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【徒然なるままに・・・】

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「きのふの是はけふの非なるわが瞬間の感触を、筆に写してたれにか見せん」(森鴎外『舞姫』) HNは”Excalibur(エクスカリバー)”

タグ:ドキュメンタリー ( 112 ) タグの人気記事

e0033570_19334783.jpg「フリーソロ」というのは、ロープや安全装置を使うことなく、体一つで数百メートルの断崖絶壁をよじ登るシンプルな方法。
もちろん一歩間違えば死に直結するという危険度MAXなものだ。

これはそんな危険に挑んだアレックス・オノルドに密着したドキュメンタリー映画で、今回の彼のターゲットはヨセミテ国立公園にあるエル・キャピタン、約975メートルのルート。
まずは2016年春、現地でのトレーニングを開始。ロープを使っての登攀で攻略法を探ってゆく。

夏、秋とトレーニングを続けるが、その最中に難所から落下したアレックスは足首を捻挫してしまうのだが、驚異的な回復力を見せた彼はフリーソロを実行に移す。
ところがチャレンジは呆気なく幕を閉じた。
怪我の影響か精神的なものか、彼は序盤で引き返してしまったのだ。

そして2017年春、再チャレンジに向けてアレックスは黙々とトレーニングを続け、遂にまた山へ入っていく。

高所恐怖症じゃないけれど、この映像はヤバい。
これ見ちゃうとCG満載の山岳アクションなんて見ていられない。
彼を支えるクライマーの仲間たち、恋人、それに十年来の付き合いになるという気心の知れた撮影クルーたち。合間には同じようにチャレンジして散っていった他のクライマーたちの映像も挿入される。

当然アレックスにも苦悩や葛藤はあるし、それは撮影クルーたちも同じ。撮影がプレッシャーを与えてるんじゃないか、もしかしたら友人の死の瞬間を捉えることになるんじゃないか。
そして彼の傍らにある恋人の姿が実に健気で可愛らしい。
第三者視点ではなく、当事者目線というか仲間視点でのドキュメンタリーというのも新鮮で、自分もパーティに参加してる気分になってくる。

聞けば、同じナショナル・ジオグラフィック製作の山岳ドキュメンタリー映画「MERU/メルー」を手掛けた監督コンビの作品ということで納得。
あれも良い作品だったなあ。

最後は歴史的偉業を成し遂げてハッピーエンドでほっと一安心。
でもまた世界のどこかで次なるチャレンジを続けているんだろうなあ。




by odin2099 | 2019-09-10 19:38 |  映画感想<ハ行> | Trackback(1) | Comments(2)
アートとお金の問題を真正面から取り上げたドキュメンタリー映画で、多くのアーティスト、オークショニア、コンサルタント、批評家、キュレーター、コレクター、ギャラリストたちがインタビューに答えている。

e0033570_09173066.jpgどんな高値で取引されても、それはモチベーションにはならない。美術館で展示される方が良い、というアーティスト。
良い作品とは高値であるべきだ、美術館はまるで墓場のようだ、というオークショニア。
アートの商品化を憂える批評家。
オークションは投資目的の資産売買の場になっている、とこれからの市場に不安を感じるギャラリスト。
値段を知っていても価値を知る人は少ないというコレクター。
今がバブル期で、これからも勢いは続くと見るキュレーター。

結局オークションでどれだけ高値が付こうが、アーティストには一銭も入ってこないのだし、個人が所有することで不特定多数の目に触れる機会は失われる。
不動産同様の投機目的で購入する、作品の価値を知らない者も多く、彼らの目的は安く買って高く売ること。
美術館が所有していても展示されるのは一握りの作品で、その多くは眠ったまま。だがその一方で50年後、100年後、150年後に再び日の目を見ることがあるかもしれない。

――現代アートにはとんと疎いもので登場しているのは著名であろう人たちだが、その彼ら彼女らが立場の違いから様々な意見を様々な意見を寄せ、そして映画としての結論めいたものを提示しなかったのは面白い。色々と考えさせられる作品だった。



by odin2099 | 2019-08-22 09:19 |  映画感想<ア行> | Trackback(1) | Comments(2)
e0033570_21173172.jpg世界的な映画スターやミュージシャンなどから愛されているだけでなく、英国王室御用達でもあるニューヨークの5つ星ホテルに密着したドキュメンタリー。
このホテルの特徴は「宿泊客の秘密は必ず守る」という口の堅さ。それ故に多くの人から信頼を得ているのだろう。

ジョージ・クルーニー、アンジェリカ・ヒューストン、ハリソン・フォード、トミー・リー・ジョーンズ、ソフィア・コッポラ、ビル・マーレイ、ウディ・アレン、ウェス・アンダーソン、ジェフ・ゴールドブラム、ナオミ・キャンベル、アンソニー・ボーディン、ジョン・ハム、レニー・クラヴィッツら多くの著名人が姿を見せる。
それだけでなくコンシェルジュやエレベーター係、警備員などそこで働く裏方にもスポットを当てている。


働いている人たちが皆、自分たちの仕事にやりがいを感じ、そして笑顔でインタビューを受けているのが印象的。
愛されるにはそれだけの努力が必要で、また、だからこそ満足度も高くなり何度も訪れたくなるのだろう。セレブたちにとっては快適な空間が提供されているのだろう、ということが随所に垣間見られる。

個人的にはこんなホテルに泊まったら寛ぐどころじゃなく、かえって居心地の悪さを感じるだろうが、それでもちょっと覗いてみたい、そんな下世話な好奇心も刺激された。
もしそんなことを本当にしたら、警備員に速攻で摘み出されるのがオチだろうが。





by odin2099 | 2019-08-18 21:18 |  映画感想<カ行> | Trackback | Comments(0)
e0033570_19144575.jpg全世界でヒットした、イギリスはBBC製作のネイチャー・ドキュメンタリー「アース」の、10年ぶりに作られた第2弾で、イギリスと中国の合作作品。

日本では昨年暮れに公開されたが、上映劇場が少なく都合がなかなかつかずに見送っていたものを、ソフトがリリースされたのでようやく鑑賞。
オリジナル版はロバート・レッドフォードがナレーターを務めているが、日本語版は佐々木蔵之介が担当。

「あなたが過ごす一日は彼らと同じ一日」というコピーが付いているが、太陽が昇り、沈み、そして夜が訪れるという流れの中で、世界各地の様々な生き物を紹介していく、という構成になっている。
ということで、「アース」というタイトルは冠さなくても良かったのではないかと思うほど共通点はない。

中国の朝、早くに目が覚めるジャイアントパンダ。
アフリカ大陸では、夜通し狩りをしていたサーバルが、最後のデザートに、とばかりにネズミを襲う大ジャンプ!
ガラパゴス諸島では、太陽エネルギーを溜めないと動けないイグアナが日光浴。その傍らでは今しも新しい命が誕生していくますが、孵化したばかりのイグアナの赤ちゃんに迫るヘビの魔手!
サバンナで試練にさらされるシマウマの母子。
太陽が勝利を収め、凍った海の割れ目から姿を見せるイッカク。
縄張りとメスを求めて西部劇のような決斗を繰り広げるキリン。
我々と似たような暮らしを送るマッコウクジラ。
危険な子育て中のペンギン、etcetc

ヒグマのダンス、ナマケモノの泳ぎ、ハチドリとミツバチの水入りの勝負、たった一日だけの生涯を送るカゲロウ、といった姿は正にアメイジングですが、美しい映像は睡魔をもたらすのも必定。
眠れない夜にはお勧めの一篇かと。



by odin2099 | 2019-07-24 19:18 |  映画感想<ア行> | Trackback | Comments(0)
e0033570_09522398.jpg1969年7月20日、アポロ11号は月に着陸したが、それから50年、全編当時の記録映像のみで構成されたドキュメンタリー映画が公開された。

ナレーションはなし、テロップも必要最小限、音声は飛行士と管制官とのやり取りと、報道機関のアナウンスのみ。

これまでにも幾つかアポロ計画を取り上げたドキュメンタリーを見ているので、見覚えのある映像も多いが、打ち上げから帰還までの大まかな流れを頭に入れておかないと多少混乱するかもしれない。

また専門用語が飛び交う字幕を追うのは一苦労で(しかも訳されていないやり取りもある)、会話とテロップが重なってしまうと事実上両方を読むのは不可能に近いと思うが、それでも50年前とは思えないほど古びていない”生の映像”の迫力は捨てがたい。

公開劇場が少なく、しかもスクリーンの小さいところが多いようなのが残念だ。



by odin2099 | 2019-07-21 09:58 |  映画感想<ア行> | Trackback | Comments(0)
e0033570_19584936.jpgグスタフ・クリムトとエゴン・シーレ、世紀末ウィーンを代表する二人の画家は、昨年が共に没後100年にあたる。

それを記念して作られたドキュメンタリー映画で、この二人とその作品群の紹介だけではなく、19世紀末から20世紀にかけてのウィーン、二人を取り巻く時代の空気といったものをも掬い取ろうとした一篇。
そのためマーラーやシェーンベルグのような作曲家や高名な精神科医であるフロイトなど、同時代のウィーン文化の担い手たちも登場する。

実のところクリムトの絵もシーレの絵も好きではないのだが、優れた才能が集ったこの時代のウィーンには大いに興味あり。
先日も「ウィーン・モダン/クリムト、シーレ世紀末への道」へ出かけてきたが、今回もその流れで鑑賞した。

1時間半強の作品だが、日本語ナレーションというか吹替全体の単調さもあって(頼むから本職を使おうよ)何度か睡魔に襲われたが、クリムトもシーレも苦手と言ってる割に十二分に堪能した。



by odin2099 | 2019-06-20 20:03 |  映画感想<カ行> | Trackback | Comments(0)
世界で最も有名な図書館の舞台裏へ、ということで初めて岩波ホールへ行ってきました。

図書館ってこんなことまでするのか?!、というぐらいその活動は多岐に亘っているんですねえ。
著名人を招いてのトーク企画、ピアノコンサート、読書会、ダンス教室、パソコン教室に就職フェア、ディナーパーティーetcetc。

e0033570_11002186.jpgそれだけでなく館長をはじめ幹部たちの会議の模様や、視覚障碍者向けの録音風景、デジタル化へ向けての撮影風景、大型のベルトコンベアーを使っての返却本の管理ナドナド、本館だけでなく分館(全部で92あるそうだ)も含めての巨大なシステムの一部が公開されています。
市からの出資と民間からの寄付によって運営されているという点もユニークに感じました。
日本とは色々仕組みが違いますね。

しかしこの作品の監督が、フレデリック・ワイズマンだということをすっかり失念しておりました。
ナレーションなし、出てくる人物の紹介テロップなし、何の説明もなく次から次へと映し出される”何か”を、こちらはひたすら追い続けるだけです。

上映時間は3時間25分。
2時間ほど経った時点で途中休憩が入り、トータルでは3時間40分ほど。
これはなかなかの苦行です。
凄く惹かれる内容ではあるのですが、途中で何度か(数秒ですが)記憶が飛ぶ瞬間が…。

思えばこれまでにも「パリ・オペラ座のすべて」、「クレイジーホース・パリ/夜の宝石たち」、「ナショナル・ギャラリー/英国の至宝」と3本の作品を見ましたが、いずれも睡魔との戦いが最大の課題でした。
どうも自分とは相性のあまり良くない監督さんではあります。



by odin2099 | 2019-06-01 11:04 |  映画感想<ナ行> | Trackback | Comments(0)
e0033570_20060293.jpg現役最高齢、85歳(今年の春に86歳に!)の最高裁判事ルース・ベイダー・ギンズバーグに密着し、第91回アカデミー賞では長編ドキュメンタリー賞と主題歌賞の二部門にノミネートされた作品。

法科大学院を首席で卒業しながらも、女性というだけで法律事務所に就職できなかった彼女が、最初は大学の教授としてやがて弁護士として性差別撤廃に向けて働き続け、遂には女性としては史上二人目の最高裁判事に指名されるようになる過程を、本人のみならず家族、同僚、友人それに彼女を指名したクリントン元大統領らのインタビューを交えて構成。
スーパーヒーローとして持て囃される彼女の実情に迫ってゆく。
特に献身的に彼女を支えた亡き夫の姿が印象的だ。

e0033570_20062315.jpg今年は「ビリーブ/未来への大逆転」という彼女をモデルにした映画も公開されているが、あちらでは描き切れなかった彼女の姿を捉えているので、両方を見比べることでより彼女を魅力的に感じられるだろう。

彼女視点でのフィクションとしての面白さ。
一方こちらは第三者視点での客観的な彼女の姿。
ともすればあちらの彼女とこちらの彼女は別人に感じられる時もあるかもしれないが、どちらも同じ人物のコインの表と裏と見ることが出来る。

トランプ大統領に敢然と食ってかかるなど、この人の影響力は今なお絶大。
いい加減に引退しろという声も多いと聞くが、相手が誰であろうと正しいと思うことをきちんと口に出来る、物を言える存在は貴重である。




by odin2099 | 2019-05-15 20:11 |  映画感想<ア行> | Trackback | Comments(0)
タマ&フレンズ/タマとふしぎな石像」、「飛び猫/旅する飛び猫」、「猫のダヤン/ダヤンとジタン」の3本立て…だと思っていたのだが、一本にパッケージ化されたオムニバス映画だった。

e0033570_19354965.jpgてっきりかつての<東映まんがまつり>や<東宝チャンピオンまつり>のような番組編成なのかと思いきや、「旅する飛び猫」で始まり「タマとふしぎな石像」が続き、その後に「飛び猫」パートの後半を挟んで「ダヤンとジタン」があって、3作統一のエンドロールが流れるという構成。
むしろ「ウルトラマンUSA」をメイン興行にした<ウルトラマン大会>に近い(余計わからない)。

旅する飛び猫」は瀬戸内海の島で暮す猫の親子を映したもので、ベストセラーとなった写真集「飛び猫」の五十嵐健太が引き続き撮影。寝て起きて遊んで食べて…といった日常を追ってるだけだが、見ているとついニヤニヤしてしまう。

タマとふしぎな石像」は、ふしぎな石像に触れたタマたちが、過去にタイムトリップしてタマが生まれる前日の母親に会うというお話。キャラクターが大勢いて誰が誰やらサッパリわからなかったが、見ているうちにそんなことは気にならなくなってくるほどタマたちに癒されていく。

ダヤンとジタン」はこれまたキャラクターの設定や世界観を全く知らずに見たが、魔王がいたり魔物がいたりの不思議な世界が舞台になっているということだけ了解して、そのまま自然に物語世界へ入って行けた。ちょっと気になる世界観だけに機会があれば他の作品(TVアニメ)もチェックしたい。



by odin2099 | 2019-05-13 19:39 |  映画感想<タ行> | Trackback | Comments(0)
ナチスドイツによって奪われた数々の美術品、そしてそれに関わった人々を描いてゆくドキュメンタリー映画。

e0033570_09031590.jpg何故ヒトラーは美術品の収集にこだわったのか、それに加担した人、それに抵抗した人たちはどのような運命をたどったのか。美術史というよりは、やはり第二次大戦を側面から描いたもの、という印象だ。

「究極の美と権力に秘められた名画ミステリー」などというコピーが付けられているが、そこから想像されるような知的好奇心を満たしてくれるようなものではない。

為政者たちの内面の掘り下げはされず、ただ単に淡々と語られる史実は、正直眠気を誘われる。
ある程度の知識と教養を要求されるタイプの作品だと言えよう。

ちなみにタイトルは「ヒトラーVSピカソ」と付けられているが、この両者を比較対比して論じている訳でもなく、またピカソの比重も大きくはない。
締めにピカソの言葉が使われているだけで、過大広告気味な点は否めない。



by odin2099 | 2019-05-02 09:08 |  映画感想<ハ行> | Trackback | Comments(0)
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