただそれでも1時間半のTVドラマと考えれば、決して楽しめないわけではないのが救い。ホームズのファンでなければ、だが。
ジェイソン・ロンドンがヘンリー卿を演じ、他にエマ・キャンベル、ロビン・ウィルコック、アーサー・ホールデンらが出演。
監督はロドニー・ギボンズ。

ホームズの出番が少ないのは原作通りで、ホームズとワトスンの関係は原作とは些か異なるものの、ある程度ヴァリエーションがあるのは良いことでしょう。
ま、TV映画だから過剰な期待は禁物。
マット・フリューワーのホームズはかなりのオーバーアクトで、おまけに吹替だと声が大塚芳忠なので余計イラついてくるのだが(芳忠さん好きだけど)、ケネス・ウェルシュのワトスンはなかなか雰囲気。
他の登場人物も地味だが胡散臭いので、TVの2時間サスペンスとして充分に合格点だ。
ただベリル役のエマ・キャンベルは・・・もうちょい美人の女優さんはいなかったものかいな。

お話も全くのオリジナルで、魔法というか黒魔術が出てきたり、謎の(?)修道会が出てきたりと、どっちかというとハリー坊ややラングドン教授が出てきそうな雰囲気を醸し出しているものの、その実体はまさかのアクション・ヒーロー物!
いやー、ホームズにダウニー・Jr.なんて配役、普通なら誰にも思いつかないだろうし、ましてやワトスンにジュード・ロウを持ってくるなんて、おそらくホームズ物を読んだことのある人の内、100人中99人まではイメージしてないと思うんだけど、それでいて何となく説得力ある映画を作ってしまうんだから大したもの。それにまた、ジュード・ロウが実に格好良いんだな、これが。
そんでこの二人が身体を張った格闘シーンなんぞを見せてくれるのだから、熱心なシャーロッキアンからはブーイング必至だろう。
でもここまで原作のイメージ崩せば、かえって愉しめるというもの。今まで数多のホームズ映画が作られてきたのだから、中にはこんな変わり種があっても良いんじゃないかと寛容な気分にもなってくる。
これで古典に新たな光が当たれば、それはそれで悪い事じゃないんじゃないかな。

もっとハチャメチャな作品になってるのかな、と期待していたのに。
それにダウニー・Jr.も、どうしてもホームズというよりトニー・スタークに見えちゃうしなぁ。
ただ続編への引きはタップリで、今回は暗躍していただけのモリアーティ教授がいよいよ前面に出るであろうパート2には期待大。今度は映画館に観に行かなくちゃ。

以前観た時は原作を読んでことがなかったのでストーリーがチンプンカンプンだった部分もあるが、今回は知った上でその違いを楽しみながら鑑賞。
原作だとホームズが事件を解決する第一部と、その因果関係を語る第二部とにハッキリ分かれてしまうが、この映画版では途中で回想シーンを挟む形で構成。観ているといきなり西部劇になってしまうので驚くが、長大な原作を80分とコンパクトにまとめることに成功している。エピローグ部分が割愛されているので、ハッピーエンドで終わるあたりが原作との大きな違いだが、シリーズ作品の一本だと考えればそれも致し方ないか。
ただ、モリアーティ教授が如何にもな悪人面なのがやや興醒め。知的な犯罪者どころか、これでは単なるギャングの親分だ。

<マスター・オブ・ホラー>ピーター・カッシングが、フランケンシュタイン男爵、ヴァン・ヘルシング博士に続いてシャーロック・ホームズを演じ、クリストファー・リーもヘンリー・バスカヴィル卿役で共演。
ワトソン博士はアンドレ・モレル、そして監督はテレンス・フィッシャー。
上映時間は83分と短く、プロットやキャラクターもかなりコンパクトに。そのためストーリーの肝の部分、バスカヴィル家の呪いって何のか、といった部分が判りづらくなってしまっているし、原作とは犯人こそ変えていないいないものの、その目的や手段はまるで別物で、かなり通俗的になってしまっているのはガッカリ。
またタイトルロールの”バスカヴィル家の犬”も控えめな描写で、もっと怪奇映画調で怖がらせるかと思っていたので随分拍子抜けした。脱獄囚と使用人夫婦の話も浮いてしまっているし。
しかしハマーらしい、怪奇映画っぽい雰囲気はなかなか良いし、カッシング演じるホームズの存在感も素晴らしい。原作通りだとホームズの出番はかなり少なく、しかも終盤に集中しているが、流石に映画では主役として存在感ある描かれ方がされている。
作品がヒットしなかったそうなのでシリーズ化には至らなかったものの、シャーロッキアンの中には、未だに彼を最高のホームズ役者として称える人も多いのだとか。ホームズとしては些か背が低いようにも感じるが、これはクリストファー・リーが高すぎるからだろう。