劇場公開時は「故郷への長い道/スター・トレック4」というちょっと捻った邦題が付いていたけれど、「スター・トレック4/故郷への長い道」を経て現行のタイトルに落ち着いたようだ。

物語の大半はタイムトラベルでやってきた20世紀後半のアメリカ。
なので宇宙はおろか宇宙船の内部すら殆ど出てこないので、ボーっと見てる分には「スター・トレック」らしさがあまり感じられない。
しかしその分クルーたちの活躍場面は増え、コメディ映画としてはなかなかの秀作。
シリーズ中では一番人気とも聞く。
最後には新生エンタープライズ号が与えられ、また新たな大冒険が始まるぞ、という結末を迎えるが、このシーンにはしっかりとオリジナルTVシリーズのテーマ曲を流すあたりは抜かりがない。。
しかし「スター・トレック」の劇場版シリーズを見ていていまいち腑に落ちないのが、カークとスポック、マッコイの3人が親友同士という設定。
カークはよくスポックやマッコイにイラついてるし、スポックとマッコイの会話は殆ど噛み合わない。
【ひとこと】
冒頭にスペースシャトル「チャレンジャー号」乗組員への献辞が出る。
”時代”を反映しているが、そのうちこのメッセージの意味も伝わらなくなる日が来るのだろうな。
<過去記事>

だがこの装置で蘇ったのはスポックの肉体のみ。
精神はまた別のところにあり、ということでその依代に選ばれていたのはカークではなくマッコイ。
そういったわけで、所々スポックが憑依した状態で行動しているマッコイはちょっと笑える。
それにしてもこちらはややこしい設定を作ったものだ。
バルカン人の精神構造はどうにも理解が及ばない。
かくして前作でスポックを失い代わりに息子を得たカークは、本作でスポックを取り戻したものの、今度は息子を永遠に喪ってしまう。
それによってシリーズをシンプルにさせ、かつ弾みをつけたことは、今後もフランチャイズとして継続していくためには大切なことだったのだろう。
【ひとこと】
復活したスポックは少年から大人へと急速に成長していくが、もっと若い姿で留められたら…。
<過去記事>
エンタープライズ号のセットも改められ、乗組員たちのコスチューム(ユニフォーム)も一新されているので、雰囲気はまるで別物である。
邦題だが、劇場公開時やその後のVHSやLDでのソフト化の際も「スター・トレック2」と算用数字の「2」の表記だったのに、いつの間にかローマ数字に変更されている。
元々このシリーズは2作目から5作目までが算用数字で、6作目で突如ローマ数字に変わったのだけれど、今はそちらに合わせる形で調整するようになったようだ。DVD、Blu-rayは共にこの表記である。
ちなみに原題は最初からローマ数字表記で統一されている。
タイトル変更といえば当初の副題は”Vengeance of Khan”だったのだが、「スター・ウォーズ」の3作目が”Revenge of the Jedi”であったために、ルーカスフィルムが似ていると抗議。
その結果”The Wrath of Khan”に改められたという経緯があるのだが、当の「スター・ウォーズ」はその後に”Return of the Jedi”に改題したというオマケがつく。一体何をしたかったのやら。

カークの昔の恋人キャロルはリブートされたシリーズにも登場するが、あちらの世界でもカークの子供を身籠るようになるのだろうか。
【ひとりごと】
スポックは「アメイジング・グレイス」で送られる。
そしてサーヴィックの目には涙。”地球人”的な描写だ。
<過去記事>




この後「スター・ウォーズ/フォースの覚醒」の監督も務め、結局それ以降の<ミッション:インポッシブル>、<スター・トレック>、<スター・ウォーズ>の3シリーズ全ての製作に携わるあたり、正に「シリーズの立て直し屋」と呼ぶに相応しい。
しかしハリウッドには他に人材がいないのか?

カークの父は本作の冒頭で殉職したが、そのカークの父を演じていたのがこれが劇場映画デビューだったクリス・ヘムズワース。
ということで次回作で”クリス・フォー”のパインとヘムズワース、二人のクリスの本格的共演がはたして実現するのかどうかも楽しみに待ちたい。
<過去記事>
https://odin2099.exblog.jp/10344143/
https://odin2099.exblog.jp/23522108/
この100秒は決してビデオ機器の故障ではない。ソフトが不良品なのでもない。
本国アメリカでは1979年の暮れに公開されたが、日本では1980年の今日、7月12日の公開(だそうな)。
レナード・ニモイ、デフォレスト・ケリー、ジェームズ・ドゥーアン、メイジェル・バレット、パーシス・カンバッタ…とキャスト陣にも鬼籍に入った人が増えてきた。

一部のファンからストーリー面で不満が出ていたり、製作中のゴタゴタで予算を超過してしまったことから2作目以降は製作費が抑えられたようだけど、映画の本数でいえば既に本家<スター・ウォーズ・サーガ>を凌いでいるのだから、結果的には大成功。
そしてラストシーン。
ヴィージャーによって再生されたアイリーアと、自らヴィージャーと一体化することを望んだデッカー。
どちらも炭素体ユニットとして機械に取り込まれ、そのことが新たな生命体を生み出した…とか何とかいうことらしいが、これはハッピーエンドなのだろうか。
そういや後に作られた「スペースバンパイア」も、なんだか似たような終わり方だったっけ。
<過去記事>
https://odin2099.exblog.jp/2988759/

そういえば最初にビデオソフトとしてリリースされたのも劇場公開版より長い<完全版>とやらでしたが、一体何ヴァージョンあるのやら。どうやら1983年TV放映版というのもあるようなので、少なくても4ヴァージョンはあるみたい。
しかしこの映画、正直言うとあんまり面白くありません。
お話が観念的すぎるんですよね。
それにヴィージャーとクリンゴン艦隊が遭遇するシーン、カークがスコットと一緒に改装されたエンタープライズを視察するシーン、転送装置の故障に伴う悲劇的なシーン、デッカーに代わってカークが指揮を執っての出航シーン、ヴィージャー内部を探査するシーン…

またゴリ押しに近い形(だったのかどうかは実際のところ描かれてないのでわかりませんが)で現場復帰したカークと、降格させられてしまったデッカー副長(前艦長)との確執や、久々の任務の者や新たなメンバーもいるからでしょうかドタバタ、ギスギスしてるクルーとか、艦内の雰囲気がかなーり悪そう。ハッキリ言ってカーク、かなり嫌な奴になってますしね。
まあ2作目以降はそこら辺また変わってきますので、そのうち見直してみましょうか。

補給のため立ち寄った宇宙基地ヨークタウンで未知の異星人と遭遇し救援要請を受けたカークは、未だ人類が足を踏み入れたことのない宙域へと向かった。だがそこへ船籍不明の宇宙船が現れ、その攻撃を受けたエンタープライズは大破し、惑星アルタミッドへと墜落する。
エンタープライズを襲った異星人クラールは、エンタープライズに保管されていた古代の遺物を狙い、罠を仕掛けていたのだ。船を脱出したウフーラやスールーたちはクラールの捕虜になってしまう。
散り散りとなったクルーたち。
カークとチェコフは撃墜されたエンタープライズに戻り仲間たちと連絡を取ろうとし、マッコイは重傷を負ったスポックを助け、そしてスコットはクラールたちと敵対している異星の女戦士ジェイラと邂逅。やがて合流を果たした彼らは、囚われのクルーたちを救出しようと計画を立てる。

前2作を監督したJ.J.エイブラムスは「スター・ウォーズ」で忙しいからプロデュースに専念し、新監督はジャスティン・リンに交代。でもメインキャストは同じだし、アクション満載で今回も愉しんだ。
カークにスポック、マッコイ、スコット、チェコフ、ウフーラ、スールーとメインクルーそれぞれに見せ場があるし、スポックとマッコイがコンビを組んで悪態つきながら奮闘するのは、これはオリジナルらしい展開なのかな。
なかなかピンとこなかったクラールの目的も、謎解きが進むにつれて「ふむふむ、そういうことか」と肯定はしないけれどひとまず納得。その一方でレナード・ニモイの逝去を受けて、劇中でも「老スポック大使の死」をポイントに据えるなど、ドラマ部分も抜かりはない。
気になるといえば、3作とも敵の動機が「復讐」という点で共通していることかな。もう少し差別化して欲しいものだが。
リブート版もこれで3作目だけど、既に4作目の製作も決定(クリス・ヘムズワースがカークの父役で再登場するんだとか)してるし、当分は愉しませてくれそうだなあ、「スター・トレック」。
久々のテレビシリーズ新作(といいつつ実態はネット配信ドラマ?)も始まるし、シリーズ誕生50年という節目の年は上々?
でもニモイ、そしてチェコフ役アントン・イェルチンの訃報はショック。
映画はこの二人への献辞が出て終わる。。。
【ひとこと】
ところでスールーが同性愛者って設定、本当に必要なのか?
同性のパートナーと娘(デボラ?)が出てくるシーンはあまりに唐突だし、事前情報なしだと何を意味してるのかわからない気もするし、何よりもカットしても映画の展開には全く影響ないと思うんだけど…?