【徒然なるままに・・・】

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「きのふの是はけふの非なるわが瞬間の感触を、筆に写してたれにか見せん」(森鴎外『舞姫』) HNは”Excalibur(エクスカリバー)”

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e0033570_21444675.jpg結婚式当日、突如落下してきた隕石と接触し巨大化してしまったスーザンは、新種のモンスターとして秘密基地に隔離されてしまう。そこには50年代から、各地に出現したモンスターたちが捕獲、収監されていた。
ある日、スーザンが浴びた隕石の超パワーを求め、遠い宇宙からギャラクサーと名乗る宇宙人が襲来する。
送り込まれた巨大ロボットの強力なシールドに、地球人の通常兵器は全く歯が立たない。そこで、基地からの解放を条件にモンスターたちを立ち向かわせることに。
イヤイヤながらロボットと対決することになったスーザンだったが、モンスターたちの協力もあり、見事にこれを撃退。一躍英雄となった彼らだったが、人々の視線は冷たく、婚約者もスーザンの元を去ってしまう。そんな時、再びギャラクサーの宇宙船が飛来、失意のスーザンが捕えられてしまった・・・!

50年代60年代のモンスター映画にオマージュを捧げまくった、ドリームワークス・アニメーション製作のCGアニメ。
巨大化しちゃうスーザンは『妖怪巨大女』。
実験の失敗で、転送装置内でゴキブリと融合してしまった「コックローチ博士」は『蝿男の恐怖』。
海洋生物から原始人への進化の過渡期で生まれた「ミッシング・リンク(失われた環)」は、そのまんま『大アマゾンの半魚人』。
放射能の影響で巨大化した虫「ムシザウルス」は『ゴジラ』でしょうかね、『モスラ』でしょうかね?東京で暴れたらしいし。
遺伝子組み換えトマトと化学変化したドレッシングとの掛け合わせ実験で偶然生まれた、自我を持つゼラチンの「ボブ」は『マックイーンの絶対の危機(人喰いアメーバの恐怖)』あたりが元ネタかな。
まぁ知ってる人には懐かしいし、知らない人はかえってこのレトロ調が新鮮かも知れない。

e0033570_21452541.jpgこの映画、公開を結構楽しみにしていたのだけれども、吹替版での上映ばっかりで断念。結局DVD待ちになりました。
で、途中でちょこっと日本語吹替音声に切り替えて観たのだけれども・・・・・・。

ヒロインのスーザンの声はリース・ウィザースプーン。
彼女の声って意識して聴いたことなかったけど、なかなかキュートな感じでピッタリ。もし実写でこの映画を作るなら、やっぱりスーザン役には適任かなぁ、なんて思いながら観ていたのだけれども、流石に実年齢考えるとちと辛くなってきたかな。

実はこの映画、期待していたほどの50年代60年代テイストはなく(その代わりなのか、『未知との遭遇』や『E.T.』のパロディがあるのはやっぱりドリームワークスだからか)、お話も特筆すべきものじゃないのだけれど、予定調和だしハッピーエンドだし、安心して観ていられるのはマル。

しかしスーザンが巨大化する際に、着ている服が殆ど破けないのは納得いかないぞ。
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by odin2099 | 2009-11-28 21:46 |  映画感想<マ行> | Trackback(17) | Comments(2)
『ジュラシック・パーク』の映画化は、原作者マイクル・クライトンの指名でスティーブン・スピルバーグが手掛け、その後は共同でTVシリーズ『ER/救急救命室』を立ち上げるなど蜜月が続いていたが、2作目の『ロストワールド/ジュラシック・パーク』製作の際に、スピルバーグが映画用にストーリーを改変したことで両者は仲違いしたと伝えられている。

e0033570_22542969.jpg結局スピルバーグはクライトン抜きで3作目を企画し、自らストーリーを考案。ただ監督はジョー・ジョンストンに任せ、自らはエグゼクティブ・プロデューサーに退いた。
表向きは、同時期の他作品(監督作の『A.I.』と『マイノリティ・リポート』)とのスケジュールの兼ね合い、とのことだったようだが、どこまで本腰を入れていたのかには疑問符がつく。

出来上がった作品は、拍子抜けするほどあっさりした作品になっていた。
撮入直前にシナリオが全面的に書き換えられ、撮影中にも大幅に書き換えられた、というドタバタが聞こえてきた段階で期待値はかなり下がっていたが、それでもジョンストン監督だからと一縷の望みを賭け先行公開の劇場へ足を運んだものの、大いに失望した。
技術的には前2作よりも進歩し、ビジュアル面では唸らせるシーンもないではないのだが、全体的には忙しなく、まだまだ序盤だろうと思っていると、あっという間にエンドマーク。長距離走を見に来たつもりが、いざ始まってみると短距離走だった、そんな感じなのである。

ただこの作品、後にTVの映画放送枠で流れていた際には、なかなか面白く観ることが出来た。
劇場の大きなスクリーンでじっくりと堪能する超大作映画ではなく、TVの2時間枠(正味1時間半)で、TVサイズの画面でボケーっと観るB級C級の映画としてならば、かなり出来の良い作品なのかも知れない。

なおクライトンは、この作品とは別に三度恐竜を取り上げた新作を準備中(シリーズ作品なのか、それとも全くの別作品なのかは不明)と伝えられていたが、結局その作品が発表されることはなかった。
また映画版の4作目も再三製作が報じられ、具体的なストーリーやキャスティングの噂が流れたこともあったのだが、クライトンの死去に伴い、製作サイドは企画を封印する旨を発表している。
この3作目の出来からすると4作目にはかなり不安を覚えるものの、逆にそれを反省材料として素晴らしい作品を作って欲しかったという気持ちもあり、複雑である。
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by odin2099 | 2009-08-19 22:54 |  映画感想<サ行> | Trackback(6) | Comments(0)
e0033570_8273817.jpg学生時代と違い、社会人となると時間が経つのが早く感じられます。
一世を風靡した『ジュラシック・パーク』もまだまだ「最近の作品」という感覚があるのですが、既に15年も前の作品。今の高校生あたりまではリアルタイムで知らないわけで、改めて自分も歳食ったなぁと感じたりして。
このパート2も12年前、続くパート2ですら7年前の作品。完全に「過去の作品」ですねぇ。
そして今また、作者であるマイクル・クライトンの訃報が届きました。
「十年一昔」と言いますが、何か本当に「区切り」が付いてしまった感じがあります。

以下、「しねま宝島」より引用、転載――
マイクル・クライトンが書いた小説『ロスト・ワールド/ジュラシック・パーク2』もつまらなかったが、それを映画化した本作は、それに輪をかけてつまらなかった。
映画化にあたってはストーリーを大幅に変更するなど工夫を凝らしているが、それもかえって裏目。その改変を巡ってクライトンとスピルバーグは絶縁状態に陥ったとも伝えられたが、どっちもどっちである。
恐竜に遭遇し逃げ惑う人々を描いた一作目に対し、今度は恐竜ハンターたちが島へ乗り込んでいくという切り替えは、『エイリアン』と『エイリアン2』の関係と類似していて新鮮味はない。

前作の『ジュラシック・パーク』も決して原作に忠実というわけではなく、また「傑作なのか」と正面切って問われると答えに窮してしまうのだが、それでも映画としての見せ場はふんだんに用意され、娯楽作としては充分お釣りのくるものであった。何よりも今までスクリーンを彩ってきた数多の恐竜たちを遥かに凌駕する斬新な描写は、その一事だけをとっても映画史に名を残すに値する作品となり得ていた。

e0033570_8271216.jpgしかし今回は条件が違う。技術的に多少進歩しようとも、目の肥えた観客相手には同じ手は通じない。
それを支えるだけのアイディア、ストーリーなどのプラス・アルファがなければ作品としての評価は出来ない。この作品にそれがあるかといえば、残念ながら答えは「NO」と言わざるをえない。
超満員の先々行オールナイトの劇場を後にしながら虚しい思いにとらわれた私だったが(なんせ上映前に3時間も並んでいたもので・・・)、幸いにも映画は大ヒット。柳の下にドジョウは2~3匹はいることを実感させてくれた。
その後、マイクル・クライトンは三度恐竜を取り上げた新作を準備中と伝えられていたのですが、結局実現しなかったのでしょうかね。
またスピルバーグはクライトン抜きで『ジュラシック・パークIII』を製作、更に第4作も構想中ということで度々キャスティング情報などが取り沙汰されてきましたが、正式なゴー・サインは出ないままの様子。このまま立ち消えになってしまうのかも知れません。
ただ、作品としては実現しなかったとしても、クライトンの構想メモのようなものが残っていて、それを元にしてスピルバーグが追悼でメガホンを取る、というようなことでもあれば、それはそれで歓迎したい気分です。
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by odin2099 | 2008-11-07 08:28 |  映画感想<ラ行> | Trackback(4) | Comments(4)
帰宅して夕刊を開いてビックリです。
全く寝耳に水というか、想像だにしていませんでした。
癌とはいえ、66歳は作家としてはまだまだこれから。
あと10年20年は新作を楽しめるものと疑っていませんでした。
しばらくご無沙汰だったので、また読み始めようかなと思っていた矢先だったこともあり、全く持って残念です。

『緊急の場合は』、『アンドロメダ病原体』、『五人のカルテ』、『サンディエゴの十二時間』、『ターミナル・マン』、『大列車強盗』、『北人伝説』、『失われた黄金都市』、『スフィア/球体』、『インナー・トラヴェルズ』、『ジュラシック・パーク』、『ライジング・サン』、『ディスクロージャー』、『ロスト・ワールド/ジュラシック・パーク2』、『エアフレーム/機体』、『タイムライン』・・・
ここ最近の何作かを除けば、今翻訳が出ている本は一通り読んでいます。

『アンドロメダ・・・』、『ウエストワールド』、『電子頭脳人間』、『大列車強盗』、『ジュラシック・パーク』『ライジング・サン』『ディスクロージャー』『コンゴ』『ツイスター』『ロスト・ワールド/ジュラシック・パーク』、『スフィア』、『13ウォーリアーズ』、『ジュラシック・パークIII』『タイムライン』・・・・・・
原作や脚本、それに監督として携わった映画の大半も観ています。

そういえば製作にも噛んでいるTVドラマ『ER/救急救命室』は長寿シリーズとなりましたが、とうとうファイナルを迎えるというニュースもありましたね。これも象徴的な出来事だったのかも知れません。

まぁこれを機に、絶版本や未翻訳本が出版されたり、ソフト化されていない映画やTVドラマがDVD等でリリースされたり、映画化がペンディング中の作品にゴー・サインが出れば嬉しいのですが・・・。

ご冥福をお祈り致します。
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by odin2099 | 2008-11-06 22:12 | ニュース | Trackback(3) | Comments(4)
e0033570_9211383.jpg日本の映画界は、1986年を境に邦画と洋画のシェアが逆転します。つまり、お客さんは邦画よりも洋画の方を見たがっている、ということですね。ところが2006年に再び邦画が洋画を逆転します。この20年間に何があったのでしょうか?

この本では、スティーブン・スピルバーグが監督やプロデュースをした作品群を洋画の代表選手とし、一方で宮崎駿や高畑勲らスタジオジブリが作ったアニメーション作品を邦画の代表に擬して、日本における映画ビジネスの流れを捉えています。
その基点は、1988年ゴールデン・ウィークに公開されたスピルバーグ監督作品『太陽の帝国』と、ジブリの『となりのトトロ』&『火垂るの墓』二本立てに置かれています。

単純にどっちが勝った負けたから優劣がどうこう、ということにはなりませんが、「興行成績」から捉えた本は珍しいのではないでしょうか。
スピルバーグ関連作品やジブリ製作作品にこだわりがない人でも、日本の映画業界を違った面から垣間見ることが出来るという点ではユニークな一冊ですので、紐解いてみるのも悪くはないかと思います。
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by odin2099 | 2008-08-10 09:21 | | Trackback | Comments(0)
放送終了後20年近くを経た今でも、多くの熱狂的ファンを持つSFドラマ『ギャラクシー・クエスト』。その後は泣かず飛ばずの出演者たちだが、今日もファン大会が開かれ、ゲストとして参加していた。
ただこの番組を熱心に観ていたのは地球人だけではなかった。ドラマではなく本物の記録映像だと信じこんだ異星人たちが、自分たちの星を侵略者から守って欲しいと助けを求めてやってきたのだ。
はじめは冗談だと思っていた出演者たちだったが、ドンドンと事態は進行し、遂には本物の星間戦争に巻き込まれることに・・・!

e0033570_21444174.jpgこの『ギャラクシー・クエスト』という番組の設定は、勿論あの『スター・トレック』を意識したもので、番組を取り巻くファンのムーブメントや出演者たちのその後の境遇など、現実も上手く取り入れられている。
キャラクターと同一視されて困惑したり、熱心なファンに絡まれ議論を吹っかけられたり、役のイメージが強すぎて仕事の幅が狭まったりと、実際の『スター・トレック』出演者たちも似たような経験はしてるはず。そして作品にのめり込むあまり、一生を作品に捧げたり、現実生活が破綻してしまったファンも少なくないのも確かだろう。
しかしこの作品は単純に『スター・トレック』を茶化してるわけでも、ネガティブに描いているわけでもなく、全体的に愛が感じられる作りになっているのが好ましい。次第に使命感に目覚め変貌して行く出演者たちという描写が素晴らしく、そして彼らを救うのがファンの少年たちというのも嬉しいかぎりだ。
そういえば本家のスタッフやキャストから、抗議の声が上がったという話も聞かない。

出演者の格からいうと、申し訳ないけれども本家以上
主役のティム・アレンはチャランポランで女好きという役どころだが、これが段々とウィリアム・シャトナー(というかカーク船長というべきか)に見えてくるから不思議だ。何気ない仕草などにも研究の後が覗える。
シェークスピア俳優だというプライドに凝り固まり不満タラタラ、という役を演じたアラン・リックマンも好演している(こちらはMr.スポックことレナード・ニモイの役どころか?)が、何といっても驚きなのはシガニー・ウィーバー。グラマーなだけが取柄だと思われてウンザリしているという役なのだが、よくこんな役を引き受けたもんだという感じである。

それにしても、これのオリジナル(という設定の)TVシリーズ版『ギャラクシー・クエスト』、設定だけに留めておくのは勿体無い気も。
このキャストそのまんまはまず不可能だろうけれど、それでも独自に観てみたいものだ。何話分か、ホントに作ってみないかなぁ。
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by odin2099 | 2008-08-05 21:45 |  映画感想<カ行> | Trackback(10) | Comments(8)
アメリカ郊外の新興住宅地に暮す平凡な一家が恐怖の体験をするというホラー映画で、監督はトビー・フーパー、原作・脚本そして製作をスティーブン・スピルバーグが務めている。

e0033570_23134854.jpg「ポルターガイスト(騒霊)」という言葉はこの映画が来るまで聞いたこともなかったけれど、あちらではかなりポピュラーだそうだ。スピルバーグ自身も遭遇したことがあり、UFOよりも身近な存在だと当時コメントしている。日本でも幽霊や妖怪の類は古くから語られてきているが、それとはちょっと違うような・・・? 

作品中では「家にとり憑くのがポルターガイスト」で、「人にとり憑くのが幽霊」というような説明がなされていたけれども、映画の中でもあまり明確になっていなかったように思う。ちなみにスピルバーグはポルターガイストを、「この世に戻ってきた、或いは最初からこの世を去らなかった死者の霊」と捉えていたようだが、それって一般的な幽霊のイメージのような気がするのだが・・・。

怖いの苦手なくせに「スピルバーグ印」ということでノコノコと映画館へ出掛け、案の定怖い思いをしたのだけれども、その反面で充分に楽しんだのはやっぱり「スピルバーグ印」だったから、より具体的に言えば『未知との遭遇』と同じ匂いを感じたからだ。
実際この作品、『未知との遭遇』のリメイクと言ったら失礼だが、姉妹編と呼んでもいいくらい似ている。
『未知との遭遇』はクライマックスからラストにかけてで圧倒され、感動して観終わってしまうが、そこに至るまでは結構ホラー映画的というか、ショッカー描写が挟み込まれているので、両作品のポルターガイストと宇宙人を入れ替えても物語はきちんと成立するはずだ。今回観直してみて改めてそう感じた。

ということで盛んに「スピルバーグ」「スピルバーグ」と連呼してきたが、ファンの間で長年論議の的になっているのが、「果たしてこの作品の真の監督は一体誰なのか?」ということ。
スピルバーグが自分で監督せず、アイディアやストーリーだけ提供して他人に任せた作品は幾つかあるし、他人のアイディアをバックアップする形でプロデュースしている作品もかなりの数に上るが、ストーリーを提供するだけでなく脚本まで手掛けた作品は他にはないはず。しかも現場には常に顔を出していて、スタッフや出演者に指示を出していたとする証言もある。
またトビー・フーパーはこの当時、『悪魔の沼』や『ファンハウス 惨劇の館』で注目されていた監督だったが、それまでの作風とこの作品とは大きく異なっている点を指摘する映画ファンの声もあり、実はスピルバーグが監督してるんじゃないの?という声は未だに絶えない。

一応公式にはスピルバーグは否定するコメントを出しているが、フーパー、スピルバーグ共に結構不透明な発言をしていたりで、ファンの妄想は膨らむばかり。
同時期にスピルバーグは『E.T.』の監督をしているので、多忙のためにフーパーに任せたという説(フーパー監督説)と、複数作品を監督することは禁じられているためフーパーの名前を借りたのだ(スピルバーグ監督説)、というのが代表的なファンの見解だろうか。実際『ポルターガイスト』と『E.T.』は並行して同じロケ地で撮影されているようだが、いつの日か真相が明らかになる日が来るだろうか。
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by odin2099 | 2008-06-21 23:20 |  映画感想<ハ行> | Trackback(5) | Comments(0)
<ディレクターズ・カット版>をはじめとする、「完成品(公開作品)」とは別ヴァージョンを公開する走りとなったのがこの作品。
その成立過程には諸説あり、「完成作」に不満を持っていたスピルバーグが撮り直しを申し出たところ、マザーシップ内部の描写を付け加えることを条件に承諾が下りたというものや、続編の打診を受けたスピルバーグがこれを断り、代りに「その後の」ロイを追加撮影してお茶を濁したというものなど様々。
何れにせよ「マザーシップの中へ入ったロイ・ニアリーは何を見たのか」がセールスポイントであることは間違いないのだが、結果を言えば拍子抜けではあった。未知なるテクノロジーをどのように画面に描き出してくれるのかという期待とは裏腹に、その内部はただの光の洪水。これはこれで「幻想的」という捉え方も出来るだろうが、このシーンの為だけにお金を払わせるのは少々酷と言うものだろう。

e0033570_2154371.jpgそれよりも両ヴァージョンを見比べると、シーンの差替えや削除が予想以上に多いことに気付かされる。
まず主人公であるロイの登場シーンからして差替えられ(家族の紹介シーンも全くの別物だ)、ロイの職場での人間関係の描写もほぼ全面的にオミット。妻や子どもたちとの触れ合いシーンもかなりドライなものになり、結果ロイは孤立した男というイメージが強調されることになった。
平凡な人間が徐々に狂気に取りつかれ家族から疎外されていくというロイの絶望感を出しているオリジナル版に対し、切り詰めたおかげでストーリー運びのテンポが良くなったの分、人間ドラマが希薄になっているのが<特別編>だと言える(勿論、途中でだれないという利点もある)。
サスペンスを盛り上げる効果もあるので、一概にどちらがより優れているとは言い難いが、わざわざ手を加えるほどのものでもないだろう。完成作品のランニング・タイムも、実はオリジナル版より短い。「追加撮影を敢行し未発表シーンを満載した特別編集版」という宣伝イメージからすると意外だが、このあたりからスピルバーグの演出意図を探るのも面白い。

目につく追加シーンとしてはマザーシップの内部以外に、砂漠で発見された貨物船のシーンがある。これはUFOの超常現象を強調するために付け加えられたものだが、ビジュアル面でのインパクトはともかく「彼ら」を表現する上ではこれといった効果は上げていない。
元々この作品での「彼ら」の表現は一貫していないのだ。
バリー少年を執拗に追いまわして、挙句の果てに泣き叫ぶ母親の手から連れ去る「彼ら」と、ラストで友好的な微笑を見せる「彼ら」が同じ存在であるとはちょっと考えづらい。UFOや宇宙人に関する目撃、体験情報には比較的友好的なものと、非友好的なもの(UFO内部へ連れて行かれ、何らかの人体実験を施された等々)が両立しているが、その両方を取り入れようとした結果の混乱ではないかと思うのだが(これを、単純に「宇宙人には善悪二勢力あるのだ」とせずに、「人知を越えた存在なのだと表現しているのは素晴らしい」と解釈する向きもあるようだが、それには納得しかねる)。

ただそれでもこの作品が「興味深い一本」であることは間違いなく、色褪せていないことも評価に値する。
またこの<特別編>公開以降オリジナル版は事実上封印され、殆どの観客にとって『未知との遭遇』とはこの<特別編>であったことも付け加えておく(数年前にようやくビデオが発売され両バージョンが市場に共存するようになったが、今でもTVなどで見られるのは<特別編>である。更に近年更なる改訂版が登場。今後はそちらがスタンダードになる可能性も強い)。
以上、「しねま宝島」より引用。

別に”スピルバーグ祭り”をやってるつもりはないのだが、先日オリジナル版を観返したので、今度は<特別編>もまた観たくなったという次第。残るは<ファイナル・カット版>のみだが、これは未だに未見。今度こそ観てみるかな。
そして、最新のDVDにはめでたく3ヴァージョンとも収録されているが、やはり一般的には<ファイナル・カット版>が正統、ということになるようだ。
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by odin2099 | 2008-06-15 21:57 |  映画感想<マ行> | Trackback(1) | Comments(0)
e0033570_18264250.jpgいよいよ来週から公開される、19年ぶりに帰ってきたインディアナ・ジョーンズ教授の大冒険物語の第4弾。ですが、一足お先に先行公開で観てきちゃいました。気合を入れて前もってチケットを購入しておいたのですが、劇場はガラガラ・・・。ま、そんなものかも知れませんね、今のインディの知名度、そして期待度は。アピールしたい世代にとってのインディは、自分が生まれる前か、生まれていたとしてもごくごく幼い頃に完結した(はずの)シリーズでしょうから。これで正式に公開されれば色々と盛り上がってくるのではないかと期待しております。
それとも吹替版だったからでしょうかね。


さて映画の内容なのですが・・・、うーん、ちょっと、というよりもかなり微妙なんじゃないでしょうか。
フォーマットはかなり旧作を踏襲していますので、懐かしさは感じるものの、目新しさは殆ど感じられません。このあたり、旧作を知らない観客にはどう受け止められるのでしょうか。
その一方で、御馴染みのキャラクターはインディと、1作目のヒロインだったマリオンのみ。他にももう一人くらい、サラーかマーカス・ブロディか父親のヘンリーが出てきていれば、と思うのですが、シリーズの連続性もあまり感じられないのは残念、というよりも寂しいですね。

そして物語。
e0033570_18282840.jpg三題噺じゃないですが、副題にもある「クリスタル・スカル」、「黄金の都エル・ドラド」、それに「ロズウェル事件」がどう結びつくのか、観終わった今でも良く分かりません。これに「ナスカの地上絵」なども絡んではくるのですが、これも手掛かりとしてはどうも・・・。
正式公開前ですので極力ネタバレは避けますが、従来のインディの冒険譚とはやや方向性が違うように思えます。『未知との遭遇』的というか、『インデペンデンスデイ』っぽいというとヒントになりますかどうか。
観ていて途中までは、「自分はやっぱりインディのファンじゃなかったんだなぁ」と真面目に悩んだものです。

それでもハリソン・フォードは健在ですし、年齢を重ねたインディのキャラクターも悪くありません。
TVシリーズも含めた旧作への目配せもありますし、何よりも第1作『レイダース/失われた≪聖櫃≫』から始まったシリーズの幕引きと、新たな展開をも期待させる終わり方なのは嬉しいですね。
この作品単独で考えるならば必ずしも楽しめたとは言いがたいのですが、シリーズをトータルで考えると、自分はそれでもインディが好きなんだなぁと改めて思いました。次回作の舞台は是非日本で、などというリップサービスも含めて5作目以降の漠然とした構想はあるようですが、ハリソンが元気なうちにもう一本ぐらい作って欲しいものです。

最後に、吹き替えキャストについて少々。
マリオン役のカレン・アレンの声は、ビデオやDVD同様に土井美加が担当しています。イリーナ役ケイト・ブランシェットは本田貴子、マット・ウィリアムズのシャイア・ラブーフには細谷佳正・・・と総じて悪くはないのですが、ただ一人気になったのが、ハリソンの吹き替えを担当した内田直哉
嫌いな役者さんではありませんが(何せデンジグリーンの頃から知っていますし)、インディの声といえば村井国夫、もしくは磯部勉が定番。特に今回の、年輪を重ねたインディの役にはやはり長年担当してきた人を当てるべきでしょう。内田インディは、あまりに若すぎるので興醒めしてしまいます。
まだ気が早いですが、DVD発売、あるいはTV放映の際には是非とも村井インディか磯部インディでの新録をお願いしたいところです。
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by odin2099 | 2008-06-14 18:30 |  映画感想<ア行> | Trackback(91) | Comments(24)
19世紀末のニューヨーク。恋人を暴漢に殺された科学者がタイムマシンを発明し、過去へ戻って彼女を救おうとする。ところが彼女の運命そのものは変えられないことを知り、その理由を求めて未来へと旅立つ。2030年の世界から、遂には80万年後の世界へと――。

e0033570_18563441.jpgH.G.ウェルズの原作小説も読んだことがないし、その昔ジョージ・パルが作った映画版(『80万年後の世界へ タイムマシン』)も見ていないので比べてどうこうは言えないけれども(劇中では小説も映画もライブラリーに収録されているという設定なので、リメイクでも原作モノでもないってことになるんだろうか?)、未来世界のビジュアル・イメージなど悪くないSF映画。主演のガイ・ピアースは最初はただのマヌケ面に見えるのだが、段々と精悍な主人公らしい顔付きに変わっていくのも面白い。

監督のサイモン・ウェルズはなんと原作者の曾孫!
スピルバーグの下でアニメーション映画の監督を何本か担当しているものの、実写作品はこれが初めてのようで、実績よりも血統を尊重した選択だったのかな。宣伝でも”血統”をしっかりアピールしていたが、実は体調を崩して(一説にはノイローゼとも)途中降板。『マウス・ハント』や『ザ・メキシカン』、『ザ・リング』などでスピルバーグの覚えもめでたいゴア・ヴァービンスキーが監督代行を務めている。”七光り”が逆に負担になったのだろうか。
ちなみにゴア・ヴァービンスキーは、今じゃ『パイレーツ・オブ・カリビアン』三部作の大ヒットで、押しも押されぬヒットメーカーの仲間入りを果たしている。

ただ、モーロック族(リーダー役を演じているのはジェレミー・アイアンズだが、特殊メイクを施されて誰だかわからない状態に)が襲ってくるシーンが、ティム・バートン監督の『PLANET OF THE APES/猿の惑星』っぽいのが気になるのと、主人公がどうして未来を目指すのかが今一つわかりづらい。
「彼女が死ななければ発明されなかったタイムマシンで、彼女の生命を救うことは出来ない」という理屈は、なんとなくわかったようなわかんないような・・・?
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by odin2099 | 2008-04-12 18:57 |  映画感想<タ行> | Trackback(7) | Comments(4)

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