



















石器時代を舞台にした「紀元前百万年」を、レイ・ハリーハウゼンのダイナメーション(パペットアニメ)を用いてリメイクした、イギリスはハマー・プロの作品。
未だきちんとした言語を持たず、文明の曙の頃の我々のご先祖様と、それよりも時代を遥かに遡った太古の時代に地球上を闊歩したと思しき恐竜さんたちが共存しているという図は、一般的には「ありえねー」の一言で片付けられてしまうだろうけれど、それを示唆するオーパーツも存在することだし、これは”定説”の方が間違ってるんじゃないの? 少なくてもスクリーンの中では、そうじゃなくちゃつまらない。ということで楽しく鑑賞。ちっちゃい頃にTVで放送されたやつを何度か観ていると思うけれど、ちゃんとした形(?)で観るのは今回が2度目か3度目。実は最初の方は結構だるいのだけれども、映画が始まって三分の一ぐらいが経った頃にラクエル・ウェルチが登場すると一気に目が覚める。
この映画、確かに見せ場はハリーハウゼンの魔法の手によって生き生きと描き出される恐竜さんたちにあることは間違いないのだけれども、全編通して楽しめるのは、半裸で動き回るラクエル・ウェルチのグラマラス・ボディ。”20世紀最高のグラマー”とは良く言ったものだ。
前作「ミクロの決死圏」では助演扱いだった彼女も、この作品ではビリング・トップの堂々たる主演女優。出世したもんである。
というわけで、恐竜大好きな良い子のみんなにも、恐竜好きなフリをしてるだけの悪い子のみんなにも、等しくお勧めの一本。
ただ、あまりにも邦題から過剰な期待をしてしまうと、恐竜さんたちはそれほど出番が多くはないのでガッカリしてしまうかも…?
――というのが10年くらい前にこのブログに書いた記事なんだけど、今回も同じ感想。
ちょっと違うのは、お話が単調なので途中でだれてしまったことくらいかな。
お話は「紀元前百万年」と殆ど同じ。多少前後したりシチュエーションが変わったりというのはあるけれど、見覚えのあるシーンが色々出てくる。
違うのはトゥマクの部族の風習やキャラクターたちが細かく描かれてる点。それにロアナが翼竜に浚われるシーンから始まるクライマックスが異なる展開を迎えること。旧作は二つの部族が協力して恐竜を倒してメデタシメデタシだったが、本作では火山の噴火で容赦なく犠牲者が続出し、最後に生き残った人たちが呆然と変わり果てた大地を見つめるところでエンド。なんだかドライだ。
カラーになり、トカゲ恐竜も勿論、ストップモーションで命を吹き込まれた恐竜たちもパワーアップしてるけれど、一番パワーアップしてるのは両部族の女性キャラたち。皆格段に露出度がアップ。
そしてなんといってもヒロインのロアナがボリュームアップ。やっぱりこの映画、ラクウェル・ウェルチを見るためのものだよなあ。
<過去記事>
その辺りの予備知識なしで見ていたので最初は混乱したが、ここで物語は一気に過去の世界へと飛ぶ。

そんな時に火山が噴火、そして恐竜が襲い掛ってくる。トゥマクはなんとかロック族とシェル族をまとめ、見事に恐竜を撃退し、ようやく平和が訪れる。
それよりもいくら原始人とはいえ、出てくる人物がトゥマクをはじめバカばっかり。嫌な奴だらけなので、見ていてイライラしてくる。精神的に未発達で子供のような存在だったのだろうと製作側は考えていたのだろう。

もはや”恐竜映画”ではなく、完全なる”怪獣映画”だ。
あれから3年、イスラ・ヌブラル島の火山が活発な活動を始めたため、島に残った恐竜たちの絶滅が危惧されていた。
クレアは恐竜保護団体を設立し恐竜を救い出そうとしていたが、上院の特別委員会の緊急討議の席上では保護しないとの結論が出された。そんな時クレアはロックウェル財団から恐竜保護の申し出を受ける。
かつてのハモンドのパートナーだった富豪ロックウェルは、自身の持つ広大な土地に恐竜の保護施設を準備していたが、島の施設にアクセスできるクレアの助力が必要だったのだ。
そして恐竜救出の適任者として渋るオーウェンを説得し島へと向かうが、実はロックウェル財団の経営者ミルズの思惑は別にあった。彼は恐竜を密売し、巨額の富を得ようとしていたのだ。それに気づいたオーウェンとクレアは、何とかそれを防ごうとするのだが…。
ジェフ・ゴールドブラムの復帰が大々的に扱われていたが、マルコムは映画の最初と最後に出てきてテーマを投げかけるだけで、主要なキャラクターとは誰も絡まない。一種のブックエンドみたいなものだった。

ロックウェル財団の創始者ベンジャミン・ロックウッドは、故ジョン・ハモンドの元ビジネスパートナーだったが、とある理由で袂を分かった人物。ミルズに利用されていただけ、ということで免罪符が与えられてはいるものの、ハモンドと訣別した原因が人体のクローン化にあったとあれば「白」と断言出来かねる人物だろう。
【ひとりごと】
髪型が変わったせいか、クレア役のブライス・ダラス・ハワードが前作以上に魅力的。それに心なしか胸元を強調するショットも増えたようで、なんだかドキドキ。

とにかく目まぐるしい展開で、新たなキャラクターもバンバン出てくるし、一行は基本的に2グループに分かれて別行動をとってるからあっちこっちで事件が起きてしまうのだが、実は肝心の恐竜は顔見せ程度。秘境を舞台にした探検モノを見た気分にはならないこともないが、恐竜映画を見た気にはあんまりならない。
以前にも書いた通り、第1作(「ジュラシック・パーク」)と同じ島が舞台になっているのはこの4作目が初。
2作目(「ロスト・ワールド/ジュラシック・パーク」)3作目(「ジュラシック・パークIII」)とは舞台も違うしお話も直接繋がっていないので、このシリーズは2~4作目の全てが1作目の続編という珍しい構成になっている。

クレア役のブライス・ダラス・ハワードは絶世の美女でもセクシーだとも思わないが、後半でタンクトップ姿も勇ましくサバイバルする姿はグッとくる。
オーウェンを演じたクリス・プラットは、「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」のスターロードとは打って変わっておちゃらけは封印。終始キリっとした二枚目役を通しており、これまた格好良い。
この人の助手で、甥のザックとグレイのお守りを押し付けられるザラは本当に気の毒な女性で、兄弟の自分勝手な行動に振り回され、挙句にプテラノドンに捕食され…たかと思いきや最後はモササウルスの餌食に。
友人相手と思われる電話の内容からすると、近々結婚を控えていたらしいのに……。
今回も吹替で鑑賞。
オーウェンの玉木宏、クレアの木村佳乃、グレイの松岡茉優は何度聴いても酷いもんだ。
【ひとこと】
クライマックスに登場するT-REXは1作目からの生き残りらしいが、寿命は何年ぐらいあるんだ?
<過去記事>
前にも書いたかなと思うけれどこのシリーズ、「ジュラシック・パーク」→「ロスト・ワールド/ジュラシック・パーク」→「ジュラシック・パークIII」とお話が繋がってるワケではない。
2作目の「ロスト・ワールド」は1作目の続きだけど、3作目の本作も1作目の続き。決して2作目が「なかったこと」になってるのではないけれど、2作目と3作目は直接繋がってはいないのだ。

で、この第3作。期待して見に行って、超大作とは思えないお手軽さに拍子抜けしてしまい、長らく良い印象を抱けなかったのだが、最近になってようやく面白く感じるようになってきた。
事件の元凶になるバカ夫婦(元)には、いくら子供の件があるとはいえ全く同情心を抱けないし、些か強引な展開には劇中のグラント博士ならずとも憤りやイライラを禁じ得ないが、いきなりの容赦ない恐竜大暴れに始まり、中盤以降は死亡フラグを次々とへし折る力技のストーリー運び、ジョン・ウィリアムズのメロディをふんだんに使い、その不在を全く感じさせないドン・デイヴィスのスコア、そして90分足らずのコンパクトさ。三部作(当時)の中では一番単純に「怪獣映画」として楽しめるのは本作だ。
「男の子には二通りのタイプがいる」「天文学者になるタイプと、宇宙飛行士になるタイプだ」というグラント博士の台詞もなかなか頷けるし、もしかすると初心者の入門にはこの作品から、というのもアリなのかも。
そういやエリーはなんでアラン・グラント博士と別れて別の人と結婚しちゃったんだろうね。
今回エリーの元を訪れたアランは初めて旦那さんに会い、何の仕事をしてるかを知るのだが、既に夫妻の間には二人の子供もいる。エリーとアランは一体何年会ってない、というか連絡を取ってなかったのかなあ。ちょっと気になる。
<過去記事>
https://odin2099.exblog.jp/10907119/
同じくシリーズ化に意欲を見せたのが「ジュラシック・パーク」で、この2作目を監督した後に、プロデュースに回って3作目4作目を送り出し、今夏には5作目の公開を控えています。

才人スピルバーグといえども、続編には向かない人なんでしょうか。一回やると飽きちゃうタイプの人なんですかね。
うーん…。
前作は一応ヒーロー、ヒロインっぽい役回りとしてアラン・グラントとエリー・サトラーがいて、斜に構えたイアン・マルコムがいて、物語上の悪役ポジションというか”元凶”の位置にジョン・ハモンドがいる、という構図でした(直接的な悪役はデニス・ネドリーですが)。
中心に”常識人”のグラントがいることで、物語はスムーズに転がっていったわけですが、今回は我の強い面々ばかり。
マルコムの恋人サラ・ハーディングも、マルコムの娘ケリーも自己中。
ハモンドの甥ピーター・ルドロー(今回の悪役ポジション)も、恐竜ハンターのリーダー、ローランド・テンポも私利私欲に走るだけ。
皮肉屋のマルコムが一番の常識人に見えちゃうくらいなので、正直みんな恐竜に食われちまえ!ってなものです。
クライマックスも、「キングコング」をやりたかったんですかね。
T-REXをアメリカ本土へ上陸させ、街はパニック状態に。
何とか島へ送り返してメデタシメデタシというのも物語内世界にとっては大甘な解決方法で、これで良いのかなあ、なんて思ってしまいます。
まあこれで良いわけないので更なる続編が作られてるわけですが、実は3作目4作目はこの作品の続きではないので、このマルコムらの判断が正しかったのかどうかはわからないのですが……。
<過去記事>
https://odin2099.exblog.jp/8915775/
https://odin2099.exblog.jp/23120033/