通算6作目となるシリーズ最新作(「ジュラシック・ワールド/ドミニオンJurassic World: Dominion」)の撮影も、途中でコロナ感染者が出たりで何度か中断しましたが、どうやら無事に終わった様子。
この1作目以来となるサム・ニール、ローラ・ダーン、ジェフ・ゴールドブラムのトリオの揃い踏み、ということで色々気にはなっているのですが、はたして見られるのはいつになることやら。
一応今のところは来夏予定とされていた公開日が再来年の夏に延期とのことですが、今年公開予定の作品が軒並み来年に延期され、更に再延期の可能性もある以上どうなることやら不明です。
あちらこちらで玉突き事故が起きそうですし。

往年の(?)スピルバーグを崇拝する人からすると腕が鈍ったということになるのかもしれませんが、最初から段取り良く小出しにしておいて、ここぞという時には出し惜しみせずに見せたい画を、観客が見たがってる画をバーンと出すあたりの緩急の付け方は大したものです。
もっともその辺の呼吸の妙は、もしかすると多忙なスピルバーグに代わって編集を担当したジョージ・ルーカスのお手柄なのかもしれません。
学生映画界で鳴らしていた頃から編集者としての手腕が評価されていたルーカスの、知られざる本領発揮作品だったりすると面白いのですが。
しかし世界的大ヒットとなった「ジュラシック・パーク」映画化ですが、実現に至ったのは実は偶然の産物に近いものがあったんですね。
元々スピルバーグは「五人のカルテ」を映画化したくて、友人でもある著者のマイクル・クライトンに話を持ち掛けたところ、他にもこういう企画があるぞと提示されたのが「ジュラシック・パーク」。
たちまちスピルバーグはそちらに夢中になってしまったので「五人のカルテ」は後回しにされ、結果この映画が誕生することになったのですから、何がどう転ぶかわからないものです。
ちなみにその「五人のカルテ」ですが、映画としてではなくこれをベースにしたTVドラマ「ER/緊急救命室」が作られ、15シーズンにも及ぶ人気シリーズになったのはご存知の通り。
どちらもメデタシメデタシとなりました。
<過去記事>
https://odin2099.exblog.jp/3066266/
https://odin2099.exblog.jp/23087125/
https://odin2099.exblog.jp/27177247/
"No, I am your father.”
前作「帝国の逆襲」での有名なベイダーの台詞の真偽は、エピソード1から3までを見ることで明らかになるが、この<オリジナル(クラシック)トリロジー>で語られる”過去”と、後で作られた<プリークエル・トリロジー>の描写で辻褄が合わない箇所が幾つもあるのはご存知の通り。
ルーカスは辻褄合わせにはあまり関心がなかったようだが、もう少し何とかして欲しかったもの。
もっとも「スター・ウォーズ」自体が巷間言われているような緻密な計算に基づくものではなく、案外行き当たりばったりに作られていることの傍証にもなるのだが。

今回はルークとベイダーを両天秤に。
ルークが勝てば新たな弟子に、ベイダーが勝てば今まで通りという算段だったろう。
ルークとベイダーが共闘することは万に一つも考えなかったようだ。
ルーク自身はベイダー(アナキン)を改心させることが勝利の鍵だと、当初から踏んでいたようだが。
そしてパルパティーンの誤算は、そのベイダーがルークを護って反旗を翻したこと。
だがベイダーを選び、ルーク抹殺を決意したタイミングでベイダーに足をすくわれるとまでは予期していなかったのではないか。
それはかつてアナキンを暗黒面に導いた時に使ったウィークポイントを、パルパティーンは失念していたか気にも留めなかったからだ。
そう、アナキンは喪失を恐れるのだ。今度の場合は、息子を失う怖れを。
かくして「フォースにバランスをもたらす」との予言は成就され、銀河に平和が訪れた。
――はずだった。
<過去記事>
https://odin2099.exblog.jp/4591614/
https://odin2099.exblog.jp/8217231/
https://odin2099.exblog.jp/16127753/
https://odin2099.exblog.jp/23000230/
https://odin2099.exblog.jp/25015669/
https://odin2099.exblog.jp/27330758/
何度も繰り返し見ていると、色々な視点で味わうことを覚えます。

パルパティーンはジェダイ評議会における自分の代理人とし、ジェダイはパルパティーンに対するスパイにしたい、ということで両陣営がアナキンを巡って綱引きを始めます。
自分を全肯定して認めてくれるパルパティーンと、どうも自分を認めてくれないジェダイ評議会、どっちを好ましく思うかといえばそれは当然…。
ここで評議会が素直にアナキンをマスターにしていれば後々こじれることはなかったかもしれませんが、ジェダイ内部のことに口出しして欲しくない評議会としてはパルパティーンの意向をはね付けます。
パルパティーンがアナキンを通して評議会へ意見すればするほど、評議会は反対の方向へ進んでいきます。
遂にダークサイドに堕ち、ダース・ベイダーとなってしまうアナキン。
その決定打となったのは、メイス・ウィンドゥに止められていたにも関わらず、メイスとパルパティーンの対決の場に居合わせ、そして介入してしまったこと。
穿った見方をすれば、アナキンの能力は全ての面でオビ=ワンを凌駕しており、オビ=ワンとしては全力で当たらなければ勝ち目はない、という判断だったのかもしれません。
アナキンを見捨てて去ったのは、このまま放置しておいてもアナキンの死は免れ得ず、さすがに自分の手でトドメをさす勇気まではなかった、と解釈すべきでしょうね。
ただこのオビ=ワンの温情というか甘い判断が、後々の銀河へ大いなる恐怖をもたらすことになってしまうのですが。
ラストでオビ=ワンはタトゥーインの地に降り立ち、ラーズ夫妻に幼いルークを託します。
そしてアナキンの物語には遂に決着が。
<過去記事>
https://odin2099.exblog.jp/22976881/
https://odin2099.exblog.jp/24942974/
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エピソード1で色々な状況説明がなされますが、キャラクター同士の接点が増えて実際にドラマが動くのはこのエピソード2から、と言っても良いでしょう。
このシス側の指揮系統、パルパティーン議長(ダース・シディアス)→ドゥークー伯爵(ダーク・ティラナス)→ジャンゴ・フェットという流れのようですが、シディアスにとってアナキンは将来的に大事な切り札 、本気で殺す気だったとは思えません。

最後にシディアスは「全て順調だ」と言ってますが、この時点での計画は後にオーダー66を発令することで強力な自分の軍隊となるクローン兵たちを、正規軍として共和国全体に認めさせること。
自分が絶対的な権力を掌握すること。
と同時にジェダイ騎士たちを疲弊させ、人数を減らし、力を弱めること。
そしてアナキンをゆっくりと自分のコントロール下に置くこと、ということなんでしょうね。
ヨーダたちもこの遠大な計画には気づいていませんし、ティラナスもどこまで承知していたのやら。
利用されるだけ利用され、憐れな捨て駒となる運命なのは、もうこの時には確定していたのでしょう。
<過去記事>
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「スター・ウォーズ」をどの順番で見るべきかはファンの間での永遠のテーマ。
製作順だ、いやエピソード番号順だ、と両陣営一歩も譲らずだが、そんな中で一部のファンが提唱しているのが、EP4と5を見た後にEP1から3を挿み、そしてEP6を見る、というもの。
最初はそんなバカな、と思っていたけれど、実際にやってみると案外悪くないかも?と思えたので、今回もそれでやってみることに。

さて「ファントム・メナス」。
用意周到にことを運んでいたダース・シディアスだったが、アミダラ女王の抵抗は想定外だったのかな。彼女への対応がなんだかチグハグだ。
それでも最高議長の座は手に入れたし、アナキンという逸材は見つけたし、どうせアミダラはいつでも処分出来るし、と結果オーライとみたんだろう。
彼の暗躍はまだまだ続く、というよりこれが本格的な始まりに過ぎない。
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まずはエピソード4「新たなる希望」から。

ただこれが仮に”歴史物”だったとしたら、大きな時間の流れのある時点を切り取ってスタートさせるのは、いわば当然のこと。
図らずも<スター・ウォーズ>は年代記物になっていたのですね、「次」の作品が作れるかどうかはわからなかったわけですが。
なので劇中では深く掘り下げられない”前史”の情報がたくさん散りばめられています。
共和国の衰退と帝国の勃興、ルークの父と師、そして暗黒卿との因縁。
ただそれは必須ではありません。こういうことがあったらしい、ということさえ押さえておけばこの映画は十分に楽しめます。
また物語の展開がそれらの設定に縛られることもありません。
他の<スカイウォーカー・サーガ>の八編は単独では存在しえませんが、この作品だけは独立して存在しえます。
3つの三部作からなる物語ではありますが、その三部作の範疇から離れたところにあるのが唯一無二の「スター・ウォーズ」、この第一作なのです。
<過去記事>
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