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【徒然なるままに・・・】

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「きのふの是はけふの非なるわが瞬間の感触を、筆に写してたれにか見せん」(森鴎外『舞姫』) HNは”Excalibur(エクスカリバー)”

小惑星リュウグウでの探査を終え、「はやぶさ2」がいよいよ地球へと帰還。
これはその探査行をまとめたドキュメンタリー映画で、初代「はやぶさ」を扱った「HAYABUSA/BACK TO THE EARTH」 と同工異曲の作品。
全編がCGアニメーションでミッションを再現している。

『HAYABUSA2/REBORN』(2020)_e0033570_18475951.jpgというよりも「はやぶさ」を前編とし、後編として「はやぶさ2」のパートを追加した増補改訂版といった方が正しい。
ナレーターの篠田三郎も続投し、相変わらず「はやぶさ」に”君”と呼びかけている。

映像は綺麗だしミッションの内容もわかりやすく紹介されているのだが、全編CGということはつまるところシュミレーション映像と同じ。
これから旅立つのならともかく帰還目前、あるいは期間後に劇場公開する性質のものなのかという疑問が湧くのは前作同様。

また「はやぶさ」を擬人化して語り掛ける手法も気持ちが悪い。
「君の眼はしっかりと目標を捉えているじゃないか」とか「君は多くのものを学んだ」とか、なんだか第三者の”主観”を無理矢理押し付けているように感じられる。

そして「はやぶさ2」を生まれ変わった「はやぶさ」と位置づけ、リュウグウ到達の際には「イトカワの時のことを覚えているかい?」とくるのだが、これでは地球に帰還した「はやぶさ」が再び宇宙へ飛び出したと誤解されかねない。
「はやぶさ2」=復活した「はやぶさ」ではなく、「はやぶさ2」は初代「はやぶさ」の遺志を継ぐ二代目「はやぶさ」なのだから。


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by odin2099 | 2020-12-05 18:50 |  映画感想<ハ行> | Trackback | Comments(0)
立花隆の「宇宙からの帰還」を読み直したので、今度はその劇場版も見直し。

アポロ11号の打ち上げシーンから始まり、アポロ13号の事故を経て、月面着陸に月面探査、そして帰還までを当時の映像でまとめている…のだが、著しく違和感が。

『宇宙からの帰還』_e0033570_11263485.jpgというのも”原作”で大半を占めているのは宇宙飛行士たちへの生のインタビュー。
そして関連書籍や周辺への取材に基づく宇宙飛行士たちの内面へ迫る、という内容だからだ。
特に宗教や哲学へのこだわりは非常に興味深く、かつスリリングなのだが、映画ではそのあたりがごそっと抜け落ちてしまっている。
”原作”では実際の宇宙旅行の過程や、実現へ至るまでの技術的な側面などは二の次で、中心を占めるのはあくまでも”人間”なのである。

アラン・ビーン、スコット・カーペンター、ジーン・サーナン、マイク・コリンズ、ピート・コンラッド、ジム・アーウィン、ジム・ラベル、エド・ミッチェル、ハリソン・シュミット、ウォーリー・シラー、ラッセル・シュワイカートと、この映画でも多くの宇宙飛行士たちが登場するが、宇宙飛行の即物的な感想を述べるに留まり、内面を吐露する場面は殆どない。
これでは何のための映画化だったのか。

当時のパンフには製作時の苦労話が延々と載っているが、ネガティヴな記述が目立ち、苦労話というよりは愚痴ばかり。
難産だったことは察せられるが、もう少し何とかならなかったものか。

<過去記事>
https://odin2099.exblog.jp/3500777/

by odin2099 | 2020-06-29 22:17 |  映画感想<ア行> | Trackback | Comments(0)
先日「宇宙から帰ってきた日本人/日本人宇宙飛行士全12人の証言」という本を読んだのだが、どうにも物足りない。
自分が知りたいのは宇宙飛行士たちが受けた内面的インパクトに対する考察だからだ。

『宇宙からの帰還』 立花隆 _e0033570_20555368.jpgで、この本をまた読みだしたのだが、すごく久しぶり。
ここ5年か10年か、あるいはそれ以上ご無沙汰だったにも関わらず、殆どのページに記憶あり。
少なくても14~5回は読み直してるからなあ、これ。

まだまだスペースシャトルが現役だし、宇宙ステーションは影も形もなく、地上にあってはソ連が健在ということで古さは感じるものの、ここに収められた宇宙飛行士たちの”生の言葉”は今なお新鮮だ。
これからも何度も読み返すことになるだろう。

なお現行の版には、「中央公論」2006年2月号に掲載された野口聡一との対談の抄録が追加されている。

<過去記事>
https://odin2099.exblog.jp/3492198/
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by odin2099 | 2020-06-28 20:57 | | Trackback | Comments(0)
「この宇宙で最も美しい夜明け――秋山豊寛の見た『危機に瀕する地球』」
「圧倒的な断絶――向井千秋の『重力文化圏』、金井宣茂古川聡の『新世代』宇宙体験」
「地球は生きている――山崎直子毛利衛が語る全地球という惑星観」
「地球上空400キロメートル――大西卓哉と『90分・地球一周の旅』」
「『国民国家』から『惑星地球』へ――油井亀美也が考える『人類が地球へ行く意味』」
「EVA:船外活動体験――星出彰彦野口聡一の見た『底のない闇』」
「宇宙・生命・無限――土井隆雄の『有人宇宙学』」
「宇宙に四度行った男・若田光一かく語りき」

以上、エピローグを含めて8つの章から構成されたインタビュー集。

立花隆がアメリカの宇宙飛行士たちのインタビューをまとめた「宇宙からの帰還」を上梓してからかれこれ40年近く。これはその姉妹編とでも呼ぶべき一冊である。
あの頃は影も形も存在しなかった”日本人宇宙飛行士”と呼べる存在が、もう12人もいるというのは感慨深い。

『宇宙から帰ってきた日本人/日本人宇宙飛行士全12人の証言』 稲泉連_e0033570_20572977.jpgその一方で物足りなさというか、もどかしさも感じている。
というのはここに登場する彼らはスペースシャトルなどで宇宙へ飛び出し、宇宙ステーションに滞在したとはいえあくまで地球の軌道上、いわば「地球のすぐ上」にいただけなのだ(これは日本人宇宙飛行士だけではないが)。

地球を遠く離れて月を回り、あるいは月面に着陸し滞在したという経験を持つ飛行士たちとは受けたインパクトは相当違うであろうことは想像に難くない。
そのことは立花隆の前掲書にも記されているが、宇宙開発が進んでいるとはいうものの、まだ宇宙という大海の浜辺で水遊び(それとも砂遊びの段階だろうか)を始めたにすぎない。

その点で本書で語られる各飛行士たちの言葉は、かつての立花隆の著作で触れられた言葉とそう大きく変わるものではなかった。
40年近く経ちながらも人類は、その先に進むことが出来なかったのが残念でならない。

今再び人類を月へ、そして火星への有人飛行を、というプロジェクトが進行中であるが、それらが実現した暁には、我々は宇宙を語る新たな言葉を手に入れることが出来るかもしれない。
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by odin2099 | 2020-06-18 21:00 | | Trackback | Comments(0)
アポロ11号の歴史的偉業を描いた「ファースト・マン」の後は、アポロ13号の”輝かしい失敗”を描いたこの映画。
しかし何度見ても良くできてるな、これ。
ディティールにもこだわった再現度も高いし、もちろんドラマとしても面白い。

それでも見ていて気になる点はいくつか。

例えばジム・ラベルはアポロ11号のバックアップ・クルーの一人。
その彼がニール・アームストロングが月面に初めて足跡を記すとき、自宅で仲間たちとパーティーをやっていてよかったのだろうか。

『アポロ13』_e0033570_21391205.jpgあるいは、本来の13号のクルーはジムにフレッド・ヘイズ、ケン・マッティングリーの3人だったが、打ち上げ直前のアクシデントによりケンが下されジャック・スワイガードが乗り込むことに。
しかしケンに比べてジャックの未熟さが強調され、挙句にはフレッドと衝突する場面までも用意されているのだが実際のところはクルーの仲はどうだったのか。

また映画の後半では、残されたケンが瀕死のアポロを救うために寸暇を惜しんでシュミレーションを繰り返すシーンがあるのだが、いくら13号のついて彼が熟知していたとしても孤軍奮闘ぶりは些か不自然に感じてしまうのだが等々。

コメンタリーとして収録されているジム・ラベル本人(と奥さん)の弁によれば、11号の月面着陸時にはジム本人は管制センターで見守っていたそうで、ホームパーティにしたのはオープニング場面で主要登場人物を紹介するための脚色のようだし、急遽代替要員として抜擢されたジャックは、既にシュミレーターからは数か月も遠ざかっていたにも関わらず腕の良いパイロットだった、との証言がある。
若いジャックを成長するキャラクターとして描くためのこれも脚色のようで、クルーがいがみ合うことはなかったようだ。

それに”救世主”の役割を果たすケンだが、これもジムの弁によれば複数の宇宙飛行士やエンジニアたちの役回りを一人のキャラクターに集約しているとのことである。

要はジムのコメントをまとめると、映画的なウソはいくつかあるものの、かなりの部分は忠実に、正確に再現されている、当事者お墨付きの”事実に基づく”一級の娯楽映画だということ。
ということで、映画の裏側を知るとますます何度でも見直したくなってくるのである。

<過去記事>
https://odin2099.exblog.jp/3362312/



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by odin2099 | 2020-05-20 09:40 |  映画感想<ア行> | Trackback | Comments(0)
<マーキュリー計画>に続くのは<ジェミニ計画>、そして<アポロ計画>。
「ライトスタッフ」の次に見るのは、人類初の月面に降り立った男、ニール・アームストロングの話。

この映画も宇宙開発競争史、アポロ11号の月面着陸ミッションの裏側、いわゆる”知られざる秘話”を描いた映画だとばかり思っていたのだが、いざふたを開けてみるとあくまでニール個人を捉えた映画だった。

『ファースト・マン』_e0033570_19564838.jpgこのニール、優秀なパイロットではあるものの、感情を表にあらわさない面白みのない、どちらかといえば扱い人物として描かれており(劇中でもライアン・ゴズリングは殆ど表情を変えずに演じている)、彼が参加したジェミニ8号のミッションもアポロ11号のミッションも、どちらもトラブルを含んでいるために緊迫感はあるものの、高揚感や爽快感とは無縁の淡々とした描写に終始している。

そしてアポロ11号の華々しい成功で締めくくるでもなく、また宇宙飛行士引退後の生活に触れることもなく、全体を通して重苦しいトーンに包まれたまま、映画は静かに幕を下ろす。
このニールの、僅かに滲み出てくる隠れた人間性、これに興味を抱けなければ、この作品はただただ退屈なものと化すだろう。

【ひとりごと】
この作品にはチャック・イェーガーやガス・グリソム、ジム・ラベルといった、他の作品で中心的に描かれる人物がニールの関係者として登場してはくるものの、取り立てて注釈が付くわけではないので知らなければそのまま流してしまいかねないのが勿体ない。

<過去記事>


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by odin2099 | 2020-05-11 20:08 |  映画感想<ハ行> | Trackback | Comments(0)
「ガガーリン/世界を変えた108分」は、1961年4月に行われたソ連のユーリ・ガガーリンによる史上初の有人宇宙飛行の偉業を描いているが、同時期にアメリカで行われた「マーキュリー計画」について語っているのがこの映画だ。

『ライトスタッフ』_e0033570_20243457.jpgアラン・シェパード、ガス・グリソム、ジョン・グレン、スコット・カーペンター、ウォルター・シラー、ゴードン・クーパー、ディーク・スレイトン――「マーキュリー・セブン」が1959年に選ばれ、1961年のシェパードとグリソムの弾道飛行を経て、ハイライトは翌年のグレンの周回飛行だ。

最後は1963年のクーパーの飛行で幕を下ろす。
アメリカ最後の単独での宇宙飛行だ。

その一方で頑なに速度、そして高度の記録に挑戦し続けるチャック・イェーガーをその対極に置く。
宇宙開発競争、そしてパイロットの矜持を描いた、”神話時代”最後の英雄たちの物語だ。

ちなみに「マーキュリー・セブン」は全員が星々の世界へ旅立ったが、イェーガーは今なお健在である。

<過去記事>
https://odin2099.exblog.jp/3334639/




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by odin2099 | 2020-05-06 20:28 |  映画感想<ラ行> | Trackback | Comments(0)
一度映画館で見ているが、今度はDVDの吹替版で。

『ガガーリン/世界を変えた108分』_e0033570_15554192.jpg字幕で見ている限り、なんか冷たくてイヤな感じに思えたガガーリンだったが、吹替で見るとごくごく普通の青年に思えてきたから不思議なもの。ただガガーリンという人物像は相変わらずあまり見えてこない。
上昇志向は強かったのだろうが、仲間との輪を乱して我を通すことはなかったようだし、映画の中では中心に据えられているものの率先してリーダーシップを取るタイプにも見えない。

そして彼が初の宇宙飛行士に選ばれた経緯も、成績優秀だったからとか、党のお偉いさんに気に入られたからとか、飛行士仲間から一目置かれていたからとは説明されるものの、映画の中できちんと見えてこない。

宇宙飛行士の夢を持ちながらも激しい自己主張をしない男が、なんとなく御しやすいという理由で選ばれ栄光を掴む、という場面で終わってしまうので薄っぺらい作品に思えてしまうのが残念だ。
最後に彼のその後の運命が簡潔にテロップで表現されるが、むしろドラマとして描くべきは宇宙飛行後の後半生だったのかもしれない。

【ひとこと】
あと5分ほど切り詰めれば、この映画の上映時間も108分になったのだが。

<過去記事>



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by odin2099 | 2020-05-05 16:02 |  映画感想<カ行> | Trackback | Comments(0)
7年ぶり2度目(前回の記事はこちら)。
JAXA筑波宇宙センターに行ってきた。_e0033570_19270081.jpg
急なお休みで、さてどこへ行こうかな?と色々考えた中で土壇場で(?)ここにしました。
JAXA筑波宇宙センターに行ってきた。_e0033570_19270727.jpg
平日だからまあまあ空いてたんですが、ちょうど修学旅行だか社会科見学だかの学生の集団とバッティングしちゃったのが残念…。
JAXA筑波宇宙センターに行ってきた。_e0033570_19271034.jpg
今の主役は「はやぶさ2」ですね。
JAXA筑波宇宙センターに行ってきた。_e0033570_19272865.jpg
「きぼう」、前に来た時とは入口が違ってました。
JAXA筑波宇宙センターに行ってきた。_e0033570_19272016.jpg
前はここが出入り口だったはずですが、今は側面から。
JAXA筑波宇宙センターに行ってきた。_e0033570_19273153.jpg
前回来た時の主役「はやぶさ」はちょっと隅に追いやられてます…。

ついでにエキスポセンターにも行ってきましたけど、今回も中に入らず。
プラネタリウムがメインみたいですけど、面白いのかなあ。
JAXA筑波宇宙センターに行ってきた。_e0033570_19274436.jpg
そして駅前の東映ヒーロー物でお馴染みの場所にも。
ここ来るとテンション上がります。
JAXA筑波宇宙センターに行ってきた。_e0033570_19275155.jpg

by odin2099 | 2019-11-14 20:12 | ミュージアム・イベント | Trackback | Comments(0)
『アポロ11<完全版>』(2019)_e0033570_09522398.jpg1969年7月20日、アポロ11号は月に着陸したが、それから50年、全編当時の記録映像のみで構成されたドキュメンタリー映画が公開された。

ナレーションはなし、テロップも必要最小限、音声は飛行士と管制官とのやり取りと、報道機関のアナウンスのみ。

これまでにも幾つかアポロ計画を取り上げたドキュメンタリーを見ているので、見覚えのある映像も多いが、打ち上げから帰還までの大まかな流れを頭に入れておかないと多少混乱するかもしれない。

また専門用語が飛び交う字幕を追うのは一苦労で(しかも訳されていないやり取りもある)、会話とテロップが重なってしまうと事実上両方を読むのは不可能に近いと思うが、それでも50年前とは思えないほど古びていない”生の映像”の迫力は捨てがたい。

公開劇場が少なく、しかもスクリーンの小さいところが多いようなのが残念だ。



by odin2099 | 2019-07-21 09:58 |  映画感想<ア行> | Trackback | Comments(0)
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