【徒然なるままに・・・】

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「きのふの是はけふの非なるわが瞬間の感触を、筆に写してたれにか見せん」(森鴎外『舞姫』) HNは”Excalibur(エクスカリバー)”

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e0033570_19485984.jpg「マレフィセント」「シンデレラ」「美女と野獣」といった系譜に連なるディズニーのファンタジー映画の新作ですが、これらのような自社製作のアニメーション映画の実写化ではありません。
原作はE.T.A.ホフマンの童話「くるみ割り人形とねずみの王様」で、チャイコフスキーのバレエ音楽もふんだんに盛り込まれております。

監督はラッセ・ハルストレムジョー・ジョンストンの連名。
最近よくある監督の途中交代か?と思ったのですが事情はちょっと違うようで、本来の撮影はハルストレム監督の下で2016年の秋から2017年初めにかけて行われたのですが、その後に大規模な再撮影が必要になり、スケジュールが合わなかったハルストレム監督に代わって2017年暮れからの現場で指揮を執ったのがジョンストン監督なんだそうで。

ただそれでも編集作業にはハルストレム監督も立ち会っているので、結局は共同監督ということになったのだそうです。それにしても製作(撮影)期間が他と比べて随分と長いように思えますし、本当のところはわかりませんねえ。
それに元々この時期には実写版「ムーラン」の公開を予定していたものの、製作の遅れから本作が繰り上がったという話もありますし、ディズニー内部でゴタゴタがないことを願います。

e0033570_19480552.jpgそして公開されたこの作品、本国ではコケてしまったようで、2018年のディズニー作品では日本では公開予定もない”A Wrinkle in Time”、それに「ハン・ソロ/スター・ウォーズ・ストーリー」に次ぐ3本目の失敗作の烙印を押されてしまいました(マーベルやピクサーを含めた他の作品がヒットしてるので、その分は補填できそうとのことです)。

ということで少々不安を抱いて見たのですが、なかなかどうして愉しめる作品になっていました。
確かに中身はスカスカ、空っぽな映画かもしれませんが、キーラ・ナイトレイやモーガン・フリーマン、ヘレン・ミレンらが脇をガッチリと固め、美しく夢のある画面が作りがなされていますし、なんといってもクララ役のマッケンジー・フォイが輝いています(吹替の小芝風花も合格点です)。
美少女は存在そのものがファンタジーなんだなあと改めて感じさせられました。

母と娘、あるいは父と娘の絆を描くのであればクララの姉と弟の存在はいらないなと感じたのと、「アリス・イン・ワンダーランド」や他社作品ではありますが「スノーホワイト」のように、昨今のおとぎ話や童話の映画化作品ではヒロインのアクションシーンを強調する傾向があり、本作でもクララがブリキの兵隊を相手にする場面があったことに違和感を覚えたりということもありましたが、ここまで作ってくれれば文句はありません。
どうしてヒットしなかったのでしょうね。皆さん、期待値が高すぎたのでしょうか。



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by odin2099 | 2018-12-04 20:00 |  映画感想<カ行> | Trackback(3) | Comments(6)
もうすぐ続編公開(日本では一カ月後)の「シュガー・ラッシュ」、つい最近見たような気になっていたけれど、映画館で見たのはもう5年も前だったんだな。

e0033570_20554352.jpg主人公はラルフとヴァネロペのコンビ、という印象が強いけれど、実は約100分の映画の中でヴァネロペが出てくるのは始まって30分くらい経ってから。そこからは出ずっぱりだからバディ物のイメージが付いているのだけれども三分の一ぐらいはラルフの独り舞台。それにフェリックスの出番も結構多い(原題は”Wreck-It Ralph”、「壊せラルフ」って意味だから最初から主人公はラルフなのだ)。


ゲームの世界が舞台ということで、オープニングのウォルト・ディズニー・アニメーション・スタジオのロゴがドット絵になっていたり、映画の終わりに出てくるウォルト・ディズニー・ピクチャーズのロゴがゲームキャラに乗っ取られていたりと遊び心に満ちた作品で、久しぶりに見直しても十分に楽しかったのだが、なんだかんだで結局ラルフが終始悪者扱いされてるような展開な点だけは納得いかない。
ラルフがいい奴ですぐに反省するから丸く収まってるけど、ヴァネロペもフェリックスもきちんとラルフに謝れよ。

【ひとこと】
ラルフが水中(?)に潜ってるシーン、呼吸音がダース・ヴェイダーだ。

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by odin2099 | 2018-11-22 21:02 |  映画感想<サ行> | Trackback | Comments(0)
ディズニーが自社制作のアニメーション映画の実写化に乗り出したのは、確かこの作品が最初。
といっても単純な「ふしぎの国のアリス」の実写リメイクではなく、半分リメイクで半分続編だ。

映画の冒頭には幼い頃のアリス(6歳という設定らしい)が出てくるシーンがあるが、物語はその後一気に13年後に飛ぶ。後半ではアリスの想い出という形でこの幼い頃がもう一度出てくるが、どうやらこの時に彼女は”不思議の国(ワンダーランド)”に彷徨いこんでいた、ということらしい。
そして19歳になったアリスはそのことを忘れ、前回と同じような状況(白いウサギを追いかけ、薬を飲んで小さくなり、ケーキを食べて大きくなり…)を経て”不思議の国”にやってくる。

e0033570_20464339.jpgジョニー・デップが演じるということで、”不思議の国”の住人たちの中ではマットハッターが大きな扱いに。例によって白塗りのおふざけ演技全開で、彼のファンなら愉しめるだろうが、主人公であるアリスの存在がやや霞む遠因にもなっている(ヘレナ・ボナム=カーターやアン・ハサウェイもかなり濃い役作りをしていることもあるのだが)。

そもそもファンタジー映画かと思って見ていると、アリスが剣を手に取ってモンスターの首を切り落とすシーンがクライマックスになっているアクション映画を、はたして「ふしぎの国のアリス」の映画化と呼んで良いものか微妙…。

ところで作品中でアリスは、小さくなったり大きくなったりを繰り返す。その度に彼女は全裸になってるはずだけどそんなシーンはないし、それを匂わせる描写も(殆ど)ない。ティム・バートンを監督に起用したせいかかなり毒気のある作品にはなっているものの、その辺は流石に”健全な”ディズニーといったところか。ちなみにバートン監督の憧れの俳優の一人、マイケル・ガフは本作が遺作となった。

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by odin2099 | 2018-11-19 20:48 |  映画感想<ア行> | Trackback | Comments(0)
e0033570_17074659.jpg悲惨な大列車事故からただ一人、奇蹟的に無傷で生還したデヴィッド。そんな彼の元に不思議なメッセージが届けられる。その送り主は、難病に苦しむコミック・ギャラリーのオーナーのイライジャ。イライジャは、訪ねてきたデヴィッドに奇妙な話を始めるのだった。

前作「シックス・センス」でそのストーリー・テラーぶりを広く賞賛されたM・ナイト・シャマランは、この作品でも巧妙に計算されたストーリー展開と、ラストの謎解きを楽しませてくれる。しかもそのヒントは既に冒頭に提示されているという大胆さだ。

ただ今回は扱っている世界が世界なだけに、一部のマニアは兎も角として、前作ほど幅広い共感を呼ぶというか納得出来るものにはなっていないのが残念。個人的には好きなのだが。

ラスト・シーンも、私はやるせなさを感じたのだが、おそらくは狐につままれたような気分になる方のほうが多いのではないかと思われる。
――以上、「しねま宝島」より転載。

当時は「なんじゃこれは」という気持ちもあったけれど、その後は浴びるように(?)アメコミ映画群の洗礼を受けたので、今では頷ける箇所の幾つか。
ヒーローとヴィランは対極の存在だとか、かつては友人同士だったとか、ヴィランは”二つ名”を持っているとか。

しかしデヴィッドはヒーローというよりヴィジランテだし、”ミスター・ガラス”の動機と目的はわからないでもないが、それを実行に移すだけの資本力や行動力には疑問符が付いてしまうのだが。



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by odin2099 | 2018-11-17 17:17 |  映画感想<ア行> | Trackback | Comments(0)
e0033570_06200400.jpg誰かさんに「ボーっと生きてんじゃねえよ!」と叱られそうですが、ボーっと見てました。
そしたらお話見失いました。

この映画、見るの二度目か三度目だし、原作となっているルイス・キャロルの小説も正続二篇とも読んでるんですけどねえ、お話ちっとも覚えてなかったです。
しかしながら、イカレたキャラクターばかりが出てくるのは、当然ながら原作同様。
つまり、観ていてイライラさせられっぱなし、ということ。
75分の上映時間は結構苦痛で、やっぱり自分にはこの物語、合わないのだろうなあ…。
って前回書いてるんですが、ホントにその通り。

言葉遊びも愉しいんでしょうけれど、自分にはウザいとしか感じられません。
やっぱり相性ってありますね。

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by odin2099 | 2018-10-07 06:24 |  映画感想<ハ行> | Trackback | Comments(0)
勝手に名付けてますけど、スタジオジブリの英米児童文学クラッシュ…もとい映像化シリーズの第4弾。
そして今のところ最終作です、やれやれ。

この映画、映像は本当に綺麗です。
北海道ってこんなに風光明媚なところなんだ、と感動します。
冒頭では札幌の街並みが描かれ、そこから田舎(釧路地方がモデルだそうですが)へと移っていきますが、
映画の本当の主役はこの風景なのかもしれません。登場人物にはなかなか共感しづらいですし。

e0033570_20101231.jpgヒロインの杏奈は「これ、私と同じだ」と感じる人も少なくないとは思いますが、見ているとイライラさせられることもありますし、Wヒロインの片割れマーニーは、これはリアリティ皆無の幻想世界の住人。
杏奈の養母・頼子や物語の鍵を握る久子は敢えて曖昧に描かれている部分がありますし、ほっとさせられるのは杏奈の滞在先である大岩夫婦と、湿っ地屋敷に住むことになった少女・彩香くらいでしょうか。

それでも全体的には不思議な体験を通しての、ひと夏の少女の成長物語として綺麗にまとまってますのでとりあえずOKです。原作はまだ未読ですが、どのくらい改変されているのやら(アニメなんだから舞台はイギリスのままでいいじゃん、とは思いますが)。

ところで高月沙良と有村架純は300人の中からオーディションで選ばれた、とのことですが本当でしょうか。
もっと上手い娘なら沢山いそうですが、純粋な声の演技ではなく、ネームバリューとかプラスアルファの部分で選んだんじゃないかという気がしてなりません。杉咲花の方がよっぽど自然な演技をしてますね。

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by odin2099 | 2018-10-03 20:17 |  映画感想<ア行> | Trackback | Comments(0)
自社のアニメ作品を次々と実写化しているディズニーは、今回「くまのプーさん」をチョイス。
といっても「プーさん」をそのまま実写でリメイクするのではなくいわばその「続編」で、プーたちと別れ、大人になったクリストファー・ロビンが主人公。
原題もそのまま”CHRISTOPHER ROBIN”だ。

e0033570_19321854.jpgあれから30年、結婚し娘が生まれ、今は仕事第一のクリストファー。だがその仕事は思うようにならず、一層仕事にのめり込み、家族を顧みる余裕をなくし、今や家庭は崩壊寸前。
そんな時にプーと再会し、仕事よりも大切なことがあることに気付いて行く、というサラリーマンなら号泣必至、人の再生を描いて行く感動物語だ。

最近は「パディントン」「ピーターラビット」など動物を主人公にした児童文学の実写映画化が続いたが、CGで描かれるプーやイーヨー、ピグレット、ティガー、カンガとルーの母子らはそれらに勝るとも劣らない。
というより動物そのものを描くのではなく、そのぬいぐるみらしさの表現に挑戦するなど先行する作品とは違ったアプローチを試みるあたりにディズニーの意地を感じた。

お話は出来過ぎのハッピーエンドで、この作品に感化された社畜が同じ行動を取ろうものならたちまち社会的に抹殺されかねないが、ひと時の夢と割り切り100エーカーの森でプーたちに寄り添うのも良いだろう。成長したクリストファー・ロビン役のユアン・マグレガーも好演だ。
クリストファーの妻に「キャプテン・アメリカ/ザ・ファースト・アベンジャー」などのヘイリー・アトウェル、クリストファーの上司に「SHERLOCK」のマーク・ゲイティスとジャンル・ファンにもお馴染みの顔が並んでいる。

今回は吹替版で鑑賞。プーとイーヨーは前任者が死去しているために新キャストになっているが、他はお馴染みのメンバーなので安心感が。
ユアン・マグレガーの吹替を担当した堺雅人はアニメでの吹替経験も多いので決して下手ではないのだが、やはりユアンの声は森川智之で聴きたい!



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by odin2099 | 2018-10-02 19:45 |  映画感想<ハ行> | Trackback | Comments(0)
実は以前この実写版を見た時は、まだアニメ版を見たことがありませんでした。
で、先日初めてアニメ版を見て、それで今回実写版を見直したのですが、アニメを実写化したというより、新たに「シンデレラ」を映画化した、というくらい違いますね。

e0033570_22215136.jpgまず動物の擬人化はなし。といっても魔法で従者や御者に変えられてしまう件はそのままですが。
そしてシンデレラの過去が詳細に描かれ、また継母トレメイン夫人がシンデレラに辛く当たる理由も明らかにされます。
彼女もそれなりに辛い過去があり、シンデレラに対しても複雑な感情を抱いていたということです。

義姉ドリゼラとアナスタシアはアニメ版ほど陰湿な関係ではなく、また馬鹿にしながらもシンデレラにもそれほどきつく当たってる風もありません(陰謀を巡らせたり、悪役ポジはトレメイン夫人が一手に引き受けています)。

また森の中でのシンデレラと王子の出会いが追加され、いきなり舞踏会で出会うのではなく、それ以前に二人は共に惹かれ合っていたということになりました。
それによって王子の出番も増え、父王を尊敬し国の行く末を憂い乍らも自分の意思を貫き通そうと葛藤する姿が描かれています。アニメ版だと王子は記号でしかありませんから、これでラブストーリーも盛り上がります。

悪役ポジションにはもう一人、お城の大公も加わりました。
国を我が物にしようとかいう大それたヴィランではなく、あくまで彼なりに国に忠誠を尽くす立場にありますが、そうであればこそ氏素性のわからない娘と王子との結婚など考えられないと画策することが二人の愛の障害になっていきます。

と、ここまでくれば立派な別モノ。
よく「アニメを忠実にトレースして云々」という記事を見かけるのですが、「どこが?!」という感じです。そりゃ粗筋は同じでしょうけれども。

しかし今回困ったのが、シンデレラが薄幸の美少女に見えなかったこと。
いや、最近見た「マンマ・ミーア!/ヒア・ウィー・ゴー」で演じた若いドナのインパクトが強すぎて…。
あの作品のリリー・ジェームズってちょいと肉付きもよく、かなり逞しい女の子だったものなあ。

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by odin2099 | 2018-09-25 22:27 |  映画感想<サ行> | Trackback | Comments(0)
Blu-rayでは通常の再生と、冒頭に「序曲」を付けての再生と2パターン選べるようになっているが、「序曲」を付けるとちょっと贅沢な気分に浸れるので、お持ちの方はお試しあれ。

「美人じゃない」ハーマイオニーを演じていたエマ・ワトソンが、「村一番の美人」ベルを演じるなんて、と当初は思っていたけれども、見ているうちにそんなことは気にならなくなっていく。
実写版の俳優たちはアニメ版のキャラクターのイメージを割と忠実に再現していて、「これは全然イメージが違う」という人はいないのだが、ベルに関しては例外に当たるかなと考えているのだが、それでも独立した一本の作品として見た場合、このキャスティングも悪くないと思う。

e0033570_19302985.jpgアニメ版は何度見ても冒頭から涙腺緩むのだが、この実写版も冒頭の「あのメロディ」が流れて来るだけでもう駄目。熟アラン・メンケンの魔法の素晴らしさには唸らせられる。
またアニメ版を単に引き写しただけじゃないシチュエーションや設定の追加、新解釈の導入など、きちんと差別化というか独自性を保つ試みもなされているので、どちらか一方を選ぶのではなく共存出来るように作られているのが嬉しい。

多少まどろっこしい面もあるが、ベルと野獣が打ち解けていく様もアニメ版より丁寧に描かれその点も好感が持てるが、ただLGBTに配慮したというか阿ったキャラクターやシチュエーションの追加に関してだけは、何となく釈然としないものを感じている。

【ひとりごと】
ミュージカル映画、ということから吹替キャストもミュージカル畑の人材を多数起用、結果それなりに完成度の高い吹替版が出来上がったが(勿論そういった行為が邪道であるとか冒涜であるという意見も承知している)、その一方でいわゆる吹替ファンには少々物足りないものになってしまってもいる。
もしテレビ放映など機会があれば、フィックス声優(例えばエマ・ワトソンには須藤祐実、ユアン・マグレガーは森川智之など)などを起用しての新しい吹替版の製作もお願いしたいところだ。

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by odin2099 | 2018-09-19 19:33 |  映画感想<ハ行> | Trackback | Comments(0)
公開10周年を記念してIMAX用に作られた<ラージ・スクリーン・シネマ特別編集版>、DVDやBlu-rayでは<スペシャル・リミテッド・エディション版>として収録されています。
オリジナル劇場版より一曲多いこちらが決定版、旧ヴァージョンは封印されるかと思いきや両ヴァージョンとも流通させてますね。

とにかく冒頭のメロディを聴いただけで涙腺が緩みます。
昔々――と、王子や城の人たちに呪いがかけられた経緯が語られる「序」の部分、見る度にここでジーンとなってしまいますね。アラン・メンケンの音楽は実に素晴らしいの一語。

e0033570_19550283.jpgメンケンは他のディズニー・アニメの音楽も担当していて、「リトル・マーメイド」や「アラジン」、「ポカホンタス」、「ノートルダムの鐘」、「ヘラクレス」、「塔の上のラプンツェル」なども手掛けていますが、最高傑作はこの「美女と野獣」ではないでしょうか。この音楽あればこその、この作品の高評価だと思います。

というのも、例えばベルは教養もあって自立志向を持った「変わり者」とされていて、ステレオタイプの「護られる女性」像からは一線を画しているはずなのですが、行動的に見えて案外受け身ですし、最終的には「王子様との結婚=幸せ」で満足してしまっています。

野獣が、粗野に見えながら実は優しい心根を持つ若者、というのも目新しさはありませんし、途中で変心していくものの、彼と対局を成す筈の「力こそ正義」タイプのガストンと根本的に差はありません。
観客に対し悲劇的な過去を先に提示しているために同情の目で見られますし、ルミエールやコグスワース、ポット夫人らがフォローに回っているので、劇中で野獣は「好い人」として認識されていますが、冒頭で描かれる魔女に対する傲岸不遜な態度や、モーリスやベルを一方的に閉じ込める様は、何事も「力で解決出来る」とするマッチョな思考の現れです。

そんなベルと野獣が互いに惹かれ合う過程も、些か唐突に感じられる部分です。
野獣はベルの美しさに一目惚れしたのかもしれませんが、ベルが彼に惹かれて行くのは何故でしょう? 
第一印象が最悪だったから、その後に何かがある度にプラス評価に転じて行ったのだとしても、それが「愛」にまで昇華していったとは単純に思えません。それこそ主題歌「美女と野獣」の、音楽の力とでも考えるしかないでしょう。

それでも、アニメ映画史上初のアカデミー賞作品賞ノミネート作品はダテではありませんし、何度でも見直したくなる傑作であることに異論はありません。

<過去記事>



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by odin2099 | 2018-09-17 19:58 |  映画感想<ハ行> | Trackback | Comments(0)
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