
これを防ぐには人々が願いを捨て、石を葬り去ること。
だがマックスはもちろんのこと、バーバラもその力を手放すつもりはなく、強大なヴィラン、チーターとなってダイアナを襲う。
この危機にダイアナは、そして蘇ったスティーブはどんな決断を下すのか?!
公開予定が二転三転し、もう年内の公開は諦めかけていたところでの英断。
他国では配信中心のリリースになるのかもしれないが、これは大スクリーンで見るべき作品だ。
ひとまずわが国では劇場で見ることのできたことを素直に喜びたい。
そしてこれ、前作よりも好きかも。
前作で死亡したはずのダイアナの最愛の人スティーブの復活。
謎に包まれた復活の経緯だけれども、爆発の際に時空の歪に落ちたかなんかで、死なずに1984年の世界へ飛ばされたんじゃ?
――などと考えていたのだけれども、なるほどね、スティーブであってスティーブではない存在。
魔法の力でスティーブに似た別人(全然似てない)に乗り移る形での復活と相成った。
似てないのだけれども、ダイアナの眼にはスティーブその人に見えるということで、ダイアナの前にいるときだけクリス・パインが出てくる(それ以外の場面ではクリストファー・ポラーハという俳優さんが、いわば二人一役で演じている。どちらかというとクリス・パインよりハンサムだ)。
最後に二人が選ぶ苦渋の決断。
しかしそれがあるからこそ、彼女=ワンダーウーマンの今の強さがあるのだろう。
ただちょっと気になるのは、「ワンダーウーマン」の続きとしての本作はいいのだけれど、この作品の後に「ジャスティス・リーグ」があるということ。
なんか上手く繋がってないんじゃないかな、これ。
それにしても「バットマンVSスーパーマン/ジャスティスの誕生」で初めて見た時はちっとも良さがわからなかったガル・ガドットだけど、その後の作品でダイアナを演じる度にどんどん魅力的に見えてくる。
嗚呼、自分の眼は節穴だったのかなあ。
【ひとこと】
オマケシーンでのカメオスターの出演。
しかしDCもマーベルも<マルチバース>構想って凄いですねえ。
シリーズ物ではない直接関係のない作品群を繋ぐ<ユニバース>に飽き足らず、世界観の違う作品まで繋いじゃおうというんですからねえ。
そんなこんなで現行シリーズだけじゃなく、旧作の「スーパーマン」も「バットマン」も見直しておいた方が良さそう。
さて、今回はWOWOWで放送していた<吹替補完版>で。

それでも字幕スーパーで追っかけていくよりは作品世界に没頭できたので、やっぱり楽しめたということになるんでしょうね。
当時コメディアンという認識だったが故にファンからブーイングだったというマイケル・キートンも、こうしてみるとなかなか格好良いですし。
そういえばこの一作目に出てきたハーベイ・デントはビリー・ディー・ウィリアムズだったんですよね、ランド・カルリジアンの。
ところが三作目で再登場したら、何故か人種の違うトミー・リー・ジョーンズになっていたという不思議。
まさか”トゥーフェイス”ってそういう意味じゃないですよねえ。
そしてジョン・ウィリアムズの「スーパーマンのテーマ」と対極をなすダニー・エルフマンの「バットマンのテーマ」、実に素晴らしく格好良いです。
<ダークナイト・トリロジー>とか昨今の<ユニバース>版の音楽は、どうも印象に残らずフラストレーションが溜まっていましたが、「ジャスティス・リーグ」では久々に両方のテーマ音楽が流れたので、これこれ、ヒーローのテーマ曲っていうのはこうでなくっちゃ!と溜飲が下がる思いでした。
今作ってる「ジャスティス・リーグ」の<スナイダー・カット>版でも、ここは変えずにそのまんま流してくださいよ。
<過去記事>
https://odin2099.exblog.jp/3202447/
その結果<ディレクターズカット版>より30分以上長く、<劇場公開版>よりも40分近く長い3時間越えの超大作が誕生しました。
勿論話題性や高視聴率が期待出来るコンテンツだから特別なのはわかりますが、それでもテレビではカットして流すのが当たり前、ではない判断には好感が持てます。
クリプトン崩壊からカル=エルの脱出、地球到達してケント夫妻と出会うまで優に30分はあります。
そして成長したクラーク・ケントが己が素性を知り、スーパーマン誕生まで1時間。物語はゆったりと進行していきます。

テレビで二日間に分けて見るならいいのですが、通しで見ると流石に長いですね。
それにこの作品、クラークがスーパーマンになるまで、スーパーマンの活躍とレックス・ルーサーの暗躍、そしてスーパーマンとルーサーとの対決という具合に幾つかのパートに分かれてますから、案外分割放送に適した構成とも言えそうです。
細かいシーンがあちらこちらに散りばめられていますから3時間集中して見るよりも、ところどころで休憩を挿みながらのんびり見る方が愉しめそうです。
ちなみに冒頭には
「この作品は映画製作者がテレビ放送用に制作したものです
劇場版の監督の意図とは異なります」
とのテロップが出ますが、監督表記はリチャード・ドナーのまま。
実際は誰が編集、再構成したのでしょうか。
【ひとりごと】
少年時代のクラークを演じたジェフ・イーストは、クリストファー・リーヴに似てるような似てないような…?
しかし彼も立派にクラークを演じ、この作品に関していえば序盤からの三分の一迄は堂々たる主演俳優です。
昨今のDCはマルチバース化が進み、テレビ版・映画版問わず新旧の俳優がクロスオーバーする傾向が強まっているから、ひょっこりクラーク役で出演したりしないですかね。
【もうひとこと】
クライマックスシーンでの地球逆回転、「人類の歴史に介入するな」という父の戒めの言葉を今後は胸に刻むのでしょうが、二度と使えないという枷を設けるべきではなかったかなと感じました。
https://odin2099.exblog.jp/2923872/
https://odin2099.exblog.jp/23934184/
https://odin2099.exblog.jp/27366804/
ロジャー・ムーアに続き、二人目のボンド役者の訃報ですが、90歳は大往生と言ってよいでしょう。
そういえばムーアも90歳を目前に亡くなっています。
コネリーとムーアの共演作は是非見てみたかったですね。
共演出来るような作品を探している、と以前ムーアはインタビューで答えたことがありますがそのまま。
この二人にマイケル・ケインを加えた仲良しトリオがワチャワチャするような作品が実現すれば良かったのですが(コネリーとケイン、ムーアとケインは共演作あり)。
もう一つ実現して欲しかった共演相手は、同い年のクリント・イーストウッド。

でなワケで今回見直したのは「リーグ・オブ・レジェンド」、コネリーの引退作です。
この後は声のみの出演やナレーションを務めた作品はあるようですが、顔出しはこれが最後なので事実上の遺作と言っても良いでしょう。
老いて益々意気盛んなアラン・クォーターメインは正にはまり役だったかと。
この作品、「ソロモン王の洞窟」のクォーターメインをはじめ、「海底二万里」のネモ船長、「吸血鬼ドラキュラ」のヒロインであるミナ・ハーカー、ジキル博士とハイド氏、ドリアン・グレイ、トム・ソーヤー、透明人間といった作品の登場人物たちが一堂に会するという、聞いただけでもワクワクさせられるんですが、製作中にゴタゴタがあってヒットもしなかったために続編がポシャってしまったという不遇な作品でした。
原作とはまるで別物なんですが結構好きな作品で、「アベンジャーズ」がヒットして<マーベル・シネマティック・ユニバース>が定着した今ならば、もっと受けたのかもしれません。
ヒットして続編が、ということになれば、コネリーの引退はもっと先になっていたかもしれませんね。
もっとも<MCU>の後追い企画である<ダーク・ユニバース>が、「ザ・マミー/呪われた砂漠の王女」の不振で以後の「フランケンシュタイン」、「大アマゾンの半魚人」、「透明人間」、「狼男」、「魔人ドラキュラ」といった作品群のリブートが打ち切られてしまったことを見れば、古典的ヒーローの復権にはまだ何か足りなかったのだと思いますが。
<過去記事>






