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【徒然なるままに・・・】

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「きのふの是はけふの非なるわが瞬間の感触を、筆に写してたれにか見せん」(森鴎外『舞姫』) HNは”Excalibur(エクスカリバー)”

タグ:藤子不二雄 ( 24 ) タグの人気記事

石ノ森章太郎の「マンガ家入門」にはじまり、後年の藤子不二雄Aの「トキワ荘青春日記」など”トキワ荘”について書かれたものはかなり読んでいて、主に新漫画党の面々に関するエピソードの大半は知っているつもりでいたのだが、この本を読んではたと気付いたことがある。
これまで読んだものは、エッセイであれ日記であれ漫画であれインタビューや座談会の記事であれ、何れも当事者の視点で語られたものばかりだったことを。

e0033570_19290006.jpg手塚治虫、寺田ヒロオ、藤子・F・不二雄、藤子不二雄A、赤塚不二夫、石ノ森章太郎、永田竹丸、つのだじろう、森安なおや、鈴木伸一、水野英子、長谷邦夫、横田徳雄…といった当事者たちの記録は、その内容の多様性や信憑性は兎も角として、量としてはかなり残されている。
その中からファンたちの共同幻想だったり、自分なりに咀嚼した形で”トキワ荘伝説”のようなものを作り上げていたのだが、客観的な立場で記されたものは(少なくてもこれだけのボリュームで)これまで皆無だった。

ということで、トキワ荘グループに興味を持つ漫画ファンなら誰もが知っているような有名なエピソードも、別の視点から語られ、あるいは知られざる逸話も追加されると新たな驚きを持って受け止めることになる。
また横山光輝や松本零士、ちばてつやといった、同時期に活躍した同世代の非”トキワ荘グループ”の面々のエピソードも挟まれることで、戦後の日本漫画史も点描されるという二重三重の愉しみもある。
本書を機に、もっと様々な”トキワ荘グループ”に関する研究書が続いて欲しいと願っている。

【ひとりごと】
終盤に駆け足で語られるその後の”トキワ荘グループ”メンバーの活躍ぶりだが、虫プロやスタジオゼロでのアニメーションに対する奮闘ぶりも、いつか別の形で読みたいものだ。

by odin2099 | 2019-07-06 19:30 | | Trackback | Comments(0)
「ドラえもん」長編映画の39作目で、今回は辻村深月が脚本を担当し、月を舞台にしたオリジナルストーリーが繰り広げられる。

e0033570_20153307.jpg長編「ドラえもん」の世界はテンプレートがしっかりしているので、次がどういう展開になるのかはある程度予想がつくし、またそうであるが故の安心感を愉しむもの。
のび太とドラえもんが創りだした世界でのなんだかんだが発端で、異世界の住人と遭遇し、障害を乗り越え困難に立ち向う中で友情で結ばれ、最後にはちょっとだけホロリとさせられる別れがあり…というお馴染みのパターン。

そしてリアリティとメルヘンが絶妙な割合でブレンドされているのが「ドラえもん」の”SF”=”すこし不思議”な世界。そんな藤子・F・不二雄テイストはきちんと守られているので、オリジナル?と不安に感じる必要はない。

またテンプレートが確立しているということは、その気になれば誰でも簡単にお話を作れそうなものだが、やはりそれなりの力量のない者だと既存のF先生の諸作品のイミテーションやパッチワークに終始してしまいそう。その点でも本作ではそのハードルを易々とクリアしているので大いに楽しめた。

ラストのオマケ映像によると、来春公開の40作目はどうやら恐竜がメインで出てくるようだ。
そちらも楽しみ。



by odin2099 | 2019-03-08 20:21 |  映画感想<タ行> | Trackback | Comments(0)
映画「ドラえもん」38作目。昨年に引き続き、今年の作品も評判が良いので見に行ってきた。

e0033570_21290360.jpgスチーブンソンの「宝島」に感化され、自分の手で宝島を見つけるんだと張り切るのび太。いまどき宝島なんか存在しないというみんなの声に反して、のび太は「宝探し地図」で宝島を見つけてしまう。折しもテレビのニュース番組では、日本の南に新しい島が誕生したことを奉じていた。

早速宝探しの冒険の旅に出発するドラえもん、のび太、静香、ジャイアン、スネ夫。
ところが島に着いた途端海賊たちが出現。力を合わせて海賊たちと戦うのび太たちだったが、島全体がドームに覆われ海中へと沈んでゆき、静香が浚われてしまう。

海賊たちが去ったあと、ドラえもんたちは漂流していたフロックという名の少年を助ける。どうやら彼は宝島や海賊の秘密を知っているらしい。妹を助けたいというフロックと協力して、皆は静香を助けるために海賊船を追いかけることに。
一方海賊船の中で、静香は自分と瓜二つのセーラという少女と出会うのだった。

相変わらずジャイアンや静香たちの前で、余計な一言を言ってしまうのび太。それをフォローするドラえもん。
なんだかんだで全員揃って冒険へ出発。そこで謎の敵と遭遇し、またゲストキャラと邂逅し…というお決まりのパターンに則った安心して愉しめる一本。

ただ今回ののび太は初めからドラえもんが何とかしてくれると高をくくってるので、そこの部分がちょっと引っ掛かるのと、出てくるのが海賊は海賊でも時空海賊。もちろん単なる悪役ではなく、その目的や行動にはきちんと理由付けがあるのだが、それが何故「海賊」でなければならないのか、どうしてそういうやり方なのか、が見ていて得心がいかない。船内のお宝はいったい何の目的で集めたのか?とか。

せっかくの大冒険活劇、変に未来人だとか、地球滅亡の危機だとかスケールを大きくせず、純粋に宝探しで引っ張って行って欲しかった気もするし、親子の反発から和解へと至るドラマも、何となく決められたゴールに向かって進んでる感じがするのだけれども、まあそんなに深く考えてはいけないのだろうな。
ラストには来春に新作公開される旨の告知が出て終わる。






by odin2099 | 2018-04-01 21:35 |  映画感想<タ行> | Trackback(2) | Comments(2)
e0033570_21062098.jpg猛暑で宿題どころではないのび太は、ドラえもんの提案で漂流する巨大氷山へ。そこで10万年前の氷の中に埋まっていた不思議なリングを発見する。
その落とし主を探そうとジャイアン、スネ夫、しずかと一緒に氷山のルートを辿ると、それは南極大陸へと続いており、その氷の下には謎の古代都市が眠っていた。
謎を解くためにタイムベルトを使って10万年前の世界へやってきたドラえもんたちは、そこでヒョーガヒョーガ星からやってきたというカーラという一人の女の子と出会う。ここは彼女の先祖たちが築いた都市で、彼女とヒャッコイ博士は、故郷の星を氷漬けにした石像ブリザーガを封印するリングを探し求め、ようやくそれを手に入れたものの落としてしまったのだという。
だが遺跡を守っている石像たちに襲われ、更にブリザーガが復活!
はたしてドラえもんたちは地球を氷漬けにされる前に、ブリザーガを封印することが出来るのか?

氷山はどうやって誕生したのか?というウンチク話に、南極大陸の氷の下に眠る超古代文明、はたしてこれは伝説のアトランティスなのか?というロマン溢れる展開、それにドラえもんと偽ドラえもん、ちゃんと本物を見分けることが出来るのか?とのび太とドラえもんとの絆の深さが試される局面があったりと、雄大かつ壮大な音楽に彩られ最初から最後までワクワク。
長篇映画37作目、実に久しぶりに劇場のスクリーンで見る「ドラえもん」だったが、十二分に楽しめた。
過去の世界に取り残されてしまったドラえもんを救うべく、計画を立てリーダーシップを取るのび太の姿が逞しい。

ヒョーガヒョーガ星人が連れて来た動物がパオパオで、ヒャッコイ博士の着るスーツがジャングル黒べえソックリなのはファンサービス?
ただブリザーガの描写が、どことなく「もののけ姫」に出て来たシシ神(ディダラボッチ)っぽいのは気になった。


by odin2099 | 2017-03-10 21:37 |  映画感想<タ行> | Trackback(1) | Comments(2)

怪物大王が病気になったとの知らせが届いた。
父親のお見舞いのために怪物くんたちは久々に故郷へ帰ることになり、春休みにどこへも行く予定のないヒロシを同行させる。ところが怪物ランドには人間を入れてはいけないという掟があった。
正体がばれたヒロシは大王によって石に変えられ、そのことで怪物くんと大王は大げんか。
ヒロシを元に戻すには「命の水」が必要と知り、怪物くんたちは好戦的な戦怪族が住む闇の谷の奥地へ。

e0033570_18584627.jpg
1981年の春休みに公開されたカラー版(リメイク版)『怪物くん』劇場版の一作目で、併映の『ドラえもん/のび太の宇宙開拓史』より上映時間は短めだが、添え物ではなく対等な扱いといって良いだろう。
前作『ドラえもん/のび太の恐竜』の併映はリバイバルの『モスラ対ゴジラ』だったので、実質的には<東宝チャンピオンまつり>の延長線上にあったが、今回から名実ともに「藤子不二雄劇場」の開幕。
今の『ドラえもん』は単独公開だが、しばらく「原作:藤子不二雄」を冠した二本立て、三本立ての体制は続いた。


e0033570_18581473.jpg今回、劇場へ行って以来の再観賞か(テレビ放映の時に観てたかな)?
『ドラえもん』に比べて熱心に観ていなかったせいか、それとも自分の好みに合わなかったからか、イマイチ『怪物くん』は好きになれない作品。
当時も『ドラえもん』目当てに映画館へ行って、ついでにこっちも観たという感じで「面白かった」という印象はなかったんだけど、今観ると「あ、案外上手くまとまってるじゃん」。
友情とか親子の愛情とかが嫌味にならない程度に盛り込まれ、程好い冒険物(RPG的、と言い換えても良いか)テイストで仕上げられた一品。
それにベテラン陣が顔を揃えたキャストは、やはり安心感があるなあ。


【ひとこと】
ドラキュラがゴーレムに襲われ、せっかく手に入れた「命の水」の入った瓶を落として割る、というシチュエーションがあるんだけど、おかしいな、その前のシーンで瓶は怪物くんに手渡されたんじゃなかったっけ?


by odin2099 | 2015-04-13 19:02 |  映画感想<カ行> | Trackback | Comments(0)

e0033570_18502110.jpg藤子・F・不二雄生誕80周年を記念して製作された3DCGの長編アニメーション映画。
昨夏公開されるやロングランとなる大ヒットを記録したものの、結局映画館へは行かず仕舞いに終わってしまった。


のび太とドラえもんの出会いから別れ、そして予期せぬ再会までを90分でまとめたオムニバス作品で、のび太を幸せにしないと未来世界へ帰れないというプログラミングをされてしまったため、ドラえもんは渋々ながらのび太のサポートを始める、というのがこの映画独自の設定で賛否両論巻き起こした。
当初反発していた者同士がやがて友情を育むという展開はわかりやすいが、そこまで親切丁寧に説明してあげなくても、観客には伝わると思うのだが。


原作からは「未来の国からはるばると」「たまごの中のしずかちゃん」「しずかちゃんさようなら」「雪山のロマンス」「のび太の結婚前夜」「さようならドラえもん」「帰ってきたドラえもん」の7つのエピソードをピックアップして再構成。
ストーリーの核が「のび太を幸せにする」ことにあるので、ジャイアンもスネ夫も出来杉も実直に脇役に徹し、ひたすら「のび太と静香のラブストーリー」に特化しているので一本の作品としてのまとまり感はある。


e0033570_18502795.jpgその反面、人気の高いエピソードを寄せ集め、お涙ちょうだい系に無理矢理仕立てているあざとさが目立っているのが残念。もっと『ドラえもん』特有のワクワクさや、F先生ならではの「SF(少し不思議)」な部分を感じさせてくれる作品にして欲しかったもの。
最初のCGアニメ作品ということで安全策を取ったのだろうが、逆に最初だからこそもっと冒険しても良かったのではなかろうか。


もし次回作があるならば、それこそ春興行で定着している”長編『ドラえもん』”を思い切ってCGアニメで作るぐらいの覚悟が必要だと思う。


by odin2099 | 2015-02-08 18:53 |  映画感想<タ行> | Trackback(12) | Comments(0)
TVアニメの黎明期に、売れっ子漫画家たちによって設立されたアニメ制作会社スタジオゼロ。まとまって語られることの少ないこの会社の実体に肉薄しよう、という趣旨で書かれたのがこの一冊です。

e0033570_9374364.jpgかってのトキワ荘のメンバーから鈴木伸一、藤子不二雄、石森章太郎、つのだじろうによって設立され、後に赤塚不二夫も参加することになるこの会社は、漫画家としてはプロでもアニメ製作者としては素人の集まりでした。
最初はなかなか仕事も決まらず苦しい経営状態が続きますが、最盛期には数十人のスタッフを抱え、複数のTVアニメ作品を並行して受注製作するに至ります。
しかしやがて作品が次々と終わり、遂には会社は事実上幕を下ろします(ただ現在でも解散や倒産はせず、存続はしています)。

これまでにもメンバー各人の著書や手塚治虫の著作などで断片的に語られることはあっても、会社として総括した文献は皆無でした。また一社単独で製作した作品もないため、日本のアニメ史を俯瞰するような書籍でも大きく扱われることはなかったと思います。大半のエピソードには聞き覚えがありはしたものの、当時のアニメ界においてスタジオゼロが置かれていた状況、漫画家各人の関わり方など初めて知ることも非常に多く、これは貴重な時代の証言集だなと感じました。
本書を道標として、更にトキワ荘グループ並びにスタジオゼロに関する調査・研究が進むことを願ってやみません。それは日本文化史上で大きな位置を占めることに繋がるでしょうから。
by odin2099 | 2013-01-26 09:39 | | Trackback | Comments(0)
e0033570_9495671.jpg以前出た単行本(1983年・・・ということはもう30年ぐらい前だったのか。そんなに時間経ったんだね)も持ってますが、手軽に読める新書版で復刻されたと知り即座に購入。

豊島区椎名町にあった「トキワ荘」は、多くの漫画家たちが住み、通い、漫画家の”梁山泊”などとも呼ばれていたアパートですが、そこで青春時代を送った漫画家たちが当時の思い出を綴った短編集で、1969年から70年にかけて雑誌『COM』に連載されたものをまとめたものです。
実録風のものもあれば、イメージだけで構成された実験的なものもありで、流石にバラエティーに富んでいます。同じ頃に同じ場所で時を過ごした各人の個性の違いも伺えて大変愉しいものになっています。

執筆陣は手塚治虫、つのだじろう、藤子不二雄A、永田竹丸、寺田ヒロオ、森安なおや、鈴木伸一、よこたとくお、赤塚不二夫、長谷邦夫、水野英子、そして石ノ森章太郎。
鬼籍にはいらられた入られた人が増えてきたのが寂しいですが、何とも豪華なメンバーです。
by odin2099 | 2012-09-16 09:50 | | Trackback | Comments(0)
e0033570_063820.jpgつい先日『Pen』本誌での「サイボーグ009」特集号を取り上げましたが、『Pen+(ペン・プラス)』誌は「完全保存版 大人のための藤子・F・不二雄」ときたもんだ。

充実の「ウルトラマン」特集本なんかも出したこのシリーズ、やはり侮れません。
漫画やアニメの専門誌とは違った切り口は、時に見当違いの頓珍漢なものに仕上がる場合もありますが、今回もファンなら手元に置いておきたい一冊になってます。
by odin2099 | 2012-09-02 07:20 | | Trackback | Comments(0)
伊賀の里から、ハットリくんの幼馴染のジッポウがやってきた。街が怪物に襲われる夢を見たので、というのがその理由だったが、おりしも謎の隕石が・・・!
主体は『忍者ハットリくん』にあって、『パーマン』はゲスト扱いでちょっと残念。『怪物くん』もチラっと出ているが、こういう競演作品は大好きだ。『ハットリくん』と『パーマン』のジョイントは二回目。
ミラクル卵が正統派侵略怪獣しており、都心が侵略・破壊されていくスケール感は並みの怪獣映画には負けない迫力。そしてミラクル卵の巨大感も上手く表現しており、なおかつ『ハットリくん』や『パーマン』の世界観は損なわない出来だ。「緑を大切に」という教訓もイヤミにならない程度で好感が持てる仕上り。
なお、ジッポウはTVシリーズに先駆けての登場。


e0033570_22372168.jpg「しねま宝島」から感想を引っ張ってきましたが、これもDVD化されていない幻の作品で見るのは2度目かな、3度目かな。
A先生の「ハットリくん」とF先生の「パーマン」との共演作なので、やはり権利関係が難しいらしいですね。もしレンタルビデオ店や中古ビデオ店でVHSを見つけたら、迷わずGETすることをお勧めします。

「パーマン」ファンには物足りないかも知れませんが、「ハットリくん」側はレギュラー、準レギュラーメンバーが勢揃い。1時間弱の中編ですけれど、なかなかよくまとまっております。
本当は「パーマン」と世界感が繋がっているのは「ドラえもん」なんですけどね。どっちもF先生だし、星野スミレちゃん、出てくるし。

あー、こうなると『ドラ・Q・パーマン』がもう一度見たいですねー。
これは確か一度もソフト化されていない、本当の幻の作品じゃないかと思うんですが。
by odin2099 | 2012-03-15 22:35 |  映画感想<ナ行> | Trackback | Comments(0)
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