人気ブログランキング |

【徒然なるままに・・・】

odin2099.exblog.jp

「きのふの是はけふの非なるわが瞬間の感触を、筆に写してたれにか見せん」(森鴎外『舞姫』) HNは”Excalibur(エクスカリバー)”

タグ:海堂尊 ( 21 ) タグの人気記事

タイトルに大きな意味はありません。
が、師走でもないのに(?)ドタバタしてる昨今には相応しいかな(苦笑)。
態勢を整えるまで2~3週間、更新が滞りがちになりそうです。
場合によっては2~3日から一週間、ネット落ちしてるやもしれません・・・。

まぁ、例の「1212」までには復活したいと思いますが。
e0033570_23424143.jpg

改めて並べてみると凄いラインアップだなぁ・・・。


今日のニュースで流れてましたが、今度は『ジーン・ワルツ』が映画化だそうで。
↓これですね。
e0033570_915434.jpg

海堂尊作品としては3本目の映画化ですが、今度は東映系で来秋公開。
となると、随分テイスト変わってくるんでしょうね。

菅野美穂、田辺誠一というキャストは微妙かなぁ。というか、個人的にはイメージ違いますね。
院長先生の浅丘ルリ子は、これはいいかも。
他には白石美帆、片瀬那奈、風吹ジュン、南果歩らが出るそうですが、誰が誰の役なのかな。

監督は大谷健太郎、撮影は先月6日から今月7日までで既に終了。
じっくり丁寧に仕上げて欲しいものです。
一方の東宝は、もう田口&白鳥シリーズは映画化しないのかな。

映画ネタといえば、『あばしり一家』が実写で映画化されるそうな。
またもやマンガ原作ですが、そんなに儲かると思っているのでしょうかねー。
失敗してる作品の方が多いのに。
そういや「鉄腕アトム」の海外リメイク『ATOM』って、あんまり話題になってないけどどうなんだろ?
アカデミー賞のアニメ部門で候補になっているとは聞くものの。

どうせなら、↓こっちの方に期待したいね。
e0033570_23444481.jpg

ちゃんと実現するかな。
by odin2099 | 2009-11-13 23:45 | 映画雑記 | Trackback | Comments(2)
産婦人科医が術中死により逮捕され、産婦人科医療に大きな衝撃を与えるという事件が発生して半年後。
「冷徹な魔女(クール・ウィッチ)」と呼ばれる美貌の産婦人科医・曾根崎理恵は、帝華大学の助教として発生学の講師を務める傍ら、産婦人科病院「マリアクリニック」で非常勤の医師としても勤務していた。
かつて帝華大学は「マリアクリニック」をバックアップしていたが、一連の事件の後に手を引き、今は理恵がサポートするのみ。院長の三枝茉莉亜は癌の為に余命幾ばくもなく、また逮捕された医師は彼女の息子だったことから、既に「クリニック」の閉院が決まっていた。
その「クリニック」最後の妊婦は5人。内2人は人工授精によるものだったが、理恵の同僚であり、かつては共に「クリニック」を手伝っていた准教授の清川吾郎は、中の一人が55歳と高齢なことに不審を抱き始める。折しも上司の屋敷教授の口から、理恵が代理母出産に手を染めているとの不穏な噂を聞かされる・・・。

e0033570_22103538.jpg海堂ワールドにまた一人、新たなヒロインが登場。
実は彼女、前作『医学のたまご』の主人公・曾根崎薫クンのお母さん。既に学生結婚の夫・伸一郎とは別居中で作品中で離婚届に判を貰うが、それ以前に女たらしの二枚目・清川と関係も持つなど、奔放というか現代的というか。ただそれもこれも全てが計算づく?と思わせるあたりが「クール・ウィッチ」たる所以か。

舞台は今回都内ということで、お馴染み桜宮市の東城大附属病院の面々は出てこないが、先に書いた通り『医学のたまご』とのリンクは顕著。というよりこの作品は『医学のたまご』の前日譚と言って良く、この作品を読んでからだと薫クンたちを違った目で見るようになる。どこまで作者が意図して相関図を作り上げていたのかはわからないが、これといった破綻もなく世界を構築している手腕には脱帽である。

それにしても産婦人科(に限らず、医療全体だが)の現状はこれほど酷いものなのだろうか。
政権交代も必要だったかも知れないが、もっともっと根本的に見直すべきことが山積しているようだ。

そういえば海堂作品、今度は『ナイチンゲールの沈黙』がTVドラマ化されるようだが、2時間枠で一体何を描き得るのか。別物と割り切れば楽しめる作品になっていることを願うのみだ。
by odin2099 | 2009-10-07 22:12 | | Trackback(12) | Comments(2)
バチスタ事件からようやく立ち直りの気配が見えてきた東城大学医学部付属病院に、再びトラブルの影が?!
倫理委員会の委員長も勤める”グチ外来”の田口の元へ、匿名の告発文書が届いた。
「救急救命センターの速水センター長が、医療メーカーと癒着している。」
高階院長の依頼を受け渋々ながら調査に乗り出した田口の前に現れたのは、あの厚生労働省の型破り役人の白鳥圭輔!
時を同じくして彼の元へも同様の告発文書が届けられたのだが、しかし二つの文書の内容には微妙な相違が見られた。
はたして速水はシロかクロか? そして告発文書を書いたのは一体誰なのか?
そんな折、医療メーカーの担当者が病院の屋上から飛び降り自殺を図るという事件が起きた――。

e0033570_2039254.jpg『チーム・バチスタの栄光』に続く、田口・白鳥コンビが活躍する第2弾(原作小説は第3弾)。
単純に言えば、前作よりも面白い。
如月翔子なんて何のためにいるのかわからないくらいだし、黒崎教授の速水への屈折した想いは残しておいてくれないと、とか色々あるけれど、いっそここまで原作から離れてしまえばかえって面白い。
原作を読んで先の展開を知っているはずなのに、次はどうなるんだろう?とハラハラドキドキしながら2時間を集中して観ていられたので、これならば原作を知らない人の方がより楽しめるんじゃないかと思う。

原作には登場していない前作のメインキャラクター、垣谷と酒井の二人を加えたのもプラス。
物語世界の連続性が感じられるし、何よりも緊急事態に病院内の組織の枠を越え、総力戦で当たっている様子が素直に伝わってくる。
そしてその、クライマックスであるショッピングセンターでの火災事故のシークエンス。
病院内に非常事態が宣言され、リーダーが指示を出し、門外漢は右往左往してしまうものの、それ以外の人間はテキパキと指示に従って行動し、やるべきことを黙々とこなしていく。こういった「プロが仕事をしてる!」という場面は大好きなので、もっともっと長く観ていたかったくらいである。
結果、この映画版はかなり自分好みに仕上がっていた。

ただ原作ファンの立場に立ち返ってしまえば、やっぱりどうなのよと思わざるを得ない映画になっちゃってるのも事実。
竹内結子と阿部寛がミスキャストだとかは今更言っても詮無いことだが、それでも”ジェネラル・ルージュ”速水晃一に堺雅人というのはないんじゃないのかね。
怪しさ全開なので、軽すぎる点に目をつぶれば映画的にはOK出しても良いが、花房看護師長役の羽田美智子とのバランスも悪すぎ。彼はむしろ副センター長の佐藤のイメージなんだが・・・。
ネットの書き込みなどを見ると、速水のイメージとしては加藤雅也とか伊原剛志らの名前を挙げている人が目立つが、それならば納得がいくし、花房には松雪泰子という声も挙がっていたが、それも自分のイメージにも近い。
というよりこのシリーズ、悉く原作を読んで浮かんだ自分のイメージとは違うキャストばかりなのだが、一般的な原作ファンにはどうなんだろ。

それでもこの作品、ヒットして欲しいし、出来れば映画化も続けて欲しい。
次回作に『ナイチンゲールの沈黙』や『イノセント・ゲリラの祝祭』の映画化というのは難しいかと思うけれど、ここまで別モノになっちゃってる以上、いっそ他の作品を”田口・白鳥”コンビに書き換えて作っちゃうのもアリかも知れない。例えば『螺鈿迷宮』とか。

ところで今回、白鳥は怪我をして病院へ運び込まれるという形で登場してくるが、これはTV版『チーム・バチスタの栄光』と同じ。たまたま(?)ネタが被ったのか、それとも意識的にやってるのか・・・?
by odin2099 | 2009-03-12 20:44 |  映画感想<サ行> | Trackback(24) | Comments(10)
e0033570_628537.jpg落ちこぼれ気味の中学1年生・曾根崎薫の父親は、世界的なゲーム理論学者。その父が作成した「潜在能力試験」を受けた薫は、父の問題作成を手伝っていた関係で全国1位の成績を収めてしまう。文部科学省の特別教育プログラムに選ばれてしまった薫は、あれよあれよという間に東城大学の医学部で研究をする羽目に・・・?!

<桜宮サーガ>の中では今のところ最も未来(=2020年)を舞台にしたお話で、実力以上に評価されてしまい、本人の意思とは別のレベルで物事がどんどんと進み、大人の都合で右往左往させられてしまった少年の苦悩というか困惑を、薫本人の一人称という形で描いている。

高階学長、垣谷教授、田口教授(!)、如月翔子看護師長、といった馴染みのある名前が出てきたり、薫の友人の一人が『夢見る黄金地球儀』の主人公の息子だったり、相変わらず「ハイパーマンバッカス」のシリーズが放送されていたり、と他作品とのリンクは健在。中でも一番の驚きは佐々木アツシの再登場だろう。この世界、これからどうなっていくのだろうか。

本来は軽いコメディとして読むべきなのかも知れないが、周囲の無理解な大人、というよりもハッキリとした物語上の悪役の存在が、その立場を鮮明にしていくに従って作品に暗い影を落していき、怒りや憤りを覚えるもののその溜飲が下がることはなく、何やら説教じみた結末へと導かれてしまうこともあって、あまり後味の良いものにはなっていない。それはそれで感情移入しすぎなのかも知れないが。
by odin2099 | 2008-12-25 06:28 | | Trackback(13) | Comments(4)
八年ぶりに現れた風来坊の悪友・ガラスのジョーこと久光穣治に誘われ、しがない町工場の二代目・平沼平介は、とんでもない犯罪に関わることに。
桜宮水族館には、バブルの頃にバラ撒かれた”ふるさと創生基金”の一億円で作られた黄金の地球儀が鎮座ましましている。これをソックリ頂いちゃおうというのだ。
初めは全く相手にしていなかった平介だったが、様々な経緯から手を染めざるを得なくなり、やがては率先して計画を進めるに至るのだが、いざ決行という段になり、予期せぬアクシデントが次々と起こってしまう、というお話。

e0033570_21412582.jpg書く作品書く作品全てが、相互に密接な繋がりを持つという海堂尊の<桜宮サーガ>(?)の一篇。
概ね現在を舞台にしている”田口・白鳥コンビ”のシリーズや、過去に遡って1988年頃の、その登場人物たちの若き日を描いた作品群とは違い、この作品は2013年という近未来なのが目新しい点だし、最早医療サスペンスでもメディカル・エンタテインメントでもない、コミカルな犯罪小説になっているのが大きな特徴。キャラクターの造型も違うし、これまでの作品とはかなり雰囲気が違うので、続けて読んできた人は面食らうんじゃないかな。
ただこれも、作者の新しい側面だ、と歓迎する人ならば楽しめるとは思うけど、それでも従来の作品に比べると若干「落ちる」印象なのは否めない。まぁ、書き手にとって不得手なジャンルなのか、或いは読み手側に戸惑いがあるのかはわからないけど。

で、これまでの作品群を読んできた人なら、『螺鈿迷宮』『ジェネラル・ルージュの凱旋』で起こった”事件”への言及があるのが嬉しいが、驚きなのは『ナイチン・ゲールの沈黙』に出てきた、というよりも実質的な主人公だったキャラクターが再登場してくることだろうか。
これに関しては意外としか言いようがないし、個人的にはあまり納得出来る形でもないのだけれども、それでも旧友の消息が掴めた、という意味では喜ばしいことなのかな。

本家シリーズ(?)では『チーム・バチスタの栄光』に続いて『ジェネラル・ルージュの凱旋』の映画化が発表されたが、そちらはどうも期待薄。むしろこの作品のような小品の方が、映画としては面白くなりそうなんだけれども・・・?
by odin2099 | 2008-12-12 21:42 | | Trackback(11) | Comments(4)
「外科研修医世良が飛び込んだのは 君臨する”神の手”教授に新兵器導入の講師、技術偏重の医局員ら、策謀渦巻く大学病院・・・・・・
大出血の手術現場で世良が見た 医師たちの壮絶で高貴な覚悟。」

うーん、相変わらず濃ゆいキャラクターたちが、凄まじい物語を展開してくれています。
これ、『チーム・バチスタの栄光』に始まる一連のシリーズ物の一冊で、時代はタイトル通り1988年(昭和63年)、舞台は勿論東城大学医学部付属病院。
既に”ミステリー”の冠が取れた”メディカル・エンターテインメント”の、通算5作目ということになります。

e0033570_732181.jpg主人公は世良雅志という研修医で、彼が入局した佐伯外科で様々な人に出会う、というのが基本ライン。
そこにはまず”神様”の佐伯教授がいて、その下に黒崎助教授がいて、世良の先輩には垣谷がいて・・・と、これだけでシリーズの読者ならニヤリものですが、そこへ帝華大学から派遣されてきたのが高階講師!
後の高階病院長その人で、これがまぁ”ビッグマウス”なんて呼ばれているくらい型破りな人で、病院長時代しか知らない自分らにとっては「え?」という感じではありますが、この頃から黒崎教授とそりが合わなかったんだなぁ、なんてこともわかって更にニヤリです。

また医局には藤原さんが婦長として働いていて、その部下に猫田主任がいて、そして新人で花房さんがいて・・・と並べられると、一体作者はどの段階から人物の相関関係を考え、伏線を張ってるんだろう?と感心してしまいます。
そうそう、学生時代の田口、島津、速水のトリオもちょこっと顔を出してくれるのはサービスでしょうか。これがまた、如何にも「らしい」のが嬉しいですね。
そんな中でも最も曲者なのが渡海征司郎という外科医で、このお話の中での影の(いや、真の?)主役ともいえる存在。
世良は良くも悪くもこの人から大きな影響を受けていきます。

クライマックスはちょっとしたミステリー仕立てになりますが、ある程度展開が読めてしまうのが玉に瑕。
とはいえ、そこまでの怒涛の展開は厭きさせませんし、それまで断片的に語られてきた人間関係、特に確執が明らかにされる部分はちょっとした快感です。ますます、この”桜宮サーガ”にハマってしまいそう。そして、今回新登場の世良や渡海の再登場にも期待したいところです。
キーワードは「北」、かなぁ・・・。
by odin2099 | 2008-11-09 07:33 | | Trackback(14) | Comments(8)
e0033570_17101867.jpg東城医大の落ちこぼれ医学生・天馬大吉は、ある日幼馴染みの新聞記者・別宮葉子から、碧翠院桜宮病院への潜入取材を依頼される。桜宮病院は宗教法人と老人介護センター、それにホスピス施設を一体化した複合型病院施設であり、地域の終末期医療を担う施設としてマスコミに取り上げられたこともあったが、どうも胡散臭い噂も流れているらしい。
渋々ながら介護ボランティアとして病院へと通い始めた天馬だったが、そこに現れた姫宮というドジな看護師のせいで骨折、一転して入院患者となってしまった。更にそこへ白鳥と名乗る怪しげな医者まで現れて・・・。
だがそんな中で天馬は、立て続けに患者が亡くなることに大きな疑念を抱いていた。

海堂尊が、桜宮市という架空の街を舞台に描いている”メディカル・エンターテインメント”の一冊。
刊行順では『チーム・バチスタの栄光』『ナイチンゲールの沈黙』に続く三冊目ということになるが、時系列的には続く『ジェネラル・ルージュの凱旋』よりも後になる。
東城医大病院にバチスタ・スキャンダルが巻き起こってから一年半後、今回白鳥が乗り込んでくるのは東城医大のサテライト病院としての位置付けを持つ桜宮病院。この病院の名前は『ナイチンゲール~』や『ジェネラル・ルージュ~』でも何度か取り沙汰されているが、今度は病院内部から東城医大との関係も含めて、医療界の暗部が抉り出されるという趣向。
ちなみに看護師として潜入捜査することになった白鳥の部下・”氷姫”こと姫宮が、その実戦経験をつむために東城医大病院に派遣される件は『ジェネラル~』にある。
田口・白鳥コンビではないのと(田口はちょこっとだけ顔見世出演)、出版社が別なのでシリーズ外作品ということになるのだろうけれども、それぞれの作品は密接に絡みあっているので、事前に読んでいたほうが面白みが増す。

今回も一筋縄では行かない個性的なキャラクターが目白押し。あの白鳥が圧倒される人物も含めて、そのキャラクター作りの才、読み出したら止められない”ジェット・コースター・ノベル”を生み出している筆運びの妙、そして面白くもまた色々と考えさせられる内容になっているストーリーテリングぶりには敬服させられる。
今回はちょっとしたホラー風味の味付けがなされているように思えたが、著者の引き出しの多さを感じさせてくれるのもマルだろう。
by odin2099 | 2008-11-02 17:11 | | Trackback(8) | Comments(6)
『チーム・バチスタの栄光』『ナイチンゲールの沈黙』に続く田口・白鳥コンビ最新刊――と帯にはあるものの、この作品の前に『螺鈿迷宮』という作品が出版され、しかも同じ世界を舞台にしているのだから、実際はシリーズ第4弾と呼ぶのが適切かも知れない。
しかし出版社が違うことや、白鳥は出てくるが田口は出て来ないらしいのと、何よりも時系列的にはどうやら「後」になるようなので、こちらを先に選んだ次第。

e0033570_1962948.jpg田口の許に、”血まみれ将軍(ジェネラル・ルージュ)”と異名をとる救急救命センターの速水部長が、特定業者と癒着しているという匿名の告発文書が届いた。高階病院長の依頼によって田口は調査に乗り出すことになるものの、倫理問題委員会(エシックス・コミティ)の介入もあり、事態は思わぬ方向へ。
ということでまたも貧乏くじを引いた田口センセが悪戦苦闘しているところへ、ロジカル・モンスター白鳥がやってきてかき回す、という趣向。

凄いのはこれが、前作『ナイチンゲールの沈黙』と同時並行の物語ということだろう。
あの作品では浜田小夜と如月翔子という二人の看護士が登場するものの、メイン・ヒロインとなるのは小夜だったが、こちらの作品では逆に翔子が重要なキャラクターとなる。
同じ病院内とはいえ、各所で様々なドラマが繰り広げられているのは現実世界では当たり前だが、二つの小説が相互補完しあうというのはなかなか珍しいのではないだろうか。
しかしあちらであんな大事件が起こっている時に、こちらではこんな事態が巻き起こっている。双方に付き合わされた田口センセは誠にお気の毒なことだ。

物語としては、内部告発の内容は事実か、だとすれば告発者は一体誰なのか、が一応メインのポイントとして進むのだが、実際に強調されているのは医療現場の実態に対する警鐘、というよりも悲鳴だ。決して褒められた行為ではないが、さりとて全面的に否定も出来ない矛盾を孕んだ問題でもある。
そしてその内容も、医療ミステリーというよりは法廷サスペンス物に近い。
物語上の敵役がややステレオタイプなのは気にかかるものの、かえって裁かれる側に感情移入しやすく、面白く読み終えることが出来た。前作の、ややファンタジー寄りの展開には釈然としないものを感じたが、こちらは畳み掛ける展開に一気読みしてしまった。

そういえば今月から『チーム・バチスタの栄光』が、映画化に続いて今度はTVドラマ化されたので一話を観てみたのだが、映画版で女性に変えられてしまった田口センセは、今度は落ちこぼれ気味の若造に。
原作にはないレギュラー・キャラクター(なんだろうなー、あれは)を付け加えたり、キャラクターを変えたりしているようだが、どうして皆して弄繰り回すかなぁ。連ドラだから一話から白鳥を出すのは仕方ないにしても、原作そのまんまで充分面白いのに。
まぁ原作や映画版とは犯人を変えるかも?という話なので、それだけを楽しみに見るとするかな。
by odin2099 | 2008-10-19 19:08 | | Trackback(14) | Comments(4)
e0033570_22422044.jpg『チーム・バチスタの栄光』の続編、というかシリーズ第2弾。あのバチスタ・スキャンダルから9か月後、舞台は同じ東城大学医学部付属病院で、再び事件が起る!
――ということで田口がまた難題・難問解決に駆り出され、いつの間にかそれに白鳥も加わって大騒動が繰り広げられるというミステリー作品。

といってもミステリー部分は弱いかも知れません。
確かに殺人事件が起り、中盤以降はその犯人探しも大きなテーマになってはくるのですが、犯人が誰かとか、その動機は何だ、ということよりも病院内部(医師や看護士だけでなく入院患者も含めて)の人間ドラマの比重が大きくなってくるからです。
実際、前作に比べると田口は随分と後ろに下がった印象ですし、白鳥の出番もさほど多くはありません。その分新しいキャラクターが多数登場し、なかにはかなり個性的な人物もいますので最初のうちは収拾つかなくて困ったのですが、終盤に向けてはそれも段々と収斂していく快感が味わえます。
前作の延長線上の楽しさを期待しているとガッカリするかも知れませんが、作者の、作家としての力量がアップしていることは如実に窺えますので、そういった楽しみはあるでしょう。
by odin2099 | 2008-04-01 22:42 | | Trackback(18) | Comments(6)
第4回「このミステリーがすごい!」大賞を受賞した、海堂尊のベストセラー小説を映画化。成功確率の低いバチスタ手術を次々と成功させ、「チーム・バチスタの奇跡」「栄光の7人」と呼ばれている専門チーム。ところが最近になって立て続けに手術は失敗。それは医療事故なのか、それとも殺人事件なのか?――というミステリー作品だ。

e0033570_0263121.jpg題名だけは早くから知っていたのだけれども、「バチスタ」と聞いてもなんのことやらサッパリだったのでそのまま無視。けれども映画になると聞いて興味が湧き、小説が文庫化されたのを機に読んだところ「こりゃ確かに面白いや」と一気にファンになった次第。
ところが今度は映画の方が、主人公を男性から女性に変えたり、キャスティングを見ても納得出来る人が殆どいないので逆に不安になったりしていたのだが・・・・・・心配していたよりはずっと面白かった。手術のシーンも丁寧に見せていたし、ストーリーの省略具合もまぁまぁ。

ただ、7人もいる<チーム・バチスタ>のメンバー一人一人の扱いは小さい。例えば、メンバー唯一の途中参加となった大友看護士。彼女が加わってからチーム内のコンビネーションが微妙に狂いだし、術死が始まったのでは?という疑惑が持たれるが、これにはちゃんとした理由があり、それが後半の展開の伏線にもなっているのだけれども・・・あっさりとカット。よって映画版の彼女は、単なるドジっ娘扱いなのが非常に気の毒だ。
他にも消化不良になってしまった部分は多々あり、なんとなく薄味の印象。原作小説は濃いキャラ同士の会話劇の面白さもあるのだが、これはやはり主人公の性別を変えてしまった弊害もありそうだ。

面白くなりそうな作品が平凡な作品に。なんとも勿体無い。
by odin2099 | 2008-02-24 00:26 |  映画感想<タ行> | Trackback(33) | Comments(12)
ブログトップ