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「きのふの是はけふの非なるわが瞬間の感触を、筆に写してたれにか見せん」(森鴎外『舞姫』) HNは”Excalibur(エクスカリバー)”

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「アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー」をまたBlu-rayでおさらいして、劇場で4回目の「エンドゲーム」鑑賞。

日曜の昼間とはいえ、まだ劇場が満席になることに驚き、そして「アベンジャーズ」人気もどうやら本物なのかなと一安心。
もっとも今回は「これで最後」ムードを演出しているので、「それならば」と足を運んだ人も少なくないだろう。
でもまだまだ<MCU>は続くし、いずれ「アベンジャーズ」の新作も作られるだろうことを知ったら「もういいよ」てなことにならないとも限らない。
安心してはいられないか。

e0033570_21324549.jpg今回ちょっと驚いたのは、前日「アラジン」を見に行った時には流していた「スパイダーマン/ファー・フロム・ホーム」の予告編がなかったこと。
「アラジン」の時は一番手に掛ったのが「スパイダーマン」だったのだけれども、確かに「エンドゲーム」上映前に見せられちゃネタバレもいいところだ。

まあそれも仕方ないなと思っていたのだが、実は驚いたのはそのことだけではない。
なんと!「エンドエーム」上映終了後に「スパイダーマン」の予告が続けて上映されたのだ。

これ、上手いやり方だなあ。
「エンドゲーム」見た後だと、あの世界がどうなったのか気になるところだけど、断片的にそれを教えてくれて期待感を煽る。
実際、めっちゃテンション上がった。

こういうの、前後編、三部作などの場合に次回作の予告をおしまいに付けるケースがあるけれど(「ロード・オブ・ザ・リング」のラストに「ロード・オブ・ザ・リング/二つの塔」の予告を付けたり、「キャプテン・アメリカ/ザ・ファースト・アベンジャー」に「アベンジャーズ」をアタッチしたりというケース)、同じ<MCU>作品とはいえ「エンドゲーム」はディズニーで「スパイダーマン」はソニーという具合に配給会社も違う。
これ、映画館サイドの大英断なのかな。

そして本編。
3時間を超える作品でありながら、4回見てもまだ飽きない、だれないという稀有な作品。
前編にあたる「インフィニティ・ウォー」も見せ場満点でテンション上がりっぱなし。
「インフィニティ・ウォー」149分+「エンドゲーム」181分=330分、奇跡の5時間半だ。
燃え要素、泣かせ要素、どちらも備わっている。

前編で燃えるのは、先ずはヴィジョンとワンダの危機に颯爽と登場するスティーブの姿。それに続けてナターシャ、サムとのコンビネーションプレーで敵を圧倒するシーン。
そしてクライマックス、ワカンダの大激戦の最中、完成したストームブレーカーを手に現れるソー!
――まあこちらはその後で絶望的な展開が待っているのだが…。

後編では、ソーがサノスに追い詰められあわやという時に飛んでくるムジョルニア、その戻っていく先にはすっくと立ったスティーブが!というシーン。
「持てると思った」というソーの台詞は、かつて「エイジ・オブ・ウルトロン」でメンバーがムジョルニアを持ち上げようと奮闘するというシーンを踏まえている。
結局誰一人持ち上げることは出来なかったのだが、実はスティーブが手にしたときだけ幽かに動くという描写がある。
この時点で既にスティーブは持ち上げられたものの、遠慮して持ち上げなかったという解釈もあるらしいのだが、だからこそソーも納得したのだろう。

そして全編のクライマックスたるアベンジャーズ集結シーンでのスティーブの台詞、「アベンジャーズ、アッセンブル!」は最大の燃えシーンだ。

泣かせ要素は前編ならば指パッチン後の別れのシーン、後編だとナターシャがわが身を犠牲にするシーン、トニーの「私はアイアンマンだ」の場面と葬儀の場面…とこれまた枚挙に暇がない。
これから自分は何度この前後編を見ることになるのだろう。

そしてこの作品を踏まえた<MCU>23作目、<フェイズ3>のトリ、そして<インフィニティ・サーガ>の締めくくりとなる「スパイダーマン/ファー・フロム・ホーム」の公開まで3週間足らず。
そちらも期待を裏切らない出来になっていることを信じている。

<過去記事>



by odin2099 | 2019-06-09 21:43 |  映画感想<ア行> | Trackback(1) | Comments(0)
『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー ヒーローズ・ジャーニー』 スティーヴ・ベーリング

「アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー」の前史とでも呼ぶべき、オリジナルストーリー。

e0033570_22391323.jpgいくつかの章に分かれ、アイアンマン、キャプテン・アメリカ、ソー、ネヴュラ、ブラック・ウィドウ、ドクター・ストレンジ、ヘイムダルらの視点で、「シビルウォー/キャプテン・アメリカ」、「マイティ・ソー/バトルロイヤル」、「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:リミックス」、「スパイダーマン/ホームカミング」、「ドクター・ストレンジ」等々の作品から「インフィニティ・ウォー」が始まるまでの物語が断片的に綴られる。

章立て、と書いたが、むしろ連作短編小説集だと思った方がイメージは掴みやすいかもしれない。
トニー・スタークとハッピー・ホーガン、スティーブン・ストレンジとウォンとのやりとりや、ナターシャ・ロマノフを尋問するエヴェレット・ロス、諜報の世界に身を置く二人の心理戦など、なるほど小説ならではの面白さはある。

ただどこにも”公式ノベルズ”といった類の注釈が一切ないのが気になる。
これがオフィシャルなものなのか、それとも二次創作の範疇に留まるものなのか、さてどちらだろうか。

by odin2099 | 2019-05-08 22:44 | | Trackback | Comments(0)
心地好い充足感と、言い知れぬ喪失感。
これに匹敵する経験は、確かに「シスの復讐」以来かもしれない。

3回目は<字幕スーパー版>で鑑賞。
林完治の手になる字幕も悪くはないが、情報量は圧倒的に吹替の方が上。
例えばローディが披露する、タイムトラベルをネタにした映画やドラマのタイトル列挙。
字幕では殆ど拾えていない。

e0033570_21095915.jpgまたセリフのニュアンスも微妙に違い、キャラクターの受け止め方がかなり違って感じられる場面もしばしば。相変わらず難のあるキャストが数名いるものの、作品とじっくり向き合うのならば<日本語吹替版>を推奨したい。

実はこの作品、見る前にかなりの情報を得ていた。
過去世界での破壊される前のストーン回収がアベンジャーズの任務になることと、エンシェント・ワンとラムロウ、ハーレイ少年の登場。キャシーが成長した姿で出てくることも。

スティーブがムジョルニアを持ち上げることも、トニーとナターシャが死ぬことも、ソーのビール腹、それにスティーブが自分の人生を取り戻すことも。

知らなかったのはロバート・レッドフォードやマイケル・ダグラス、ミシェル・ファイファー、レネ・ルッソ、マリサ・トメイ、ナタリー・ポートマンらが出てくることぐらいか。

それでも、先を知っているからといって愉しめないということはなかった。

キャップがムジョルニアを奮うシーンにはワクワクしたし、仲間たちが集合して「アベンジャーズ・アッセンブル!」と号令をかけるシーンは興奮した。
そしてトニーが覚悟を決めるシーンはゾクゾクし、自分の人生を生きたスティーブが皆の元へ戻ってくるシーンには涙した。

その証拠に、三度見てもまだ飽きない自分がいる。

出来得れば「インフィニティ・ウォー」と二本立てで見てみたい。
製作サイドは否定しようとも、これは紛れもない前後編、二部作だ。
続けて大きなスクリーンで見ることに意義がある。

「私がアイアンマンだ」で始まった物語、(サノスの「私は絶対なのだ」に対して)「ならば、私はアイアンマンだ」で締めくくり。
22本の作品は、ここに全て綺麗にまとまったのである。

さて、トニーとスティーブのいないこれからのアベンジャーズはどうなるのだろう?

ソーはガーディアンズ・オブ・ギャラクシーと共に旅立った。
本作でロバート・ダウニーJr.やクリス・エヴァンス共々契約満了が伝えられていたクリス・ヘムズワースは、聞くところによると契約を更新し、あと2本の出演契約を結んだという。
「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー3」と「ソー4」は確定ということか。

ハルクと一体化したブルース・バナーはどうだろう?
ブルースの語るべき物語も、本作で終ったように思う。
残っているとすればベティ、そしてロス長官との間の問題だが、ナターシャとのロマンスを挟んでしまった以上、今さらという気もしないでもない。

スパイダーマン、ブラックパンサー、ドクター・ストレンジらは単独作品が控えているので、まだまだ活躍してくれそう(ただスパイダーマンに関しては、契約上の問題から早晩<MCU>から去るような気もするが)。
また今のところ一度も劇中で「キャプテン・マーベル」とは呼ばれていないキャロル(キャプテンが二人いると混乱するから?)も、これからの<MCU>を引っ張っていくであろうキャラクターだ。

”キャプテン・アメリカ”を継ぐことになるのかどうかわからないがファルコンとバッキー、スカーレット・ウィッチ、ホークアイは配信ドラマもあるし、ローディ共々何らかの形でこれからの作品にも出てくれるだろう。

それに新たに参入するキャラクターも当然出てくるわけだし、X-MENやファンタスティック・フォーも加わってくるので頭数は問題ないだろうが、それでもこれまでのアベンジャーズのようなまとまりには欠ける。マーベル・スタジオのことだからこれからの戦略も抜かりなく練られているのだろうが、それでも一抹の不安は残る。

特に「アイアンマン抜き」となれば、わが国での苦戦は必至と思われるが、さて、どうなることやら。

ところで今までの<MCU>はリアルタイムか過去が舞台になっていた。
「インフィニティ・ウォー」は2018年、「エンドゲーム」はその5年後の2023年が舞台。
これを受けて展開されるであろう「スパイダーマン/ファー・フロム・ホーム」は初めて未来を描く作品になるということか。

今後の作品群は全て未来の時制で描かれるのだろうか。
それとも現実世界が追いつくまで、作品世界では大きな時間経過は描かれないのか。
それともこの時間のはざまに、これまで<MCU>世界には存在しなかったミュータントを導入する秘策があるのか。興味は尽きない。

<過去記事>



by odin2099 | 2019-05-06 21:14 |  映画感想<ア行> | Trackback(1) | Comments(0)
**** ネタバレ注意! ****

2008年の「アイアンマン」から始まった<マーベル・シネマティック・ユニバース>の通算22作目、<フェイズ3>としては10作目、そして<インフィニティ・サーガ>の完結編。
……のはずだったが、最近のケヴィン・ファイギの発言によれば<フェイズ3>の締めくくりは次回作「スパイダーマン/ファー・フロム・ホーム」とのこと。
ただ実質的には長大なる物語の”完結編”たるに相応しい堂々たる大作である。
二回見てきて、ようやく少し感情の整理がついた。

e0033570_17022404.jpg最初に描かれるのは家族と静かに暮らすホークアイ、クリント・バートン。だが目を離した僅かな隙に、家族の姿は掻き消えてしまっていた。
一方、宇宙を漂流するアイアンマン=トニー・スタークとネビュラを乗せた宇宙船。だが燃料も酸素も底を尽き、トニーは既に死を覚悟していた。だがその宇宙船はやがて眩い光に包まれる。

トニーとネビュラを救い出したキャプテン・マーベル=キャロル・ダンヴァースは、アベンジャーズ基地で生き残ったキャプテン・アメリカ=スティーブ・ロジャース、ソー、ブラック・ウィドウ=ナターシャ・ロマノフ、ウォーマシン=ジェームズ・ローズ、ロケット、ハルク=ブルース・バナーと合流を果たす。
だがトニーとスティーブの蟠りはまだ消えていなかった。トニーは出迎えたペッパー・ポッツと共に基地を去る。

「アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー」未登場だったホークアイの近況が早速明らかに。軟禁状態だった彼は未曾有の危機も知らず家族と水入らずの生活を送っていたが、そこでサノスのスナップによって家族を失ってしまう。
宇宙に取り残されたトニーとネヴュラの運命は?とヤキモキさせられたが、序盤であっさりと救出されて一安心。
ここでキャプテン・マーベルを紹介するのも悪くない。

「キャプテン・マーベル」のポストクレジットシーンでは、スティーブたちの前に突然姿を現すキャロルというシーンがあったが、本編にはなし。
ということは地球への帰還途中でたまたまトニーたちを見つけたわけではなく、スティーブらの依頼を受けて捜索に行っていた、ということだろうか。

また「インフィニティ・ウォー」の序盤では、スティーブと決裂したことを後悔し、反省しているように見えたトニーだったが、ここは敗れたことによって気持ちが高ぶっていたのだろう。
八つ当たりに近い形ではあるが、スティーブに感情をぶつけるトニーは、らしいといえばらしい。

キャロルとネビュラの発案によりサノスの居所を突き止め、ストーンを奪う計画が立てられる。だが対峙した時、既にサノスは役目を果たした為にストーンは不要だとして破壊してしまっていた。
ソーは激情にかられサノスに止めを刺すが、遅きに失していたのである。

サノスがあまりにもあっさりと殺されてしまうので、一瞬呆然と。
もちろんここで終るわけはないからさてどうなるかと思っていると、当然のように後半でラスボスらしい存在感で復活してくる。

5年後、オコエも含め生き残ったメンバーたちは手掛かりを求めていた。その中にはクリントのものと思われる凶行も含まれており、胸を痛めるナターシャ。
そんな時アベンジャーズ基地に、サノスの犠牲になったと思われていたアントマン=スコット・ラングが現れた。量子世界に閉じ込められていた(「アントマン&ワスプ」のラスト)が、ひょんな切っ掛けで生還を果たしたのだ。
そしてスコットはこの5年間が体感時間は5時間だったことを引き合いに出し、この技術を応用すれば過去へ戻ってサノスより先にストーンを手に入れ、失われた仲間を取り戻せるのではないか、と提案する。

スティーブ、ナターシャ、スコットは協力を求めトニーの元を訪れる。
トニーはペッパーと結婚し今は一人娘モーガンを設けていた。スコットの提案に興味を示しはしたものの、今の自分にはリスクが大きいと参加の申し出を拒否する。
そこで今度はブルースを訪ねるのだが、今の彼は更なる実験の結果ハルクとの融合が進み、ハルクの姿でブルースの心を保っている状態だった。
自分の専門外でもあり一度は躊躇するものの、結局彼は計画への参加を表明し、実験が開始された。

実験は失敗が続き計画実行が危ぶまれたが、そこにトニーが合流。スティーブとトニーは固い握手を交わす。
厭世気分に浸っていたソー、更にナターシャの説得によりクリントも参加し遂に実験は成功する。
そこで効率よくストーンを集めるため、チームを幾つかに分け別々の時代、場所へ飛ぶことになった。

ハルクが子どもたちの人気者になっているという設定は意外だったが、もっと驚かされたのがソー。
ノルウエーにニュー・アスガルドという街(村?)を作り、そこに生き残ったアスガルド人たちと暮らしている(「インフィニティ・ウォー」では消息不明だったヴァルキリーもそこにいる)のだが、ソーは小屋に引きこもり、コーグやミークと一緒に酒をかっ食らってゲーム三昧。そして見るも無残なメタボ体型に。
これ、さすがに最終決戦までには元に戻るのだろうと思っていたが、ラストシーンまでこのまんまだったのには二度ビックリ。
かつて自身も酒に溺れて現実逃避していたヴァルキリーが、一切ソーを責めるようなことを言わないのも「わかってる」。

また家族を失い自暴自棄になっているクリントは、闇の処刑人となりヤクザの抗争に首を突っ込むまでになっているが、それを迎えに来たナターシャは責めることをせず、「もっと早く来てあげられれば良かった」と呟いてそっと手を握るのも、二人の長年の絆の深さが感じられる良いシーンになっている。
このシーンは東京という設定で、対するヤクザは真田広之が演じているが、正直言うと特に注目すべきものではなかった(殺陣はさすがだったが)。

「バック・トゥ・ザ・フューチャー」をはじめ、様々なタイムマシン、タイムトラベルを扱った映画を上げ、全部でたらめだというシーンがあるが、この作品では一時的にストーンを借りても、また元の時間・元の場所へ戻せば「なくなったこと」にはならないから歴史は変わらない、ということらしい。
また今の自分が過去へ行って行うことは、自分にとってはこれから起こること(=未来のこと)だから、やはりタイムパラドックスは起らないと説明されるが、この辺の理屈はなかなか難しい。

2012年のニューヨークにはスティーブ、トニー、スコット、ブルース。そこで二手に分かれブルースはエンシェント・ワンの元へ。
彼女はブルースの正体と目的を見抜き、ここでタイムストーンを手放せばこの世界が危機に陥ると主張するが、ブルースは根気よく説得する。その決め手となったのは、未来を垣間見たドクター・スティーブン・ストレンジが、自らストーンを手放したという話だった。

「ストレンジに会いに来た」というブルースに対し、「5年程早すぎましたね」と返すエンシェント・ワン。彼女はいずれストレンジが自分の元へやって来て、偉大な魔術師になることをこの時点で察していたということか。
そしてストレンジの判断が正しいのか、自分の判断が正しいのかを瞬時に見極め、ブルースにストーンを託すエンシェント・ワンの決断力。
それにしても、後付ではあるもののニューヨーク決戦の裏側でエンシェント・ワンも人知れずチタウリの軍勢と戦っていたというのは燃えるものがある。

一方のスティーブ、トニー、スコットは、スタークタワーから捉えたロキをシールド本部へ護送する最中のメンバーからマインド・ストーンとスペースストーンを手に入れるのだが、予期せぬハプニングが起りそのドサクサでロキがスペース・ストーンを持ったまま逃走、計画は失敗に終わる。

このシーンでは「アベンジャーズ」でのニューヨーク決戦後の裏側が明らかになる。
ロキの持っていたマインド・ストーンとスペース・ストーンを回収に向かったのが、ジャスパー・シットウェルとブロック・ラムロウ率いるストライクチームで、更にそれを指揮していたのがアレクサンダー・ピアースというのには驚いた。

またこの時代の本物と入れ替わったスティーブが、疑念を持ったエージェント・シットウェルの耳元に「ハイル・ヒドラ」と囁くシーンには唸らされた。
そして鉢合わせする2人のスティーブ(この時代のスティーブが、未来のスティーブをロキの変装だと思い込むのも良い)の戦い。
劣勢に立たされた未来のスティーブが「バッキーはまだ生きている」と告げて動揺を誘い、難を逃れるのも芸が細かい。
またこの一連のシチュエーション、「キャプテン・アメリカ/ウィンターソルジャー」をなぞっているので、両方見ていればニヤリものだ。

ただこの時に実は歴史上の分岐が起ってしまい、ロキがスペース・ストーンを持って逃亡中の新たな世界が出来てしまった。
これは製作が発表されたロキを主人公とする配信ドラマへと繋がっていくのかもしれない。あるいは将来、別の時間軸からひょっこりと”正史”の世界へカムバックする、なんてことも?
またシットウェルたちが、キャップを自分たちの味方だと思い込んでる世界というのもなかなかにややこしい。

ローディ、ネビュラ、クリント、ナターシャを乗せた宇宙船は2014年の惑星モラグへ。ここでスターロードことピーター・クイルを出し抜いてパワー・ストーンを手に入れようというのだ。
二人を下ろし、クリントとナターシャは更に惑星ヴォーミアへ向かう。

ソーとロケットは2013年のアスガルドへ。
エーテル(リアリティ・ストーン)を体内に吸収してしまったジェーン・フォスターから回収しようというのだが、その日は母フリッガが非業の死を遂げる日でもあった。
ロケットはリアリティ・ストーンの回収を成功させ、ソーは母とのつかの間の再会を果たし、失われたムジョルニアも取り戻す。

フリッガは一目見てソーが自分の知ってるソーではなく、未来から来たこと、そして必死に何かを伝えようとする態度に、やがて自分を待ち受けるであろう将来を悟る。ここでソーが神様でもヒーローでもない、ありのままの無防備な自分をさらけ出すことが、最後の決断に繋がるとは。
このやりとりは「マイティ・ソー/ダーク・ワールド」の裏話になっている。

トニーとスティーブは、一発逆転を狙って今度は1970年へ飛ぶ。
この時代のキャンプ・リーハイ(キャプテン・アメリカ誕生の地)ではトニーの父ハワード・スタークとハンク・ピムが共に働いていた。
二人は無事にスペース・ストーンと、タイムトラベルに必要なピム粒子を手に入れ、トニーは妻が妊娠中だというハワードと、スティーブは最愛の人ペギー・カーターと邂逅する。

「シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ」の中でトニーは、父との最後の会話を後悔していた。それをある意味でやり直す機会がここで突然訪れたのだ。そしてスティーブはペギーの姿を垣間見る。これがそれぞれの最後の決断へと繋がってゆく。
ちなみにテレビドラマや配信ドラマとの接点がなかなか描かれない劇場版だが、ドラマ「エージェント・カーター」に出てきたハワードの執事エドウィン・ジャービスが、このシーンに出ているのはさり気ないサプライズ。

モラグではローディがパワー・ストーンを手に入れた(このシーンは「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」のセルフリメイク)ものの、この時代のネビュラと未来から来たネビュラがシンクロしてしまい、サノスがアベンジャーズの計画を知ってしまう。
父サノスの信頼を得るため、ネビュラは計画を妨害する任務に立ち、この時代のガモーラも妹に同行することに。

ヴォーミアでクリントとナターシャを出迎えたのはレッドスカル。愛する人を失わない限り、ソウルストーンは手に入らないとの言葉に、二人に動揺が走る。
そして二人が、対象となる人物が異なるものの同じ結論に達した時、逸早く行動に移したのはナターシャだった。
悲しみの中、クリントの手にはソウルストーンが握られていた。

<フェイズ4>の製作予定にブラック・ウィドウを主人公にした作品があり、監督や出演者の情報が続々と流れてくる中、まさか死にはしないと思っていたナターシャのまさかの退場(映画は彼女のオリジンストーリーを語るものとも伝えられている)。
思えば彼女は冷静に状況を見極め、時に冷徹な判断を下し、そしてスティーブやブルースら誰かを鼓舞し続けるキャラクターだった。
クリントも今回彼女に救われ再生。しかし彼女は二度と戻らない。

ナターシャの尊い犠牲を経てようやく6つのストーンを揃えたアベンジャーズは、ガントレットを作りこれを作動させる。
するとクリントのスマートフォンに妻からの着信が。計画は成功したのだ。
だがそこへサノスの宇宙船が飛来、アベンジャーズ基地は全滅する。

ガントレットを作動させるにあたっては、何かをやらせてくれと懇願するソーに対し、ブルースが冷静に対応し自ら行う。
だが未来の自分と入れ替わっていたネヴュラの策略により、2014年のサノスの軍勢が押し寄せてくる、ということでサノスが再登場。これまでのサノスの行動は自分なりに善を成そうという信念に基づいたものだったが、ここで初めて自分の楽しみのため地球を攻撃する。
言ってみればここで彼は単なる、そして倒すべき悪の首魁と化したのである。

キャップ、アイアンマン、ソー、ハルク、アントマン、ホークアイ、ウォーマシン、ロケットたちの決死の戦いが始まったが、サノスの率いる大群の前には多勢に無勢。その時、スティーブの耳に懐かしいファルコン=サム・ウィルソンの声が…!

ドクター・ストレンジが、スパイダーマン=ピーター・パーカーが、ブラックパンサー=ティ・チャラが、シュリが、エムバクが、ウィンター・ソルジャー=バッキー・バーンズが、スターロード、ドラックス、グルート、マンティスが、スカーレット・ウィッチ=ワンダ・マキシモフが、ワスプ=ホープ・ヴァン・ダインが、それにオコエとヴァルキリー、寝返ったガモーラにネヴュラ、ペッパーにワカンダ軍、アスガルド軍が駆け付けたのだ。
スティーブが叫ぶ「アベンジャーズ・アッセンブル!」

…と勢いでストーリーを書いてきてしまったが、約3時間の上映時間の内、ここまでで概ね2時間半。

この戦いの前段階では、アイアンマン、キャップ、ソーが中心となってサノスとの激戦を繰り広げるが、その中で一番燃えるシチュエーションは、遂にキャップがムジョルニアをかざすシーンだろう。
思えば「アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン」の時点で幽かに動かすことが出来たスティーブ。その時に高潔な魂は既に選ばれていたのだろうが、過去のアスガルドからわざわざソーが回収してきたのはこのシチュエーションの為だったのだとわかる(この前まではソーがストームブレイカーと二刀流?でサノスと戦っていた)。

ファルコンがキャップに「左を見ろ」というのは「ウィンターソルジャー」の時の「左、失礼」を受けてのものだろうし、ピーターが再会したトニーに早口でまくしたてるのもそれらしい。
ピーターの説明によると、スナップで消えた後は死んだわけではなく気絶状態だったようだ。どこか別の次元か空間に飛ばされていたのだろうか。量子空間に閉じ込められた結果、5年の時間を飛び越えたスコットと似たような経験をしていたのかもしれない。
そして5年間の記憶は誰も持っていないが、ただ一人未来を垣間見たストレンジだけが全てを把握していた、ということらしい。

そのストレンジにトニーが「これが勝利のチャンスか?」と尋ねるが、「何が起るか明かせば実現しない可能性があった」と答える。
これ、最後まで見るとかなり重い言葉だったことがわかる。そしてそれを伝えられないことで、ストレンジなりに苦悩や葛藤があったことも察せられる。

アベンジャーズとサノスによるインフィニティ・ストーンの争奪戦が始まるが、ここでストーンをはめたガントレットを持って逃げるのが最初はホークアイ、そしてブラックパンサー、スパイダーマン、最後がキャプテンマーベルという新顔たちにリレーされていくのがニクイ。
またスパイダーマンのピンチに駆けつけるのがスーツに身を纏ったペッパーをはじめ、スカーレット・ウィッチやオコエ、ヴァルキリー、ガモーラ、ネヴュラら女性戦士ばかりというのも新鮮である。

遂にサノスがガントレットを手に入れ再びスナップ。だが何も起こらない。全てのストーンは間一髪抜き取られ、全てトニーの手にあったのだ。
そして「私がアイアンマンだ」と高らかに宣言しスナップ、サノス軍はちりと消えた。

ストレンジが見た、たった一つの勝利の方法は、トニー・スタークが自らを犠牲にすることだった。
先に書いたように、これしか勝つ手段がないと知った時のストレンジは何を思ったのか。おそらく他の方法も模索したのであろう。
もしかするとこのルートは比較的早い段階で見つかったものの、それを伝えるわけにもいかず、結果14,000,605通りもの未来を見る羽目になったのではないか。
トニーがサノスからストーンを奪ってスナップする直前の、ストレンジと目と目の会話の雄弁さ。

トニーに駆け寄るのはローディ、ピーター・パーカー、そしてペッパー。
まずフライデーを通してトニーの身体の状態を確かめた後、自分の方を向かせて「ゆっくり眠りなさい」というペッパーにグッとくる。
ああ、あの「アイアンマン」から11年経つのだな。

クリントと家族の再会、ワカンダでのティ・チャラ、シュリとラモンド女王との再会、ピーター・パーカーとネッドとの再会、スコットとホープ、キャシーの再会…。
「ナターシャにも見せたかった。勝ったぞって」「きっと二人とも見てるわよ」というクリントとワンダのやりとり。
ストーンを使っても、ストーン以外の方法で消えた者は戻らない。ロキも、ヘイムダルも、ガモーラも、ヴィジョンも、そしてナターシャも。

ガモーラに関しては、2014年世界からやってきたガモーラはどうやらそのまま留まっているようで、今後の再登場も期待できるが、ただピーター・クイルとのことは知らないわけで、二人が再び恋に落ちるのかどうかは製作予定の「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー3」でのお楽しみということになるのだろう。

湖畔のトニーのログハウスでは、しめやかに葬儀が行われていた。
参列者はペッパー、モーガン・スターク、ハッピー・ホーガン、スティーブ、ローディ、バッキー、サム、クリント、ワンダ、ブルース、ピーター・パーカー、メイ・パーカー、ソー、ヴァルキリー、スティーブン、ウォン、スコット、ホープ、ハンク・ピム、ジャネット・ヴァン・ダイン、ティ・チャラ、シュリ、オコエ、ピーター・クイル、ロケット、グルート、ドラックス、マンティス、ネヴュラ、キャロル、サディアス・ロス、ハーレー・キーナー、マリア・ヒル、そしてニック・フューリー。
トニーほどの著名人であればもっと盛大な葬儀が営まれそうなものだが、いわば身内同然の仲間たちばかりというのが逆に嬉しい。

しかしここで「アイアンマン3」に出てきたハーレー少年(というよりもう立派なイケメンに成長しているが)が出てきたということは、今後の作品群の中で彼が二代目アイアンマンを継ぐ可能性もあるのだろうか。以前から実しやかに噂は流れていたが。それともトニーとペッパーの娘モーガンが、いずれ父に代わってスーツを身に纏う日が来るのだろうか。

全てを終わらせるためにスティーブは過去へ飛ぶ。ストーン(とムジョルニア)を元の世界、元の場所に正確に戻す必要があるのだ。向こうの世界に例え何年いても、戻ってくるのは5秒後だと告げるブルース。
「いない間にバカやるんじゃないぞ」「出来るわけないだろ、バカがいないんだから」というスティーブとバッキーの会話は、そのまんま「キャプテン・アメリカ/ザ・ファースト・アベンジャー」での二人のやりとりに繋がる。
そして5秒後、スティーブの姿はそこになかった。

湖畔のベンチにかける男の姿を見つけたバッキーは、サムを促す。駆け寄ったサムが見たのは、年齢を重ねたスティーブの姿。全てのストーンを返し終わった後、ふと自分の人生を生きてみるのも悪くないと考えたスティーブは、過去に留まったのだ。そして「これは君のだ」と楯をサムに託す。そのスティーブの左手の薬指には結婚指輪が。

過去へ経つ前のスティーブとバッキーの会話は、明らかに永の別れを前提にしたものだ。スティーブがこれから何をしようとしているのか、バッキーにはわかっていたのに違いない。
そしてソーはアスガルドの玉座をヴァルキーに任せ、ピーター・クイル、ロケット、ドラックス、グルート、マンティス、ネヴュラと共に旅立つ。

自己中心的だったトニーは家族を仲間を護るために自らを犠牲にし、他人に尽くしてきたスティーブは自分の人生を取り戻して生き、人々の範たれと自分に言い聞かせてきたソーはありのままの姿をさらけ出し、病気を治療するようにハルクを消し去ろうとしてきたブルースはハルクのままでいることを選択。ユニバース立ち上げの貢献者たちは、物語の終わりに全て変わった。見事な幕引きだったと言えよう。

これからの<MCU>世界はどうなっていくのだろう?
弓の才能の片りんを見せたクリントの娘がやがてホークアイの名を継ぐのか、ティーンに成長したキャシーはやはり父と同じようにアントマンになるのか。
そして5年の空白があるピーター・パーカー、同級生は皆卒業してしまっているのか?(これに関しては、どうやらネッドらはピーター同様に消えていたということで、そのまま同級生ということでいくらしいが)

今のところ「ブラック・ウィドウ」以降は「エターナルズ」と「シャンチー」という新たなヒーロー物が準備中で、その後には「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー3」と「ドクター・ストレンジ2」、「ブラックパンサー2」が予定されており、また当然「X-MEN」と「ファンタスティック・フォー」のリブート作品も絡んでくることになるのだから、まだまだ当分終わらない。今回が<インフィニティ・サーガ>の完結編、第一部終了という言葉を胸に刻んで、次を愉しみに待ちたい。

それにしても結局テレビや配信ドラマとはきちんと絡まないままで終わってしまった。
デアデビルやデイジー、それにフィル・コールソンあたりがモブでもいいから出て来れば盛り上がったろうに。

それにナキアやエヴェレット・ロス、セルヴィグ、シャロン・カーター、レディ・シフなどこれまでのシリーズを彩ったキャラクターで、もう何人か顔出して欲しい人もいたが、それでもロバート・レッドフォード、マイケル・ダグラス、レネ・ルッソ、ミシェル・ファイファー、アンジェラ・バセット、ナタリー・ポートマン、マリサ・トメイ、ウィリアム・ハートらを台詞なしか、あっても二言三言、映るのも数秒から数十秒といった出番でも起用できるのだから贅沢な作品である。

【ひとこと】
恒例となるポストクレジットシーンはなし。
ただしエンドロールの後で、1作目の「アイアンマン」でトニーがアイアンマン・スーツを作っていた時と同じと思しい金属音が聞こえてくる。
新たな何かが誕生することを期待させる音だ。

【もうひとこと】
今回のガモーラの例を引き合いに出すまでもなく、時間を操作することで過去世界からトニーやナターシャを連れてくることは出来る。だが、そこまでやるかな?
スティーブに関しては、前線で戦うことはなくともメンバーに助言を与えるような立場でのゲスト出演ということなら可能性あり?
ソーはこの終わり方からすると「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー3」に出てきそうだが、ロバート・ダウニーJr.もクリス・エヴァンスもクリス・ヘムズワースも、この作品をもって卒業の意向を固めているのでどうなることやら。



by odin2099 | 2019-05-01 17:33 |  映画感想<ア行> | Trackback(4) | Comments(0)
つい先日も見てるけど、いよいよ”後編”の「エンドゲーム」公開が迫ってきたので、もう一度お浚い。

e0033570_23191527.jpg冒頭はソーの御一行様。
あのハッピーエンド(?)の余韻はどこへやら。いきなり絶望の淵に叩きつけられる。
ロキ、ヘイムダルの死、ソーは行方不明。敗北したハルクは地球へと転送される。

こちらは地球、サンクタム。
ストレンジとウォンの日常のやり取り、クスリと笑えるシーンだが、そこへハルク(=バナー)が空からドーン!

続いて婚約発表したスタークとペッパーの仲睦まじい様子だが、そこに現れるストレンジ、そしてバナー。
風雲、急を告げる。

作戦会議?もそこそこに、遂にサノスの尖兵登場。
否応もなく戦闘開始、ながらもハルクは参戦拒否。敗北が恐怖に変わったか?
代わりにひょっこり現れたのは、親愛なる隣人スパイダーマン。劣勢ではあっても湿っぽくしない、ちょうど良いアクセントになっている。
そうこうしてるうちに浚われるストレンジ、追うアイアンマンとスパイダーマン。

e0033570_23234728.jpg宇宙ではガーディアンズ・オブ・ギャラクシーの面々が、宇宙を漂流中のソーを確保。
ようやくガーディアンズとアベンジャーズに接点が生まれる。
ここでメンバーは二手に分かれる。
ソー、ロケット、グルートはニダベリアへ武器を作りに、クイル、ガモーラ、ドラッグス、マンティスはノーウェアにあるストーンを守りに。

一方、逃避行中のワンダとヴィジョン。そこにもサノスの手が。
その危機に颯爽と駆け付けるのが我らがキャップ、スティーブ・ロジャース!
そしてブラックウィドウとファルコン。
この3人のコンビネーションは素晴らしく、アベンジャーズ側がサノス側を圧倒するのは、実はこのシーンだけ。

キャップ、ウィドウ、ファルコン、それにワンダとビジョンはアベンジャーズ基地へ。
そこでローディ、それにバナーと再会。
ヴィジョンを救うべく、キャップはワカンダ行きを決意。
その頃ワカンダではティ・チャラがバッキーに新しい義手を手渡していた。

アイアンマンとスパイダーマンはドクター・ストレンジの救出に成功、このままタイタン星へ奇襲をかけることに。
そしてワカンダでキャップたちはティ・チャラ(=ブラックパンサー)と合流。
タイタンではクイルたちガーディアンズとアイアンマン、ストレンジ、スパイダーマンが共闘することに…とここまでの展開は実にスムーズ。
この流れが「エンドゲーム」でも持続しているんだろうか。

マスコミ向けの試写も行われ、いよいよ一般公開を待つばかりだ。

<過去記事>

by odin2099 | 2019-04-24 23:24 |  映画感想<ア行> | Trackback | Comments(0)
上映終了が近付いてきたので2回目を鑑賞。
それは同時に「アベンジャーズ/エンドゲーム」の公開が近付いてきた証拠でもあるのだが――。

物語の舞台は1995年。その発端は6年前の1989年。
この前後は<MCU>にとっては何かと忙しい時期でもある。

e0033570_11014900.jpg初代ワスプことジャネット・ヴァン・ダインが量子世界に消え、ハンク・ピムがシールドと袂を分ち、母のメレディスが亡くなった直後にピーター・クイルがヨンドゥ・ウドンタに拉致され、ウィンターソルジャー(バッキー)によってトニーの両親――ハワードとマリアのハワード夫妻が暗殺され、トニーがスターク・インタストリーズのCEOに就任、そしてワカンダのティ・チャカ国王が謀反を企てた弟ウンジョブを粛清、といった具合。

そんな頃にフィル・コールソンはシールドに配属され、一介の捜査官だったニック・フューリーはキャロル・ダンヴァースと出会い、地球が置かれている危機的状況とヒーローの必要性を痛感、アベンジャーズ・プロジェクトを立案したという訳だ。

<MCU>お馴染みのアイテムでは今回、四次元キューブが密かに(?)活躍。
これ、元々はアスガルドにあったようだけれども、いつの間にか北欧に。それをレッドスカルが手に入れ悪事に使っていたものをキャプテン・アメリカが奪取。しかしキャプテンと共に北極海に消え、それをハワード・スタークが回収してシールドが保管、とここまでは合ってる?

その後シールドではセルヴィグ博士が中心になって研究を続けていたが、サノスの命を受けたロキが奪い取りチタウリの軍団を招き寄せたが、最終的にはアベンジャーズが取り戻し今度はアスガルドで保管。
ところがアスガルド崩壊のドサクサでロキが持ち出し、その結果サノスがまんまと手に入れ、指パッチン!

…というのが経緯だけど、ハワードが回収しセルヴィグが研究を始めるまでの間、どうやらキューブは行方不明になってたことがあったことが今回判明。

ウェンディ・ローソン博士ことマー=ベルが、シールドの許可を得てかシールドに依頼されたかで研究してたが、博士の死により研究施設共々行方不明に。それを狙ってきたクリーと、真実に目覚めたキャプテン・マーベルとの奪い合いになったが猫のグースが飲み込み、そして後日吐き出して再びシールドが保管、ということでOK? 紆余曲折だなあ、ちょっと辻褄合わない気もしないでもないけど。

そのグースを文字通り猫可愛がりするニック・フューリーは、今回で従来のキャラクターイメージがガラガラと音を立てて崩壊。しかも以前は格好良いことを言ってた割に、実は片目を失ったのが猫(の姿をしたエイリアンだが)に引っ掛かれた所為だったというのは何ともしまらない。
またイメージ違いと言えば、今回の出演陣の中ではベン・メンデルスゾーンとジュード・ロゥはイメージを逆手に取ったミスリードを誘う面白いキャスティングだったと思う。

キャプテンはキャプテンでも、スティーブ・ロジャースのような謙虚さはまるで持ち合わせてないキャロル・ダンヴァース。
終始上から目線で怖い女か、というとそうは見えないのが不思議。女性キャラ特有の弱さを見せるというシーンもこれといってないのだが、有無を言わせないパワーの持ち主ってことが観客に自然に伝わるからだろうか。
さて、アベンジャーズ合流後、リーダーシップを発揮するのは誰だ?

<過去記事>



by odin2099 | 2019-04-14 11:06 |  映画感想<カ行> | Trackback(1) | Comments(0)
**** ネタバレ注意! ****

<MCU>の21作目、<フェイズ3>の9本目、そして「アベンジャーズ/エンドゲーム」へ向けての最後のピース。

e0033570_23082494.jpg「アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー」 の惨劇から遡ること20年余り、90年代が物語の舞台となっている。
後のシールド長官ニック・フューリーも今はまだ捜査官の一人。頭髪もあれば両目も健在だ。そしてその元には新人捜査官としてフィル・コールソンも配されている。このCGを使っての若返りの技術は年々向上しているようで、違和感は全く感じないほどになっている。

主人公のキャロル・ダンヴァースは元空軍のテストパイロット。6年前に事故に遭い死んだと思われていたが、記憶を失ったところを救い出され、宇宙帝国クリーの特殊部隊スターフォースの一員となっていたが、任務中に地球へと落下。そこでフューリーと知り合い、結果的に行動を共にするうちに自分が地球人だったことを断片的に思い出してゆく。

物語は彼女が本来の自分を取り戻し、秘められた能力を開放して真のヒーローとして目覚めて行く過程を縦軸に、また長年交戦状態にあるクリー帝国とスクラル帝国の争いを如何にして止めるのかを横軸に織りなされている。キャロルは自分の過去を取り戻すだけでなく、自分がこれまでにスクラルとクリーについて教えられてきたことが全部偽りだったことも知ることになる。

e0033570_23084411.jpgかなり好意的な評ばかり目についていたので、期待値をかなり上げて見に行ったせいか、面白かったことは面白かったものの、「<MCU>の最高傑作!」などという声には素直に賛同しかねる結果に。それに猫好きにもオススメとのことだったが、活躍場面もそれほどでも…。

とにかく空を飛び(というか宇宙空間も自在に行き来し)、腕から怪光線を発射するなどキャプテン・マーベルが<MCU>ヒーロー随一のチートっぷりだということと、「インフィニティウォー」のラストでフューリーが取りだした送信機が、キャロルが改造した彼女宛直通のもの(通信範囲は銀河系の2倍とか)だということ、そして流浪のスクラル人のための移住先を探すための旅に出ていたが故に、これまでの<MCU>世界で彼女が不在だったということは十分に伝わった。

本編終了後のポストクレジットシーンは、時代が飛んで「インフィニティ・ウォー」の後。
スティーブ、ナターシャ、ブルース、ローディらはフューリーが残した送信機を確保しメッセージの打電を続けていたのだが、突如その送信が止まる。一体何が起ったのか?その時彼らの前にキャロルが姿を見せる、というものでおそらく「エンドゲーム」の一場面ではないかと思われる。
彼女が「エンドゲーム」でどのような活躍を見せてくれるのか。新しい予告編もお披露目され後一カ月半、ワクワクが止まらない。

【ひとこと】
冒頭いつものマーベルスタジオ・ロゴが始まった?と思わせておいて、これがスタン・リーのトリビュートVer.。なかなか洒落ている。



by odin2099 | 2019-03-16 23:10 |  映画感想<カ行> | Trackback(6) | Comments(0)
<MCU>の20作目で<フェイズ3>では8本目。
「シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ」でキャプテン・アメリカに協力した結果罪に問われ、今は自宅軟禁中。時系列的には「ブラックパンサー」以後「アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー」以前と思われる。
そのため重苦しいトーンで終った「インフィニティ・ウォー」とは違い、前作同様のコミカルテイストは健在。それに物語のスケールが大きすぎないのも良い。

e0033570_23122129.jpg今回も小さくなったり大きくなったり、それもアントマンだけじゃなくパートナーとなるワスプも登場するので大忙し。前作のイエロージャケットのような同じような能力を持つヴィランは出てこないものの、それとは趣の違う相手が出てくるのでアクション面でも飽きさせはしない。

しかし量子の世界に入ったピム博士のラボがあるビルを小型化すると、ピム博士のサイズは一体どういうことになっちゃうんだろう?とちょっと悩んだりもしたが、どうやら細かいことを気にしてはいけないらしい。
また今後の<MCU>では量子世界が一つのキーになるようだが、今回登場したピム博士のかつての同僚のフォスター教授やメインヴィランだったゴーストことエイヴァも再登場する可能性がある、ということなのだろうか。

そのフォスター教授を演じているのがローレンス・フィッシュバーン。<DCFU>でも重要キャラのペリー・ホワイト編集長を演じていたが、今後の作品への出番なしと判断しての<MCU>への移籍?
ただフィッシュバーンの吹替というと石塚運昇のイメージが強かったが、この作品では壤晴彦
何故かなと思っていたのだが、程なく石塚運昇の訃報が届いたので、起用する心づもりがあったとしても叶わなかったのかもしれない。

また前作でも存在だけは語られていたものの、今回が本格的登場となるピム博士の妻でホープの母ジャネットにはこれまた大物のミシェル・ファイファーが起用されており、日本では「たかがマンガ映画」と蔑まされてしまいそうなジャンルムービーが、あちらでは出演することが一つのステイタスと考えられているほど支持を得ていることが羨ましかったり。

そういえば前作の公開直後は、ジャネット役はシャロン・ストーンなんじゃないの?という噂も飛び交っていたが、「氷の微笑」繋がりも悪くないしそれはそれで面白かったかもしれないけれど、ミシェル・ファイファーの方がやはり品がある。

ミッドクレジットシーンはおそらく「インフィニティ・ウォー」のクライマックスと同時期を描いているのだろうが、「トニー・スタークが行方不明」といったニュースは流れていたものの、ワカンダで地球最大の攻防戦が行われていたことは、一般には広く知れ渡ってはいなかったのだろうな。
もし知っていたならスコットのこと、キャップの手助けに行こうとしてただろうから。

<過去記事>



by odin2099 | 2019-03-15 23:14 |  映画感想<ア行> | Trackback | Comments(0)
<MCU>19作目で<フェイズ3>の7本目。
今回、マーベルスタジオのロゴに映し出される”MARVEL STUDIOS”の文字の内、”IO”の部分が”10”に。
「アイアンマン」から始まった<MCU>も十周年ということで期間限定の表記になったようだ。

そして遂に全員集合の「インフィニティ・ウォー」の始まりである。
厳密に言えばホークアイとアントマンは名のみ語られるだけで姿を見せないし、TVドラマやネット配信ドラマの連中も合流しなかったし、アベンジャーズそのものも分裂したままで集結は叶わなかったが、それでもこれまで登場したヒーローたちの殆どは顔を揃えているし、いよいよ来たなというワクワク感は十二分に味わえる。
アベンジャーズ再結成は来たるべき「アベンジャーズ/エンドゲーム」の方に期待しよう。

e0033570_21180508.jpgのっけからソーとハルクの敗北、ヘイムダルとロキの死という絶望感で幕を上げるが、全編に悲壮感が漂うのではなく、主にガーディアンズ・オブ・ギャラクシー絡みではあるものの随所にクスりと出来る場面を散りばめたりで緩急自在。
2時間半の大作ながら飽きたり緩れたりすることなく最後まで引っ張っていく。監督のルッソ兄弟の手腕は大したものだ。

かつて「アベンジャーズ」第一作でのジョス・ウェドン監督の交通整理ぶりに大いに感心させられたものだったが、それを凌駕するかもしれないくらいパッチワークの冴えを見せてくれている。
その腕前が本物かどうかは「エンドゲーム」でハッキリと証明されるだろう。
公開まであと一カ月半、興奮と一抹の淋しさと共に待つことにする。

<MCU>世界のピーター・パーカーはどうやら映画オタクのようで、「シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ」では「スター・ウォーズ/帝国の逆襲」からインスピレーションを得た方法でジャイアントマンを倒したが、今回は「エイリアン」を参考にドクター・ストレンジを救出。
「エイリアン」を製作した20世紀FOXも今じゃディズニー傘下だし、今後も映画ネタは増えるのだろうか。

【ひとこと】
冒頭サノスに襲われ、救難信号を送るアスガルドの宇宙船だが、その時に必死に呼びかけてる声はなんとケネス・ブラナーのものなんだそうな。
豪華なカメオ出演だけれども、これってみんな気付いたのかな?

<過去記事>



by odin2099 | 2019-03-14 21:10 |  映画感想<ア行> | Trackback | Comments(0)
<MCU>18作目で<フェイズ3>としては6本目。
これが「インフィニティ・ウォー」前の最後のピースとなった。
アカデミー賞では作品賞、録音賞、音響編集賞などにノミネートされ、見事に作曲賞、衣装デザイン賞、美術賞を受賞という快挙を成し遂げた。これからの<MCU>は作品としての面白さは当然ながら、中身の質まで問われることになる。

e0033570_13561672.jpg物語はティ・チャカ国王崩御より一週間後から始まる。
晴れてティ・チャラが国王に即位する儀式が行われることになるのだが、世界中をスパイとして飛び回っていたとはいえ、ナキアがそのことを知らなかったというのはちょっと不自然。どこよりも誰よりも早く情報を入手しなければならない立場なはずだが、外部とは一切接触のない潜入捜査中だったから、ということだろうか。

また一度は国王となったティ・チャラだったが、キルモンガーの挑戦を受けて敗北。その後に再戦の末に再度国王として認められるという筋書きだが、どの程度の時間経過があったものやら。
「シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ」の最後でスティーブ・ロジャースがロフト刑務所を襲って仲間たちを開放し、ワカンダに身を寄せたのはおそらくキルモンガーを倒した後のことだろうから、バッキーが凍結され、そして洗脳が解けたと思しき姿で本作のポストクレジットシーンに顔を見せるまでは、案外短期間だったのかも。
シュリ、凄いな。

短期間と言えばCIA捜査官のロス。
「シビル・ウォー」のラストではジモを尋問していたが、本作ではユリシーズ・クロウを追っていてティ・チャラと再会するのだから、新しい任務に就くまでせいぜい数日から数週間といったところ。
色々と忙しいね。

ところで本作にはルピタ・ニョンゴ、フォレスト・ウィテカーそしてアンディ・サーキスが出演しているが、何れも近年の「スター・ウォーズ」出演者。
他にもベニチオ・デル・トロ、ベン・メンデルソーン、マッツ・ミケルセン、ポール・ベタニー、ジョン・ファヴロー等々<SW>と<MCU>両方に出演している俳優は少なくないが、これは偶然なのか、それともディズニーお気に入りの俳優さんということなのだろうか。
更にディズニーアニメの実写版との掛け持ちしている人もチラホラ見受けられるのだけれども…。

<過去記事>



by odin2099 | 2019-03-11 20:50 |  映画感想<ハ行> | Trackback | Comments(0)
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