【徒然なるままに・・・】

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「きのふの是はけふの非なるわが瞬間の感触を、筆に写してたれにか見せん」(森鴎外『舞姫』) HNは”Excalibur(エクスカリバー)”

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予告編などでチェックしていて「これ、観たいなあ」と思っていたのに、いざその時が来ると上映館数の少なさにうっかり見落とし、最近になってようやく近場で公開していることに気付いて慌てて観に行ってきました。

e0033570_21471478.jpgドイツ、オーストリア、フランス、イタリア、スロベニア、リヒテンシュタイン、そしてスイスと七か国に跨るアルプス山脈を空撮したドキュメンタリー映画ですが、これは凄い映像です。
アメリカの諜報局が開発した特殊カメラを搭載したヘリコプターで撮影したそうですが、振動による画面のブレは殆どなくズーム撮影もスムーズ。まるで自分が空を飛んでいるかのような気分を味わえます。


ネイチャードキュメンタリーにありがちな「自然破壊への警鐘」といったようなメッセージ性も強くなく、また極力人類の営みを排した自然賛美な演出も見られないため、人跡未踏の地と思いきやそこで暮らす人々、あるいはそこで遊ぶ観光客の姿もカメラはしっかりと捉え、戦争の爪痕や開発の手が入った惨たらしい姿もそのまま映しだし、大いなる山のあるがままを見せてくれる構成になっています。


この手の作品は途中で退屈したり、時折眠気をもたらすことも少なくないですが、この作品に関しては1時間半があっという間でした。
この監督には他にも日本未公開の航空映像ドキュメンタリー映画があり、ドイツ本国では大ヒットを記録したそうですが、是非そちらも観てみたいものです。


【ひとこと】
日本版はナレーションを小林聡美が担当。
好きな女優さんではあるものの、ナレーション向きの声質、喋り方ではないことを認識させられた次第…。


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by odin2099 | 2015-06-25 21:48 |  映画感想<ア行> | Trackback | Comments(0)

e0033570_22282684.jpgデニス・クロスビーを案内役にした(彼女は製作側にも一枚噛んでいる)『スター・トレック』ファンを題材にしたドキュメンタリー映画で、レナード・ニモイ、デフォレスト・ケリー、ウォルター・ケーニッグ、ジョージ・タケイ、ニシェル・ニコルス、ブレント・スパイナー、ジョン・デ=ランシー、ケイト・マルグルーら出演者のインタビューも収録。


ファン大会の会場レポや、そのイベントに参加している内の何人かのコアでディープなファンへの密着取材を敢行。
コスプレでファン大会へ乗り込むなんざ可愛い方で、自分の診療所を内装から衣装までスタートレック一色に染めてしまった歯科医師、裁判に宇宙艦隊の制服のまま臨む女性、クリンゴン語講座に集う人々、親子二代のファンら何れも常軌を逸した人たち。出演者たちもファンとの「ちょっといい話」を披露したりと、意外にも(?)好意的な反応が寄せられている。


こういったファン活動を羨ましがる気持ちもないではないが、自分には無理だ。それにアメリカならでは、かなあとも思う。日本でもたまにニュースやワイドショー、ドキュメンタリー番組などでヲタクを取り上げることがあるけれども、やはりスケールが違う。


もし仮に日本で、例えば「ガンダム」ファンを追いかけたドキュメンタリー映画を作ったとしたら、ここまで愛すべきものにはならず、もっと「痛い」作品になってしまいかねない。
せいぜい『非公認戦隊アキバレンジャー』みたいにフィクションに留めておくのが無難そう。あれだって笑えない人は決して少なくなかっただろうけれど。


【ひとこと】
レナード・ニモイ、ハーブ・ベネットと、このところシリーズ関係者の訃報が続いて寂しい。
オリジナル・クルーも鬼籍に入った人が増えて来たなあ…。


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by odin2099 | 2015-03-11 22:32 |  映画感想<タ行> | Trackback | Comments(0)

e0033570_21045180.jpg世界中から愛され、多くのセレブな愛好家もいるという、パリの高級ナイトクラブ<クレイジーホース>。そこで提供されるショーは内容も、ステージに立つダンサーたちも当然ながら超一流。2012年には初の試みとして、ゲスト・アーティストとしてシューズ・デザイナーのクリスチャン・ルブタンを招いたショーが80日間限定で上演された。その反響にも関わらずショーの再演はなされなかったが、それに代わって映画版製作というビッグプロジェクトが立ち上がった。巨大なスタジオにセットを組み、ダンサーへの接写や客席からでは味わえないアングルなどカメラワークの工夫を行い、映画用に再構築して撮影されたのがこの作品で、元々は3D映画として製作されている。


ルブタン自身の<クレイジーホース>への想いや演目の解説、ダンサーたちへのインタビューを盛り込み、光と音を駆使した美しいパフォーマンスの数々。ストリップショーのドキュメンタリーということで、裸のお姉さんたちが踊っている所謂ライヴ映像なのかと思いきや、そんなこんなで一味違ったものになっていた。
ただダンサーたちの激しい動きや官能的な仕草に圧倒されはするものの、不思議といやらしさは感じさせず、むしろスポーツの記録映像を観ているかのような趣き。ダンスに興味がなく、単に女性のヌードを見たいという動機だけでは80分が些か長すぎるように感じられるかも知れない。


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by odin2099 | 2015-02-18 06:18 |  映画感想<ハ行> | Trackback | Comments(0)

e0033570_18471864.jpg84日間に亘りパリ・オペラ座に密着したドキュメンタリー映画。バレエに対して素人で、踊りというものにさほど魅力を感じない自分のようなタイプにとって、こういう映画はかなりきつい。ドキュメンタリーといえども起承転結があれば、門外漢にもわかりやすい。


例えば一つの公演を取り上げ、その企画・立案段階から演出や振付の打ち合わせ、ダンサーたちの練習風景、舞台装置や衣装を製作する過程を順を追って見せて行き、最後は公演当日の本番風景で締めくくるというような構成であれば、その途中での意見の相違やら障害に悩む姿を挟みつつ、徐々にテンションが上がっていく様に共感も出来ると思う。


ところがこの作品ではそうはなっていない。大まかなに練習風景を見せ、後半にはゲネプロだか本番だかの場面が幾つか用意されているので何となく流れはあるものの、画面に映し出される人たちがどんな肩書のどんな立場の人なのかは一切説明されないし、ナレーションやインタビューも皆無。単に日常風景を切り取って継ぎ接ぎしているだけなのだ。


一応は観ていれば「この人が芸術監督なんだな」とか「きっと高名なダンサーなんだろうな」というのはわかってはくるものの、予備知識がない人には凡そ親切とは言えない作り。先日観た『ナショナル・ギャラリー/英国の至宝』もそうだったけれど、この監督の作品作りの特徴であるらしい。
貴重な映像の数々が映し出されていることは見当はつくものの、自分はその真の価値にはおそらく気付くことはないのだろう。それが口惜しい。


【ひとりごと】
個人的にはオペラ座の建物の内部や、そこで働く様々な職業の人たちの姿をもっともっと観たかった…。


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by odin2099 | 2015-02-08 18:49 |  映画感想<ハ行> | Trackback | Comments(0)

経済学者のスティーヴン・D・レヴィットとジャーナリストのスティーヴン・J・ダブナーの共著をベースに映画化。原作は全世界で400万部以上のベストセラーとなった経済書とのこと。


e0033570_22163411.jpg「不動産業者が家を売るコツ」「名前で子供の人生が変わるのか」「大相撲の八百長はデータから見抜けるか」「90年代にアメリカで犯罪の減った理由は」「賞金で高校生の成績が上がるか」等々一見すると「経済学」とは関係なさそうな題材が並ぶが、全ては「インセンティブ(やりがい、成功報酬)」という観点からデータを駆使し解説、あるいは実験を行って実証して見せるユニークなドキュメンタリー映画。


中でも大相撲の八百長問題や暴行死を取り上げたパートで、記事を執筆したライター、記事を連載した週刊誌の元編集長だけでなく、曙や小錦、それに八百長を告発した元力士の板井らにもインタビューを行い、相撲の歴史や特徴、また日本人の特質などを含めてタブー視されている事柄にまで言及し考察しているのは外国人という第三者の視点ならでは。
実際に相撲協会が八百長を認めたのはこの映画の製作後なので、この時点でここまで踏み込んでいるのは賞賛に値する。


また成績が上がると現金が貰える、という条件で生徒たちの成績が本当に上がるかどうかの実験も興味深かったが、一つ一つの検証は面白いものの一本の映画として観ると統一感に欠ける点がやや物足りない。映画にするよりもTVのシリーズ番組として構成した方が良かったのではなかろうか。


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by odin2099 | 2015-02-03 22:17 |  映画感想<ヤ行> | Trackback | Comments(0)

e0033570_19122855.jpg1953年にエドモンド・ヒラリーとシェルパのテンジン・ノルゲイの二人が、世界最高峰への初登頂に成功。その歴史的偉業をアーカイブ映像と写真、それに再現ドラマを交えて描いたセミドキュメンタリー作品。
映し出される雄大な風景は、ただひたすら美しい。


ナレーションに代えて当人たちやその息子たち、隊長をはじめとする遠征隊のメンバーや、この冒険を題材とした書籍を執筆した著者らへのインタビュー音声を全面に流し、再現ドラマ部分も台詞は一切なく、貴重な記録映像と新規に撮影した映像を一体化させており、あたかも全編がドキュメンタリー映像であるかのような錯覚を覚える。


『ロード・オブ・ザ・リング』のスタッフが参加、という謳い文句からすると、再現ドラマがどの程度「本物」に近いのかはわからないが、ニュージーランドの南アルプスや実際のエベレストでも撮影を行った模様。
――と聞くと、全編が特撮ドラマではないのかという軽い失望感も味わうが、まるで今自分の目の前で起こっているかのような臨場感が味わえるのも確かである。


【ひとこと】
この作品は当初『天空の頂き/歴史を変えたエベレスト初登頂』という邦題での公開が予定されていたが、何故か途中で変更された。

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by odin2099 | 2015-01-31 19:15 |  映画感想<ハ行> | Trackback | Comments(0)
e0033570_20583046.jpgボリュームに圧倒された映画でした。

英国国立美術館に密着したドキュメンタリー映画で、展示されてる作品の紹介は勿論のこと、展示会の企画立案から修復作業などなどの舞台裏も余すところなく掬い取ったものになっています。

出ている人たちも、カメラ目線のインタビューよりミーティングの一齣だったり、観客への説明風景だったりが中心で、「現場」に拘った見せ方は徹底しているので如何にも「お仕事中」の雰囲気が漂っています。

ただ出てくる人たちの名前や肩書が紹介されないので、どういう立場で何をやってる人なのかがわかりづらいのと、181分は些か長すぎたかと。上映中に何度も睡魔に襲われ大ピンチ!
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by odin2099 | 2015-01-29 06:35 |  映画感想<ナ行> | Trackback(1) | Comments(2)

2003年に閉館、2008年にリニューアル・オープンするはずだったアムステルダム国立美術館。ところがトラブル続きで遅れに遅れて…という舞台裏に密着したドキュメンタリー映画。


e0033570_23095914.jpg2008年に『ようこそ、アムステルダム国立美術館へ』という美術館改修を巡るドキュメンタリー映画が作られていたので、これはてっきりそれの続編なんだろうと決めつけていたのだけれども、チラシにもパンフにもその映画のことは一切触れられておらず、監督もスタッフも同じなのにヘンだなあと思っていたら、なんとリメイクというか増補改訂版みたいな作品になっていた。最初っから観たことある映像が次々と映し出されるのでビックリ。

前作が「工事は順調に遅れてます。いつ完成するのやら」で締めくくった中間報告みたいなもんだとすれば、今回はやっとこさ2013年4月に晴れて再オープンに漕ぎ着けるまでを追いかけた最終報告書ってことになるのかな。ただ上映時間は前作よりも短くなっているのが不思議。


それにしても日本だったら市民からの横槍が入って設計のやり直しとか、嫌気がさして(?)館長が途中で辞任とか、建築家や内装担当者とも自説を譲らずに作業停滞とか、資金難で美術品の落札に失敗とか、そういったことはあまり起きそうもないし、そもそもそんな内幕を大々的に公表することも先ずあり得なそう。お国柄の違いというか何というか…。


前作の方が時間に余裕がある分登場人物たちが巻き起こすドタバタの悲喜劇が愉しめたが(当人たちは勿論大真面目になっているのであるが)、今回はタイトになり、そしてきちんとオチ(なんとか完成!)まで付いているのですっきりした印象に。
もしかすると美術品とかそういうものに興味のない人の方が、より面白みを感じるのかも。


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by odin2099 | 2015-01-21 23:16 |  映画感想<マ行> | Trackback | Comments(0)

e0033570_22542775.jpg海が好きで、波を見ていると飽きないから、サーフィンの映画は何本か観ている。これもそんな一本だろうと思って観たのだけれども、ちょっと違う。

冒頭から盛んに繰り返される「SUP」という言葉、これは「スタンド・アップ・パドル」の略で、要するに”立って乗るサーフィン”とでも解釈すれば良いのだろうか。


この「SUP」が如何に健康的で楽しいか、誰でもすぐに出来るようになる簡単なスポーツであるか、そして実はサーフィンの原型ともいうべき伝統的な乗り方に起因しているか等々を愛好家たちがひたすら語っていくというPR映画でもあるのだ。


泳げなくても、水が怖くても大丈夫。
海だけじゃなく、川や湖でも大丈夫。
風や波が無くても大丈夫。


映画を観ていると「サーフィンは無理でもこれなら出来るんじゃないかな」と思えてくるのは確かで、長らくマイナーな位置付けだったものが、トップクラスのアスリートたちが次々とハマりだしたのに合わせて、近年爆発的に競技人口が増えているらしい。
日本でも徐々に広まりつつあるらしいが、観ているうちに自分もボードを抱えて水に入って行きたくなる、そんなドキュメンタリーになっている。


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by odin2099 | 2015-01-19 22:57 |  映画感想<ハ行> | Trackback | Comments(0)
e0033570_23013504.jpg撮影期間3年を費やしたという台湾製のネイチャー・ドキュメンタリーで、全編が空撮映像。

最初は美しい山々が映し出されるので自然を賛美したものなのかと思って観ていると、やがて森林伐採や採掘のために無残な姿になってしまった山や、廃水で汚染された河川、不法投棄や杜撰なゴミ処理で荒れてしまった海など、環境破壊への警鐘などというレベルではなく(必要悪だとは認めつつも)完全にノー!を突き付けたものに。
なまじ映像が美しいだけに、それが破壊されていく様は恐ろしく冷たく映る。

チー・ポーリン監督は一人で撮影や編集もこなしスポンサー探しにも奔走したらしいが、然もありなん。
この内容では、各方面から横やりは入らなかったのだろうかと余計な心配もしてしまう。

e0033570_23015105.jpg美しい絵に美しい音楽、時折入る単調なナレーション、それに台湾の地理に不案内ということもあってか途中何度か意識が飛ぶ瞬間があったものの、やはりネイチャードキュメンタリーには心打たれることが多い。
特に生き物があまり好きではない自分にとっては、動物や昆虫の類が一切出てこない作品はより好ましいものに思われる。

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by odin2099 | 2015-01-14 06:45 |  映画感想<タ行> | Trackback(2) | Comments(0)

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