【徒然なるままに・・・】

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「きのふの是はけふの非なるわが瞬間の感触を、筆に写してたれにか見せん」(森鴎外『舞姫』) HNは”Excalibur(エクスカリバー)”

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愛読書である立花隆の『宇宙からの帰還』を原作とする映画版は、ひたすら睡魔が襲ってくるという脱力系映画になってしまっていた・・・。
原作で中心を成している哲学や宗教的なテーマ、神の問題はサラっと流されているし、宇宙飛行士たちへのインタビュー映像を除くと、後は殆どがアポロ計画などの記録映像ばかり。本物の持つ迫力という点をスタッフは強調していたが、新鮮味は全くないのだ。
確かに原作に忠実に映画化するとなると、全篇ひたすらインタビュー映像だらけになりかねないのではあるが・・・。

以下は「しねま宝島」からの転載。e0033570_11263485.jpg
  ×  ×  ×  ×
はじめて見た時は殆ど予備知識なしで見た。立花隆の著書『宇宙からの帰還』の存在は知っていたが、読んではいなかった。見ていてただひたすら眠くなった・・・。
その後ようやっと購入して読了。強烈なインパクトを受け、二度三度と再読し改めてこの作品を見た。
何か違った発見があるかと期待して。しかし・・・眠くなっただけだった。

映像は単調である。ただフィルムを繋いだだけのドキュメンタリー。「生の映像は迫力がある」はずだ、という思い込みから何の手も加えずに、である。これだけSFXがもてはやされ、観客の目が肥えているこのご時世に。そしてイージーリスニングに徹しているBGM。伊武雅刀の淡々としたナレーション。眠れない夜のBGVとしてはいいかも知れないが、勝負どころは映画館なのである。この製作意図は如何に・・・?

原作『宇宙からの帰還』は、今でも毎年一回は読み返すほどの愛読書である。その映画化作品が何故にそれほどまでに退屈なのか。イメージを想起させる文章と、直接表現する映像という分野(ジャンル)の差がそうさせるのか? 否、そうではあるまい。

原作のポイントは地球から飛立った宇宙飛行士の、常人とは異なる特殊な体験をなんとか追体験しようという試みがなされていることにある。だから宇宙への「旅立ち」とでもつけるべき題名が宇宙からの「帰還」になっており、地球を離れた少数の人々が、その特殊な環境下でどのような内的なインパクトを受けたのかの考察に焦点が当てられ、宇宙から「帰還」した宇宙飛行士への徹底的なインタビューによって、個々の体験を点描する構成になっている。ところが映画はどうだろうか。宇宙飛行士へのインタビューはあるものの、それはメインではない。画面に登場するのはロケットの打ち上げとか、宇宙遊泳とか、月面の歩行とかといった見なれたフィルムばかり。そこには宇宙体験の精神的・内面的インパクトを窺がえるものは何もない。要は原作と映画は全くの別物であるということだ。そして私が望んでいるのは原作で表現された部分であり、それがスッポリと欠落している映画には全く魅力を感じないというわけなのである。

製作準備期間の少なさ、スタッフのゴタゴタ、監督に予定されていた森谷司郎の急逝・・・・当初の意図と違った方向へ行ってしまったであろうことは想像に難くない。しかしそれも全ては言い訳になってしまう。根本的にこの企画そのものが『ライトスタッフ』のあやかり企画ではなかったのか、どうか。製作者側はもう一度企画立ち上りの経緯を見つめなおして欲しい。

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by odin2099 | 2006-05-25 06:04 |  映画感想<ア行> | Trackback | Comments(0)
e0033570_11332764.jpgケネディ、ジョンソン両大統領の下で国防長官を務めたロバート・S・マクナマラが、キューバ危機、そしてベトナム戦争について語ったドキュメンタリー。

戦争を含めて国の行く末はこうやって決められ、歴史はかく形作られてゆく・・・本音と建前が織り交ぜられながらも、当事者の発言には重みがある。
近現代史の生きた教科書とでも呼べそうな一本。
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by odin2099 | 2006-05-07 08:31 |  映画感想<ハ行> | Trackback(1) | Comments(2)
e0033570_11341853.jpgリュック・ベッソン監督が、構想10年、撮影期間38ヶ月もの時間を費やして作り上げた海洋ドキュメンタリー映画。と言っても学術的な要素は皆無で、海の生き物たちをそのままカメラは捉えているが、巧みな編集を施し、盟友エリック・セラの音楽に乗せて演技させているという点では、これはノン・フィクション映画とは呼べないかも知れない。

公開当時はあの『グラン・ブルー』の”第2章”というような宣伝をされていたが、その面でもこれはフィクションに分類すべきなのかも。
何度でも見たくなる美しい映像、そして音楽なのだが、美しすぎるが故に睡魔に襲われてしまうのが玉に瑕? 今回も途中で癒されすぎて(?)しまった。
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by odin2099 | 2006-05-05 21:40 |  映画感想<ア行> | Trackback(3) | Comments(4)
e0033570_2140594.jpg地球の自然の美しさを称え、環境破壊への警鐘を鳴らすという、NASA全面協力のドキュメンタリー映画。

宇宙からの映像だけでなく、砂漠や氷河、火山等々、地上から、そして海中からの映像も交えて語られるその内容自体に新鮮味はないが、映像の美しさは一見の価値あり

IMAX用の映画だけに一度はあの大スクリーンで堪能したいものだが、もう視聴する機会はないだろうか。
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by odin2099 | 2006-05-04 08:17 |  映画感想<ハ行> | Trackback | Comments(0)
これまた去年公開されたサーフィン映画の一本ですが、一日に2本のサーフィン映画を見てしまったなんて・・・(苦笑)。

e0033570_2394785.jpgで、サイトの方にも書いてありますが、これまで見てきたサーフィン映画のように、何人かのサーファーにスポットを当て、そのテクニックやライフスタイルを紹介するというスタイルではなく、サーフィンの歴史を紹介しながら、その節目節目に現れた男たちをフィーチャーし、かつ海の壮大さをも映し出しているという、正にサーフィン・ムービーの集大成のような作品になっております。
ぶっちゃけ、一本の映画として見ても面白いんです。
『スプラウト』は寝ちゃいそうだったけど、こちらは画面に引き込まれました。
で、今日はとうとうDVD買ってきちゃいました(笑)。
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インタビューされているメンバーの中には、映画監督のジョン・ミリアス(勿論『ビッグ・ウェンズデー』の監督さん)なんかがいるのも面白いですね。
今は何をやってるんでしょう?
すっかり映画を撮らせてもらえなくなってるようで残念・・・。
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by odin2099 | 2006-01-30 23:34 |  映画感想<ラ行> | Trackback(2) | Comments(2)
何故か去年はサーフィンを題材にした映画が何本も公開されたが、これもその一本。

見に行くつもりではいたのだが、劇場で見逃してしまったので、ようやくDVDで鑑賞。
しかし、これは映画館で見なくて良かったかも。体調が悪かったら寝てしまいかねない・・・。

e0033570_1271299.jpgそれぐらい映画としてのまとまりはないし、意図的なものなのかも知れないが画面にノイズがかなりあり、見辛いことこの上ない。かなりサイケデリックな印象で、音楽もそうだが何だかトランス・ムービーのようだ。

ナレーションやインタビューの類が控えめなのは、じっくりと映像を見たい人には良いかもしれないが、それならそれで、もっと見やすい画面作りを心がけて欲しい。せっかくの迫力あるサーフ・シーンがこれでは台無しである。

製作・監督はトーマス・キャンベル。
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by odin2099 | 2006-01-30 06:22 |  映画感想<サ行> | Trackback(2) | Comments(4)
e0033570_1471766.jpgベルリン・フィルの芸術監督サイモン・ラトルの呼びかけで発足した<教育プロジェクト>。その最初は、人種も体格も年齢もバラバラな地元のごく普通の子供たちを集め、ベルリン・フィルの演奏でストラヴィンスキーの<春の祭典>を踊らせるというものだった。カメラはこの6週間に及ぶ子供たちの練習風景を、徹底的に追いかけていく。

最初のうちはあざといだけのドキュメンタリーかと身構えてしまっていたのだが、クラシック音楽になんて興味を持たない子、やりたいことが見つからない子、大人の押し付けに反発する子・・・様々な子どもたちが、やがて振付師の熱意にほだされ徐々に心を開いていき、練習を通じて他の子どもたちと仲間意識を持ち、最後には大きなことを成し遂げる様はなかなか感動的だ。
サッカーの授業ではボールを蹴らせる。美術は絵を描かせる。なのに音楽の時間は静かに聴かせるだけなんておかしい。」「芸術は贅沢品ではなくて必需品だ。」等々のラトルの言葉も印象に残る。

DVDにはメイキング映像とその後の子どもたち、さらには翌年以降に実施されているプロジェクトの様子も収められており、相互補完をなしている。
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by odin2099 | 2005-09-24 23:15 |  映画感想<ハ行> | Trackback(1) | Comments(0)
e0033570_1724243.jpgイルカを追いかけたドキュメンタリー映画、程度の認識しかなかったのだが、実は観客が皆、イルカになれるという幸福な映画だった。

監督・製作のジョージ・グリノーは、『エンドレス・サマー(終りなき夏)』や『ビッグ・ウェンズデー』などの撮影にも携わってきたベテランの”海の男”で、今回はその彼が10年もの歳月を費やし、機材を開発し、撮影方法を工夫し、5年間にも及ぶ撮影をこなした意欲作。
監督曰く「体感映画」とのことだが、カメラは徹底的に”イルカ視点”に置かれていて、イルカを追いかけると言うよりイルカに引っ張られている感じ。殆ど全編に渡ってカメラは水面下にあるため、泳げない人や水が苦手な人は息苦しさを覚えるに違いない。それぐらい圧倒される内容で、その臨場感を表すには「画面を見ているだけで水圧を感じる」とでも言えば良いだろうか。セリフなし、ナレーションなし、音楽のみの至福の21分間だ。

スコット・ウェルッシュの監督・製作による、26分間の『メイキング・オブ・ドルフィン・グライド(『ドルフィン・グライド』が作られるまで)』も同時上映され、こちらではジョージ・グリノーのインタビューをはじめ、撮影秘話が語られ興味深い。
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by odin2099 | 2005-09-15 23:50 |  映画感想<タ行> | Trackback(1) | Comments(0)
e0033570_17242331.jpg予告編を見て、可愛いだけの映画だと思っているとちょっと当てが外れる
確かにペンギンたちの仕草は可愛らしいし、映画にはユーモアを感じるシーンも盛り込まれてはいる。しかし全編に渡って描かれているのは、過酷な生活環境の中で、子どもを産み、育て、そして生き抜くための厳しい戦いなのだ。そして、それを見つめている南極の美しい大自然も、カメラは余すところなく捕らえられている。
生半可な気持ちではなく、真摯な気持ちで画面と向き合って欲しい

・・・とはいうものの、体調が万全でないと、なかなか見ているのは辛い。なまじ画面が美しいだけに、すーっと意識が遠退くような感覚が・・・。
また今回は吹替版の公開がメインのようなので、字幕版で上映している映画館を探し出して見てきたのだけれども、こういうのはどちらが良いのだろうか。
フランス語のナレーションは耳に心地よいのだけれども、吹替の方が画面に集中出来るという利点はあるし。
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by odin2099 | 2005-08-13 23:55 |  映画感想<カ行> | Trackback(4) | Comments(0)
e0033570_154902.jpgとっても美しい映画だ。
3年もの歳月をかけ、100種類以上の渡り鳥を世界40カ国以上にわたって追いかけたドキュメンタリー作品。そもそも鳥になんか関心はなかったのだけれども、予告編の映像が美しかったので興味が出てきた。
かなりの”接写”で捉えた映像や、遥か高々度から(成層圏?)のものなど、一体どうやって撮影したのだろうと思うような驚愕な映像の連続。”動く図鑑”といった按配で、鳥ファンには堪えられないだろう。

ただ最初のうちは良いのだけれども、やはり鳥に興味がないと1時間半強は辛い。この半分、丁度NHKなんかの番組にあるような45分くらいが集中出来る限界かなぁ。それでも、終わってみるとそれほど長さは感じなかったし、最後まで興味が持続していたという不思議な作品。必ずしも”好きな作品”とはいえないけれど、”好きになりたい作品”である。
少なからず残酷な描写も含まれているが、「旅の目的は生き残ることだ」という冒頭のナレーションが効いている。

ちなみに日本語版では安田成美がナレーションを担当。原版にない部分でもナレーションが加わり、親切な反面、うるさ過ぎ。
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by odin2099 | 2005-08-03 00:15 |  映画感想<ワ行> | Trackback(4) | Comments(4)

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